70 / 71
いつかは辿り着く
この世界に来て早々
しおりを挟む
「……そう言えばさ、なんでお前この世界でも言葉通じてんの?」
「こ、言葉?」
色々ありすぎたせいか頭がぼーっとして辛くなってきた。もうどうなでもなれと、頭の片隅にあった素朴な疑問を提示した。俺がこの世界に来た時にはスターが何いってんのか分からんかった。魔術をかけてもらってようやく話せるようになったのを覚えている。しかしコイツはというと、俺の言葉も学園長やスターの言葉も理解したうえで会話を成立させている。あくまでキャッチボールじゃなくてデッドボールだけれど。
「そ、そうなんだ……ごめんね。僕にはそういう違う言葉じゃなくて、普通の日本語に聞こえるんだけれど……」
そ、そんなことあり得るのか? 4人を見回すものの微妙な反応が返ってくるばかり。……そもそもアイツらの話的に違う世界から人が来ること自体稀だから仕方が無いのだろう。前例が伝説の天使様と、俺、ほんで虎杖しか居ないんだから把握しようがないことだ。次は何聞けばいいんだ……? あーダメだどうしてこんな頭重いんだよ俺。
「えっと、取り敢えずイタドリくんは怪我とかない? 具合は平気?」
「そ、そうだ! アーサー先生呼ぼうか?」
「学園長の事だからどうせお前も元の世界に帰れるまでこの学園の生徒だ。仲良くしようぜ!」
「イタドリ、ビーフジャーキー食うか?」
「ど、どうも……?」
ナイスだアナ、よくぞ起点を作ってくれた。この沈黙の時間が心地悪くて仕方なかった。俺は体を休めないとこれからがきついし、スター達はこやつを新しい仲間として処理しはじめているみたいだ。
「えっと……具合は全然悪くないんだ。むしろ無駄に元気が有り余っちゃってて……」
「寧ろ元気ですか? 違う世界からきた天使様とは随分と症状が違いますね」
「まあ具合が悪くなくて良かったな!」
「……いや、なんでコイツ勃起してるんだ?」
「……え?」
その場にいた全員が驚いた。虎杖本人は体を硬直させ、スターは目をぎょっと見開いた。というよりジョセフ以外誰も心の平穏を保てていない。だが確かに虎杖の下半身は大きく膨れ上がっている。……流石外人の血が入ってるだけあってでけえな。そう考えた瞬間に身体がゾクリと震えた。
ふとスターに目線をやると、俺と同じかそれ以上に動揺している。スターは虎杖の下半身と俺とを交互に見て、そしてまた虎杖を見た後に俺の下半身を見て……っておい! 俺は別に発情してねえ! ……いや待て、まさかとは思うがこの疲労感は魔力不足で体が火照ってる例のアレか? いいや多分おそらく絶対違う、いやどれだよ! 己のボケに己で突っ込んでしまった。今の俺はひどく動揺している。
「ちょっと! イタドリくんなんでそんなんなってんの!?」
「ご、ごめんなさい……! その……僕も訳がわからなくて!」
慌てふためくスターと虎杖。同じ様な整った顔が揃って顔を真っ赤にしているのはなかなか愉快だけれど、今はそれどころじゃない。話を戻して、ふたりの困惑はもっともな反応だ。だってスターはいきなりとはいえ友達になった下半身が勃起していた状況を目撃してしまったのだから。因みに俺は勃起してないからな。なんか体熱くなって変な汗かきだしただけで。
「しょ、しょうがないよ! イタドリくんはいきなりこんなところに来てお疲れなんだよ、ね? いきなりデリカシーのないこと言ってごめんなさい」
「……えっとー」
スターは申し訳なさそうに頭を下げる。そうだよな、うん。俺は別に発情してないし、虎杖のは多分疲れマラだから。
「と、兎に角トイレ、トイレ行ってきますね!」
顔を真っ赤にしてトイレへと走っていく。あいつ怖いぐらいグイグイ来るくせに結構紳士だな。……てかアイツトイレの場所知らねえだろ。
「お、おい! そっちじゃねえよ! そっちトイレじゃねえよ!」
「……あ、そっそうか。トイレ知らない」
はいはい初めて来た場所だもんな。……トイレの場所ならわかるぞ。初対面の人間に聞くのも気まずいだろうし(いやあれだけぶちまけて今頃恥ずかしいも何もないとは思うが一応)、仕方が無いから案内してやるか。
「こ、言葉?」
色々ありすぎたせいか頭がぼーっとして辛くなってきた。もうどうなでもなれと、頭の片隅にあった素朴な疑問を提示した。俺がこの世界に来た時にはスターが何いってんのか分からんかった。魔術をかけてもらってようやく話せるようになったのを覚えている。しかしコイツはというと、俺の言葉も学園長やスターの言葉も理解したうえで会話を成立させている。あくまでキャッチボールじゃなくてデッドボールだけれど。
「そ、そうなんだ……ごめんね。僕にはそういう違う言葉じゃなくて、普通の日本語に聞こえるんだけれど……」
そ、そんなことあり得るのか? 4人を見回すものの微妙な反応が返ってくるばかり。……そもそもアイツらの話的に違う世界から人が来ること自体稀だから仕方が無いのだろう。前例が伝説の天使様と、俺、ほんで虎杖しか居ないんだから把握しようがないことだ。次は何聞けばいいんだ……? あーダメだどうしてこんな頭重いんだよ俺。
「えっと、取り敢えずイタドリくんは怪我とかない? 具合は平気?」
「そ、そうだ! アーサー先生呼ぼうか?」
「学園長の事だからどうせお前も元の世界に帰れるまでこの学園の生徒だ。仲良くしようぜ!」
「イタドリ、ビーフジャーキー食うか?」
「ど、どうも……?」
ナイスだアナ、よくぞ起点を作ってくれた。この沈黙の時間が心地悪くて仕方なかった。俺は体を休めないとこれからがきついし、スター達はこやつを新しい仲間として処理しはじめているみたいだ。
「えっと……具合は全然悪くないんだ。むしろ無駄に元気が有り余っちゃってて……」
「寧ろ元気ですか? 違う世界からきた天使様とは随分と症状が違いますね」
「まあ具合が悪くなくて良かったな!」
「……いや、なんでコイツ勃起してるんだ?」
「……え?」
その場にいた全員が驚いた。虎杖本人は体を硬直させ、スターは目をぎょっと見開いた。というよりジョセフ以外誰も心の平穏を保てていない。だが確かに虎杖の下半身は大きく膨れ上がっている。……流石外人の血が入ってるだけあってでけえな。そう考えた瞬間に身体がゾクリと震えた。
ふとスターに目線をやると、俺と同じかそれ以上に動揺している。スターは虎杖の下半身と俺とを交互に見て、そしてまた虎杖を見た後に俺の下半身を見て……っておい! 俺は別に発情してねえ! ……いや待て、まさかとは思うがこの疲労感は魔力不足で体が火照ってる例のアレか? いいや多分おそらく絶対違う、いやどれだよ! 己のボケに己で突っ込んでしまった。今の俺はひどく動揺している。
「ちょっと! イタドリくんなんでそんなんなってんの!?」
「ご、ごめんなさい……! その……僕も訳がわからなくて!」
慌てふためくスターと虎杖。同じ様な整った顔が揃って顔を真っ赤にしているのはなかなか愉快だけれど、今はそれどころじゃない。話を戻して、ふたりの困惑はもっともな反応だ。だってスターはいきなりとはいえ友達になった下半身が勃起していた状況を目撃してしまったのだから。因みに俺は勃起してないからな。なんか体熱くなって変な汗かきだしただけで。
「しょ、しょうがないよ! イタドリくんはいきなりこんなところに来てお疲れなんだよ、ね? いきなりデリカシーのないこと言ってごめんなさい」
「……えっとー」
スターは申し訳なさそうに頭を下げる。そうだよな、うん。俺は別に発情してないし、虎杖のは多分疲れマラだから。
「と、兎に角トイレ、トイレ行ってきますね!」
顔を真っ赤にしてトイレへと走っていく。あいつ怖いぐらいグイグイ来るくせに結構紳士だな。……てかアイツトイレの場所知らねえだろ。
「お、おい! そっちじゃねえよ! そっちトイレじゃねえよ!」
「……あ、そっそうか。トイレ知らない」
はいはい初めて来た場所だもんな。……トイレの場所ならわかるぞ。初対面の人間に聞くのも気まずいだろうし(いやあれだけぶちまけて今頃恥ずかしいも何もないとは思うが一応)、仕方が無いから案内してやるか。
57
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
BLゲームの主人公に憑依した弟×悪役令息兄
笹井凩
BL
「BLゲーの主人公に憑依したら、悪役令息の兄が不器用すぎてメロかった」……になる予定の第一話のようなものです。
彼氏に遊ばれまくってきた主人公が性格終わっている男共を粛清してやろうとするのに、情が湧いてなかなか上手くいかない。
そんな中、一番嫌いであったはずの悪役令息、兄の本性を知って愛情が芽生えてしまい——。
となるアレです。性癖。
何より、対人関係に恵まれなかったせいで歪んだ愛情を求め、与えてしまう二人が非常に好きなんですよね。
本当は義理の兄弟とかにしたほうが倫理観からすると良いのでしょうが、本能には抗えませんでした。
今日までの短編公募に間に合わなかったため供養。
プロットはあるので、ご好評でしたら続きも載せたいなと思っております。
性癖の近しい方に刺されば、非常に嬉しいです。
いいね、ご感想大変励みになります。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる