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18・霊廟
国を挙げたクレマン様の葬儀に参列したサジテール侯爵家と男爵家の主だった面々が捕まり、証拠を元に処罰された。
父と義母、異母弟は処刑されて、もうこの世にいない。
私はその直前に正式なヴィエルジ女伯爵となっていたので、彼らとは無関係とされた。ジェモー子爵家もご子息のバティスト様もセリア様との関係は捜査のためだったということで、罪は免れている。セリア様も処刑された。彼女の本当の恋人は異母弟だったようだ。
男爵領は王家によって没収されたが、サジテール侯爵家の領地と財産は陰謀に関わっていなかった分家が継ぐことになった。
私が死に戻る前のときと同じである。
この陰謀に他国の介入がなかったのが唯一の救いだ。
ヴィエルジ女伯爵となった私とクレマン様の婚約は手紙で言われていた通り、ジェモー子爵子息バティスト様と同じく捜査の一部だったのだと発表されたけれど──私は、ポール王太子殿下の婚約者には戻らなかった。
死に戻る前、男爵令嬢セリア様を娶るために形だけの王妃になれと言われたときは頷いたのに、今回は受け入れることができなかった。
クレマン様に恋していたと言い切ることはできない。だけど、胸に燻る小さな想いを無視してポール殿下の婚約者に戻ることはできなかった。
「……なのに……」
夜遅く、クレマン様に遺された王都の屋敷を訪ねてきたポール王太子殿下を前にして、私は溜息をついた。
「私達はもう婚約者でもなんでもないのですよ? こんな夜更けに未婚の女性の家を訪れてはいけません!」
「そう言うな」
殿下が苦み走った笑みを浮かべる。
クレマン様が亡くなってから、殿下は以前の少年のような表情を浮かべなくなった。
どんなに笑っていても、どこか寂しげな雰囲気がある。
「そなたは今の学年が終わったら、魔術学院を退学してヴィエルジ伯爵領へ行くのだろう?」
「はい。長い間代官に任せきりで、前の管理者が税率を上げる一方でしたから。恩知らずではありますが、王妃教育で教えていただいたことを活かして伯爵領を建て直したいと思っております」
「自領を富ませるのも王国への忠誠の形だ。そなたの忠義、嬉しく思う。……だが」
ポール王太子殿下が、腰の鞘から剣を抜いた。
酷く古い剣だ。しかし錆などはなく、美しく磨き抜かれていた。
その剣が淡く光る。
「そなたは先日、俺は瞳に魔力を集めて威圧する魔術を持っているのではないか、と言ってくれたな」
「……はい」
まだ一カ月と少ししか経っていないのに、随分昔のことのように思える。
「クレマンは己の瞳で他者の心の色を見る魔術を持っていた。属性は光だ」
魔術には属性がある。
私の場合は、そのまま風属性だ。
「瞳に関する魔術は英雄王がお持ちだった魔術と同じ光属性だ。つまり、俺の魔術も光属性ということ。英雄王と同じように聖剣を光り輝かせられるかと思ってな。しばらく鍛練していたらできるようになった」
「もしかして、その剣は」
「ああ。クレマンが持ち帰ってくれた聖剣だ。アイツは……これで自分の首を斬って、不死者に血を捧げて事切れていた」
「……」
「不死者の骸には傷はなかったが、着ていた死に装束には剣の跡が残っていた。クレマンは一度不死者の心臓に聖剣を突き立てたものの、倒すことができなかったので自分の血を捧げたのだろう。……そなたに言われて思いついてから、ずっと普通の剣で鍛練を続けていた。クレマンが俺に相談してくれてさえいれば、ともに不死者を倒せたかもしれぬ」
「白い貴婦人を倒しに行かれるおつもりなのですか?」
「クレマンの弔い合戦だ。ドリアーヌ、そなたも来い」
差し出された大きな手を──私は取った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
中庭の霊廟にふたりで入る。
空気が冷たい。うっすらと黴の匂いがした。
ポール王太子殿下が持っている光り輝く聖剣が辺りを照らす。
ふたつの棺が並んでいる。奥にあるのが英雄王、手前にあるのがお妃様のものだ。
綺麗に拭き取られたのだろう。クレマン様の血の跡は残っていない。
聖剣を手にしたまま、ポール王太子殿下が石の棺の重たそうな蓋を動かす。
中に眠るのは白い貴婦人。
英雄王の時代からだと何十年何百年も経っているのに、彼女はただ眠っているだけのように見えた。死に戻る直前の記憶が蘇る。
「……」
「大丈夫か、ドリアーヌ」
「大丈夫です」
遠く深く暗い場所へ落ちていった感覚が全身を覆う。
私はお守り代わりに持って来たエメラルドのリボンを握り締めて、殿下の行動を見守った。
もし殿下が白い貴婦人を倒せなかったとしても、先日クレマン様の血を捧げられたばかりの彼女が動き出すことはない。ないはずだ。
光り輝く聖剣が白い貴婦人の胸を貫く。
血があふれ出すことも、閉じられた瞳が開くこともなかった。
「……首も落としておくか。いや、四肢を切り離せば動くこともできまい」
殿下がもう一度光り輝く聖剣を振り上げたとき、
「ポール殿下、危ないっ!」
「ドリアーヌ?」
白い貴婦人を見つめていた彼は気づいていなかったけれど、背後から全体を見ていた私にはわかった。
英雄王の棺の蓋がずれ、中から白い霧が漂い出したことが。
私に使えるささやかな風の魔術で白い霧を押し返す。
殿下に抱きついたのは、棺の蓋が撥ね退けられて、中から骨と皮だけになった骸が立ち上がったときだ。
骸は眼球の無い眼窩を殿下に向けて、低い声を響かせる。
『……我がカロルに触れるな、マティユの子よ……』
「英雄王?」
「殿下!」
再びの婚約は受け入れられなかったけれど、家臣として幼なじみとして、彼のことを守りたい。
逞しい殿下を押し退けることはできなかったので、抱きついて肉の盾になる。
骸の手が私に触れた。生命が吸い取られていく。死に戻る前、白い貴婦人の指に触れられたときと同じ、まったく同じ感覚だ。あのときも本当は、彼女の遺体を通じて英雄王の骸が命を吸い取っていたのかもしれない。
体から力が抜ける。
遠く深く暗い場所へ落ちていく。
薄れていく私の頭に浮かぶのは──
「ドリアーヌ!」
だれかの声が、した。
父と義母、異母弟は処刑されて、もうこの世にいない。
私はその直前に正式なヴィエルジ女伯爵となっていたので、彼らとは無関係とされた。ジェモー子爵家もご子息のバティスト様もセリア様との関係は捜査のためだったということで、罪は免れている。セリア様も処刑された。彼女の本当の恋人は異母弟だったようだ。
男爵領は王家によって没収されたが、サジテール侯爵家の領地と財産は陰謀に関わっていなかった分家が継ぐことになった。
私が死に戻る前のときと同じである。
この陰謀に他国の介入がなかったのが唯一の救いだ。
ヴィエルジ女伯爵となった私とクレマン様の婚約は手紙で言われていた通り、ジェモー子爵子息バティスト様と同じく捜査の一部だったのだと発表されたけれど──私は、ポール王太子殿下の婚約者には戻らなかった。
死に戻る前、男爵令嬢セリア様を娶るために形だけの王妃になれと言われたときは頷いたのに、今回は受け入れることができなかった。
クレマン様に恋していたと言い切ることはできない。だけど、胸に燻る小さな想いを無視してポール殿下の婚約者に戻ることはできなかった。
「……なのに……」
夜遅く、クレマン様に遺された王都の屋敷を訪ねてきたポール王太子殿下を前にして、私は溜息をついた。
「私達はもう婚約者でもなんでもないのですよ? こんな夜更けに未婚の女性の家を訪れてはいけません!」
「そう言うな」
殿下が苦み走った笑みを浮かべる。
クレマン様が亡くなってから、殿下は以前の少年のような表情を浮かべなくなった。
どんなに笑っていても、どこか寂しげな雰囲気がある。
「そなたは今の学年が終わったら、魔術学院を退学してヴィエルジ伯爵領へ行くのだろう?」
「はい。長い間代官に任せきりで、前の管理者が税率を上げる一方でしたから。恩知らずではありますが、王妃教育で教えていただいたことを活かして伯爵領を建て直したいと思っております」
「自領を富ませるのも王国への忠誠の形だ。そなたの忠義、嬉しく思う。……だが」
ポール王太子殿下が、腰の鞘から剣を抜いた。
酷く古い剣だ。しかし錆などはなく、美しく磨き抜かれていた。
その剣が淡く光る。
「そなたは先日、俺は瞳に魔力を集めて威圧する魔術を持っているのではないか、と言ってくれたな」
「……はい」
まだ一カ月と少ししか経っていないのに、随分昔のことのように思える。
「クレマンは己の瞳で他者の心の色を見る魔術を持っていた。属性は光だ」
魔術には属性がある。
私の場合は、そのまま風属性だ。
「瞳に関する魔術は英雄王がお持ちだった魔術と同じ光属性だ。つまり、俺の魔術も光属性ということ。英雄王と同じように聖剣を光り輝かせられるかと思ってな。しばらく鍛練していたらできるようになった」
「もしかして、その剣は」
「ああ。クレマンが持ち帰ってくれた聖剣だ。アイツは……これで自分の首を斬って、不死者に血を捧げて事切れていた」
「……」
「不死者の骸には傷はなかったが、着ていた死に装束には剣の跡が残っていた。クレマンは一度不死者の心臓に聖剣を突き立てたものの、倒すことができなかったので自分の血を捧げたのだろう。……そなたに言われて思いついてから、ずっと普通の剣で鍛練を続けていた。クレマンが俺に相談してくれてさえいれば、ともに不死者を倒せたかもしれぬ」
「白い貴婦人を倒しに行かれるおつもりなのですか?」
「クレマンの弔い合戦だ。ドリアーヌ、そなたも来い」
差し出された大きな手を──私は取った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
中庭の霊廟にふたりで入る。
空気が冷たい。うっすらと黴の匂いがした。
ポール王太子殿下が持っている光り輝く聖剣が辺りを照らす。
ふたつの棺が並んでいる。奥にあるのが英雄王、手前にあるのがお妃様のものだ。
綺麗に拭き取られたのだろう。クレマン様の血の跡は残っていない。
聖剣を手にしたまま、ポール王太子殿下が石の棺の重たそうな蓋を動かす。
中に眠るのは白い貴婦人。
英雄王の時代からだと何十年何百年も経っているのに、彼女はただ眠っているだけのように見えた。死に戻る直前の記憶が蘇る。
「……」
「大丈夫か、ドリアーヌ」
「大丈夫です」
遠く深く暗い場所へ落ちていった感覚が全身を覆う。
私はお守り代わりに持って来たエメラルドのリボンを握り締めて、殿下の行動を見守った。
もし殿下が白い貴婦人を倒せなかったとしても、先日クレマン様の血を捧げられたばかりの彼女が動き出すことはない。ないはずだ。
光り輝く聖剣が白い貴婦人の胸を貫く。
血があふれ出すことも、閉じられた瞳が開くこともなかった。
「……首も落としておくか。いや、四肢を切り離せば動くこともできまい」
殿下がもう一度光り輝く聖剣を振り上げたとき、
「ポール殿下、危ないっ!」
「ドリアーヌ?」
白い貴婦人を見つめていた彼は気づいていなかったけれど、背後から全体を見ていた私にはわかった。
英雄王の棺の蓋がずれ、中から白い霧が漂い出したことが。
私に使えるささやかな風の魔術で白い霧を押し返す。
殿下に抱きついたのは、棺の蓋が撥ね退けられて、中から骨と皮だけになった骸が立ち上がったときだ。
骸は眼球の無い眼窩を殿下に向けて、低い声を響かせる。
『……我がカロルに触れるな、マティユの子よ……』
「英雄王?」
「殿下!」
再びの婚約は受け入れられなかったけれど、家臣として幼なじみとして、彼のことを守りたい。
逞しい殿下を押し退けることはできなかったので、抱きついて肉の盾になる。
骸の手が私に触れた。生命が吸い取られていく。死に戻る前、白い貴婦人の指に触れられたときと同じ、まったく同じ感覚だ。あのときも本当は、彼女の遺体を通じて英雄王の骸が命を吸い取っていたのかもしれない。
体から力が抜ける。
遠く深く暗い場所へ落ちていく。
薄れていく私の頭に浮かぶのは──
「ドリアーヌ!」
だれかの声が、した。
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