俺、総理大臣なってみるわ

織田っち

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第一章

予想外の支援の声2

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「これは御丁寧な挨拶をありがとうございます。自由推進党の幹事長を務めさせてもらっています。浅田淳次郎と言います。今回は我が党からの立候補ありがとう。ぜひ若い力で推進党を変えるのに力を貸してほしい。」

「はい。若輩者ではありますが精一杯頑張りたいと思っております。」

「うん。君のことは高く評価していてね。総理自らが応援に来ようとしてたのを私が阻止しておいたよ。」

浅田幹事長はそう言って笑った。

「あれだけのことをやっておいて自分の人気を取り戻すために最年少である君の話題性に乗っかろうとしたんだ。あんな汚職議員受からないで結構だとみんな思ってるよ。」

さっきまでの笑顔から一転汚らわしい者を見ているような顔でそう言いはなった。

この人を敵にしては色々とまずいなこれは。
そう感じさせるのには十分であった。

それから少しして演説の時間になった。

「では、この度自由推進党から立候補した若き星、神威刹那より皆様にご挨拶したします。」

その小野田さんの挨拶から俺の演説は始まった。

「えぇ、皆様お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。この度、自由推進党から衆議院選挙に立候補致しました神威刹那です。」

そこまで言うと大きな歓声が沸き上がった。

「神威くーんっ!!」
「期待してるぞーっ!!」
「奥村なんかに負けるなよーっ!!」

そんな声が聞こえる中俺は話を始めた。

「今回、私が立候補したのは今の国会議員のあり方に疑問を覚えたからです。皆さんも疑問に思いませんか?我々が代表として選んだ国会議員がその利権を武器にしてやりたい放題している現状に。国のために奉仕することを選挙の時だけ宣言して受かってしまうとなにもしないで国会で寝ているだけの政治家に、そして相手の揚げ足とりばかりして国のためにこうしよう、ああしようとすると話す場であるべき国会が機能していないことに。皆さんは不信感、疑問を持ったことはありませんか?」

「私は、自分のできることをやりたい。そう常に考え行動していました。市政、県政、疑問に思うことや意見があれば市役所、県庁に足を運んで意見を述べて。正直最初は追い返されてばかりでした。子供が大人の真似をして遊んでるんじゃない。こっちは忙しいんだ。と。しかし、それを繰り返しているうちに市長である伊達さん、県知事である村尾さんの目に止まり私の意見を真面目に子供の戯れ言としてでなく、対等な立場で話を聞いてくれました。そんな人達がこの国にはいるんだと。その時私は思いました。国もこのようにあるべきだと。そうあればもっとより良い国になると。ほかにそうゆう人がいないなら私がその立場になろうと。そのような気持ちで私は今回の衆議院選挙に立候補しました。」

「私はみなさんに約束をします。皆さんが私に期待をしてくださるのならその気持ちに背かないように精一杯の努力をすることを。私は約束します。今の現状を変えようと努力する仲間を必ず見つけこの腐りきった現状を変えることを。私は約束をします。どんな困難にぶち当たろうとも屈することなく立ち向かうことを。私がこの国をより良い国に変えて見せます。自分の母国は日本だと皆さんが世界に誇れるようしてみせます。」

自分の気持ちを言い終えた俺は頭を下げた。
少しの静寂がその場を支配した。

まずったかな・・・・。

そう思ったのもつかの間で、1つの拍手が起こるとその音の波は更なる音を呼び割れんばかりの歓声へと変わった。

その歓声の中俺の肩がポンっと叩かれた。

「浅田幹事長。」

「いい演説だったよ。」

そう言うと浅田さんが今度は話始めた。

「仙台駅前にお集まりの皆さん、自由推進党の浅田淳次郎でございます。今回は自由推進党の若きエースとなるであろう神威刹那君の立候補の応援として参りましたっ!!」

刹那の時よりは拍手の数は少ないがそれでもすごい音がなった。

やっぱり浅田さんは支持率がこれだけあるってことなんだなぁ。

その後に浅田さんは今回の総理の汚職について代わりに頭を下げて国民に誠意を示した。
その姿勢が評価を得て話を終える時にもまた大きな拍手が起きた。

その後にも村尾さん、伊達さん、丸岡さんが応援演説をしてくれて大きな歓声のうちに俺の仙台駅前での演説は終わった。
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