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204話 お礼 11
「あぁっあっ! 」
南原さんがナカを行き来する度に、痺れるような快感が全身を駆け巡る。
ダメだ。恥ずかしいのに、声が抑えられない。
襲い来る快楽の波に拐われないように、必死に南原さんにすがりついていると。
「クッ、坂北くん。可愛いよ、お前が一番。」
「んぅっ...! っふぇ? 」
不意に、熱のこもった色っぽい声が、耳元で囁かれる。
俺は、蕩けきった頭で、その言葉の意味をやっと理解すると、ただでさえ上気した顔がさらに赤く染まったのを自覚した。
っ...!
可愛いって...今、そんなこと言われたらっ...!
無意識に、後ろが南原さんをキューンと締め付けてしまう。
「っ...はは、締まった。嬉しかったのか? 」
「やっ...言わ、ないで...んんっ 」
わざと羞恥を煽るように実況され、じわりと涙が滲む。
もう、意地悪。だけど、かっこいい...。
額にうっすらと汗を浮かべ、きゅっと眉を寄せて快楽を得ている南原さんに、うっかり見とれてしまった。
「んんっ、は...」
目が合うと、ふっ、と微笑んだ南原さんに、唇を奪われる。
そして南原さんは、俺をいとおしそうに見つめると、はっきりと言った。
「不安になる必要などない。お前が一番だ。」
え、不安...?
なんのこと?
まさか。
「はっ...あぁっ! な、気づい、て...? 」
俺が南原さんを満たせているのかどうか、考えていたこと。
知識や技術が南原さんの足元にも及ばないこと。
今までの相手の方が良かった、とか思われてたらどうしようって不安になってたこと。
全部、気づいてたの?
「まぁな。」
「っーーー!!!」
不敵な笑みに、クラクラと目眩がした。
気づいていてわざと意地悪してたのか。
やっぱり、一枚も二枚もうわてな南原さん。俺では到底敵わない、とつくづく思う。
でも。
「好きだよ、坂北くん。お前が一番。」
「やっ、みなみはらさっ...! んあぁ...ぁっ...ぁん!」
今はいいか、敵わなくても。
「俺の意地悪に可愛く泣いてしまうところ。怯えながらも受け入れようとしてくれる健気なところ。拙い手つきで必死にご奉仕してくれるところ。セックスに関しても、お前以上の奴なんていない。」
「っ...あっ...ああっ! 」
だってほら。南原さんが、こう言ってくれるから。
「俺、もっ...!」
「坂北くん? 」
中を穿たれながら、懸命に言葉を繋ぐ。
「俺、も...南原さんが、んっ、一番っ...! 」
「っ...! ふ、坂北くんっ...」
へにゃりと笑い、すりすりと南原さんに頬ずりをしたら、南原さんのものが、ググっと質量を増した気がした。
「やっ、ひっ、イクっ...! ああああぁぁっ!! 」
前立腺を惜しみ無く突かれ、限界が近かった俺は、堪らずガクガクと全身を震わせながら、自身の白濁で腹を汚した。
「っ...くっ...」
同時に、一際張り詰めた南原さんが、俺の中で果てたのがわかる。
あぁ、その艶っぽい顔。かっこいいなぁ...。
「ふふ、おれ、しあわせ...」
心地よい疲れに、瞼が重くなってくる。うとうととしながら、舌ったらずな声で呟いたら、南原さんが珍しくちょっと照れてるみたいだった。
「はぁ...。優しく抱いてやるつもりだったが、つい苛めてしまったな。俺は、お礼なんかどうでもよかった。今日はただ一緒にいたいと思っただけだというのに。お前があんな風に迫ってくるから...。」
え、なに?
よくきこえない。
優しい手つきで髪を撫でられ、余計に眠気に誘われる。俺は、誘われるがままに、そっと意識を手放したのだった。
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