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第二章~主のために~
大仕事、美濃攻略!!4
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「お待たせいたした。私が安藤守就だ。」
「尾張の国、織田信長が家臣、倉内政影にございます。後ろに控えますのは我が家臣、山本隆之にございます。」
「倉内殿と山本殿か。それで、本日はどのような要件で参られたのかな?」
「本題に入らせていただく前にお人払いをお願いできませんでしょうか。」
「ほう、人払いとな。」
守就は少し考えた後に周りに控える家臣たちを下がらせた。
「これでよろしいか?」
「ありがとうございます。」
「では、本題に入らせていただきます。」
そこから政影は織田家が美濃侵攻を本格的に開始することを伝えた。
「つまり、我ら西美濃三人衆への調略の為に倉内殿は参られたと。そう言うわけでございますかな。」
「単刀直入に申せばその通りでございます。」
「確かに、本日も龍興様の元へ行ってきてこのままでは織田家にすぐにでも美濃を取られてしまうと思っているのは事実だ。だが、尾張の大うつけと噂の織田信長について、これから先生き残れる保証はどこにある?たとえ美濃を手に入れても周りには様々な大名家がおるぞ。」
「確かに尾張、美濃を仮に当家が手に入れたとしてもまだまだ周りには敵が多く、苦戦するかもしれません。しかし、それは信長様が本当にうつけだった場合の話。信長様が本当のうつけであったならば海道一の弓取りと言われたあの今川義元を討てるでしょうか?」
「確かに桶狭間での戦いはこちらへも届いておる。しかし、それは今川方が数の優位性にかまけて油断をしていたからではないのか?」
「いくら数の優位性から油断が生じたとしてもうつけではその数をひっくり返す事は不可能だと思います。」
「ふむ。」
「それに信長様がうつけという情報を流したのは信長様の策でございます。」
「策だと?」
「ええ。尾張の大うつけが相手で数も有利。この条件で油断が生じない武将などはそうはいないでしょう。信長様はそこまで見据えてあえて幼少期よりうつけを演じてきたのです。」
守就が考えている素振りを見せたので政影は更に畳み掛けた。
「信長様はこれより天下に名を馳せる大名となるでしょう。安藤殿、その勝ち戦に乗らない手はないのではないですか?」
「わかった。ここは倉内殿を信じて私は織田へ降ろう。信長殿への手引をお願いできますかな?」
「もちろんでございます。ですが、安藤殿、せっかく降るのでしたら手土産など持参されてはいかがでしょうか?」
政影は微笑みながらそう言った。
政影がこれからの策について説明すると、
「なるほど、西美濃三人衆すべてを一気に寝返らせるために私も加担することで織田家へ寝返る手土産として稲葉、氏家の二人をつけると言うわけか。」
「はい。当家としましても西美濃三人衆が揃って斎藤家を見限ったと世間に思わせたいのです。それだけ龍興の支配力が弱いと分からせるために。」
「相わかった。寝返りの手土産として稲葉と氏家のことは私に任せてもらおう。倉内殿がうまく二人を説得できるように私の方でも動かせていただきますよ。」
「よろしくお願いいたします。」
こうして、西美濃三人衆の一人、安藤守就は織田方への寝返りを決意したのであった。
それから少しの間、政影は独自に西美濃三人衆の残りの二人のところに足を運び、親密度を深めていった。
そんなある日、安藤守就より安藤家の屋敷へ来てほしいと知らせが入ったのである。
「倉内殿、此度はお呼びだてして申し訳ない。よき知らせがあったゆえ、起こしいただくのがよろしいと思いましてな。」
「良き知らせとは早速伺ってもよろしいでしょうか。」
「お二人とも、お入りくだされ。」
守就がそう声をかけると隣の部屋から氏家卜全、稲葉一鉄の二人が入ってきたのだ。
「これはこれは氏家殿に稲葉殿ではありませんか。」
「倉内殿、今回お呼びしたのは我ら二人だ。」
「お二人がですか。」
「うむ。倉内殿に何度も足繁く屋敷へ来てもらっている裏でな、安藤殿にも話を聞いておってな。氏家殿と話あった結果、我ら二人も織田家に付こうと決めたのだ。」
「ゆえに、その橋渡しを倉内殿にお願いしたい。」
二人の言葉に政影は、
「おぉ、これは良き知らせじゃ。お任せくだされ。この倉内政影が責任を持って信長様へお話しましょうぞ。」
「倉内殿、これは我ら三人の織田様への手土産としてだ。」
「守就はそう言うと書状を政影に渡した。」
「中身を拝見しても?」
許可を得た政影がその書状を開いた。
そこには現在の斎藤家の情勢が事細かく書かれていた。
「これはっ。」
「それを使えば、龍興様に親しい者と疎まれて遠ざけられている者。織田家へ寝返る可能性のある者も判断できるのではないか?」
「これは大きな手土産でございますな。これを信長様へお渡しすれば必ず、お三方の覚えもよろしいでしょう。」
こうして政影は無事に西美濃三人衆の調略に成功し、合わせて斎藤家の内情を知ることができたのである。
「尾張の国、織田信長が家臣、倉内政影にございます。後ろに控えますのは我が家臣、山本隆之にございます。」
「倉内殿と山本殿か。それで、本日はどのような要件で参られたのかな?」
「本題に入らせていただく前にお人払いをお願いできませんでしょうか。」
「ほう、人払いとな。」
守就は少し考えた後に周りに控える家臣たちを下がらせた。
「これでよろしいか?」
「ありがとうございます。」
「では、本題に入らせていただきます。」
そこから政影は織田家が美濃侵攻を本格的に開始することを伝えた。
「つまり、我ら西美濃三人衆への調略の為に倉内殿は参られたと。そう言うわけでございますかな。」
「単刀直入に申せばその通りでございます。」
「確かに、本日も龍興様の元へ行ってきてこのままでは織田家にすぐにでも美濃を取られてしまうと思っているのは事実だ。だが、尾張の大うつけと噂の織田信長について、これから先生き残れる保証はどこにある?たとえ美濃を手に入れても周りには様々な大名家がおるぞ。」
「確かに尾張、美濃を仮に当家が手に入れたとしてもまだまだ周りには敵が多く、苦戦するかもしれません。しかし、それは信長様が本当にうつけだった場合の話。信長様が本当のうつけであったならば海道一の弓取りと言われたあの今川義元を討てるでしょうか?」
「確かに桶狭間での戦いはこちらへも届いておる。しかし、それは今川方が数の優位性にかまけて油断をしていたからではないのか?」
「いくら数の優位性から油断が生じたとしてもうつけではその数をひっくり返す事は不可能だと思います。」
「ふむ。」
「それに信長様がうつけという情報を流したのは信長様の策でございます。」
「策だと?」
「ええ。尾張の大うつけが相手で数も有利。この条件で油断が生じない武将などはそうはいないでしょう。信長様はそこまで見据えてあえて幼少期よりうつけを演じてきたのです。」
守就が考えている素振りを見せたので政影は更に畳み掛けた。
「信長様はこれより天下に名を馳せる大名となるでしょう。安藤殿、その勝ち戦に乗らない手はないのではないですか?」
「わかった。ここは倉内殿を信じて私は織田へ降ろう。信長殿への手引をお願いできますかな?」
「もちろんでございます。ですが、安藤殿、せっかく降るのでしたら手土産など持参されてはいかがでしょうか?」
政影は微笑みながらそう言った。
政影がこれからの策について説明すると、
「なるほど、西美濃三人衆すべてを一気に寝返らせるために私も加担することで織田家へ寝返る手土産として稲葉、氏家の二人をつけると言うわけか。」
「はい。当家としましても西美濃三人衆が揃って斎藤家を見限ったと世間に思わせたいのです。それだけ龍興の支配力が弱いと分からせるために。」
「相わかった。寝返りの手土産として稲葉と氏家のことは私に任せてもらおう。倉内殿がうまく二人を説得できるように私の方でも動かせていただきますよ。」
「よろしくお願いいたします。」
こうして、西美濃三人衆の一人、安藤守就は織田方への寝返りを決意したのであった。
それから少しの間、政影は独自に西美濃三人衆の残りの二人のところに足を運び、親密度を深めていった。
そんなある日、安藤守就より安藤家の屋敷へ来てほしいと知らせが入ったのである。
「倉内殿、此度はお呼びだてして申し訳ない。よき知らせがあったゆえ、起こしいただくのがよろしいと思いましてな。」
「良き知らせとは早速伺ってもよろしいでしょうか。」
「お二人とも、お入りくだされ。」
守就がそう声をかけると隣の部屋から氏家卜全、稲葉一鉄の二人が入ってきたのだ。
「これはこれは氏家殿に稲葉殿ではありませんか。」
「倉内殿、今回お呼びしたのは我ら二人だ。」
「お二人がですか。」
「うむ。倉内殿に何度も足繁く屋敷へ来てもらっている裏でな、安藤殿にも話を聞いておってな。氏家殿と話あった結果、我ら二人も織田家に付こうと決めたのだ。」
「ゆえに、その橋渡しを倉内殿にお願いしたい。」
二人の言葉に政影は、
「おぉ、これは良き知らせじゃ。お任せくだされ。この倉内政影が責任を持って信長様へお話しましょうぞ。」
「倉内殿、これは我ら三人の織田様への手土産としてだ。」
「守就はそう言うと書状を政影に渡した。」
「中身を拝見しても?」
許可を得た政影がその書状を開いた。
そこには現在の斎藤家の情勢が事細かく書かれていた。
「これはっ。」
「それを使えば、龍興様に親しい者と疎まれて遠ざけられている者。織田家へ寝返る可能性のある者も判断できるのではないか?」
「これは大きな手土産でございますな。これを信長様へお渡しすれば必ず、お三方の覚えもよろしいでしょう。」
こうして政影は無事に西美濃三人衆の調略に成功し、合わせて斎藤家の内情を知ることができたのである。
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