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ロキの工房
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放心状態のまま進み、気付いたら帝国の中にいた。
外はすっかり暗くなり、外灯と家の光が照らしていた。
帝国はこの世界で1番大きな国で人口も多い。
昼間だと賑わいも違うんだろうな。
今は遅いから街を歩く人も少ないが、担がれている俺を奇妙な目で見ている人がすれ違う度にいる。
何度かロキさんにもう大丈夫だと伝えたはずなんだけど、ロキさんも「大丈夫だよ」と言って降ろしてくれない。
抱かれた時よりも注目されている今が1番恥ずかしい。
もう一度言おうと口を開くのと同時に、俺の足は地面に着いた。
「あ…」
「僕の工房に到着だよ」
そう言ったロキさんは目の前の建物に入っていった。
見た目は普通の民家みたいだけど、壁一面に蔦が絡みついていて緑の葉が建物を染めていた。
まるで植物園のようになっている家にお邪魔する事になった。
「お邪魔します」と声を掛けて入ると、玄関の先は作業室のような机が二つ右端と左端に置かれていた。
一つの机は科学のような液体を煮る入れ物や、草や花などが瓶に置かれて並べられている。
もう一つの机は山積みにされた紙が置いてあり、床にも紙が散乱していた。
ロキさんは科学机に近付いて机の引き出しを開けていた。
奥にも扉が二つあり、その隣は台所のようだ。
上はロフトになっていてベッドが見えるから、そこで寝起きしているんだと思う。
「あったあった!アルトくん、立ったままだと疲れちゃうからそこに座って」
ロキさんに言われて、紙の机の近くにあるソファーに座った。
台所から水をコップに入れて、俺のところにやってきた。
「ヒートが落ち着いてしばらくは大丈夫だと思うけど一応ね」
「ありがとうございます」
「僕が作った特注品だから、副作用もないから安心してね」
ロキさんに言われて、錠剤を二つ飲んで水で流し込んだ。
これでいつヒートが来るか分からない怯えから解放される。
ずっと効果があるわけではないのは分かっているけど、とりあえずは大丈夫だ。
部屋を見渡すと、リアーナの姿は何処にもない。
他の部屋は見ていないから確実にいないかは分からない。
リアーナの名前を知らなかったのなら、名前で聞くのはやめよう。
ロキさんに黒髪清楚系で頭にリボンを付けた女の子に会ったかどうか聞いてみた。
少し考えてから思い出したように手を叩いた。
「清楚系…は分からないけど、リボンを付けた女の子なら会ったよ!だいぶ前だけど」
「その子!今何処に居ますか!?」
「何処にって…帝国に来たばかりで暴漢に襲われそうになってたから助けて、騎士団に預けたよ」
「……ここで匿ったりは」
「えっ!?さすがに男の家に女の子を匿うわけないよ!」
ロキさんは当然の事を言っていた、じゃあ一緒に住んでいたゲームは可笑しいのか?
現実はそんなものだよな、ストーリーになぞって会ってはいるが騎士団のところにいるのか。
でもそれなら女王の祭典は?ロキさんが参加出来るようにしたのに…
ロキさんは「もうだいぶ前だから家に帰ったんだと思うよ」と言っていた。
なにかが変わってしまったのか、いったい何処で?
そもそもαだΩだってある時からゲーム通りではなくなっている。
考え事をしていたら、横から突き刺さるような視線を感じた。
この家にいるのは俺とロキさんだけで、ロキさんの方を見た。
「ロキさん…?」
「その子、アルトくんとどういう関係?……恋人?」
外はすっかり暗くなり、外灯と家の光が照らしていた。
帝国はこの世界で1番大きな国で人口も多い。
昼間だと賑わいも違うんだろうな。
今は遅いから街を歩く人も少ないが、担がれている俺を奇妙な目で見ている人がすれ違う度にいる。
何度かロキさんにもう大丈夫だと伝えたはずなんだけど、ロキさんも「大丈夫だよ」と言って降ろしてくれない。
抱かれた時よりも注目されている今が1番恥ずかしい。
もう一度言おうと口を開くのと同時に、俺の足は地面に着いた。
「あ…」
「僕の工房に到着だよ」
そう言ったロキさんは目の前の建物に入っていった。
見た目は普通の民家みたいだけど、壁一面に蔦が絡みついていて緑の葉が建物を染めていた。
まるで植物園のようになっている家にお邪魔する事になった。
「お邪魔します」と声を掛けて入ると、玄関の先は作業室のような机が二つ右端と左端に置かれていた。
一つの机は科学のような液体を煮る入れ物や、草や花などが瓶に置かれて並べられている。
もう一つの机は山積みにされた紙が置いてあり、床にも紙が散乱していた。
ロキさんは科学机に近付いて机の引き出しを開けていた。
奥にも扉が二つあり、その隣は台所のようだ。
上はロフトになっていてベッドが見えるから、そこで寝起きしているんだと思う。
「あったあった!アルトくん、立ったままだと疲れちゃうからそこに座って」
ロキさんに言われて、紙の机の近くにあるソファーに座った。
台所から水をコップに入れて、俺のところにやってきた。
「ヒートが落ち着いてしばらくは大丈夫だと思うけど一応ね」
「ありがとうございます」
「僕が作った特注品だから、副作用もないから安心してね」
ロキさんに言われて、錠剤を二つ飲んで水で流し込んだ。
これでいつヒートが来るか分からない怯えから解放される。
ずっと効果があるわけではないのは分かっているけど、とりあえずは大丈夫だ。
部屋を見渡すと、リアーナの姿は何処にもない。
他の部屋は見ていないから確実にいないかは分からない。
リアーナの名前を知らなかったのなら、名前で聞くのはやめよう。
ロキさんに黒髪清楚系で頭にリボンを付けた女の子に会ったかどうか聞いてみた。
少し考えてから思い出したように手を叩いた。
「清楚系…は分からないけど、リボンを付けた女の子なら会ったよ!だいぶ前だけど」
「その子!今何処に居ますか!?」
「何処にって…帝国に来たばかりで暴漢に襲われそうになってたから助けて、騎士団に預けたよ」
「……ここで匿ったりは」
「えっ!?さすがに男の家に女の子を匿うわけないよ!」
ロキさんは当然の事を言っていた、じゃあ一緒に住んでいたゲームは可笑しいのか?
現実はそんなものだよな、ストーリーになぞって会ってはいるが騎士団のところにいるのか。
でもそれなら女王の祭典は?ロキさんが参加出来るようにしたのに…
ロキさんは「もうだいぶ前だから家に帰ったんだと思うよ」と言っていた。
なにかが変わってしまったのか、いったい何処で?
そもそもαだΩだってある時からゲーム通りではなくなっている。
考え事をしていたら、横から突き刺さるような視線を感じた。
この家にいるのは俺とロキさんだけで、ロキさんの方を見た。
「ロキさん…?」
「その子、アルトくんとどういう関係?……恋人?」
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