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2話 バレて
しおりを挟む「坂北、お前放課後は生徒会室に行け。」
結局俺は教科書がないことが先生にバレてしまい、先生にそう告げられた。先生も執行部が怖いらしく逆らえないそうだ。
クラスの皆は俺に教科書をまわしたり、俺が先生に当てられないように積極的に挙手をしてくれたりした。それでもやっぱりダメだったのだ。
「ごめんな坂北...。俺達、何もできなかった...。」
本気で心配してくれるクラスメイト達。
「いいって。教科書無くした俺が悪いんだしさ。むしろ俺のことかばってくれてありがとな。」
「坂北...。」
俺が笑顔を向けても相変わらず皆は心配そうな顔をしている。その理由を俺はまだ知らなかった。
**********
放課後、生徒会室に向かうため教室を出ようとすると、クラスメイト数人に呼び止められた。
「なぁ、坂北...。お前、やっぱり生徒会室行くなよ。」
「え...?」
「俺ら全員でしばらくお前を守ってやる...。いくら執行部がヤバくても、8人で警護すればさすがに奴ら何も出来ないんじゃねぇかと思ってさ。」
ただならぬ空気を感じた俺はずっと気になっていたことを訊ねようと口を開く。
「あのさ、生徒会執行部が下す罰とかって、どんなことされるんだ?そんなに...ヤバいことなのか?」
教科書を無くしたくらいで退学はあり得ないだろうし、皆がそこまで慌てる理由が分からない。
「そ、それは...」
「それは後で、俺が説明してあげるよ。坂北くん♪」
突然話しに入ってきたのは、生徒会長の南原 真也だった。
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