天才な妹と最強な元勇者

くらげさん

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思い出

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「何がいいかな~」

 ユウカは水着を選びながら楽しそうに声を出す。

「ユウカちゃんはもう決まってるって言ってたよね?」

 リリアはユウカにたずねる。

「でもまだ見てるんだよ~」

 仲良しな五人は今、服屋さんに来ていた。



「えっ! ミミリアさんってお姫様なの!」

「そうだな、私は……」

「ミミリアちゃんはお姫様なんだよ!」

「なにしてんの? お姉ちゃんはあっちで選んでたじゃん」

 ミミリアとミライが水着を選んでる所にユウカが入ってきた。

「僕はもう選んだよ~」

「はやっ! まだ来て30分ぐらいだよ!」

「君達はながいよ~」

「女の子は時間かかるんだよ!」

「僕も女の子だよ!」


 こうして水着選びは着々と進んで……。


「我はこれにしようかの?」

 どうみてもブカブカの水着をフィリアは選ぶ。

「フィリアちゃんは小さいからそんなの入らないよ~」

 ユウカはスクール水着のような物を取ってフィリアに渡す。

「我にもプライドという……」

「決まり~」

「おい~」

 こうして水着選びは着々と進んでいった。




 五人が海に行く日。

「よし、行くよ~」

 馬車に乗り込みユウカが馬の手綱を引く。

「ユウカちゃん、馬を操れるの?」

 リリアはユウカにたずねる。

「これでも闇の勇者だからね!」

「えっ! お姉ちゃん闇の勇者なの!」

 ユウカの言葉にミライが飛び付く。

「うん、劣化勇者じゃないよ本物の勇者だよ。ミライちゃん知らなかったの?」

「知らないよ! なんで教えてくれないの!」

「プレイヤーの人達は知らないのかな? 僕は知ってると思ってたけど」
 
「じゃあさ、じゃあさ、闇の勇者のクリア出来てないクエストの『蛇王竜の鱗』ってのがあるんだけどあのデカイ蛇の鱗ってどうやって取ったの?」

 ユウカが闇の勇者と分かると興奮したようにユウカに質問する。

「思い当たるとすれば不治の病を治す為の材料を集めるってクエストの内容かな?」

「そうそう!」

「プレイヤー達の実力じゃクリアできないかもね、僕は譲って貰ったけど」

「えっ! 譲って貰うの?」

「うん、その時の話をしようか?」

「お願い!」

「あれは薄暗い洞窟だったかな……」



 僕の前には紫の宝石のような鱗を持つ大きな蛇、蛇王竜がいる。

「私の鱗が欲しいと言うのか人族よ」

「うん、譲ってくれないかな?」

「美しい私の鱗より価値のある物を寄越せば交換してやろう」

「わかってないね、僕は譲ってと言ってるんだよ? 交渉じゃない、強制だよ!」

「無礼な人族は生きて返さぬ」

 話は終わりだと言わんばかりに邪王竜は口に付いてるキバでユウカに噛みつこうとする。

「生きて返さぬ? いやいや、壮絶な戦いとか嫌なんだけどな~」

 ユウカは黒のフードの上に這うように水色のオーラを纏う。

『盾の生成』

 ユウカの目の前には半透明な水色の大きな薄い盾が出現する。

 ユウカはさらに薄い『盾』を身体に覆うように展開させていく。

「グァァ!」

 蛇王竜はその盾に噛みついて盾はビキビキと音をたてる。

 蛇王竜の攻撃で盾は今にも壊れそうだ。

 ユウカの目の色が黒から水色に変わる。

 精霊化オーラルフォーゼ

『温度調整』

 ユウカは蛇王竜の頭に飛んで着地。

「弾けろ!」

 ユウカは蛇王竜の頭に触れて叫ぶ。

「グラァァァァ!」

 触れた場所が急激に温度を上げ爆発する。



 それから蛇王竜はユウカが触れる度に重症を負っていく。


「弾け……」

「ま、まて人族よ!」

 もう反撃する力もない蛇王竜はユウカに静止をかける。

「なにかな?」

「そこに落ちている鱗を持って行ってもいいから帰ってくれぬか?」

「わかったよ、ありがとう蛇さん」

「あ、あぁ」

「これ得意じゃないんだけど」

 ユウカは蛇王竜に両手を向ける。

『度重なる歴戦の傷を癒せ』

 蛇王竜の身体を覆うように緑のオーラが出現する。

『ヒーリング』

 時間が経つにつれ回復していく光属性神級魔法。

 蛇王竜の身体は段々と傷が癒え始めた。

「それじゃあ貰っていくね~またね~」

『もう来ないでくれ』


 ユウカはこうして蛇王竜から鱗を譲って貰ったのだった。



「……」

「いい蛇さんだったよ」

「いや、それ無理矢理奪ったのと変わらないよね?」

「ミライちゃん人聞き悪いよ! 譲って貰ったの!」

「お姉ちゃんは昔から変わらないね」

「嬉しい? お姉ちゃんは変わってないよ~」

「今嬉しい気持ちと残念な気持ちが交錯してるよ」

「僕が変わらないでいられたのは剣の勇者のおかげなんだけどね」

「剣の勇者のおかげ?」

「うん、僕は剣の勇者が好きなんだ。助けられた話聞きたい?」

「うん! お姉ちゃんと接点ないと思うんだけどな~ゲームの中だと活躍してた時代が違うし」

「剣の勇者は凄いんだよ~。僕は昔ね、召喚した国に裏切られて……」





 その頃クレスは海で夕日を背に。

『あはははは、ソーダ待てよ~』

 という現実逃避をしていた。

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