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タウマス遺跡の章
第64話 再調査へ
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俺達は、日の出と共に『タウマス遺跡』へと出発した。俺はロバの荷台に揺られながら昨夜カーティスから受け取った刀に魔力を込める練習をしていた。すると、横にいたテレジアが小声で聞いてきた。
「どう?上手くいきそう?」
少し心配そうな顔をしてるので返事をする。
「まだ無理かな まぁ焦らず身につけるさ」
「うん そうよね ケイゴはまだ魔法インストールをして間もないんだし」
テレジアは軽くフォローを入れニッコリした。
出発から2時間も経った頃だった
「ケイゴくん、テレジアさん 見えてきましたよ遺跡です!」
テレジアの脇に座っていたカインが荷ロバの先に見えた遺跡を指さして声を上げた。
俺とテレジアは、一瞬お互いの顔を見合わせてカインの指し示す方に目を向けた。遺跡は山を登りきった場所に位置し周りは切り崩され整地されている。遺跡の周りには数本の石柱が地面に突き刺さっている。俺は思わず声にした。
「これが遺跡か……すげーな」
ふと、隣に目を向けると頬をほんのりと赤らめ荷台にしがみ付き、遺跡を凝視するテレジアの姿があった。俺は声をかけようとしたがテレジアの想いを考えると、この瞬間を邪魔したくないと思い、そっとしておく事にした。
俺達を乗せたロバが遺跡入り口に着くとカインがオットーに指示を出す。
「オットー君 ロバは兵舎の脇に付けて下さい」
「わかりました」
「手続きがあるのでケイゴくんとテレジアさんは私について来てください 兵舎で身分証の確認です」
「了解」
「わかったわ!」
俺とテレジアは荷台から降りるとカインの後をついて兵舎に行く事にした。
兵舎は切り崩れた石を積み重ねて作られ高さ3メートル程の建物だった。その横には調査や観光に訪れた人達が宿泊できる立派な施設が準備されていた。度々、政府の人間が宿泊するためか丸太を使ったログハウス風になっていて兵舎に比べて断然豪華な作りになっていた。もちろん政府関係者は宿泊費が無料。しかし、観光目的の一般人からは小額だが宿泊料を徴収しているが滅多に来ないらしい。
コンコン
「入るよ カインです」
カインは木製扉を叩くと勝手に兵舎へ入っていく。すると備え付けのテーブルの奥の椅子に座る兵士2名が気付き立ちあがりるとカインに駆け寄った。
「せっ 先生! 心配しましたよ! 帰りにマジックボアに襲われて怪我をしたとか 大丈夫なんですか!?」
どうやらカインは事の成り行きをアインティークの冒険者組合から早馬を使い伝えたようだ。兵士の1人が心配そうに言っていた。
「ああ、心配かけましたね 怪我はこの通り大丈夫です」
カインは、その場でピョンピョンと跳ねてみせた。
「ああ よかった… 」
そう言った兵士はホッと胸を撫で下ろすと調査の件を聞いてきた。
「ところで先生 今日から再調査と聞いてるんですが今からすぐに?」
「うん とても気になっていたので、すぐにでも取り掛かりたいですね」
「わかりました 手続きしちゃいますか! 先生?今回はそちらの2人が同行者ですか?」
「そうです マジックボアから助けてくれ怪我の治療までしてくれた2人 ケイゴくんとテレジアさんです」
「そうだったんですか! 先生を助けて頂きありがとうございました わたしは此処『タウマス遺跡』の警護をしているジャンと申します そしてわたしの横にいるのが今年から兵士になったニコラと申します」
「ニコラです よろしくお願いします」
2人に挨拶された俺も軽く会釈してから自己紹介をした。
「ども ケイゴです」
続けてテレジアが何時もの調子で挨拶をする
「あたしはテレジア ジャンさん ニコラさんよろしくね!」
俺達の自己紹介が済むとカインがジャンを指さし俺達に向かって言った。
「彼 ジャンは元教え子なんですよ ハハッ 」
「えっ!?カインさんの教え子だったのか?だから先生 先生って言ってたのか」
「そうなんですよ ハハッ もう新兵じゃないから遺跡警護なんてしなくていいのにジャンは自ら志願して遺跡警護の任をしている変わり者です」
カインの話では兵士になると最低一年間の過疎地勤務が通例となっていて遺跡警護もその1つだと言う。勤務地はある程度の勤務地希望が叶うので新兵達もなんとか厳しい環境で任務を全うし次の勤務地に移動するのだという。
「変わり者って… 酷くないです?先生」
「ハハッ まあ私と似たもの同士ですね」
「でも何となくわかるわ!遺跡勤務素敵~」
テレジアも2人の話しに掌を合わせ、うっとり顔で同調した。
「……」
(遺跡馬鹿しかいないのかよ…まぁちょっとくらいはわかるけど)
「ところでディーノさんが見えませんが」
「あっ 隊長は給金を受け取りに首都に戻っています 戻りの予定は5日後です」
「調査前に挨拶しときたかったんですが まあ今回は仕方ないですね」
カインがディーノと呼び、ジャンが隊長と呼ぶ人物はタウマス遺跡の警備責任者だ。俺達はジャンから手渡された書類に必要事項を書き込むと食事と調査の準備をするため宿泊施設へ向かった。
5段ばかりの階段を昇るとログハウス風の宿泊施設の玄関ドアがある。ここでカインが俺達に言った。
「実はもう1人元教え子が、この中にいるんです」
そう言うとカインはドアを引っ張り中に入りながら声を出す。
「レッグ レッグいるかい?私だ カインだ」
俺達も、ゾロゾロとカインの後を追い宿泊施設に足を踏み入れた。
「どう?上手くいきそう?」
少し心配そうな顔をしてるので返事をする。
「まだ無理かな まぁ焦らず身につけるさ」
「うん そうよね ケイゴはまだ魔法インストールをして間もないんだし」
テレジアは軽くフォローを入れニッコリした。
出発から2時間も経った頃だった
「ケイゴくん、テレジアさん 見えてきましたよ遺跡です!」
テレジアの脇に座っていたカインが荷ロバの先に見えた遺跡を指さして声を上げた。
俺とテレジアは、一瞬お互いの顔を見合わせてカインの指し示す方に目を向けた。遺跡は山を登りきった場所に位置し周りは切り崩され整地されている。遺跡の周りには数本の石柱が地面に突き刺さっている。俺は思わず声にした。
「これが遺跡か……すげーな」
ふと、隣に目を向けると頬をほんのりと赤らめ荷台にしがみ付き、遺跡を凝視するテレジアの姿があった。俺は声をかけようとしたがテレジアの想いを考えると、この瞬間を邪魔したくないと思い、そっとしておく事にした。
俺達を乗せたロバが遺跡入り口に着くとカインがオットーに指示を出す。
「オットー君 ロバは兵舎の脇に付けて下さい」
「わかりました」
「手続きがあるのでケイゴくんとテレジアさんは私について来てください 兵舎で身分証の確認です」
「了解」
「わかったわ!」
俺とテレジアは荷台から降りるとカインの後をついて兵舎に行く事にした。
兵舎は切り崩れた石を積み重ねて作られ高さ3メートル程の建物だった。その横には調査や観光に訪れた人達が宿泊できる立派な施設が準備されていた。度々、政府の人間が宿泊するためか丸太を使ったログハウス風になっていて兵舎に比べて断然豪華な作りになっていた。もちろん政府関係者は宿泊費が無料。しかし、観光目的の一般人からは小額だが宿泊料を徴収しているが滅多に来ないらしい。
コンコン
「入るよ カインです」
カインは木製扉を叩くと勝手に兵舎へ入っていく。すると備え付けのテーブルの奥の椅子に座る兵士2名が気付き立ちあがりるとカインに駆け寄った。
「せっ 先生! 心配しましたよ! 帰りにマジックボアに襲われて怪我をしたとか 大丈夫なんですか!?」
どうやらカインは事の成り行きをアインティークの冒険者組合から早馬を使い伝えたようだ。兵士の1人が心配そうに言っていた。
「ああ、心配かけましたね 怪我はこの通り大丈夫です」
カインは、その場でピョンピョンと跳ねてみせた。
「ああ よかった… 」
そう言った兵士はホッと胸を撫で下ろすと調査の件を聞いてきた。
「ところで先生 今日から再調査と聞いてるんですが今からすぐに?」
「うん とても気になっていたので、すぐにでも取り掛かりたいですね」
「わかりました 手続きしちゃいますか! 先生?今回はそちらの2人が同行者ですか?」
「そうです マジックボアから助けてくれ怪我の治療までしてくれた2人 ケイゴくんとテレジアさんです」
「そうだったんですか! 先生を助けて頂きありがとうございました わたしは此処『タウマス遺跡』の警護をしているジャンと申します そしてわたしの横にいるのが今年から兵士になったニコラと申します」
「ニコラです よろしくお願いします」
2人に挨拶された俺も軽く会釈してから自己紹介をした。
「ども ケイゴです」
続けてテレジアが何時もの調子で挨拶をする
「あたしはテレジア ジャンさん ニコラさんよろしくね!」
俺達の自己紹介が済むとカインがジャンを指さし俺達に向かって言った。
「彼 ジャンは元教え子なんですよ ハハッ 」
「えっ!?カインさんの教え子だったのか?だから先生 先生って言ってたのか」
「そうなんですよ ハハッ もう新兵じゃないから遺跡警護なんてしなくていいのにジャンは自ら志願して遺跡警護の任をしている変わり者です」
カインの話では兵士になると最低一年間の過疎地勤務が通例となっていて遺跡警護もその1つだと言う。勤務地はある程度の勤務地希望が叶うので新兵達もなんとか厳しい環境で任務を全うし次の勤務地に移動するのだという。
「変わり者って… 酷くないです?先生」
「ハハッ まあ私と似たもの同士ですね」
「でも何となくわかるわ!遺跡勤務素敵~」
テレジアも2人の話しに掌を合わせ、うっとり顔で同調した。
「……」
(遺跡馬鹿しかいないのかよ…まぁちょっとくらいはわかるけど)
「ところでディーノさんが見えませんが」
「あっ 隊長は給金を受け取りに首都に戻っています 戻りの予定は5日後です」
「調査前に挨拶しときたかったんですが まあ今回は仕方ないですね」
カインがディーノと呼び、ジャンが隊長と呼ぶ人物はタウマス遺跡の警備責任者だ。俺達はジャンから手渡された書類に必要事項を書き込むと食事と調査の準備をするため宿泊施設へ向かった。
5段ばかりの階段を昇るとログハウス風の宿泊施設の玄関ドアがある。ここでカインが俺達に言った。
「実はもう1人元教え子が、この中にいるんです」
そう言うとカインはドアを引っ張り中に入りながら声を出す。
「レッグ レッグいるかい?私だ カインだ」
俺達も、ゾロゾロとカインの後を追い宿泊施設に足を踏み入れた。
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