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202話 お礼 9
「うぅっ...ふぇっ...ごめん、なさいっ...。」
冷静になれば、俺が謝る必要なんてないと分かる。
確かに、お礼をしたいと言ったのは俺だし、一見俺がリードしていたように見えるかもしれないけれど、主導権は完全に南原さんのものだったじゃないか。
舐める、とか、挿れる、とか、全部南原さんの指示だし。
どうせ南原さんのことだから、俺がこうなってしまうことを計算して、俺が困る姿を悠々と眺めるために、意地悪してきたに決まっている。
しかし、俺はもうそこまで思考が回らなかった。
「ごめ、なさ...」
俺は、やっぱり上手くできてなかったのか。
俺には、自分から南原さんを喜ばせることができないのか。
頭のなかでは、そんな考えだけが行ったり来たり。
「俺は、俺はただ、南原さんにも喜んで欲しくて、それでっ...。」
ネックレス、嬉しかったから。
「坂北くん? 」
「たまに、は...俺からもっ...し、シたほうがいいのかな...って、おもっ...ぐすっ...ひっく...」
南原さんは、これまで数えきれないほどの人を抱いてきている。もしかしたら、南原さんの命令を全部こなせるような人だっていたのかもしれない。
俺なんて、少し意地悪されればすぐ泣いちゃうから、きっと普段はかなり手加減してくれてる。
南原さんを満足させてあげたい、とは前からちょっと思っていた。
だから今日こそはって、思ったのに...。
なら、せめて。
「もう、南原さんの...好きにして下さい。」
「は? 」
「お礼...上手くできなくてごめんなさい。俺、頑張りますから...。手加減しないで、好きにして下さい。」
今の俺にできることは、もうこれしかない。
涙をごしごしと乱暴に拭って、南原さんを真っ直ぐに見つめた。
「ククッ、手加減しないで、だと? お前、それがどういうことなのか分かっているのか? 」
「えっ、ひっ...!? ああぁっ!! 」
南原さんは、吸い込まれそうな漆黒の瞳をギラリと妖しく光らせると、両手で俺の腰を掴み、下から思いっきり突き上げてきた。
足腰の立たない俺は、その大きすぎる快楽を受け入れるしかなくて。
ズンッと最奥を突かれ、押さえ付けられているにもかかわらず、必死に快楽を逃がそうと、俺の腰はビクビクと暴れた。
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