悪役令嬢の独り言

1日目

私の目の前にどどんと構えているこの建物、この鳴り響く鐘
私の名前はエリナ＝ウクライナ。
この度、この学校、皇帝支援お嬢様学校に入学する事になりました！


澄み切った青い空。爽やかな自然。いやぁなんて良い日なんでしょうか！
そしてなんでこんないい日に涙を流しているのでしょうか！答えはCMの後で！って、テレビすらねぇわっ！おっとすまん、1人でボケツッコミかましてたわ。

本題を言おう。
婚約者の手によって私はあと2年で死んでしまう。
ここは乙女ゲームの世界。
名前は知らん。
魔法あり、戦闘あり、どきどきありのハイスペックゲーム！…で、このゲームとこの世界が同じってことを知ったのは赤子の頃だ。
前世の記憶もあるし、もう分かってるだろうけど私は俗に言う転生者だ。
あぁ、この私が…子犬を助けた拍子に死んでしまうなんてっ!!
なんて…なんて素晴らしい死に方！
皆さん盛大な拍手を！
え？そろそろちゃんと話さんかいって？
すみませんっしたっ!!
んー前世の記憶はあんま覚えてないんだよねぇ。
高校2年のオタ活にくれてたのは覚えてるんだけど…家族？いたっけ？
え、いなかったら悲しいやつじゃあん。
葬式どうするんだよぉおおおおおおお（そこかよ）
やべぇやべぇ、本題から離れていくわ。
一旦落ち着けわたすぃ！（私！）

そう、私エリナは悪役令嬢である。
本音を言うと…最高です（涙）
よって、この世界でやること！
ひとぉつ!!
イケメンを拝む！助ける！近づかん！
影ながら…イケメンを…支えたい。
うぅ…本当は正面から拝みたいし助けるより助けられたいし近づいて近づいてハグとかキスとかしちゃったいよぉお
でも…それは主人公の特権！
あぁ、主人公の座を奪ってやりたいぃぃいい
だが、しかしである。
私は悪役令嬢だ。
近づいたら何かしらのフラグとバットエンドが存在する…謎の確信がある。
あー怖い。
怖くて夜しか眠れないわ。
お陰で今日もまだ寝ぼけてるんだからっ！
あ、まって、目くそが付いていたらどうしよう
指を身元へと移動させ、確認しようとした瞬間…「まってくださいっ！！」

！？
振り返るといつものあの子がそこにいた。
「まってくださいお嬢様！！」
メイドのミルだ。
ミルトニーという名前だけど愛称でミルって呼んでるよ！これは私だけの特権ですっ！
読者は呼ぶなよっ！
「お嬢様ぁ…なに噴水の方を向いて1人指バシッとしてるんですか…」
なんとこの学校噴水があるのだ。
皇帝支援お嬢様学校…すげぇ。