転生悪役召喚士見習いのΩくんと4人の最強の番

寿団子

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初めての依頼

「アルトくんもそろそろ召喚士が様になってきたんじゃないかな」

「…でもラルフは全然手懐けて…あっ、ちょっ」

「マスターとまた交尾しないと力が出ないなぁー」

ラルフは毎日のように交尾と口にして、俺のズボンの中を弄っていく。
俺が主のはずなのに良いようにされて、ロキさんに引き剥がされて助けられる。

こんな情けない召喚士で果たして様になっているのだろうか。

抑制剤はもうラルフに奪われる事なく、俺が保管している。
ロキさんもラルフに食事の配膳もやらせずに、俺の手伝いをしてくれる。

相変わらずロキさんとラルフは衝突ばかりしているが、俺には喧嘩するほど仲がいいと思っている。

ロキさんについてもいろいろと思う事はある。
でも、二人になるタイミングがなかなかない。

ラルフも一人には出来ないし、どうしたらいいんだろう。

「毎回毎回マスターとの仲を引き離してんじゃねぇ!根暗野郎!!」

「じゃあいつも盛ってる変態狼を止めればいいんじゃないかな!」

「はぁ!マスターを見て我慢なんで出来たら男じゃねぇ!この欲望はマスターにしか発散出来ねぇんだ!」

「……いいところがあるよ」

恥ずかしい事をラルフが言っていて、俺はなんて言えばいいのか戸惑っていたらロキさんが提案した。

俺とラルフは言っている意味が分からなかったが、ロキさんに付いて行く。

工房を離れて、少し歩いたら足を止めた。

そこはオシャレなカフェのような外装で、なにか食べに来たのかと首を傾げる。
ラルフはもう既に興味を失い、大きな欠伸をしていた。

カランコロンと鈴の音が響きながら扉が開いた。

そこは、オシャレなカフェとはかけ離れたところだった。
興味がなさそうだったラルフも明らかに顔を引き攣らせて俺の後ろに隠れる。

「なんだここ、むさ苦しい奴らばかりじゃねぇか」

「そりゃあ、ここはギルドだからね」

ロキさんはそう言って受付の人に話しかけていた。

ギルド、ここはゲームでもあったが外装までは知らなかった。

数人グループがギルドと呼ばれるチームを作って一緒に依頼を受ける場所。
依頼は危険な魔物討伐から、収集依頼まで様々ある。

ロキさんはギルドに所属はしていないが、依頼を受けるために来ている。
坂場をギルドにしているのか、所々カウンターやテーブルなど酒場の名残りがある。

奥には掲示板があり、紙が何枚か張り出されている。
これが依頼になり、掲示板の前にガラの悪そうな人達が集まっている。

「ロキくんの弟子?」

「そうです、いい依頼ありませんか?どうせなら討伐系!」

「珍しいね、いつも納品の依頼ばかり受けるのに」

ロキさんはギルドの受付に座る眼鏡の男性に俺を紹介してくれた。
いつもここで薬の調合の依頼を受けているから常連だ。

俺とラルフは初めてギルドに来たから、周りをキョロキョロ見ていた。
俺の肩に寄り掛かるラルフは受付の人、リンドウさんから紙を受け取った。

横から俺も見ると、掲示板に貼られていない依頼だった。
リンドウさんはついさっき受理した依頼だと言っていた。
まだ誰も知らない依頼を常連のロキさんのために教えてくれた。

その依頼は、草原に現れる凶悪な魔物の討伐依頼だった。

「ラルフが欲求を発散するには魔物を倒せばいいんだよ」

「はぁ!?俺はマスターとこう…むぐっ」

ラルフが人が大勢いる前でとんでもない事を口走ろうとして、とっさに口を塞いだ。

こんなところで「交尾」なんて言わないでくれ!

なにか言いたげにもごもごしているラルフを放っておいて、ロキさんがどうするか聞いてくる。
依頼の紙には報酬の値段も書かれていて、収集依頼よりも報酬が高い。

ロキさんにずっと頼りっぱなしで、俺が自分で稼ぎたかった。

俺自身力は弱い、けどラルフの力は契約者の俺の力となる。
頼りっぱなしなのは悪いけど、俺も強くなれるかな。

「俺、やります」

「そっか、僕もいるから大丈夫だよ」

ロキさんは笑みを浮かべて、リンドウさんに依頼受理をお願いしていた。
顔を真っ赤にして力が抜けているラルフを見て手を離した。

いつの間にか鼻まで摘んでしまっていて、息が出来なくなっていた。
「ごめんラルフ!」と思いっきり空気を吸い込んで咽せているラルフに謝る。

ギュッと抱きしめると、ラルフも抱きしめ返してくれた。

草原の魔物はどれもそこまで強くないからイージーモードらしい。

とりあえず仕事内容を確認するために家に帰ろうと二人に言った。
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