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爆剣
しおりを挟む俺は女子寮につくとユウカの案内に従ってユリアの部屋まで行く。
ドンドンと扉を叩くと、ユリアが部屋から出てきた。
『こんな夜になんの御用ですか? クレスさん?』
俺が女子寮に居ることに驚いた顔をするユリア。
「お前を守るためにここへ来た」
「はい? ユウカさんも居るのですか」
ユウカは俺とユリアを遮るように前に出る。
「ここは僕が説明しようか……いや、もうする必要も無いね」
ウーウーと警戒警報のような音が外から大音量で聞こえてくる。
『フィーリオン剣士学園の制服を着た生徒が国に攻撃を仕掛けています、戦える者は拘束をお願いします』
アナウンスも慌ただしい様子で放送を流す。
「クレスさん早く行かないといけませんね!」
俺の手を取り、ユリアは走って生徒の拘束に向かう。
フィーリオン剣士学園を出ると至る所で火の手が上がっていた。
これをフィーリオンの学生がやったのか? 人を操る力か……。
すぐにでもリリアを助けたいが、リリアの守りたいものがフィーリオンには沢山あるだろう。
それを守るのもお兄ちゃんとしては優先させないといけない。
でも。
俺がその場で立ち止まるとユウカが声をかける。
『大丈夫、ユウカちゃんがコッチにいる限りリリアちゃんは無事だよ』
俺はユウカの声で頭を切り替える。
まずはすぐにでもこの状況を片付ける。
「あぁ、ユウカ……ユリアを任せた、俺は一人の方が殲滅しやすい」
「わかったよ、ユリアちゃんは任せて」
俺達は二手に別れて、まず制圧に向かった。
フィーリオンの家は燃え、至る所が崩壊している。
ユリアとユウカはそんな現場を見ながら国中で魔法を放ちながら暴れている生徒達を止めていく。
生徒達は少しの攻撃では怯む様子もなく、死を恐れてないかのように向かってくるのだ。
拘束しようとしてるユリア達では相当にやりづらい相手だと言えるだろう。
しかも意志がハッキリとしている事がなお質が悪い。
生徒達を気絶させてから拘束する、何十人と相手した後に二人は一息つく。
ユリア達は生徒達が怪我する事を恐れて剣は使っていない。
ユリアはユウカに声をかける。
「あらかた終わりましたかね」
「う~ん、どうだろうね」
二人が足を止めた瞬間を狙ったかのように地面が抉れマグマのようなドロっとした炎が二人を襲う。
ユウカが呪文を口ずさむ。
『聖水の加護を持つ水は真紅を清める』
水と光の複合魔法。
『ウィルバーン』
光輝く水がマグマの表面を覆って弾ける。
『天空の光よ、僕に力を貸して』
ユウカの手には透明な剣が。
『血統解放リミテッド・アビリティー』
ユリアの手には金色のオーラを放つ黒剣が握られている。
男が一人、二人の前に立ちはだかる。
『やっとだ、やっと見つけた神の子』
赤髪が逆立ち、オールバックのように纏めている男。
目を引くのは二つの剣、赤と白銀の膨大な二色のオーラが垂れ流しで注がれ続けている。
「あんな雑魚どもに任せてもやっぱり無理だよな、お前のような強いやつを捕えるために俺が協力してるんだから」
ユリアが赤髪の男に言葉をかける。
「貴方は?」
「俺か……俺は剣の勇者と最強の名をかけて戦った者とでも言えばそこの闇の勇者ならわかんじゃねぇか」
ユウカは男に視線を注がれると呟く。
『レニウス・ゴミラル』
「さすが闇の勇者、俺の名前を即答かよ」
「でも君は剣の勇者に敗北した」
「そう! あんな卑怯な手を使わなければな、だから俺は剣の勇者と同じ力を使える神の子を探してたんだ! 俺が最強だったと証明するために」
「卑怯な手?」
ユリアの持つ黒剣を見ながら怒気を強める。
「忌々しいその黒剣を見ると思い出す!」
それは濃密な殺気になり二人を包む。
『殺してやる、さっさと剣の勇者の力を使え』
今まで相手にした事がない殺気、だがユリアは退かない。
「いいでしょう」
レニウスは臨戦態勢に入る。
ユリアは白銀のオーラルを纏うと瞳は金色に輝き精霊化を発動させる。
『スタイル【クレス・フィールド】』
「もういない剣の勇者に代わって、お前で昔の再現をしてやるよ!」
ユリアはユウカが剣を構えるのを見て、静止の声をかける。
「ユウカさん、ここは私に任せて頂きたいです。何故か譲れない戦いのような気がします」
ユウカはユリアの意志を汲み取ると透明な剣は空中に溶け。
「わかったよ」
ユウカは二人から離れる。
ユリアは黒剣をレニウスに向けると一言紡ぐ。
『手加減は出来ませんよ、かかってきなさい』
『本当に似てるな、そっくりだ!』
レニウスの剣は爆音を轟かせながら振るわれる。
至ってユリアの剣はただ静かに振るわれる。
最強の名を欲した者と最強の名を冠した者の剣技。
二人の剣が交差した。
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