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こんな時にも世界は動く
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なにか冷たいものが頬に当たって気が付くと、やけに高い所にある実家の天井が見えた。
「よかった……浅賀君!」
目にいっぱいの涙を溜めた岬さんが、僕を見下ろしている。顔が逆さなのは何でかと思ったら、膝枕をしてくれているのだった。
慌てて、一発で跳ね起きる。
「も、もう大丈夫だいじょうぶ大丈夫!」
そう叫んだけど、全然大丈夫じゃなかった。大きな声を出したせいか、頭がくらっとして目が回り、再び畳の上へ仰向けに倒れる。
「セーフ!」
二つに折った座布団を滑り込ませたのは、ヨウコだった。そこへ、親父とオフクロが何だ何だと駆け込んでくる。二人して僕と岬さんを交互に見比べた。
「いつの間に……?」
ということは、誰がどうやって僕を連れてきたのか、見た者はないということだ。近所の人が見ていたら、今ごろ死ぬか生きるかの大騒ぎになっていただろう。
たぶん、ヨウコが助けてくれたのだ。
すると、岬さんはそれを見ている……いや、化かされたのか?
「ごめん……」
2人の女の子が同時に謝ったので、僕はどっちに答えていいのか分からなくなった。
とりあえず、泣いていた岬さんに返事をする。
「岬さん、悪くないよ」
「そうじゃない、そうじゃないの……」
何を言ってるのか、さっぱり分からない。困り果てて目をそらした先では、ヨウコが申し訳なさそうに縮こまっている。こっちも何でか見当もつかないが、そこでふと思い出したことがあった。
「何でお前が……?」
時間帯からして、ほぼ日中全て入れたバイトのシフトはまだ終わっていないはずだ。どうして、ここにいられるのか?
ヨウコはきまり悪そうにうつむいて答える。
「バスで……」
姿を消してタダ乗りしてきたらしい。そういう問題ではないのだが、それに加えて別の声が答えた。
「そうよね、私、帰る……」
岬さんは僕の言葉を誤解したようだった。ほぼ同時に、ヨウコが重たそうに口を開く。
「ごめん……バイト、クビに」
そんなことだろうと思った。僕はどっちにも、同じ言葉で答えた。
「いいんだよ……いいんだよ、別に」
岬さんもヨウコもいっぺんに泣きだしたので、僕は大いに困った。それは両親も同じことだったようで、親父は困ったような顔でどこぞへ引っ込み、オフクロは岬さんをおろおろとなだめていた。
ヨウコだけがうずくまって、独りで泣いていた。その様子はしおらしくて、けっこう可愛かった。
だが、あまりに大泣きしたせいか、そこでまずいことが起こった。
オフクロが岬さんをなだめる手を止めて、ヨウコの背中をじっと見ている。
「やばっ……」
僕はその一点に飛びついた。ハーフパンツのゴムがずれて、そこから狐色の尻尾が現れている。オフクロはきょとんとして、僕をじろじろ見ていた。
それでも、ヨウコの姿は見えなかったらしい。いや、ヨウコが姿を消したというべきか。いずれにせよ、オフクロはやがて、ドスの利いた声で僕を叱り飛ばした。
「何してんの、ドタバタできる身体のくせに大げさな……見なさい、こんなに心配して、可愛そうに……!」
だが、そう言われた岬さんは、かえって恐縮したみたいだった。涙を拭きながら立ち上がって、襖を開けたすぐそばにある玄関に下りた。
「いいえ、もう帰ります、あんまり遅いと家に心配かけるので」
決して、「親に」とは言わない辺りは、無理もないことだった。だが、オフクロには何か伝わるものがあったのだろう。
「待ちなさい……ちょっと早いけど、夕ご飯くらい食べて行きなさい」
椎茸の味噌汁にタケノコの煮ものと焼きサバとというよく分からない取り合わせの夕食には、故郷が感じられた。粗食で済ませるつもりが、突然の客に慌てて、ありあわせの動物性蛋白質食品を出したといったところだろう。
それが原因ではないのだろうが、やっぱり、岬さんの食は細かった。あの山道を神社まで登りきる体力をどうやって絞り出しているのかと思うくらいだった。
その傍で、僕は黙々と箸を動かした。今日のことを考えると、気まずくて何も言えなかったのだ。親父も若い女の子に慣れていないのか、照れ臭そうに黙っていた。オフクロだけが学校のことをうるさく訪ねてきたが、僕も岬さんも「はい」と「いいえ」と「わかりません」しか答えなかった。
食い意地が張っていてよく喋るヨウコはというと、どうしたわけか夕食の場に顔を出さなかった。そもそも椅子がないし、実家の食卓では、人がごった返すバイト先のまかないみたいに、膝の上に乗せて犬食い……狐食いさせるわけにもいかない。
だから、話題の尽きたオフクロが黙り込んでしまうと、あとは何となく点けたテレビから夕方のニュースが流れるだけだった。
「反政府側の攻撃を受けた政府軍への支援が表明され、同盟国に……」
また、軍が海外へ出ていくのだ。こうなると、大きなトレーラーやトラックが国道を数珠つなぎに走るようになって、なかなか一般車両やバスが走れなくなる。
それは親父も分かっているみたいだった。
「もう、帰りなさい、明日は学校だろう」
その頃には、岬さんも何とか食事を済ませられるくらいの時間は経っていた。食卓に手を合わせて立ち上がるのを追いかけるようにして、僕も席を立った。
台所を出たところにある電話には、デカデカと僕のスマホの携帯番号が書いてある。岬さんを送っていく途中でかかってこないことを祈った。
玄関を出たあとに、ふと傍らを見ると、いつの間にかヨウコがトコトコ歩いている。ついてくるなと言ってもムダだろうし、それを岬さんに聞かれて、また誤解されてもいけない。僕は黙って歩きつづけた。
でも、岬さんから話しかけられたら、答えないわけにはいかない。
「今日は、ありがと」
何に感謝されているのか、よく分からない。だいたい、この一日、いろんなことがあった。敷居のまたげない実家に来て、子どもの頃に行ったきりの稲荷神社まで山登りして、向坂が追いかけてきて、気を失って……。
どれか分からなかったから、僕を見上げてるはずのヨウコがどんな顔をしているか、ちらっと見てみた。
珍しく、うつむいていた。
「別に、そんな」
仕方がないので、とりあえず当たり障りのない返事をしておいた。それで終わりならよかったんだけど、岬さんの一言で、いちばんつらい話題が来たってことが分かった。
「向坂さん、本当はああいう人じゃないんだけど」
そっちかよ……。
どうリアクションを返していいか分からなくて、ヨウコが何か言わないかじっと待ってみた。でも、一言も返ってこない。
そこで思いついた返事は、世間一般ではどう言われるか分からないけど、僕にとっては最低だった。
「そのくらい……由良さんが」
あっちのフォローしてどうすんだ、と思った。いや、あれはもしかすると向坂じゃなくて、僕の気持ちを伝えようとしていたのかもしれない。
どっちにせよ、岬さんからは、はっきりした答えはもらえなかった。
「そういうの、よく分からなくって……どうしよう?」
それは、図書館で聞いたのと同じ響きの相談だった。はっと息を呑んだ瞬間、その時に頭の中で聞いた言葉が、声となって蘇った。
ヨウコは、何も言わない。返事は僕次第ということなのだろう。
「断っちゃえよ」
岬さんは目を瞬かせた。夕日が、山の端にかかっている。やがて、それが沈む最後の一瞬だけ放つ光の中に、清々しい笑顔が見えた。
「はっきり言うね」
どんな顔して言っているのか、もう薄暗くて分からない。ただ、その言葉の響きは、弾んだものにも聞き取れた。その勢いに乗って、僕は思い切って口を開いた。
「だって、僕……」
なぜか、その先は言えなかった。ヨウコがどんな目で見ているか気になった。でも、ここまで言った以上、岬さんから目をそらすわけにはいかなかった。
「待って……バス、来た」
実家よりも更に奥から下りてきたバスのヘッドライトが2つ、すぐ目の前に迫っていた。僕たちのすぐ目の前で乗降口が開く。岬さんが先に乗り込んだ。
「待ってよ」
荷物は全部実家に置いてきたけど、そんなこと構わない。僕は後を追ってバスのステップに足をかけたけど、岬さんはそこから動かなかった。
「ごめんね……私のために、バイト」
その言葉で、僕の足は止まった。胸がズキンと痛んで、目の前でバスのドアが閉まる。
苦しい息の中で、僕は遠ざかっていくバスのテールランプを見ながら、なぜ岬さんを追いかけられなかったのか考えていた。
「よかった……浅賀君!」
目にいっぱいの涙を溜めた岬さんが、僕を見下ろしている。顔が逆さなのは何でかと思ったら、膝枕をしてくれているのだった。
慌てて、一発で跳ね起きる。
「も、もう大丈夫だいじょうぶ大丈夫!」
そう叫んだけど、全然大丈夫じゃなかった。大きな声を出したせいか、頭がくらっとして目が回り、再び畳の上へ仰向けに倒れる。
「セーフ!」
二つに折った座布団を滑り込ませたのは、ヨウコだった。そこへ、親父とオフクロが何だ何だと駆け込んでくる。二人して僕と岬さんを交互に見比べた。
「いつの間に……?」
ということは、誰がどうやって僕を連れてきたのか、見た者はないということだ。近所の人が見ていたら、今ごろ死ぬか生きるかの大騒ぎになっていただろう。
たぶん、ヨウコが助けてくれたのだ。
すると、岬さんはそれを見ている……いや、化かされたのか?
「ごめん……」
2人の女の子が同時に謝ったので、僕はどっちに答えていいのか分からなくなった。
とりあえず、泣いていた岬さんに返事をする。
「岬さん、悪くないよ」
「そうじゃない、そうじゃないの……」
何を言ってるのか、さっぱり分からない。困り果てて目をそらした先では、ヨウコが申し訳なさそうに縮こまっている。こっちも何でか見当もつかないが、そこでふと思い出したことがあった。
「何でお前が……?」
時間帯からして、ほぼ日中全て入れたバイトのシフトはまだ終わっていないはずだ。どうして、ここにいられるのか?
ヨウコはきまり悪そうにうつむいて答える。
「バスで……」
姿を消してタダ乗りしてきたらしい。そういう問題ではないのだが、それに加えて別の声が答えた。
「そうよね、私、帰る……」
岬さんは僕の言葉を誤解したようだった。ほぼ同時に、ヨウコが重たそうに口を開く。
「ごめん……バイト、クビに」
そんなことだろうと思った。僕はどっちにも、同じ言葉で答えた。
「いいんだよ……いいんだよ、別に」
岬さんもヨウコもいっぺんに泣きだしたので、僕は大いに困った。それは両親も同じことだったようで、親父は困ったような顔でどこぞへ引っ込み、オフクロは岬さんをおろおろとなだめていた。
ヨウコだけがうずくまって、独りで泣いていた。その様子はしおらしくて、けっこう可愛かった。
だが、あまりに大泣きしたせいか、そこでまずいことが起こった。
オフクロが岬さんをなだめる手を止めて、ヨウコの背中をじっと見ている。
「やばっ……」
僕はその一点に飛びついた。ハーフパンツのゴムがずれて、そこから狐色の尻尾が現れている。オフクロはきょとんとして、僕をじろじろ見ていた。
それでも、ヨウコの姿は見えなかったらしい。いや、ヨウコが姿を消したというべきか。いずれにせよ、オフクロはやがて、ドスの利いた声で僕を叱り飛ばした。
「何してんの、ドタバタできる身体のくせに大げさな……見なさい、こんなに心配して、可愛そうに……!」
だが、そう言われた岬さんは、かえって恐縮したみたいだった。涙を拭きながら立ち上がって、襖を開けたすぐそばにある玄関に下りた。
「いいえ、もう帰ります、あんまり遅いと家に心配かけるので」
決して、「親に」とは言わない辺りは、無理もないことだった。だが、オフクロには何か伝わるものがあったのだろう。
「待ちなさい……ちょっと早いけど、夕ご飯くらい食べて行きなさい」
椎茸の味噌汁にタケノコの煮ものと焼きサバとというよく分からない取り合わせの夕食には、故郷が感じられた。粗食で済ませるつもりが、突然の客に慌てて、ありあわせの動物性蛋白質食品を出したといったところだろう。
それが原因ではないのだろうが、やっぱり、岬さんの食は細かった。あの山道を神社まで登りきる体力をどうやって絞り出しているのかと思うくらいだった。
その傍で、僕は黙々と箸を動かした。今日のことを考えると、気まずくて何も言えなかったのだ。親父も若い女の子に慣れていないのか、照れ臭そうに黙っていた。オフクロだけが学校のことをうるさく訪ねてきたが、僕も岬さんも「はい」と「いいえ」と「わかりません」しか答えなかった。
食い意地が張っていてよく喋るヨウコはというと、どうしたわけか夕食の場に顔を出さなかった。そもそも椅子がないし、実家の食卓では、人がごった返すバイト先のまかないみたいに、膝の上に乗せて犬食い……狐食いさせるわけにもいかない。
だから、話題の尽きたオフクロが黙り込んでしまうと、あとは何となく点けたテレビから夕方のニュースが流れるだけだった。
「反政府側の攻撃を受けた政府軍への支援が表明され、同盟国に……」
また、軍が海外へ出ていくのだ。こうなると、大きなトレーラーやトラックが国道を数珠つなぎに走るようになって、なかなか一般車両やバスが走れなくなる。
それは親父も分かっているみたいだった。
「もう、帰りなさい、明日は学校だろう」
その頃には、岬さんも何とか食事を済ませられるくらいの時間は経っていた。食卓に手を合わせて立ち上がるのを追いかけるようにして、僕も席を立った。
台所を出たところにある電話には、デカデカと僕のスマホの携帯番号が書いてある。岬さんを送っていく途中でかかってこないことを祈った。
玄関を出たあとに、ふと傍らを見ると、いつの間にかヨウコがトコトコ歩いている。ついてくるなと言ってもムダだろうし、それを岬さんに聞かれて、また誤解されてもいけない。僕は黙って歩きつづけた。
でも、岬さんから話しかけられたら、答えないわけにはいかない。
「今日は、ありがと」
何に感謝されているのか、よく分からない。だいたい、この一日、いろんなことがあった。敷居のまたげない実家に来て、子どもの頃に行ったきりの稲荷神社まで山登りして、向坂が追いかけてきて、気を失って……。
どれか分からなかったから、僕を見上げてるはずのヨウコがどんな顔をしているか、ちらっと見てみた。
珍しく、うつむいていた。
「別に、そんな」
仕方がないので、とりあえず当たり障りのない返事をしておいた。それで終わりならよかったんだけど、岬さんの一言で、いちばんつらい話題が来たってことが分かった。
「向坂さん、本当はああいう人じゃないんだけど」
そっちかよ……。
どうリアクションを返していいか分からなくて、ヨウコが何か言わないかじっと待ってみた。でも、一言も返ってこない。
そこで思いついた返事は、世間一般ではどう言われるか分からないけど、僕にとっては最低だった。
「そのくらい……由良さんが」
あっちのフォローしてどうすんだ、と思った。いや、あれはもしかすると向坂じゃなくて、僕の気持ちを伝えようとしていたのかもしれない。
どっちにせよ、岬さんからは、はっきりした答えはもらえなかった。
「そういうの、よく分からなくって……どうしよう?」
それは、図書館で聞いたのと同じ響きの相談だった。はっと息を呑んだ瞬間、その時に頭の中で聞いた言葉が、声となって蘇った。
ヨウコは、何も言わない。返事は僕次第ということなのだろう。
「断っちゃえよ」
岬さんは目を瞬かせた。夕日が、山の端にかかっている。やがて、それが沈む最後の一瞬だけ放つ光の中に、清々しい笑顔が見えた。
「はっきり言うね」
どんな顔して言っているのか、もう薄暗くて分からない。ただ、その言葉の響きは、弾んだものにも聞き取れた。その勢いに乗って、僕は思い切って口を開いた。
「だって、僕……」
なぜか、その先は言えなかった。ヨウコがどんな目で見ているか気になった。でも、ここまで言った以上、岬さんから目をそらすわけにはいかなかった。
「待って……バス、来た」
実家よりも更に奥から下りてきたバスのヘッドライトが2つ、すぐ目の前に迫っていた。僕たちのすぐ目の前で乗降口が開く。岬さんが先に乗り込んだ。
「待ってよ」
荷物は全部実家に置いてきたけど、そんなこと構わない。僕は後を追ってバスのステップに足をかけたけど、岬さんはそこから動かなかった。
「ごめんね……私のために、バイト」
その言葉で、僕の足は止まった。胸がズキンと痛んで、目の前でバスのドアが閉まる。
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