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冒険者始めました編
18・お鍋いっぱいのラーメン
わたしは、あっという間に『黄金のケルベロス亭』に辿り着いた。
冒険者通りを挟んでギルドの向かいなので当たり前だけど。
高級ホテルのようなロビーには、相変わらず身が縮む思いだ。
今朝、朝食を食べたときは気にならなかったのにね。
夜はレストランとしても使われていて、朝より人が多いからかな。
「あ」
ロビーにふたりがいた。
ベルちゃんとシオン君だ。
出会ってから二日しか経ってないのに、ふたりの顔を見ただけで安心する。
……二日。二日なんだよね。濃い二日間だったな。
駆け寄ろうとしたら視線で、受付に寄って部屋の鍵を受け取ってからにしろと言われてしまった。
「それにしても……」
「わふ?」
「ふたりが抱えてる大きなお鍋はなんなんだろう?」
「わふふー?」
ほかのお客さんや受付の人もいるロビーなので、ラケルはわんこしゃべりです。
そういえば昨日最後のほうで、温かい食べ物の付与効果を見てみたいと言われて作ったラーメン、ふたりともすごく気に入ってたなあ。
ラーメンにはHP自然回復率の上昇効果があった。
でもたぶんそれとは関係なく、ベルちゃんもシオン君も美味しいから気に入ったんだと思う。
ダンジョンアントの魔石製だから、コップでちょうどいいくらいの前世で駄菓子として売ってた小さめのカップラーメンサイズだったんだよね。
ふたりとももっと食べたいって言ってたんだよね。
部屋の備え付けの食器棚にあったスープ用の深皿に魔石複数分作っても、足りないって言ってたっけ。
前世の我が家で一家六人分のおでんを作っていたお鍋と同じくらいのお鍋が、ベルちゃんとシオン君のひとり分なのかな。……そうかな、そうだよね。
今日は冒険者登録をしたり薬草採取の依頼を受けて完了したり、受付のスサナさんと話したり門番さんと話したり、ギルドマスターのホセさんと話したり知らない人とぶつかったりしてすごく濃い一日だったんだけど、今一番疲れを感じた気がする。
魔石ごはんを作ること自体では全然疲れを感じないんだけどね。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
三人で部屋に入ると、シオン君がテーブルの上でお鍋の蓋を開けた。
中に小さめのお鍋が入っている。
「葉菜花、取るがいい。貴様の分だ」
「あ、ありがとう?」
わたしはコップにダンジョンアントの魔石一個分作ったので十分かな?
ほかのものも食べたいし。
小さめのお鍋を受け取ると、なにか音がした。
蓋を開けると、さらに小さなお鍋が入っていた。
「ラケル殿の分だ」
「俺の? 嬉しいぞ! ありがとう、シオン!」
神獣様の息子ラケルは王弟殿下も呼び捨てです。
「……うー」
不意にベルちゃんが唸った。
「どうしたの、ベルちゃん」
「……私は自分の食欲だけに夢中で、葉菜花になにも用意していなかった。……ごめん」
「いいよ、そんなの。あ、そうだ! 今日結構稼げたんだよ? ミスリル銀貨まであるの!」
「早速ホセにダンジョンアントの魔石を押しつけられたな。一袋いくらにした?」
「一袋銀貨一枚で百五十三袋だよ」
「俺の『影運び』で仕舞ってるぞ」
シオン君の形の良い眉が歪んだ。
「銀貨一枚だと? ホセのヤツ、葉菜花の世間知らずにつけ込んだな」
「そんなことないよ」
「そういうことだ。置き場所も貴重な資源なんだぞ。そのうち俺が直々に出向いて一袋を金貨一枚に吊り上げ、葉菜花を騙して安く済ませた代償を差し出させてやる」
シオン君の言うことの意味がわからないわけじゃないけど、さすがに一袋金貨一枚は多いと思う。
「い、いいよ!……わたしはなにもしてなくて、ラケルに助けてもらっただけだから」
「俺ごしゅじん助けた?」
「いつも助けてくれてるよー」
「……ラケル殿。貴殿は葉菜花をバカにされて黙っていられるのか?」
「え? ごしゅじんバカにされたの?……ぐるるるる」
シオン君は巧妙にもラケルを取り込もうとする。
わたしは慌てて、歯茎を剥き出したラケルをモフモフして誤魔化す。
「されてないよ! 今回は初めてのことで相場? もわからなかったんだから、これでいいの。……わたしなら、ダンジョンアントの魔石を活用できるんだし」
「わふー?」
「それに、そもそもシオン君の信頼している人が、わたしの世間知らずにつけ込むような人のわけないじゃない」
たぶん冒険者ギルドの予算とかも考えた上での値段だったんだと思う。
あれだけあったら、ひとつひとつに高値をつけるのは無理だよー。
シオン君は溜息をついた。
「ふん。葉菜花は甘いな」
「……葉菜花、私がギルマスを殴ってこようか?」
「ベルちゃんまで加わらないで。……ラーメン作らないよ?」
ふたりは黙り、蓋を開けたお鍋を差し出してきた。
「葉菜花」
「……葉菜花」
「ごしゅじん」
……みんなして、お鍋を両手で抱き締めて見つめてくるのはやめてほしい。
わたしはみっつのお鍋にダンジョンアントの魔石を放り込んだ。
ラケルの影に百五十三袋(+昨日の使いかけ一袋)あるので大盤振る舞いです。
一袋に入ってる魔石は何個くらいかなー。
自分の分はコップに一個。
量が多くても付与効果で上昇する量は変わらないみたい。
ひとり分ならこれだけ上がる、ってことなのかな?
「お味噌とおしょう油とお塩、それから豚骨……どれがいい?」
昨日ふたりとも全種類食べたので味は知っている。
「……今日は疲れたから、こってりした豚骨が食べたい」
「ベルちゃん、聖神殿のお仕事忙しかったの?」
聖女であるベルちゃんがいるのは、特別な聖神殿なんだよね。
神様は信じていても神殿は信じていないシオン君と、神聖系魔術を使うためだけに聖職者の資格を取ったベルちゃんによると、それぞれの国で一番大きい神殿をそう呼んでいるということだ。
シオン君は詳しく知ってるけど、今のわたしが知る必要はないって判断したっぽい。
普通の神殿はそのまま神殿、宗教全体を指したときも神殿と呼んでいるのかな?
自動的に翻訳されてるはずだから、わたしがニュアンスを理解できなくて同じ単語に聞こえているだけかもね。
神獣様の息子のラケルは人間の作った区分になど関心がないらしく、アクビをしてた。
ベルちゃんは魔力が多くても魔術には向かないドワーフなので、魔術式を教えてもらったのではなくベルちゃんの魔力に合った魔術式を刻んだ杖を与えられたんだって。
聖職者の杖は魔道具の一種みたい。
燃料魔石ではなくベルちゃんの魔力で発動させる仕組みだそうです。
「コイツには今、ダンジョンアントでいっぱいになったダンジョンに『聖域』を張ってもらっているからな。いつもの食っちゃ寝生活よりは疲れているだろう。俺も警護で疲れているので豚骨がいい」
わたしはふたりほど疲れていないのでお味噌にした。
ラケルもわたしとお揃いがいいと言う。
「『聖域』を張るってどういうこと?」
疑問を口に出すと、ベルちゃんが答えてくれた。
「……『聖域』は『結界』の上位魔術。聖女にされたとき、聖王から授与された。モンスターを閉じ込めて弱らせる。……私の趣味とは違う」
「貴様の戦法は、ただひたすらに叩いて潰すというものだからな」
「……そう。私のミスリルハンマーは良いハンマー。どんなモンスターでも潰せる。早く聖女の任期を終えてダンジョンへ潜りたい。……葉菜花」
「なぁに?」
「……そのときは葉菜花も一緒に行こう? 大丈夫。私が葉菜花を守るから」
「ごしゅじんは俺が守るんだぞ?」
「……ひとりと一匹で守ったほうが安全」
「それもそうだな!」
うーん。ベルちゃんは強そうだから、それはそれで面白いかも?
ダンジョンの中では魔術の威力が上がるって話だけど、錬金術もそうなのかな。
魔石ごはんが大きくなったり、付与効果が強まったりするんだろうか。
なんて思いながら、それぞれのお鍋と自分のコップでラーメンを変成する。
お出汁の効いた食欲をそそる香りが室内に満ちた。
「どうぞー」
「……ありがとう、葉菜花。いただきます」
「いただくぞー」
「ご馳走になろう」
「召し上がれ。……それでね、シオン君」
ギルドマスターにもらったお金が多いか少ないかはともかくとして昨日の宿代や聖神殿が用意してくれた分を返そうとしたのだけれど、シオン君もベルちゃんも頑として受け取ってくれなかった。わたしの魔石ごはんに対する報酬だ、なんて言う。
ベルちゃんなんか、聖神殿に借りを作るのがイヤなら自分が冒険者だったころに稼いだお金で返しておくとまで言ってくれた。
そんなこと言われても、自分で苦労して身に着けたスキルじゃないから逆に申し訳ない気持ちになる。
……まあ異世界に転生したばかりだし、お金のことはそのうちでいいか。
そう思って自分の分のラーメンを食べていたら、シオン君が言う。
「葉菜花はすごいな」
「シオン君、急にどうしたの?」
「昨日魔石の説明をしたときに言っただろう? ランクの低い魔石をいくら集めても、ランクの高い魔石の代わりにはならないと。しかし貴様は本来ならコップ一杯分にしかならないダンジョンアントの魔石を集めて、鍋いっぱいのラーメンを作り出している」
「そういうスキルだから、としか……」
「貴様にしかできないことだ、誇るといい」
自分でもよくわからない力だから褒められても複雑だけど、異世界でも前世の料理が食べられるんだから喜んでおこうかな。
お箸がないので、ラケル以外はフォークで食べてます。
冒険者通りを挟んでギルドの向かいなので当たり前だけど。
高級ホテルのようなロビーには、相変わらず身が縮む思いだ。
今朝、朝食を食べたときは気にならなかったのにね。
夜はレストランとしても使われていて、朝より人が多いからかな。
「あ」
ロビーにふたりがいた。
ベルちゃんとシオン君だ。
出会ってから二日しか経ってないのに、ふたりの顔を見ただけで安心する。
……二日。二日なんだよね。濃い二日間だったな。
駆け寄ろうとしたら視線で、受付に寄って部屋の鍵を受け取ってからにしろと言われてしまった。
「それにしても……」
「わふ?」
「ふたりが抱えてる大きなお鍋はなんなんだろう?」
「わふふー?」
ほかのお客さんや受付の人もいるロビーなので、ラケルはわんこしゃべりです。
そういえば昨日最後のほうで、温かい食べ物の付与効果を見てみたいと言われて作ったラーメン、ふたりともすごく気に入ってたなあ。
ラーメンにはHP自然回復率の上昇効果があった。
でもたぶんそれとは関係なく、ベルちゃんもシオン君も美味しいから気に入ったんだと思う。
ダンジョンアントの魔石製だから、コップでちょうどいいくらいの前世で駄菓子として売ってた小さめのカップラーメンサイズだったんだよね。
ふたりとももっと食べたいって言ってたんだよね。
部屋の備え付けの食器棚にあったスープ用の深皿に魔石複数分作っても、足りないって言ってたっけ。
前世の我が家で一家六人分のおでんを作っていたお鍋と同じくらいのお鍋が、ベルちゃんとシオン君のひとり分なのかな。……そうかな、そうだよね。
今日は冒険者登録をしたり薬草採取の依頼を受けて完了したり、受付のスサナさんと話したり門番さんと話したり、ギルドマスターのホセさんと話したり知らない人とぶつかったりしてすごく濃い一日だったんだけど、今一番疲れを感じた気がする。
魔石ごはんを作ること自体では全然疲れを感じないんだけどね。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
三人で部屋に入ると、シオン君がテーブルの上でお鍋の蓋を開けた。
中に小さめのお鍋が入っている。
「葉菜花、取るがいい。貴様の分だ」
「あ、ありがとう?」
わたしはコップにダンジョンアントの魔石一個分作ったので十分かな?
ほかのものも食べたいし。
小さめのお鍋を受け取ると、なにか音がした。
蓋を開けると、さらに小さなお鍋が入っていた。
「ラケル殿の分だ」
「俺の? 嬉しいぞ! ありがとう、シオン!」
神獣様の息子ラケルは王弟殿下も呼び捨てです。
「……うー」
不意にベルちゃんが唸った。
「どうしたの、ベルちゃん」
「……私は自分の食欲だけに夢中で、葉菜花になにも用意していなかった。……ごめん」
「いいよ、そんなの。あ、そうだ! 今日結構稼げたんだよ? ミスリル銀貨まであるの!」
「早速ホセにダンジョンアントの魔石を押しつけられたな。一袋いくらにした?」
「一袋銀貨一枚で百五十三袋だよ」
「俺の『影運び』で仕舞ってるぞ」
シオン君の形の良い眉が歪んだ。
「銀貨一枚だと? ホセのヤツ、葉菜花の世間知らずにつけ込んだな」
「そんなことないよ」
「そういうことだ。置き場所も貴重な資源なんだぞ。そのうち俺が直々に出向いて一袋を金貨一枚に吊り上げ、葉菜花を騙して安く済ませた代償を差し出させてやる」
シオン君の言うことの意味がわからないわけじゃないけど、さすがに一袋金貨一枚は多いと思う。
「い、いいよ!……わたしはなにもしてなくて、ラケルに助けてもらっただけだから」
「俺ごしゅじん助けた?」
「いつも助けてくれてるよー」
「……ラケル殿。貴殿は葉菜花をバカにされて黙っていられるのか?」
「え? ごしゅじんバカにされたの?……ぐるるるる」
シオン君は巧妙にもラケルを取り込もうとする。
わたしは慌てて、歯茎を剥き出したラケルをモフモフして誤魔化す。
「されてないよ! 今回は初めてのことで相場? もわからなかったんだから、これでいいの。……わたしなら、ダンジョンアントの魔石を活用できるんだし」
「わふー?」
「それに、そもそもシオン君の信頼している人が、わたしの世間知らずにつけ込むような人のわけないじゃない」
たぶん冒険者ギルドの予算とかも考えた上での値段だったんだと思う。
あれだけあったら、ひとつひとつに高値をつけるのは無理だよー。
シオン君は溜息をついた。
「ふん。葉菜花は甘いな」
「……葉菜花、私がギルマスを殴ってこようか?」
「ベルちゃんまで加わらないで。……ラーメン作らないよ?」
ふたりは黙り、蓋を開けたお鍋を差し出してきた。
「葉菜花」
「……葉菜花」
「ごしゅじん」
……みんなして、お鍋を両手で抱き締めて見つめてくるのはやめてほしい。
わたしはみっつのお鍋にダンジョンアントの魔石を放り込んだ。
ラケルの影に百五十三袋(+昨日の使いかけ一袋)あるので大盤振る舞いです。
一袋に入ってる魔石は何個くらいかなー。
自分の分はコップに一個。
量が多くても付与効果で上昇する量は変わらないみたい。
ひとり分ならこれだけ上がる、ってことなのかな?
「お味噌とおしょう油とお塩、それから豚骨……どれがいい?」
昨日ふたりとも全種類食べたので味は知っている。
「……今日は疲れたから、こってりした豚骨が食べたい」
「ベルちゃん、聖神殿のお仕事忙しかったの?」
聖女であるベルちゃんがいるのは、特別な聖神殿なんだよね。
神様は信じていても神殿は信じていないシオン君と、神聖系魔術を使うためだけに聖職者の資格を取ったベルちゃんによると、それぞれの国で一番大きい神殿をそう呼んでいるということだ。
シオン君は詳しく知ってるけど、今のわたしが知る必要はないって判断したっぽい。
普通の神殿はそのまま神殿、宗教全体を指したときも神殿と呼んでいるのかな?
自動的に翻訳されてるはずだから、わたしがニュアンスを理解できなくて同じ単語に聞こえているだけかもね。
神獣様の息子のラケルは人間の作った区分になど関心がないらしく、アクビをしてた。
ベルちゃんは魔力が多くても魔術には向かないドワーフなので、魔術式を教えてもらったのではなくベルちゃんの魔力に合った魔術式を刻んだ杖を与えられたんだって。
聖職者の杖は魔道具の一種みたい。
燃料魔石ではなくベルちゃんの魔力で発動させる仕組みだそうです。
「コイツには今、ダンジョンアントでいっぱいになったダンジョンに『聖域』を張ってもらっているからな。いつもの食っちゃ寝生活よりは疲れているだろう。俺も警護で疲れているので豚骨がいい」
わたしはふたりほど疲れていないのでお味噌にした。
ラケルもわたしとお揃いがいいと言う。
「『聖域』を張るってどういうこと?」
疑問を口に出すと、ベルちゃんが答えてくれた。
「……『聖域』は『結界』の上位魔術。聖女にされたとき、聖王から授与された。モンスターを閉じ込めて弱らせる。……私の趣味とは違う」
「貴様の戦法は、ただひたすらに叩いて潰すというものだからな」
「……そう。私のミスリルハンマーは良いハンマー。どんなモンスターでも潰せる。早く聖女の任期を終えてダンジョンへ潜りたい。……葉菜花」
「なぁに?」
「……そのときは葉菜花も一緒に行こう? 大丈夫。私が葉菜花を守るから」
「ごしゅじんは俺が守るんだぞ?」
「……ひとりと一匹で守ったほうが安全」
「それもそうだな!」
うーん。ベルちゃんは強そうだから、それはそれで面白いかも?
ダンジョンの中では魔術の威力が上がるって話だけど、錬金術もそうなのかな。
魔石ごはんが大きくなったり、付与効果が強まったりするんだろうか。
なんて思いながら、それぞれのお鍋と自分のコップでラーメンを変成する。
お出汁の効いた食欲をそそる香りが室内に満ちた。
「どうぞー」
「……ありがとう、葉菜花。いただきます」
「いただくぞー」
「ご馳走になろう」
「召し上がれ。……それでね、シオン君」
ギルドマスターにもらったお金が多いか少ないかはともかくとして昨日の宿代や聖神殿が用意してくれた分を返そうとしたのだけれど、シオン君もベルちゃんも頑として受け取ってくれなかった。わたしの魔石ごはんに対する報酬だ、なんて言う。
ベルちゃんなんか、聖神殿に借りを作るのがイヤなら自分が冒険者だったころに稼いだお金で返しておくとまで言ってくれた。
そんなこと言われても、自分で苦労して身に着けたスキルじゃないから逆に申し訳ない気持ちになる。
……まあ異世界に転生したばかりだし、お金のことはそのうちでいいか。
そう思って自分の分のラーメンを食べていたら、シオン君が言う。
「葉菜花はすごいな」
「シオン君、急にどうしたの?」
「昨日魔石の説明をしたときに言っただろう? ランクの低い魔石をいくら集めても、ランクの高い魔石の代わりにはならないと。しかし貴様は本来ならコップ一杯分にしかならないダンジョンアントの魔石を集めて、鍋いっぱいのラーメンを作り出している」
「そういうスキルだから、としか……」
「貴様にしかできないことだ、誇るといい」
自分でもよくわからない力だから褒められても複雑だけど、異世界でも前世の料理が食べられるんだから喜んでおこうかな。
お箸がないので、ラケル以外はフォークで食べてます。
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