カナリアボックス〜あなたに会えてよかった〜

本田すみれ

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ST@RT 後編

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都内某スタジオ。
「君が笑可ちゃんか。小高です。カナリアボックス、スゴく大切にしてくれててありがとう」
「…………はい」

ついにLUNKHEADのメンバーと対面を果たして、緊張のあまり上手く喋れない笑可。
「じゃあ今日はがんばってこーぜ!」
ライブのMC同様に明るい山下さん(ギター)。
「ん。早く夏にならないかな」と合田さん(ベース)
「カナリアボックス、好きな歌だから良さがわかる子に出会えてうれしいよ」と櫻井さん(ドラムス)

女性シンガーソングライターのデビュー曲のA面の楽器隊という、重大すぎる役目を全く緊張せずに小高が書いてきた曲に笑可が作詞するスタイルがとられた。

メリーゴーランドに
1人で乗っている
寂しさなんて
感じてないつもりだった

翼で飛ぼうとしたけど
いつの間にか
落ちてしまってたんだ

助けて  暗い闇の底から
救ってよ  私のことお願い

玖蘭の事務所の幹部の『浅葱いろは』がデビュー曲にしては暗すぎるとコメントする。
笑可は困った顔でLUNKHEADの曲でも歌詞検索で人気順で上に来る『奇跡』や『眠れない夜のこと』を聴いてたら、今の歌詞みたいなのが浮かんでしまったとコメントした。

小高さんは苦笑いをしつつ、「さすがにデビュー曲だしカナリアボックスくらい明るい歌といかなくても、もう少し明るいほうがいいんじゃない?
オレは今の作風嫌いじゃないけど」と言った。

「もうー。マイナーコード多用してる曲じゃなくてもう一曲作ってきた歌笑可ちゃんに渡してみよう」
山下さんが小高に話しかける。

ブースにきらりいろっぽいサウンドが流れる。
00年代の邦ロックっぽい明るくてエモい曲調。

踏み出した足の先に
トゲが待ってるなら
それを踏みつぶしてでも
進んでみせるよ

鉄塔  冷たい風  ビルの光
夜の匂い  絵画  奇跡

会いたいと思った時には
会えなくなってるから
出会いって大事なんだよ
君に伝えたかった言葉

何度でも何度でも
繰り返す繰り返す(大サビ)

笑可が書き溜めていた歌詞のストックから彼女がLUNKHEADの用意した音源に合うものを選んだら
上記のものになった。

2時間かけて憧れのバンドメンバーたちとその『アシアト』は録音できた。
そして、ミキサーのエンジニアと一緒に彼女たちを見守っているとドラムの櫻井さんがスティックをカウントで鳴らし始め、カナリアボックスを演奏し始めるみんな。

笑可は驚いた顔をした後、歌い出した。
1行ずつ小高さんとボーカルを交代していく。
そしてサビで憧れの小高さんと笑可がデュエットしていく。

売れるとか売れないとかはいいんだ。
レコーディングを4時間半かけて終えて、LUNKHEADのメンバーたちと打ち上げするという喜ばしい結果に終わり、大満足で笑可は饒舌に今日の思い出をひたすら語り続けた。

早くCDになってリリースされるのを待ってる。
作詞:笑可、作曲:小高さんのアシアトはMVも作られる予定だ。
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