転生悪役召喚士見習いのΩくんと4人の最強の番

寿団子

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家なし

あれから2日が経った。

食事は魚と果物だけを食べて、意外と腹が満たされた。

今日はラハルさんと一緒に新しい食料を探しに森を歩いていた。

キノコの季節ではないから、別の食料を探そう…食べれる山菜はあるかな。

俺は帰りたくても帰れないけど、ラハルさんは帰らないのかな。

正体に気付く前は、森の中で住んでいる人だと思っていた。

でも彼は後に大帝国の帝王となる、ラインハルト様だ。
リアーナとの恋愛の可能性がある人がこんなに近くにいるとは思わなかった。

あんな事して大丈夫なのかな、ラインハルトの心の氷を溶かすのはリアーナの役目だ。
俺はラインハルトに自分の気持ちを伝えたかった、それだけだ。

きっとリアーナは別の事でラインハルトの心の氷を溶かすんだろう、きっとそうだ。

「アルト」

「どうしたの?ラ…ハルさん」

「君はいつまでこの森にいるんだ?ゴーレム以外も森には大勢いる、住みやすいとは思えない」

ラインハルトの言葉はその通りだけど、ここの方が食料には困らないから他に行こうとは思えない。

そういえば言っていなかったな、俺はルビーを持ち帰らないと家には帰れない。
それだけ聞いたら、盗人一族のようだ…いや盗人の一族か。

ラインハルトに帰れない理由だけを話すと、驚いていた。
そりゃあそうか、子供を森に行かせる理由としては酷い話だよな。

結局俺は自分では何も出来なくて、修行にもなっていない。

国を守る兵士を鍛えるためなのに、やる事は盗人。

もしかして国を守る兵士だと思ってたけど、鉱石を盗む人にされそうになってる?

とんでもない事実に気付いたが、ルビーは手に入らないしどうでもいいかと思えた。

「……」

「あっ、そんなに気にしなくて良いですからね!俺はもうここで生きていくんで!」

「アルト、もし…君さえ良ければ」

ラインハルトに心配掛けないように明るく大丈夫だと言った。

少し考えて、ラインハルトは俺をまっすぐに見つめていた。
そして「私の家に来ないか」と言って眩しい笑顔で微笑んだ。

ラインハルトの家って、もしかして大帝国の城!?
さすがに俺もルーン国の王子だけど、比べるのはおこがましいほどだ。

大帝国と同盟国になる権利すらない国だ、リアーナが女王になれば大帝国との同盟国になる未来もあった。
ゲームではリアーナはルーン国と縁を切っているから、ルーン国はずっと小さいままだ。

俺がラインハルトの家に居候なんてしたら、可笑しな話になってしまう。
ゲームのラインハルトは幼馴染みの騎士団長以外とは仲良くない。

その騎士団長とも一緒に住むほどの仲なわけがない。

いいのか俺なんかが城にお邪魔して…いやいややっぱりダメだ!

「さすがに俺がお邪魔するのはダメだと思います!ラハルさんのご両親からしたら俺は不審者だし」

「なら、私と婚姻を結べば誰にも口出しはさせない!」

ラインハルトはそう言って、俺の手をしっかりと両手で握った。

婚姻?リアーナとラインハルトが?それで俺が身内になるから大丈夫って事?
あれ?俺、リアーナの話をラインハルトに言ったっけ?

ジッと見つめているのは俺だ、それ以外に誰もいない。

自分を指差すと、ラインハルトは当然のように頷いていた。

俺って、ラインハルトに女の子だと間違われてる?
今まで女の子だと言われた事がなくて、自分自身も男にしか見えないから勘違いされているとは思わなかった。

それとも大帝国なら男同士の結婚も出来るのか?必要ないからゲームには書かれていなかったけど。

「俺、男だけど」

「そうか」

「ラハルさんの国では男同士で結婚出来るの?」

「Ωなら許されるが、君がαでもβでも法律をねじ曲げて婚姻を結ぼう」

ラインハルトの言葉に、俺の頭は真っ白になった。
婚姻どうのよりも、衝撃な事を言わなかっただろうか。

ベータ…βってなんだ!?まさか、Ωやα以外にもいるのか?
βはどういう立場なんだ?全く分からない、俺はβの可能性も出てきたのか?

頭を抱えて、頭の上でΩとαとβがぐるぐる回っている。

ラインハルトは「今はまだ子供だから、大人になるまで私の家で住めばいい」と言っていた。
ラインハルトと結婚なんてなんでそんな話になるのか分からない。
リアーナの幸せを壊すわけにはいかないと、歩き出した。

「俺は1人でも大丈夫だから!」

「私は不満か」

「いや、不満とかそういう問題じゃ」

ラインハルトが落ち込んでしまい、どう言ったら傷付かずに言えるか考えていたらなにかが見えた。

結構森の奥を進んだから、見た事がない場所着いた。
そこには瓦礫の山があり、古代遺跡かなにかのように見えた。

ここには食料はなさそうだけど、ラインハルトは驚いていた。
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