転生悪役召喚士見習いのΩくんと4人の最強の番

寿団子

文字の大きさ
16 / 30

「アルトくん…」

「噛んで下さい、俺のうなじ」

「そんな簡単にダメだよ、するだけなら番にする必要もないし」

「ロキさんになら…と思ったんです、人生を預けるって考えると一目惚れだと思います」

最初に会った時はゲームのキャラクターの1人に会って、リアーナの運命が変わる事が怖かった。
ヒートの欲望に耐えられなくてしてしまっても、俺は自分のせいだと思っていた。

ロキさんはリアーナが好きだと思っていた、リアーナとの幸せを奪った自分自身が嫌だった。
ロキさんに抱かれた事は嫌ではなく、治療だと思えば2人の幸せを邪魔しないと思っていた。

俺は、ゲームのキャラクターではなくロキさんという1人の男を見ている。
今日出会ったばかりの人にそう思うのは、きっとロキさんが好きだからだ。

ロキさんは俺の首に手を触れて、首輪が外れた。

苦しくなかったが、解放感がある。

その指は俺の頬に触れた。

「僕の方が先に君に一目惚れしたんだよ」

同じ男で、顔はいいが女性っぽい見た目ではない。
それでも可愛いと思うのは、きっと惚れているからなのかな。

唇を触れ合わせて、そんな事を考えていた。







―――

外とは違い、室内でロキさんは壁が分厚いと言っていたから声を抑える必要はない。

そうでなくても、声が漏れる。
森の中でした時よりも、俺の身体は感じていた。

後ろからロキさんが覆い被さってきて、手に手を重ねる。

後ろから激しく突かれて、自分で指を入れた時よりも気持ちいい。

すぐにイってしまい、休む暇なく次の気持ちいいのが押し寄せてきた。
どんなにイってもヒートが全然治まらない。

ロキさんに前を触れられて、何回目かの絶頂を迎えた。

「アルトくん、今日はソファーで寝よう…これじゃあ寝られないね」

「…あっ、あ、ふぅっ、んんっ」

「好きだよ、愛してる…はっ、ぁ…」

強く打ち付けられて、びくびくと身体を震わせて絶頂した。
ロキさんもイったのか腹の中が熱くなる。

前はロキさんがイったらヒートは治まっていた。
でも、まだ足りないと思うのはなんでだろう。

その時、首筋に痛みが走り後ろを見た。

ロキさんは嬉しそうな顔をしていて、これが番になるって事なのかなと思った。

ギュッと後ろから抱きしめられて、またイってしまった。
本当に俺、癖になってきてるのか?

「あっ、んぁっ、あっ、んっ」

「はぁっ、アルトくん…もっとしたい」

ロキさんが止まるまで、俺の身体は気持ちいいが続いていた。







ーーー

翌朝、俺の声は死んでいた。

隣にいるロキさんは謝っていたけど、大丈夫だと言おうとした。
声に出そうとすると潰れた声しか出なくて手を振る事しか出来なかった。

自分の首に触れて、目で見えないけど歯形があるんだよなと考える。

ロキさんは「勢いで噛んだから血が滲んでるかもしれない」と急いで机の引き出しから救急セットを取り出した。

後ろを振り返り、ロキさんにうなじを見せた。

触れられると真夜中のヒートが残っている
のかビクッと反応した。
あんなにしたのにまさか、と思って下を見たら反応はしていなかった。

「あ、あれ?」

「……?」

「可笑しいな、噛み跡がない…確かに噛んだのに」

困惑するロキさんの声で、噛み跡がないのは可笑しい事なんだと思った。
噛み跡がないって事は俺はロキさんの番じゃない?

もしかしたら出来ていなかったのかともう一度うなじを噛まれた。
ゆっくり確かに噛み跡を残すように…

痛みはあるが、それよりも俺が1人で気持ちよくなっていた。

やはり噛み跡は残らず、俺の首には再び金属の首輪を付けられた。
番じゃないって事は俺は一生誰の番になれないって事なのか。

ロキさんは後ろから俺を抱きしめた。

「番にならなくても恋人にはなれるから」

ロキさんの言葉に頷いて、腕に触れた。

俺の身体は本に書いてあったΩと違うらしい。
誤診断かと思って、俺はΩじゃないのかと思った。

でもΩのヒートだとロキさんなら分かっている。
Ωとα以外で発情を起こす人はいないと学んだ。

ロキさんは調べるみたいで、紙だらけの机に向かった。
俺はせめて料理を作ろうかと思い立ち上がると、一歩前に出て床に倒れた。
慌ててロキさんが駆け寄って支えられた。

「安静にしてないとダメだよ」

「……ぅ」

「喉にいい飲み物作ってくるから待ってて」

俺が止める声が出ないまま、ロキさんが台所に向かってしまった。

ソファーまで運ばれてロキさんの姿を見つめる。

これじゃあどちらか師匠か弟子か分からない。

少ししたら、紫色の液体が入ったコップを持ってきた。
さつまいもかな、なにが入っているのか分からない。
ロキさんなら変なものを入ってないと思い、受け取った。

一口飲むと口いっぱいの苦味と甘味と辛味がケンカしている。
でも、せっかくロキさんが作ってくれたから頑張って全部飲み干した。

「ぅ…はぁ、はぁ」

「身体にいいものを入れたけど、不味いよね…ごめんね」

顔が真っ青になる俺に、ロキさんは再び謝っていた。
これは想いが凝縮されているんだ、変な味でも受け止める。

全部飲んだ事により、具合悪くなり横になった。

ロキさんの話では、抑制剤を飲んだのに頻繁にヒートを起こすのも疑問らしい。
俺の身体は、いったいどうなっているんだ。

目蓋を閉じると、水に沈むように眠りの底に落ちていった。

俺が普通のΩじゃないって、他と違う事なんてあっただろうか。
あるとしたら、俺がやっていたゲームに生まれ変わった事くらいか?

俺はこの世界でイレギュラーの人物なんだ。

ロキさんと想い合う事でゲームをめちゃくちゃにした。
これはその罰なのかもしれない。






ーロキ視点ー

アルトくんが寝て、僕は起こさないようにこっそり机に向かって調べていた。
僕の抑制剤を貫いて起こすヒート、中に出したものがなくなっている、噛んでも跡が残らない。
Ωの症状が出ているのに、普通のΩではないみたいだ。

αにもヒートがあるが、αである僕は誘発されない。
β…はないな、何の属性も持たないβはヒートを起こせない。

僕の家にある本はあまりそういうのは置いてない。
帝国の大図書館に行けば見つかるかもしれない。
行くとしたら閲覧許可を申請しないと…アルトくんも行くかな。

後ろを振り返ると、ソファーで眠る姿が見えた。

いつもなら、変わった人を見ると研究対象にしていた。
でも、彼に関しては早く原因を見つけて普通のΩに戻してあげたいと思っている。

アルトくんにはいつも笑って、幸せになってほしいと思うから…

「これが誰かを好きって思う気持ちなんだね、アルトくん」
感想 0

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました

こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。毎日18時50分公開予定です

【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。

美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)