24 / 64
初めての指名依頼編
23・『白銀のダークウルフ亭』にて
冒険者ギルドの建物の隣にあるので、『白銀のダークウルフ亭』にはすぐ着いた。
傭兵隊『闇夜の疾風』は、ここを定宿にしているそうです。
ちょっと中二病っぽい隊名だと思ったことは、だれにも内緒。
カジュアルな感じのロビーには、体格も髪の色もまちまちな人達が待っていた。
『黄金のケルベロス亭』が高級ホテルなら、ここはおしゃれなカフェかな。
便利な魔道具が普及しているからか、この世界に来てから衛生面での不安を感じたことがない。
……でも、この宿にはお風呂がないのです。
「葉菜花さん、ここへお座りください」
「ありがとうございます」
わたしに椅子を勧めた後、右隣の席に座ってマルコさんは言った。
「宿に持ち込みの許可は取っています。焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを作ってください」
「隊長?」
わたしの左に座っている、眩しいほど見事な金髪の青年がマルコさんを睨みつけた。
髪から覗く耳の先が尖っている。もしかして……エルフ?
「お互いの自己紹介もまだなんだけど?」
「……そうでしたね。みんな、彼女が錬金術師の葉菜花さんです。葉菜花さん、彼らが傭兵隊『闇夜の疾風』の隊員です」
「葉菜花です。よろしくお願いします」
ペンダントの水晶が淡く白い光を放った。
「それでは焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを」
「隊長!」
エルフらしき青年に睨みつけられて、マルコさんが肩を竦める。
「葉菜花さんの力を見るには魔石ごはんを作ってもらうのが一番だと思うんですが」
「わかってるよ。でもこっちの名前も言わずに力を使わせてちゃダメだろ、隊長」
「……仕方がありませんね。では自己紹介をしてください」
マルコさんから視線を外し、エメラルドみたいな緑色の瞳がわたしを映す。
この世界のエルフは二十五歳くらいまではヒト族と同じように成長するそうです。
二十五歳からは老化が遅くなり、寿命は三百年くらいなんだって。
ヒト族の寿命は六十から百年とのことなので、前世と変わらないね。
このエルフさんはいくつなんだろう。
門番のアレコスさんと同じ二十歳前後に見えるけど、百歳越えてるのかな。
「俺はルイス。見ての通りエルフだ。ラトニーの南にある森の国アケディア出身。『闇夜の疾風』では後方支援の狙撃手だ。……次、イサク自己紹介しろよ」
ルイスさんは、自分の隣に座った大柄な青年に話を振った。
短く刈った髪は黒く見えるが、よく見ると濃い赤色で瞳も同じ色。
「……俺はドワーフのイサク」
「え」
つい声を上げてしまった。
この世界のドワーフは体が大きいんだろうか。ベルちゃんが小柄なだけ?
確かに黄金の腕輪をつけている。
あれで『アイテムボックス』のスキルを使うのよね。
口調もベルちゃんに似ている気がする。ベルちゃんのほうが瞳の色が鮮やかだけど。
ドワーフは三十歳くらいまで人間と同じように年を取り、その後老化が遅くなる。
寿命はエルフより短くて二百年くらいだそうです。
イサクさんもルイスさんと同じ年ごろに見えるなあ。
ルイスさんのほうがちょっと若い?
ドワーフと聞いて驚いてしまったわたしに、イサクさんが言う。
「……俺はヒト族の母親似だから。ラトニーの北にある山間の国ワリティア出身。『闇夜の疾風』の切り込み役で、拳で戦う拳闘士だ」
拳闘士だからだろうか、彼は腕輪の下に指のない手袋をつけていた。
真っ白で、金属っぽい光沢がある。
イサクさんが微笑む。
「……美味しい食事、期待している」
「まだ雇うと決めたわけじゃないだろ」
ルイスさんがぼそりと呟いた。
「じゃあ次は……アタシでいいか」
そう言ったのは、黒髪で褐色の肌の美女だった。
琥珀色の瞳はロビーの照明を反射して、ときどき黄金色の光を放つ。
イサクさんほどではないものの、かなり長身で鍛えられた体の持ち主だ。
「アタシはバルバラ。海の向こうの大陸から来た。仕事は剣士、コイツが相棒」
そう言って、バルバラさんは腰の剣に触れた。
前世だったら博物館に飾られていてもおかしくなさそうな年代物に見える。
すごく大事にされているのがわかった。
バルバラさんに続いて、聖職者風の衣装を着て白い杖を持った男性が口を開く。
身長は高いものの、体は華奢でほっそりしている。
「私はジュリアーノ。ラトニー出身の神官です。『回復』魔術の研究をしています」
うわあ……エルフのルイスさんも綺麗なんだけど、このジュリアーノさんもすごく綺麗。
なんていうか、透き通るような美しさだ。
白に近い金髪に青い瞳。でもシオン君とは違う。
メガネの奥の青い瞳はサファイアよりも透明度の強いアクアマリン。
「では焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを……」
「マルコ!」
ニコロ君がマルコさんの名前を呼ぶ。
「俺らもちゃんと自己紹介しとかなきゃダメだろ」
「冒険者ギルドでしたじゃありませんか」
「今回の依頼の説明だけじゃん。……葉菜花」
ニコロ君がわたしを見る。
「昨日バカマルコが言っちまったし繰り返しになるけど、俺はニコロ。インウィ出身で『闇夜の疾風』の斥候だ。年は十歳。体が小さいと思って甘く見んなよ?」
「はいはい。じゃあ葉菜花さん、改めて僕はマルコです。昨日も言いましたがニコロの伯父です。僕とニコロが住んでいたインウィというのはラトニーの南、東の大陸との海峡にある群島都市国家です。今回の依頼で行く港町マルテスから船が出ていますよ。『闇夜の疾風』の隊長ですが、特に得意なものはありません。雑用係のようなものです」
相槌を打っていいのかどうか悩んでしまう自己紹介だった。
「……えっと……」
とりあえずわたしも改めて、年齢とか出身地(ウソなので申し訳ない)について話した。
それにしても国際色豊かな傭兵隊だなあ。
ラトニー王国以外の国へ行く日が来るかどうかはわからないけど、雇ってもらえたらいろいろ聞いてみたいかも。
「さて」
マルコさんが両手を打ち付ける。
「自己紹介が終わったので、魔石ごはんを作ってもらいましょう! いいですね、葉菜花さん?」
「もちろんです」
ラケルに平皿を出してもらって、『浄化』のあとで魔石を載せる。
「焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチお願いしますね」
「俺はハンバーグサンドだからな」
「……隊長がこんなに料理に執着するなんて、珍しい」
「けっ」
「帝国にはいろんな文化があったけど、魔石から食べ物を作るなんて初めて聞くよ」
「私はあまり食事に興味はないのですが、変成の仕組みは気になりますね」
「……わふう……」
なんだかんだで注目されながら、わたしは魔石ごはんを変成した。
……ラケルは、もうちょっと待っててね。
「マルコさんご希望の焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチ、ニコロ君にハンバーグサンドです。ほかの方にはハンバーガーとフライドポテトとチキンナゲットを作ってみました」
サンドイッチの種類を考えるのに疲れたので、ハンバーガー(攻撃力上昇)とフライドポテト(防御力上昇)とチキンナゲット(防御力上昇)にしてみました。
これは上書きされない組み合わせではありません。
フライドポテトとチキンナゲットが防御力上昇で被ってるからかな?
なんか、ちょっとした発想の転換でセットになりそうな気がするんだけどねー。
もちろん、ハンバーガーのバンズの色を濃くしたら、普段食べてるパンと同じに見えて抵抗なく食べてもらえるかと思ったのもある。
同じハンバーグ同じケチャップでもハンバーガー(攻撃力上昇)とハンバーグサンド(防御力上昇)の付与効果が違うのってなんでなんだろう?
シオン君はケチャップの甘さとピクルスの酸っぱさが相討ちになって、肉の要素が勝ったんじゃないかって言ってたっけ。
「コップをお持ちなら飲み物も作りますよ」
「イサク、俺のコップ出して!」
「僕のもお願いします」
自分達がリクエストしたサンドイッチを齧りながら、ニコロ君とマルコさんがイサクさんに言う。
「……葉菜花、飲み物はどんなものが作れるんだ?」
テーブルの上に全員のコップを出してイサクさんが聞いてきた。
『闇夜の疾風』のみなさんのコップは、素朴な木製でいい感じです。
買い取った陶器のコップはおしゃれで可愛いんだけど、割りそうで怖いのよね。
「えっと……シュワシュワして爽やかなのと、苦くて深みがあるのと、甘くて濃厚なのと……普通の紅茶も作れます」
「……俺はシュワシュワして爽やかなのにする。このメニューに合う予感がする」
さっきはドワーフだってことに驚いてよく見てなかったけど、ルイスさんやジュリアーノさんとは違う系統のキリッとした顔立ちで、イサクさんもカッコイイな。
「イサクがそう言うんなら、俺もシュワシュワにしようかな。なあ葉菜花、このハンバーガーってのも食べてもいいんだよな?」
「たくさん作ったから大丈夫ですよ」
ダンジョンアントの魔石で作ったハンバーガーは前世のファストフード店のものより小さいから、その分多めに作っている。
足りなかったら追加します。
ハンバーガーは複数の魔石を使えばある程度大きく作れる料理なのだが、お試しなら小さいサイズで種類を増やしたほうがいいだろう。
口に入らないほど大きなハンバーガーになると、ダンジョンアントの魔石じゃ作れない気がする。
「僕はその、苦くて深みがあるのにします。ちょっと怖いですが、美味しくないのなら勧めてこないでしょうからね」
というわけで、まずはイサクさんにジンジャーエール、ニコロ君にはレモンサイダー、マルコさんにアイスコーヒーを作ることにした。
カフェオレやコーヒー牛乳は作れるんだけど、ミルクだけは作れません。
魔石ごはん的にはアイスミルクは料理じゃないみたい。
大盛りラーメンみたいに、ランクの高い魔石を使えばいいのかなあ。
……いつか炊き立てごはんも作れるようになりますように。
傭兵隊『闇夜の疾風』は、ここを定宿にしているそうです。
ちょっと中二病っぽい隊名だと思ったことは、だれにも内緒。
カジュアルな感じのロビーには、体格も髪の色もまちまちな人達が待っていた。
『黄金のケルベロス亭』が高級ホテルなら、ここはおしゃれなカフェかな。
便利な魔道具が普及しているからか、この世界に来てから衛生面での不安を感じたことがない。
……でも、この宿にはお風呂がないのです。
「葉菜花さん、ここへお座りください」
「ありがとうございます」
わたしに椅子を勧めた後、右隣の席に座ってマルコさんは言った。
「宿に持ち込みの許可は取っています。焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを作ってください」
「隊長?」
わたしの左に座っている、眩しいほど見事な金髪の青年がマルコさんを睨みつけた。
髪から覗く耳の先が尖っている。もしかして……エルフ?
「お互いの自己紹介もまだなんだけど?」
「……そうでしたね。みんな、彼女が錬金術師の葉菜花さんです。葉菜花さん、彼らが傭兵隊『闇夜の疾風』の隊員です」
「葉菜花です。よろしくお願いします」
ペンダントの水晶が淡く白い光を放った。
「それでは焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを」
「隊長!」
エルフらしき青年に睨みつけられて、マルコさんが肩を竦める。
「葉菜花さんの力を見るには魔石ごはんを作ってもらうのが一番だと思うんですが」
「わかってるよ。でもこっちの名前も言わずに力を使わせてちゃダメだろ、隊長」
「……仕方がありませんね。では自己紹介をしてください」
マルコさんから視線を外し、エメラルドみたいな緑色の瞳がわたしを映す。
この世界のエルフは二十五歳くらいまではヒト族と同じように成長するそうです。
二十五歳からは老化が遅くなり、寿命は三百年くらいなんだって。
ヒト族の寿命は六十から百年とのことなので、前世と変わらないね。
このエルフさんはいくつなんだろう。
門番のアレコスさんと同じ二十歳前後に見えるけど、百歳越えてるのかな。
「俺はルイス。見ての通りエルフだ。ラトニーの南にある森の国アケディア出身。『闇夜の疾風』では後方支援の狙撃手だ。……次、イサク自己紹介しろよ」
ルイスさんは、自分の隣に座った大柄な青年に話を振った。
短く刈った髪は黒く見えるが、よく見ると濃い赤色で瞳も同じ色。
「……俺はドワーフのイサク」
「え」
つい声を上げてしまった。
この世界のドワーフは体が大きいんだろうか。ベルちゃんが小柄なだけ?
確かに黄金の腕輪をつけている。
あれで『アイテムボックス』のスキルを使うのよね。
口調もベルちゃんに似ている気がする。ベルちゃんのほうが瞳の色が鮮やかだけど。
ドワーフは三十歳くらいまで人間と同じように年を取り、その後老化が遅くなる。
寿命はエルフより短くて二百年くらいだそうです。
イサクさんもルイスさんと同じ年ごろに見えるなあ。
ルイスさんのほうがちょっと若い?
ドワーフと聞いて驚いてしまったわたしに、イサクさんが言う。
「……俺はヒト族の母親似だから。ラトニーの北にある山間の国ワリティア出身。『闇夜の疾風』の切り込み役で、拳で戦う拳闘士だ」
拳闘士だからだろうか、彼は腕輪の下に指のない手袋をつけていた。
真っ白で、金属っぽい光沢がある。
イサクさんが微笑む。
「……美味しい食事、期待している」
「まだ雇うと決めたわけじゃないだろ」
ルイスさんがぼそりと呟いた。
「じゃあ次は……アタシでいいか」
そう言ったのは、黒髪で褐色の肌の美女だった。
琥珀色の瞳はロビーの照明を反射して、ときどき黄金色の光を放つ。
イサクさんほどではないものの、かなり長身で鍛えられた体の持ち主だ。
「アタシはバルバラ。海の向こうの大陸から来た。仕事は剣士、コイツが相棒」
そう言って、バルバラさんは腰の剣に触れた。
前世だったら博物館に飾られていてもおかしくなさそうな年代物に見える。
すごく大事にされているのがわかった。
バルバラさんに続いて、聖職者風の衣装を着て白い杖を持った男性が口を開く。
身長は高いものの、体は華奢でほっそりしている。
「私はジュリアーノ。ラトニー出身の神官です。『回復』魔術の研究をしています」
うわあ……エルフのルイスさんも綺麗なんだけど、このジュリアーノさんもすごく綺麗。
なんていうか、透き通るような美しさだ。
白に近い金髪に青い瞳。でもシオン君とは違う。
メガネの奥の青い瞳はサファイアよりも透明度の強いアクアマリン。
「では焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチを……」
「マルコ!」
ニコロ君がマルコさんの名前を呼ぶ。
「俺らもちゃんと自己紹介しとかなきゃダメだろ」
「冒険者ギルドでしたじゃありませんか」
「今回の依頼の説明だけじゃん。……葉菜花」
ニコロ君がわたしを見る。
「昨日バカマルコが言っちまったし繰り返しになるけど、俺はニコロ。インウィ出身で『闇夜の疾風』の斥候だ。年は十歳。体が小さいと思って甘く見んなよ?」
「はいはい。じゃあ葉菜花さん、改めて僕はマルコです。昨日も言いましたがニコロの伯父です。僕とニコロが住んでいたインウィというのはラトニーの南、東の大陸との海峡にある群島都市国家です。今回の依頼で行く港町マルテスから船が出ていますよ。『闇夜の疾風』の隊長ですが、特に得意なものはありません。雑用係のようなものです」
相槌を打っていいのかどうか悩んでしまう自己紹介だった。
「……えっと……」
とりあえずわたしも改めて、年齢とか出身地(ウソなので申し訳ない)について話した。
それにしても国際色豊かな傭兵隊だなあ。
ラトニー王国以外の国へ行く日が来るかどうかはわからないけど、雇ってもらえたらいろいろ聞いてみたいかも。
「さて」
マルコさんが両手を打ち付ける。
「自己紹介が終わったので、魔石ごはんを作ってもらいましょう! いいですね、葉菜花さん?」
「もちろんです」
ラケルに平皿を出してもらって、『浄化』のあとで魔石を載せる。
「焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチお願いしますね」
「俺はハンバーグサンドだからな」
「……隊長がこんなに料理に執着するなんて、珍しい」
「けっ」
「帝国にはいろんな文化があったけど、魔石から食べ物を作るなんて初めて聞くよ」
「私はあまり食事に興味はないのですが、変成の仕組みは気になりますね」
「……わふう……」
なんだかんだで注目されながら、わたしは魔石ごはんを変成した。
……ラケルは、もうちょっと待っててね。
「マルコさんご希望の焼きサバと白身魚のフライのサンドイッチ、ニコロ君にハンバーグサンドです。ほかの方にはハンバーガーとフライドポテトとチキンナゲットを作ってみました」
サンドイッチの種類を考えるのに疲れたので、ハンバーガー(攻撃力上昇)とフライドポテト(防御力上昇)とチキンナゲット(防御力上昇)にしてみました。
これは上書きされない組み合わせではありません。
フライドポテトとチキンナゲットが防御力上昇で被ってるからかな?
なんか、ちょっとした発想の転換でセットになりそうな気がするんだけどねー。
もちろん、ハンバーガーのバンズの色を濃くしたら、普段食べてるパンと同じに見えて抵抗なく食べてもらえるかと思ったのもある。
同じハンバーグ同じケチャップでもハンバーガー(攻撃力上昇)とハンバーグサンド(防御力上昇)の付与効果が違うのってなんでなんだろう?
シオン君はケチャップの甘さとピクルスの酸っぱさが相討ちになって、肉の要素が勝ったんじゃないかって言ってたっけ。
「コップをお持ちなら飲み物も作りますよ」
「イサク、俺のコップ出して!」
「僕のもお願いします」
自分達がリクエストしたサンドイッチを齧りながら、ニコロ君とマルコさんがイサクさんに言う。
「……葉菜花、飲み物はどんなものが作れるんだ?」
テーブルの上に全員のコップを出してイサクさんが聞いてきた。
『闇夜の疾風』のみなさんのコップは、素朴な木製でいい感じです。
買い取った陶器のコップはおしゃれで可愛いんだけど、割りそうで怖いのよね。
「えっと……シュワシュワして爽やかなのと、苦くて深みがあるのと、甘くて濃厚なのと……普通の紅茶も作れます」
「……俺はシュワシュワして爽やかなのにする。このメニューに合う予感がする」
さっきはドワーフだってことに驚いてよく見てなかったけど、ルイスさんやジュリアーノさんとは違う系統のキリッとした顔立ちで、イサクさんもカッコイイな。
「イサクがそう言うんなら、俺もシュワシュワにしようかな。なあ葉菜花、このハンバーガーってのも食べてもいいんだよな?」
「たくさん作ったから大丈夫ですよ」
ダンジョンアントの魔石で作ったハンバーガーは前世のファストフード店のものより小さいから、その分多めに作っている。
足りなかったら追加します。
ハンバーガーは複数の魔石を使えばある程度大きく作れる料理なのだが、お試しなら小さいサイズで種類を増やしたほうがいいだろう。
口に入らないほど大きなハンバーガーになると、ダンジョンアントの魔石じゃ作れない気がする。
「僕はその、苦くて深みがあるのにします。ちょっと怖いですが、美味しくないのなら勧めてこないでしょうからね」
というわけで、まずはイサクさんにジンジャーエール、ニコロ君にはレモンサイダー、マルコさんにアイスコーヒーを作ることにした。
カフェオレやコーヒー牛乳は作れるんだけど、ミルクだけは作れません。
魔石ごはん的にはアイスミルクは料理じゃないみたい。
大盛りラーメンみたいに、ランクの高い魔石を使えばいいのかなあ。
……いつか炊き立てごはんも作れるようになりますように。
あなたにおすすめの小説
【完結】カノン・クライスラーはリンカネーション・ハイである。~回数制限付きでこの世界にある魔法なら何でも使えるという転生特典を貰いました
Debby
ファンタジー
【最終話まで予約投稿済み】
カノン・クライスラーは、辺境に近い領地を持つ子爵家の令嬢である。
頑張ってはいるけれど、家庭教師が泣いて謝るくらいには勉強は苦手で、運動はそれ以上に苦手だ。大半の貴族子女が16才になれば『発現』するという魔法も使えない。
そんなカノンは、王立学園の入学試験を受けるために王都へ向かっている途中で、乗っていた馬車が盗賊に襲われ大けがを負ってしまう。危うく天に召されるかと思ったその時、こういう物語ではお約束──前世の記憶?と転生特典の魔法が使えることを思い出したのだ!
例えそれがこの世界の常識から逸脱していても、魔法が使えるのであれば色々試してみたいと思うのが転生者の常。
リンカネーション(転生者)・ハイとなった、カノンの冒険がはじまった!
★
覗いてくださりありがとうございます(*´▽`人)
このお話は「異世界転生の特典として回数制限付きの魔法をもらいました」を(反省点を踏まえ)かなり設定を変えて加筆修正したものになります。
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~
翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……
伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦
未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?!
痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。
一体私が何をしたというのよーっ!
驚愕の異世界転生、始まり始まり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった