転生悪役召喚士見習いのΩくんと4人の最強の番

寿団子

文字の大きさ
7 / 30

家なし

しおりを挟む
あれから2日が経った。

食事は魚と果物だけを食べて、意外と腹が満たされた。

今日はラハルさんと一緒に新しい食料を探しに森を歩いていた。

キノコの季節ではないから、別の食料を探そう…食べれる山菜はあるかな。

俺は帰りたくても帰れないけど、ラハルさんは帰らないのかな。

正体に気付く前は、森の中で住んでいる人だと思っていた。

でも彼は後に大帝国の帝王となる、ラインハルト様だ。
リアーナとの恋愛の可能性がある人がこんなに近くにいるとは思わなかった。

あんな事して大丈夫なのかな、ラインハルトの心の氷を溶かすのはリアーナの役目だ。
俺はラインハルトに自分の気持ちを伝えたかった、それだけだ。

きっとリアーナは別の事でラインハルトの心の氷を溶かすんだろう、きっとそうだ。

「アルト」

「どうしたの?ラ…ハルさん」

「君はいつまでこの森にいるんだ?ゴーレム以外も森には大勢いる、住みやすいとは思えない」

ラインハルトの言葉はその通りだけど、ここの方が食料には困らないから他に行こうとは思えない。

そういえば言っていなかったな、俺はルビーを持ち帰らないと家には帰れない。
それだけ聞いたら、盗人一族のようだ…いや盗人の一族か。

ラインハルトに帰れない理由だけを話すと、驚いていた。
そりゃあそうか、子供を森に行かせる理由としては酷い話だよな。

結局俺は自分では何も出来なくて、修行にもなっていない。

国を守る兵士を鍛えるためなのに、やる事は盗人。

もしかして国を守る兵士だと思ってたけど、鉱石を盗む人にされそうになってる?

とんでもない事実に気付いたが、ルビーは手に入らないしどうでもいいかと思えた。

「……」

「あっ、そんなに気にしなくて良いですからね!俺はもうここで生きていくんで!」

「アルト、もし…君さえ良ければ」

ラインハルトに心配掛けないように明るく大丈夫だと言った。

少し考えて、ラインハルトは俺をまっすぐに見つめていた。
そして「私の家に来ないか」と言って眩しい笑顔で微笑んだ。

ラインハルトの家って、もしかして大帝国の城!?
さすがに俺もルーン国の王子だけど、比べるのはおこがましいほどだ。

大帝国と同盟国になる権利すらない国だ、リアーナが女王になれば大帝国との同盟国になる未来もあった。
ゲームではリアーナはルーン国と縁を切っているから、ルーン国はずっと小さいままだ。

俺がラインハルトの家に居候なんてしたら、可笑しな話になってしまう。
ゲームのラインハルトは幼馴染みの騎士団長以外とは仲良くない。

その騎士団長とも一緒に住むほどの仲なわけがない。

いいのか俺なんかが城にお邪魔して…いやいややっぱりダメだ!

「さすがに俺がお邪魔するのはダメだと思います!ラハルさんのご両親からしたら俺は不審者だし」

「なら、私と婚姻を結べば誰にも口出しはさせない!」

ラインハルトはそう言って、俺の手をしっかりと両手で握った。

婚姻?リアーナとラインハルトが?それで俺が身内になるから大丈夫って事?
あれ?俺、リアーナの話をラインハルトに言ったっけ?

ジッと見つめているのは俺だ、それ以外に誰もいない。

自分を指差すと、ラインハルトは当然のように頷いていた。

俺って、ラインハルトに女の子だと間違われてる?
今まで女の子だと言われた事がなくて、自分自身も男にしか見えないから勘違いされているとは思わなかった。

それとも大帝国なら男同士の結婚も出来るのか?必要ないからゲームには書かれていなかったけど。

「俺、男だけど」

「そうか」

「ラハルさんの国では男同士で結婚出来るの?」

「Ωなら許されるが、君がαでもβでも法律をねじ曲げて婚姻を結ぼう」

ラインハルトの言葉に、俺の頭は真っ白になった。
婚姻どうのよりも、衝撃な事を言わなかっただろうか。

ベータ…βってなんだ!?まさか、Ωやα以外にもいるのか?
βはどういう立場なんだ?全く分からない、俺はβの可能性も出てきたのか?

頭を抱えて、頭の上でΩとαとβがぐるぐる回っている。

ラインハルトは「今はまだ子供だから、大人になるまで私の家で住めばいい」と言っていた。
ラインハルトと結婚なんてなんでそんな話になるのか分からない。
リアーナの幸せを壊すわけにはいかないと、歩き出した。

「俺は1人でも大丈夫だから!」

「私は不満か」

「いや、不満とかそういう問題じゃ」

ラインハルトが落ち込んでしまい、どう言ったら傷付かずに言えるか考えていたらなにかが見えた。

結構森の奥を進んだから、見た事がない場所着いた。
そこには瓦礫の山があり、古代遺跡かなにかのように見えた。

ここには食料はなさそうだけど、ラインハルトは驚いていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!

モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。 その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。 魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。 その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?! ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

美貌の貧乏男爵、犬扱いしていた隣国の王子に求婚される

muku
BL
父亡き後、若くして男爵となったノエルは領地経営に失敗し、多額の借金を抱えて途方に暮れていた。そこへやって来たのは十年前に「野良犬」として保護していた少年レオで、彼の成長を喜ぶノエルだったが、実はその正体が大国の王子であったと知って驚愕する。 復讐に来たのだと怯えて逃げ出すノエルだったが、レオことレオフェリス王子はノエルに結婚してほしいと頼み始める。 男爵邸に滞在すると言い出す王子は「自分はあなたの犬だ」と主張し、ノエルは混乱するしかない。見通しの立たない返済計画、積極的な犬王子、友人からのありえない提案と、悩みは尽きない美貌の男爵。 借金完済までの道のりは遠い。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

悪役令息の異世界転移 〜ドラゴンに溺愛された僕のほのぼのスローライフ〜

匠野ワカ
BL
ある日、リューイは前世の記憶を思い出した。 そして気付いたのだ。 この世界、高校生だった前世でやり込んでいたゲームかも? 僕ってば、もしかして最終的に処刑されちゃう悪役令息……? そこからなんとか死亡エンドを回避するため、良い子の努力を続けるリューイ。しかし、ゲームのストーリー強制力に連戦連敗。何をやっても悪役令息まっしぐら。 ーーこうなったらもう逃げ出すしかない!! 他国に逃げる計画は失敗。断罪イベント直前に聖女に助けられ、何故だか他国どころか異世界に飛ばされてしまって、さぁ大変。 ジャングルみたいな森に落っこちたリューイは、親切なドラゴンに助けられ、目指すはほのぼのスローライフ!  平和に長生きしたいんだ! ドラゴン×悪役令息 言葉の通じない二人のほのぼの(当社比)BLです。 出会うまでにちょっと時間がかかりますが、安心安全のハピエンBL。 ゆっくり更新です。ゆるゆるお楽しみください。

処理中です...