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トヨスティークの章
第23話 魔獣狩り
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俺は『記憶喪失』(設定)をテレジアに昨夜打ち明けると、指輪の模様の場所と、『魔獣』のいるところへ案内してくれると言う。朝起きてシャワーを浴びた後、テレジアの部屋へ迎えに行った。
コンコンコン
「テレジアー……テレジア起きてるか?……テレジア!」
「うーん…起きてるわよ…ううーん……」
どう見ても、今の今まで眠っていた様子だ。目を擦りながら部屋から顔を出した。よだれの跡が頬についてる……起こしてくれと頼んだが逆に起こしにきた。
「寝坊したか? 俺はとっくにシャワー浴びて支度終わってるんだが?」
「……はっ! いけない すぐ用意するわ! 向かいのパン屋で何か食べながら待ってて! すぐ準備するから!」
(テレジアは朝、弱いのかな?だから夜の仕事なのか…)
慌てて支度するテレジアをよそに、自分の部屋の鍵をかけ道を挟んだ向かいのパン屋へ向かった。パン屋に入ると香ばしい独特の匂いがしてきた。どうやら釜で作ってるようだ、店の奥に、大きな釜が見える。
並べられているパンを見渡すと『パスタパン』というのがあった。見るとパンにパスタが挟んである、これは『焼きそばパン』みたいな物なのか?ドロッとしたトマトをペースト状にしてパスタと絡めた物を挟んでいて美味そうだ。
俺はミルクと『パスタパン』を買い、店の外に設置されてるテーブルと椅子で朝食を取る。今日も快晴だ……
(洒落てるな……オープンカフェかよ…俺が住んでたところにオープンカフェなんか無かったが…)
部屋で声をかけてから三十分経った頃だろう、テレジアが宿から降りてきた。
「ごめん! 遅くなった 食事はしたようね? あたしもパン買って行くわ」
そう言うとパンとミルクを買い歩き出した。今日はリュックでなくカバンを持っている。
「いきましょ! まずは店に寄ってからね!」
「なんの店だ?」
「ああ 念のためセーブストーン持ってきたからホルダー買っておくわ」
なんのホルダーだろう?とりあえず俺はテレジアについて行く。人通りが多くなってきた中心地に差し掛かったところで店屋に入った。店の中には、セーブストーンを収納する様々な形態のホルダーが売っていた。肩からぶらさげるタイプの物やベルトのように腰に巻きつけるタイプが目に付いた。ホルダー個体でも売っていて、ベルトに通してホルダーの数を増やしたりもできる。見栄えは、まるでライフルの弾帯のようだ。テレジアはベルトタイプの物にしたようだ。右に四つ左にも四つつけてベルトを締めながら俺に説明をする。
「いい? ケイゴ インストールしたセーブストーンは 利き腕側の右に収納しといて効果が消えたら 分かりやすく左のホルダーに収納しておく癖をつけとくといいわできれば何処のホルダーには何が収納してあるって覚えとくと さらにいいわね!」
「なるほどな…ホルダーってそういうやつだったのか」
(確かにバッグやリュックから取り出してたら『魔獣』との戦闘でロスも出るし、理にかなっている……色々調べつくしてるな)
「あたしはこれで準備オッケーよ! 先に場所と『魔獣』の説明しとくわね」
「ああ 頼むよ」
テレジアは自分のバッグから地図を取り出し赤ペンで印をつけた。
「今日これから向かうところは こっちの『ライザー鉱山』の北に生息するB級ランク『魔獣』よ ケイゴなら一人でやれると思うけど 今回はあたしもついて行くわ 『魔獣』の強さとか種類はわかる?」
「カナルの組合長に教えてもらったけど……マジックボアとかなんとかって」
「マジックボア? あれはA級ランク『魔獣』よ! 二人じゃ無理よ!」
「ふーん そうなんだ? で こっちの印はなんだ?」
「そこにもB級が出るんだけど……そのマジックボアも出るのよ…」
「なるほど…そんで今回は 安全なこっちに行く訳ね……」
俺はテレジアを残念そうに見た。
「なっ 何よ! 安全策取っちゃ悪いって言うの? そりゃあたしだってA級ランクなんかにビビッてなんかないわよ! でも今回はほら……あたしとケイゴがペアではじめて『魔獣』狩りするわけだし……」
「いや 責めてないよ 心配してくれたんだろ? ありがとうテレジア」
(…面倒だから話を終わらせて先に進みたいんだが……ビビりのテレジアさん…)
「わ…わかってるじゃない! 今回だけよ! ケイゴの為なんだから…」
(なんで赤くなるんだよ……)
「話を戻すわ あたしとケイゴなら 二匹や三匹なんてセコイこと言ってないで今回は 十匹くらい仕留めちゃおうって話なのよ」
「できるのか?」
「フフン! ちゃんと考えがあるのよ! とりあえず向かうわよ あっ何か食べ物 買っていきましょう」
「ああ この距離だと昼過ぎるかもしれないしな」
俺達は町を出る手前で惣菜屋を見つけたので、蒸かし芋やおかずを買ってから目的地に向かった。しばらく歩くと立て看板が見えた。『⇒ライザー鉱山 直進山道 コビ村』どうやら右に行くと、セーブストーンの採掘場『ライザー鉱山』で、真っ直ぐ進むとコビ村というところに着くらしい。俺達は真っ直ぐ、山道があるコビ村方面に歩いた。
「ねえ ケイゴ 近いうち『ライザー鉱山』にも行ってみない?」
「ああ セーブストーンが採れる鉱山だろ? 見てみたいかもな」
「オッケー! ねえ そろそろ生息地に入るんだけど 先に食べちゃわない?」
「ああ そうだな 朝飯食ったけどパン一つとミルクだけじゃ腹がもたないな食おうぜ」
俺達は『魔獣』の生息地の手前で昼食をする事にした。俺は飯を食べながらテレジアに『魔獣』の事を尋ねた。
「なあ 『魔獣』って見た事ないんだけど何か 特徴は無いのか?」
「そうねえ 『魔獣』は、元々が動物だから分かると思うんだけど 一番の特徴は『双尾』かしらね 尾が途中から分かれて二本になっているの」
「んー…鉢合わせになったときは確認しずらいな」
「そうねえ… そのまま倒しちゃっていいんじゃない? 『魔獣』じゃなかったら食べれる動物がほとんどだし」
「なんでもありかよ…さて そろそろ行ってみようか!」
「ええ 作戦は分かってるわよね?」
「ああ 大丈夫だ! まずポイントを見つけよう」
作戦の内容はこうだ、テレジアはあらかじめポイントに隠れてセーブストーン『ウォーター』を巻いておく。次に俺が囮おとりになりポイントまで『魔獣』を連れてくる。『魔獣』が水辺に足を着けたらテレジアの魔法『サンダー』で広範囲感電死させるという寸法だ。成功するか否かは、テレジアの『サンダー』を撃つタイミングが肝だ。出来るだけ多くの『魔獣』が足を水に接触していなければ取りこぼしが出てしまう、その場合は俺の物理でなんとかしようという事になった。
「この辺がいいわね」
「ああ テレジアは道の向こうで隠れていてくれ 俺はこっち側に走り抜けるように誘導してくる」
「オッケー 『ウォーター』は用意しとくわ」
俺は、一人で生息地に進入した。恐らく見ればわかるだろうが……林の各所で不自然な葉の動きがする。
ガサガサッ ガサガサガサ!
何やら地面から俺をめがけて飛んできた、蛇だ! 全長二メートルはあるだろうか、テレジアが言ってた『双尾』だ!
(これが『魔獣』……)
動き自体は、そこまで早く感じなかったが頑丈そうだ。胴が二十五~三十センチはある、現状で五匹は確認しているが距離を保ちながら、更に奥へ進んだ。
(これ失敗したか……)
奥には十五匹はいただろう、俺に気づいた『魔獣』の群れは地面を這って追いかけてきた。俺は山道へ出てポイントに走る。テレジアが隠れてこちらの様子を伺っている。水溜まりになっている道を抜けて山道から斜めに下がった場所に身を伏せた。
「『サンダー』!」
バリバリバリ!
テレジアの声と共に雷の音ががした、俺は急いで身を伏せた場所から、山道に引き返し確認した。『魔獣』は一気に感電死し、体が消滅していった。テレジアは……
「テレジア! 大丈夫か?」
「大丈夫よ! 撃ち漏らしはないわー」
消滅した『魔獣』の場所には、青い『魔石』が道中に散乱してた。実はこんなに上手くいくとは思っていなかった。
「びっくりしたわ あんなに連れてくるんだもの…」
「すまん すまん いやあー 上手くいったな! ハハハ」
「だから言ったでしょ! フフン! これからは あたしに任せなさい! さあ『魔石』拾って帰りましょう」
「ああ そうしよう」
俺とテレジアは転がった『魔石』を拾いテレジアのカバンに全て詰め込み町に帰る事にした。もちろん俺がカバン持ちだ……
(本当なら、あと二回くらいやりたかったけど 夕方は確か昨日の店『アーミー』にテレジアは行かなきゃならなかったし、また今度一緒に来るか)
「なあテレジア 今回の作戦は誰かに教えてもらったのか?」
「ううん 盗み聞きした」
「お前なあ……」
「壁に聞き耳立てた訳じゃないのよ? 情報は聞こえるところにいるだけで向こうから勝手に教えてくれる場合があるのよ」
そう言うとテレジアはニッコリ笑った。
(なんか、からくりがあるんだろうな……まあ二年も各町を周り情報集めていたんだから当然なのかもな)
「さっきの『魔獣』の名前は何ていうんだ?」
「あれはタファリね 蛇の『魔獣』よ 噛まれると猛毒を流しこまれるの 下手をすると半日で死んじゃうわ」
「ちょ! お前! そういうの先に言えよ…俺が死んじゃうわ!」
「ちゃんと解毒薬はもってるわ こんなに取れたんだから怒らないでよ」
「……そうだな……今回はテレジアのおかげだ ところで町に戻ったら真っ直ぐ組合に行くのか?」
「時間 間に合えばいいんだけど…」
「少し急ぐか?」
「そうね!」
俺とテレジアは走った!
しかし…五十メートルも走ったら息切れを起こし、ハッカハッカいって歩いてるテレジアの姿があった……
コンコンコン
「テレジアー……テレジア起きてるか?……テレジア!」
「うーん…起きてるわよ…ううーん……」
どう見ても、今の今まで眠っていた様子だ。目を擦りながら部屋から顔を出した。よだれの跡が頬についてる……起こしてくれと頼んだが逆に起こしにきた。
「寝坊したか? 俺はとっくにシャワー浴びて支度終わってるんだが?」
「……はっ! いけない すぐ用意するわ! 向かいのパン屋で何か食べながら待ってて! すぐ準備するから!」
(テレジアは朝、弱いのかな?だから夜の仕事なのか…)
慌てて支度するテレジアをよそに、自分の部屋の鍵をかけ道を挟んだ向かいのパン屋へ向かった。パン屋に入ると香ばしい独特の匂いがしてきた。どうやら釜で作ってるようだ、店の奥に、大きな釜が見える。
並べられているパンを見渡すと『パスタパン』というのがあった。見るとパンにパスタが挟んである、これは『焼きそばパン』みたいな物なのか?ドロッとしたトマトをペースト状にしてパスタと絡めた物を挟んでいて美味そうだ。
俺はミルクと『パスタパン』を買い、店の外に設置されてるテーブルと椅子で朝食を取る。今日も快晴だ……
(洒落てるな……オープンカフェかよ…俺が住んでたところにオープンカフェなんか無かったが…)
部屋で声をかけてから三十分経った頃だろう、テレジアが宿から降りてきた。
「ごめん! 遅くなった 食事はしたようね? あたしもパン買って行くわ」
そう言うとパンとミルクを買い歩き出した。今日はリュックでなくカバンを持っている。
「いきましょ! まずは店に寄ってからね!」
「なんの店だ?」
「ああ 念のためセーブストーン持ってきたからホルダー買っておくわ」
なんのホルダーだろう?とりあえず俺はテレジアについて行く。人通りが多くなってきた中心地に差し掛かったところで店屋に入った。店の中には、セーブストーンを収納する様々な形態のホルダーが売っていた。肩からぶらさげるタイプの物やベルトのように腰に巻きつけるタイプが目に付いた。ホルダー個体でも売っていて、ベルトに通してホルダーの数を増やしたりもできる。見栄えは、まるでライフルの弾帯のようだ。テレジアはベルトタイプの物にしたようだ。右に四つ左にも四つつけてベルトを締めながら俺に説明をする。
「いい? ケイゴ インストールしたセーブストーンは 利き腕側の右に収納しといて効果が消えたら 分かりやすく左のホルダーに収納しておく癖をつけとくといいわできれば何処のホルダーには何が収納してあるって覚えとくと さらにいいわね!」
「なるほどな…ホルダーってそういうやつだったのか」
(確かにバッグやリュックから取り出してたら『魔獣』との戦闘でロスも出るし、理にかなっている……色々調べつくしてるな)
「あたしはこれで準備オッケーよ! 先に場所と『魔獣』の説明しとくわね」
「ああ 頼むよ」
テレジアは自分のバッグから地図を取り出し赤ペンで印をつけた。
「今日これから向かうところは こっちの『ライザー鉱山』の北に生息するB級ランク『魔獣』よ ケイゴなら一人でやれると思うけど 今回はあたしもついて行くわ 『魔獣』の強さとか種類はわかる?」
「カナルの組合長に教えてもらったけど……マジックボアとかなんとかって」
「マジックボア? あれはA級ランク『魔獣』よ! 二人じゃ無理よ!」
「ふーん そうなんだ? で こっちの印はなんだ?」
「そこにもB級が出るんだけど……そのマジックボアも出るのよ…」
「なるほど…そんで今回は 安全なこっちに行く訳ね……」
俺はテレジアを残念そうに見た。
「なっ 何よ! 安全策取っちゃ悪いって言うの? そりゃあたしだってA級ランクなんかにビビッてなんかないわよ! でも今回はほら……あたしとケイゴがペアではじめて『魔獣』狩りするわけだし……」
「いや 責めてないよ 心配してくれたんだろ? ありがとうテレジア」
(…面倒だから話を終わらせて先に進みたいんだが……ビビりのテレジアさん…)
「わ…わかってるじゃない! 今回だけよ! ケイゴの為なんだから…」
(なんで赤くなるんだよ……)
「話を戻すわ あたしとケイゴなら 二匹や三匹なんてセコイこと言ってないで今回は 十匹くらい仕留めちゃおうって話なのよ」
「できるのか?」
「フフン! ちゃんと考えがあるのよ! とりあえず向かうわよ あっ何か食べ物 買っていきましょう」
「ああ この距離だと昼過ぎるかもしれないしな」
俺達は町を出る手前で惣菜屋を見つけたので、蒸かし芋やおかずを買ってから目的地に向かった。しばらく歩くと立て看板が見えた。『⇒ライザー鉱山 直進山道 コビ村』どうやら右に行くと、セーブストーンの採掘場『ライザー鉱山』で、真っ直ぐ進むとコビ村というところに着くらしい。俺達は真っ直ぐ、山道があるコビ村方面に歩いた。
「ねえ ケイゴ 近いうち『ライザー鉱山』にも行ってみない?」
「ああ セーブストーンが採れる鉱山だろ? 見てみたいかもな」
「オッケー! ねえ そろそろ生息地に入るんだけど 先に食べちゃわない?」
「ああ そうだな 朝飯食ったけどパン一つとミルクだけじゃ腹がもたないな食おうぜ」
俺達は『魔獣』の生息地の手前で昼食をする事にした。俺は飯を食べながらテレジアに『魔獣』の事を尋ねた。
「なあ 『魔獣』って見た事ないんだけど何か 特徴は無いのか?」
「そうねえ 『魔獣』は、元々が動物だから分かると思うんだけど 一番の特徴は『双尾』かしらね 尾が途中から分かれて二本になっているの」
「んー…鉢合わせになったときは確認しずらいな」
「そうねえ… そのまま倒しちゃっていいんじゃない? 『魔獣』じゃなかったら食べれる動物がほとんどだし」
「なんでもありかよ…さて そろそろ行ってみようか!」
「ええ 作戦は分かってるわよね?」
「ああ 大丈夫だ! まずポイントを見つけよう」
作戦の内容はこうだ、テレジアはあらかじめポイントに隠れてセーブストーン『ウォーター』を巻いておく。次に俺が囮おとりになりポイントまで『魔獣』を連れてくる。『魔獣』が水辺に足を着けたらテレジアの魔法『サンダー』で広範囲感電死させるという寸法だ。成功するか否かは、テレジアの『サンダー』を撃つタイミングが肝だ。出来るだけ多くの『魔獣』が足を水に接触していなければ取りこぼしが出てしまう、その場合は俺の物理でなんとかしようという事になった。
「この辺がいいわね」
「ああ テレジアは道の向こうで隠れていてくれ 俺はこっち側に走り抜けるように誘導してくる」
「オッケー 『ウォーター』は用意しとくわ」
俺は、一人で生息地に進入した。恐らく見ればわかるだろうが……林の各所で不自然な葉の動きがする。
ガサガサッ ガサガサガサ!
何やら地面から俺をめがけて飛んできた、蛇だ! 全長二メートルはあるだろうか、テレジアが言ってた『双尾』だ!
(これが『魔獣』……)
動き自体は、そこまで早く感じなかったが頑丈そうだ。胴が二十五~三十センチはある、現状で五匹は確認しているが距離を保ちながら、更に奥へ進んだ。
(これ失敗したか……)
奥には十五匹はいただろう、俺に気づいた『魔獣』の群れは地面を這って追いかけてきた。俺は山道へ出てポイントに走る。テレジアが隠れてこちらの様子を伺っている。水溜まりになっている道を抜けて山道から斜めに下がった場所に身を伏せた。
「『サンダー』!」
バリバリバリ!
テレジアの声と共に雷の音ががした、俺は急いで身を伏せた場所から、山道に引き返し確認した。『魔獣』は一気に感電死し、体が消滅していった。テレジアは……
「テレジア! 大丈夫か?」
「大丈夫よ! 撃ち漏らしはないわー」
消滅した『魔獣』の場所には、青い『魔石』が道中に散乱してた。実はこんなに上手くいくとは思っていなかった。
「びっくりしたわ あんなに連れてくるんだもの…」
「すまん すまん いやあー 上手くいったな! ハハハ」
「だから言ったでしょ! フフン! これからは あたしに任せなさい! さあ『魔石』拾って帰りましょう」
「ああ そうしよう」
俺とテレジアは転がった『魔石』を拾いテレジアのカバンに全て詰め込み町に帰る事にした。もちろん俺がカバン持ちだ……
(本当なら、あと二回くらいやりたかったけど 夕方は確か昨日の店『アーミー』にテレジアは行かなきゃならなかったし、また今度一緒に来るか)
「なあテレジア 今回の作戦は誰かに教えてもらったのか?」
「ううん 盗み聞きした」
「お前なあ……」
「壁に聞き耳立てた訳じゃないのよ? 情報は聞こえるところにいるだけで向こうから勝手に教えてくれる場合があるのよ」
そう言うとテレジアはニッコリ笑った。
(なんか、からくりがあるんだろうな……まあ二年も各町を周り情報集めていたんだから当然なのかもな)
「さっきの『魔獣』の名前は何ていうんだ?」
「あれはタファリね 蛇の『魔獣』よ 噛まれると猛毒を流しこまれるの 下手をすると半日で死んじゃうわ」
「ちょ! お前! そういうの先に言えよ…俺が死んじゃうわ!」
「ちゃんと解毒薬はもってるわ こんなに取れたんだから怒らないでよ」
「……そうだな……今回はテレジアのおかげだ ところで町に戻ったら真っ直ぐ組合に行くのか?」
「時間 間に合えばいいんだけど…」
「少し急ぐか?」
「そうね!」
俺とテレジアは走った!
しかし…五十メートルも走ったら息切れを起こし、ハッカハッカいって歩いてるテレジアの姿があった……
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