35 / 216
心の底から
告白 ⭐︎
しおりを挟む
「な、なにを……」
恋人ごっことは何ぞや、具体的に教えてほしい何をするかによって返答が変わってくる。出来ることなら手を出す前に教えて欲しい。まあもう手を出してるも同然だけど。
「僕の子供の頃の夢でした。いつか良い人に巡り会い、将来を誓い合う。もう今となっては諦めてしまいましたが、せめて真似事だけでもお付き合い願えませんか?」
しょ、将来の誓い合い……つまり、結婚ということか? いやいやあくまで真似事。こんなイケメンが俺みたいなの好きになるわけないはず。駄目だ自信無くなってきている、魅了のが発揮されてなかったらいいけど……魅了のスキルの制御ができないのは考えものだ。
それは後でベルトルトさんに相談するとしてそのぐらいだったらしてもいいとは思った。1人の人間の夢を擬似的に叶えると思えばいい。それ以上は流石に気が引けるけど。でもリーさんは紳士だし、ベルトルトさんの身内で王族だし、そんなことはないだろう。
「いいですよ、ちょっとだけなら……」
めちゃくちゃ弱腰で返事をしてしまった。リーさんを信じている。頭でそう言い聞かせてた。しかし俺の脳裏には欲に突き動かされ俺の処女を奪った仁が、たった数十分で俺を調教しやがった高松がいつまでもいる。男性不信かよ。いやどちらかといえば俺が悪女側なんだった。
「本当ですか!? 本当にお優しい方だ。実は、小さい時から心に決めた方のために、あらかじめ決めておいた方法がいくつもありまして……」
愛の告白ガチ勢だ。俺の態度の急変も気にせずに話を進めている、熱が入るとあたりが見えなくなるタイプと見た。そんなに告白というか、恋人や結婚に憧れがあったのだろう。魔術の才能がないだけで、それが一方的に剥奪されるのは少し可哀想だ。せめて俺も真剣にならないとな。
「では、あずささんはそのままで。僕がプロポーズをします!」
「お、お手柔らかに……」
熱気に押されてそのまま承諾してしまう。リーさんも多少は緊張しているみたいだが、それ以上に嬉しそうでもあった。本人にとってもお遊戯だろうに。
「こんな機会、またとないでしょう……」
不意に悲しそうに俯くリーさんを見てなんだかこちらも胸がキュッとした。俺の方に向き直り、覚悟を決めたような顔をされる。風呂場でプロポーズとか第三者から見たら奇妙だろうけど、そんなことを気にする暇はなかった。
そしてもう一つ、俺は知らなかった。海を越えたどころか世界を跨いだ別の世界で、告白の仕方が一緒なわけがないのだ。大浴場で隣に座られ、太腿を触っていた手が、いきなり俺の息子に近づいてきた。もう片方で俺の腰を包むように抱きしめられていて動くことは難しい。
「あ、あの……」
これは流石におかしいと、異論を申し立てようと声を上げた。俺の知ってる愛の告白と違う。リーさんはどうかしたのかと、まるで自分の行いが普通であるかのようなトーンで聞いてきた。
「これ、愛の告白っすよね?」
「はい」
「……ちょっと違くないですか?」
「そうですか?怖がらないように、数ある中でも一番ソフトな物にしたのですが……」
ソフトなもの?よっぽど変な性癖がない限り、告白にソフトもハードもないと思う。そうかそうか、だんだん分かってきた。ひょっとして、俺の知ってる元の世界の告白とは違うの事をしようといているのかもしれない。だったら何をだ?シンプルに怖い。
「ん、んぅ……あ、まっ、て……」
「かわいらしいですね、力を抜いてください。大丈夫ですよ」
そうこうしているうちに、ついにリーさんの手が俺のそこに触れた。恥ずかしい声を出してしまう喉笛が、いつもより憎たらしく感じた。お互いに全裸で、しかも俺は抵抗をしていない、リーさん曰く愛の告白。なんだこれは。もう一度言う、なんだこれは。完全に熱が回る前に言わないと、これは告白ではないのでは?と。
「あの、うぅ、俺の知る告白とは、随分違うみたいですけど……」
その言葉でリーさんの動きがようやく止まった。少し考えたあと、まるで全ての辻褄があったように「あッ」と声を上げた。俺のを触っていた手をそそくさと離される。もう半勃ちなだけに寂しかった。
「すいません、この世界とあずささんの世界では、告白の作法が違う事をすっかり忘れていました。配慮が足りず申し訳ありません」
腰に回されていた手までもが離れてしまう。身体がもどかしさでぶるりとした。それでもリーさんの話を聞くべく、気を確かに保つ。
この世界では告白と性行為はほぼ同義との事だ。元の世界からしたら信じられないが、男しかいない、つまり妊娠のリスクがないからと考えれば自ずと納得がいった。よって告白するときにそういった行為をするのは文化である、それは一般人も王族も関係ない。リーさんみたいな澄ました顔の紳士でもだ。
「すいません。土地や人々については知っていたのですが、まさか告白の作法にまで違いがあったとは……」
「いやいいっす。これに関しては俺が不用心でした」
そうだ。両者共々ここまで習慣が違うとは考えもしなかった、これは一種の事故なのだ。それよりも俺はリーさんに話したいことがある。
「あの、一つだけお願いが……」
「はい。いかがいたしました?」
今度は俺から彼の手を握った。はてといった顔をしているなかそっと俺のあそこに再度持っていった。リーさんの身体が固まったのを感じる。自分から誘うと言う背徳感が俺の思考を蝕む。身体がむずいて堪らない。俺ってビッチなんかな……?
「お願いします。もうちょっとだけ、触ってくれませんか?」
リーさんの息を呑む音が、小さな小さな音だけれども、しっかりと聞こえた。
恋人ごっことは何ぞや、具体的に教えてほしい何をするかによって返答が変わってくる。出来ることなら手を出す前に教えて欲しい。まあもう手を出してるも同然だけど。
「僕の子供の頃の夢でした。いつか良い人に巡り会い、将来を誓い合う。もう今となっては諦めてしまいましたが、せめて真似事だけでもお付き合い願えませんか?」
しょ、将来の誓い合い……つまり、結婚ということか? いやいやあくまで真似事。こんなイケメンが俺みたいなの好きになるわけないはず。駄目だ自信無くなってきている、魅了のが発揮されてなかったらいいけど……魅了のスキルの制御ができないのは考えものだ。
それは後でベルトルトさんに相談するとしてそのぐらいだったらしてもいいとは思った。1人の人間の夢を擬似的に叶えると思えばいい。それ以上は流石に気が引けるけど。でもリーさんは紳士だし、ベルトルトさんの身内で王族だし、そんなことはないだろう。
「いいですよ、ちょっとだけなら……」
めちゃくちゃ弱腰で返事をしてしまった。リーさんを信じている。頭でそう言い聞かせてた。しかし俺の脳裏には欲に突き動かされ俺の処女を奪った仁が、たった数十分で俺を調教しやがった高松がいつまでもいる。男性不信かよ。いやどちらかといえば俺が悪女側なんだった。
「本当ですか!? 本当にお優しい方だ。実は、小さい時から心に決めた方のために、あらかじめ決めておいた方法がいくつもありまして……」
愛の告白ガチ勢だ。俺の態度の急変も気にせずに話を進めている、熱が入るとあたりが見えなくなるタイプと見た。そんなに告白というか、恋人や結婚に憧れがあったのだろう。魔術の才能がないだけで、それが一方的に剥奪されるのは少し可哀想だ。せめて俺も真剣にならないとな。
「では、あずささんはそのままで。僕がプロポーズをします!」
「お、お手柔らかに……」
熱気に押されてそのまま承諾してしまう。リーさんも多少は緊張しているみたいだが、それ以上に嬉しそうでもあった。本人にとってもお遊戯だろうに。
「こんな機会、またとないでしょう……」
不意に悲しそうに俯くリーさんを見てなんだかこちらも胸がキュッとした。俺の方に向き直り、覚悟を決めたような顔をされる。風呂場でプロポーズとか第三者から見たら奇妙だろうけど、そんなことを気にする暇はなかった。
そしてもう一つ、俺は知らなかった。海を越えたどころか世界を跨いだ別の世界で、告白の仕方が一緒なわけがないのだ。大浴場で隣に座られ、太腿を触っていた手が、いきなり俺の息子に近づいてきた。もう片方で俺の腰を包むように抱きしめられていて動くことは難しい。
「あ、あの……」
これは流石におかしいと、異論を申し立てようと声を上げた。俺の知ってる愛の告白と違う。リーさんはどうかしたのかと、まるで自分の行いが普通であるかのようなトーンで聞いてきた。
「これ、愛の告白っすよね?」
「はい」
「……ちょっと違くないですか?」
「そうですか?怖がらないように、数ある中でも一番ソフトな物にしたのですが……」
ソフトなもの?よっぽど変な性癖がない限り、告白にソフトもハードもないと思う。そうかそうか、だんだん分かってきた。ひょっとして、俺の知ってる元の世界の告白とは違うの事をしようといているのかもしれない。だったら何をだ?シンプルに怖い。
「ん、んぅ……あ、まっ、て……」
「かわいらしいですね、力を抜いてください。大丈夫ですよ」
そうこうしているうちに、ついにリーさんの手が俺のそこに触れた。恥ずかしい声を出してしまう喉笛が、いつもより憎たらしく感じた。お互いに全裸で、しかも俺は抵抗をしていない、リーさん曰く愛の告白。なんだこれは。もう一度言う、なんだこれは。完全に熱が回る前に言わないと、これは告白ではないのでは?と。
「あの、うぅ、俺の知る告白とは、随分違うみたいですけど……」
その言葉でリーさんの動きがようやく止まった。少し考えたあと、まるで全ての辻褄があったように「あッ」と声を上げた。俺のを触っていた手をそそくさと離される。もう半勃ちなだけに寂しかった。
「すいません、この世界とあずささんの世界では、告白の作法が違う事をすっかり忘れていました。配慮が足りず申し訳ありません」
腰に回されていた手までもが離れてしまう。身体がもどかしさでぶるりとした。それでもリーさんの話を聞くべく、気を確かに保つ。
この世界では告白と性行為はほぼ同義との事だ。元の世界からしたら信じられないが、男しかいない、つまり妊娠のリスクがないからと考えれば自ずと納得がいった。よって告白するときにそういった行為をするのは文化である、それは一般人も王族も関係ない。リーさんみたいな澄ました顔の紳士でもだ。
「すいません。土地や人々については知っていたのですが、まさか告白の作法にまで違いがあったとは……」
「いやいいっす。これに関しては俺が不用心でした」
そうだ。両者共々ここまで習慣が違うとは考えもしなかった、これは一種の事故なのだ。それよりも俺はリーさんに話したいことがある。
「あの、一つだけお願いが……」
「はい。いかがいたしました?」
今度は俺から彼の手を握った。はてといった顔をしているなかそっと俺のあそこに再度持っていった。リーさんの身体が固まったのを感じる。自分から誘うと言う背徳感が俺の思考を蝕む。身体がむずいて堪らない。俺ってビッチなんかな……?
「お願いします。もうちょっとだけ、触ってくれませんか?」
リーさんの息を呑む音が、小さな小さな音だけれども、しっかりと聞こえた。
80
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ギャップがあり過ぎるけど異世界だからそんなもんだよな、きっと。
一片澪
BL
※異世界人が全く珍しくないその世界で神殿に保護され、魔力相性の良い相手とお見合いすることになった馨は目の前に現れた男を見て一瞬言葉を失った。
衣服は身に着けているが露出している部分は見るからに固そうな鱗に覆われ、目は爬虫類独特の冷たさをたたえており、太く長い尾に鋭い牙と爪。
これはとんでも無い相手が来た……とちょっと恐れ戦いていたのだが、相手の第一声でその印象はアッサリと覆される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる