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19・村長さんのお仕事
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「え? こんなにいただいて良いんですか?」
村長さんの家でヴェノムラビット素材の料金を受け取って、私は目を丸くした。
この前の十倍近くある。
剥ぎ取り済みだったからかな? 首を傾げる私に、村長さんが言う。
「良いんです。前回の不足分も含めておりますから。あのときは村の予算が無くて、あんなはした金で失礼いたしました」
「気にしないでください。こちらは早急にお金が必要だったので、すぐに買っていただけて助かりました。あのときいただいた鞄も愛用させてもらってるんですよ」
なにしろ我がニュイ魔王国には貨幣がないので。
王都の大門の通行料として竜の鱗は出せないでしょ。
あ。竜の鱗と引き換えに、行商人エルフのトムにジュルネ王国のお金を持ってきてもらえば良かったかな。
「そう言っていただけるとありがたいです。前回のヴェノムラビットの血で作った解毒剤を辺境伯様が高額で買い取ってくださいましたので、今回はこうして適正価格をお支払いできるようになりました」
「血液を売ったんじゃなくて、この村で解毒剤を作ったんですか?」
「はい。私の魔力には『浄化』の効果がございますので」
「じゃあ村長さんは炎属性なんですね! 実は私もそうなんですよ」
ナカーマ( ´∀`)人(´∀` )。
この世界では持っている魔力属性が髪や瞳の色に影響する。
村長さんのオレンジがかった茶髪は炎属性の証なのかな。まあ人間の場合だと、よほど魔力が強くない限り遺伝のほうが優先されるんだけど。
「いいえ、私の魔力属性は……炎属性の魔力だったなら、十八年前に先々代の『拳の聖女』様を犠牲にしなくても……」
「……村長さん?」
私の言葉を否定した後、悲しげに俯いていた村長さんが顔を上げる。
「なんでもありません。はは、それより良かったらヴェノムラビットの肉で作った串焼きをお食べになりませんか? もちろん解毒済みです」
「ありがとうございます、いただきます!」
お肉ばっかりは嫌だけどー、お肉が嫌いなわけじゃないのよー♪
私達は村長さんの家を出た。
王都方向に面した村の入り口近くにヴェノムラビット肉の串焼きの屋台が見える。辺境伯領で狩られたヴェノムラビットの肉もこの村で引き取って、串焼き肉をこの村の名物にしていく予定だという。
「観光地化を目標に村の道に沿って街灯を設置しようと思ってまして、先ほどは門番と村の地理について話していたのですよ」
「いいですね。この村、とっても綺麗ですもん。建物に壊れたところもないし、ゴミも落ちてなくて水回りも清潔で。住んでる方の心根が良いんですね。観光地向きですよ」
「ありがとうございます。……建物が壊れているとそこから入り込んできますし、不衛生だと奴らに力を与えてしまいますからね。街灯も値が張ったとしても炎の魔道具にして、いざというときに武器としても使えるように……」
「村長さん?」
「は! 失礼いたしました。冒険者さんをご案内しているというのに、つい自分の考えに沈んでおりました。観光地化の前に自分を改めないといけませんね」
「……」
これまでの会話で、私には少し思い当たるものがあった。
村長さんに聞いてみる。
「あの、もしかして、この辺りにアンデッドが出現しているのですか?」
村長さんの家でヴェノムラビット素材の料金を受け取って、私は目を丸くした。
この前の十倍近くある。
剥ぎ取り済みだったからかな? 首を傾げる私に、村長さんが言う。
「良いんです。前回の不足分も含めておりますから。あのときは村の予算が無くて、あんなはした金で失礼いたしました」
「気にしないでください。こちらは早急にお金が必要だったので、すぐに買っていただけて助かりました。あのときいただいた鞄も愛用させてもらってるんですよ」
なにしろ我がニュイ魔王国には貨幣がないので。
王都の大門の通行料として竜の鱗は出せないでしょ。
あ。竜の鱗と引き換えに、行商人エルフのトムにジュルネ王国のお金を持ってきてもらえば良かったかな。
「そう言っていただけるとありがたいです。前回のヴェノムラビットの血で作った解毒剤を辺境伯様が高額で買い取ってくださいましたので、今回はこうして適正価格をお支払いできるようになりました」
「血液を売ったんじゃなくて、この村で解毒剤を作ったんですか?」
「はい。私の魔力には『浄化』の効果がございますので」
「じゃあ村長さんは炎属性なんですね! 実は私もそうなんですよ」
ナカーマ( ´∀`)人(´∀` )。
この世界では持っている魔力属性が髪や瞳の色に影響する。
村長さんのオレンジがかった茶髪は炎属性の証なのかな。まあ人間の場合だと、よほど魔力が強くない限り遺伝のほうが優先されるんだけど。
「いいえ、私の魔力属性は……炎属性の魔力だったなら、十八年前に先々代の『拳の聖女』様を犠牲にしなくても……」
「……村長さん?」
私の言葉を否定した後、悲しげに俯いていた村長さんが顔を上げる。
「なんでもありません。はは、それより良かったらヴェノムラビットの肉で作った串焼きをお食べになりませんか? もちろん解毒済みです」
「ありがとうございます、いただきます!」
お肉ばっかりは嫌だけどー、お肉が嫌いなわけじゃないのよー♪
私達は村長さんの家を出た。
王都方向に面した村の入り口近くにヴェノムラビット肉の串焼きの屋台が見える。辺境伯領で狩られたヴェノムラビットの肉もこの村で引き取って、串焼き肉をこの村の名物にしていく予定だという。
「観光地化を目標に村の道に沿って街灯を設置しようと思ってまして、先ほどは門番と村の地理について話していたのですよ」
「いいですね。この村、とっても綺麗ですもん。建物に壊れたところもないし、ゴミも落ちてなくて水回りも清潔で。住んでる方の心根が良いんですね。観光地向きですよ」
「ありがとうございます。……建物が壊れているとそこから入り込んできますし、不衛生だと奴らに力を与えてしまいますからね。街灯も値が張ったとしても炎の魔道具にして、いざというときに武器としても使えるように……」
「村長さん?」
「は! 失礼いたしました。冒険者さんをご案内しているというのに、つい自分の考えに沈んでおりました。観光地化の前に自分を改めないといけませんね」
「……」
これまでの会話で、私には少し思い当たるものがあった。
村長さんに聞いてみる。
「あの、もしかして、この辺りにアンデッドが出現しているのですか?」
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