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契約
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ラルフに近付いて、ジッと見つめるとラルフも見つめ返した。
鎖で繋がっているから、俺を襲わないと信じている。
「俺は予知夢があるんだ」
「へぇ、さっき嘘ついた仕返しか?」
「本当だよ、ラルフは近々可愛い子に召喚して恋に落ちる…それでも俺と契約をするのか?」
「………」
少しの沈黙の後、ラルフは「お前の事?」と言った。
俺が自分の事を可愛い子なんて言ってたら自分でも鳥肌立つから止めてくれ。
ナルシストじゃないし、当然可愛い子というのはリアーナの事だ。
リアーナという女の子の事だと言うと何故か鼻で笑われた。
ラルフってゲームでこんな奴だっただろうか。
もっとクールでリアーナ一筋だった気が…
ラルフはまだ出会っていないからそう言っているんだ。
もし、少し待てば出会うかもしれないならラルフだって急ぐ事はない。
魔界にいたくないだけなら、俺と契約をするより最愛の人の傍にいた方がいい。
「……で?」
「でって…」
「分かってねぇな、アルト」
ラルフは何もない空間に触れて、なにかを掴んだ仕草をした。
それを思いっきり引っ張ると、俺の首輪が引っ張られるようにラルフに近付いた。
腰を掴まれて距離を離す事が出来なくなり、至近距離で見つめ合う。
ラルフは囁くように「お前の特異体質に興味があるから言ってんだろ」と笑みを浮かべた。
普通に話せばいいのに、なんでそんなに色気増し増しで言うんだよ。
ただの好奇心が勝っただけのか。
本当に現実のラルフの考えが分からない。
もしかしてリアーナが召喚するのは顔が似てるだけの別個体だったりするのか?
性格が違うから、そうなんじゃないかって思い始めてきた。
「ロキさん…その」
「帰す事を言ったけど、アルトくんが召喚した魔物だからどうするかは君が決めるべきだよ」
「……」
「強い魔物との契約は魔物の協力があれば出来る…主であるアルトくんを殺す事は出来ないけどなにがあるかは分からない、契約するなら約束事を決めて契約を強くした方がいいよ」
ロキさんの言葉に、約束事って何を約束すればいいのかと考える。
ラルフは楽しそうに俺を見ていて、俺はラルフの手を握った。
俺の見えない番の糸により引き寄せられた。
魔法の可能性もあるが、俺が魔法を消す事が出来るなら魔法で引き寄せたわけではないよな。
本当にラルフとも番になっていて見えるから出来たのか。
この手に握られているのが俺の糸。
触れようとしても、俺の指は糸に触れる事は出来ない。
ラルフが嘘を付いているのか判断が難しい。
俺には嘘か本当かを見破る事が出来ない。
でも、今後ラルフにからかわれて主導権を握られるわけにはいかない。
「ラルフ、約束して…俺に二度と嘘は付かない」
「それが契約か?」
「不満?」
「いや、特級ランクの俺にする約束がガキみてぇだと思っただけだ…やっぱり面白いな、アルト」
ラルフにバカにされているような気がするが、楽しげに笑っていて番の糸が引っ張られた。
唇に触れ合う柔らかい熱に目を見開いて固まった。
手もラルフに重ねられて、強くしっかりと握られた。
身体中に駆け巡るなにかは俺とラルフの首輪を繋げる鎖となる。
明るい光が暗い地下室をキラキラと照らしていた。
温かい、これがラルフが見ていた番の糸?
糸はすぐに消えて、ラルフを拘束していた鎖が消えた。
すぐに抱き抱えられて、びっくりしてラルフにしがみつく。
「よろしくな、マスター」
ラルフはとても嬉しそうに笑っていた。
ーーー
ラルフとの事があり、翌日の事。
ロキさんにもう一つの机をもらい、本格的に召喚士としての生活が始まった気がした。
まずは山積みになった机のものを片付けるところから始まる。
とりあえず小さな作業が出来そうなスペースは確保した。
ロキさんは召喚獣はいくらでも契約出来るから、今度こそFランクの魔物を召喚出来るかもよと提案された。
もしかしたら俺が自分で作った魔法陣の方が効果があるかもしれないと言われて、初めて自分で作る事にした。
「初めての召喚士講座」という本を見ながら紙に魔法陣を描く。
ちゃんと円になっていないと上手く発動はしない。
線を引いて、自分の文字を魔法語で書いてみる。
これなら上手く召喚出来そうだ。
満足げに自分の魔法陣を眺めていたら、隣から手が出てきて奪われた。
「ちょっ、ラルフ返せって!」
「…マスター、浮気か?」
「俺は召喚士なんだから、他の魔物も召喚しないと」
ラルフが無言で魔法陣を描いた紙を燃やしていて、俺にそっぽを向いた。
俺と契約しているのに、まだまだ俺はラルフを手懐ける事が出来ていなかった。
鎖で繋がっているから、俺を襲わないと信じている。
「俺は予知夢があるんだ」
「へぇ、さっき嘘ついた仕返しか?」
「本当だよ、ラルフは近々可愛い子に召喚して恋に落ちる…それでも俺と契約をするのか?」
「………」
少しの沈黙の後、ラルフは「お前の事?」と言った。
俺が自分の事を可愛い子なんて言ってたら自分でも鳥肌立つから止めてくれ。
ナルシストじゃないし、当然可愛い子というのはリアーナの事だ。
リアーナという女の子の事だと言うと何故か鼻で笑われた。
ラルフってゲームでこんな奴だっただろうか。
もっとクールでリアーナ一筋だった気が…
ラルフはまだ出会っていないからそう言っているんだ。
もし、少し待てば出会うかもしれないならラルフだって急ぐ事はない。
魔界にいたくないだけなら、俺と契約をするより最愛の人の傍にいた方がいい。
「……で?」
「でって…」
「分かってねぇな、アルト」
ラルフは何もない空間に触れて、なにかを掴んだ仕草をした。
それを思いっきり引っ張ると、俺の首輪が引っ張られるようにラルフに近付いた。
腰を掴まれて距離を離す事が出来なくなり、至近距離で見つめ合う。
ラルフは囁くように「お前の特異体質に興味があるから言ってんだろ」と笑みを浮かべた。
普通に話せばいいのに、なんでそんなに色気増し増しで言うんだよ。
ただの好奇心が勝っただけのか。
本当に現実のラルフの考えが分からない。
もしかしてリアーナが召喚するのは顔が似てるだけの別個体だったりするのか?
性格が違うから、そうなんじゃないかって思い始めてきた。
「ロキさん…その」
「帰す事を言ったけど、アルトくんが召喚した魔物だからどうするかは君が決めるべきだよ」
「……」
「強い魔物との契約は魔物の協力があれば出来る…主であるアルトくんを殺す事は出来ないけどなにがあるかは分からない、契約するなら約束事を決めて契約を強くした方がいいよ」
ロキさんの言葉に、約束事って何を約束すればいいのかと考える。
ラルフは楽しそうに俺を見ていて、俺はラルフの手を握った。
俺の見えない番の糸により引き寄せられた。
魔法の可能性もあるが、俺が魔法を消す事が出来るなら魔法で引き寄せたわけではないよな。
本当にラルフとも番になっていて見えるから出来たのか。
この手に握られているのが俺の糸。
触れようとしても、俺の指は糸に触れる事は出来ない。
ラルフが嘘を付いているのか判断が難しい。
俺には嘘か本当かを見破る事が出来ない。
でも、今後ラルフにからかわれて主導権を握られるわけにはいかない。
「ラルフ、約束して…俺に二度と嘘は付かない」
「それが契約か?」
「不満?」
「いや、特級ランクの俺にする約束がガキみてぇだと思っただけだ…やっぱり面白いな、アルト」
ラルフにバカにされているような気がするが、楽しげに笑っていて番の糸が引っ張られた。
唇に触れ合う柔らかい熱に目を見開いて固まった。
手もラルフに重ねられて、強くしっかりと握られた。
身体中に駆け巡るなにかは俺とラルフの首輪を繋げる鎖となる。
明るい光が暗い地下室をキラキラと照らしていた。
温かい、これがラルフが見ていた番の糸?
糸はすぐに消えて、ラルフを拘束していた鎖が消えた。
すぐに抱き抱えられて、びっくりしてラルフにしがみつく。
「よろしくな、マスター」
ラルフはとても嬉しそうに笑っていた。
ーーー
ラルフとの事があり、翌日の事。
ロキさんにもう一つの机をもらい、本格的に召喚士としての生活が始まった気がした。
まずは山積みになった机のものを片付けるところから始まる。
とりあえず小さな作業が出来そうなスペースは確保した。
ロキさんは召喚獣はいくらでも契約出来るから、今度こそFランクの魔物を召喚出来るかもよと提案された。
もしかしたら俺が自分で作った魔法陣の方が効果があるかもしれないと言われて、初めて自分で作る事にした。
「初めての召喚士講座」という本を見ながら紙に魔法陣を描く。
ちゃんと円になっていないと上手く発動はしない。
線を引いて、自分の文字を魔法語で書いてみる。
これなら上手く召喚出来そうだ。
満足げに自分の魔法陣を眺めていたら、隣から手が出てきて奪われた。
「ちょっ、ラルフ返せって!」
「…マスター、浮気か?」
「俺は召喚士なんだから、他の魔物も召喚しないと」
ラルフが無言で魔法陣を描いた紙を燃やしていて、俺にそっぽを向いた。
俺と契約しているのに、まだまだ俺はラルフを手懐ける事が出来ていなかった。
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