Over the Life ~異世界変身冒険奇譚~

鳥羽

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第2章 司のあわただしい二週間

第10話 トラブルと引き篭り

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 ▽

 蝶と篝火の音が届く。トトさんの音だ。精神音は共感覚のように複数の感覚を揺さぶりイメージを伝えた。

 こちらからも音を飛ばして接続完了。

『司さん、聞こえます?』
『はい、大丈夫です』
『街の騒動、司さんの従魔が原因だって?』
『すみません、色々あって。詳しく話した方が良いですか?』
『いや、今はいいよ。とりあえず今どこいにいるの? 戻ってこれる?』
『アルフリートさんと防衛隊隊長のザカールさんと西の草原にいます。話題の従魔と精霊のご機嫌取りがようやく終わったところです』
『大変だったね』
『お騒がせして本当に申し訳ないです・・』
『ドラゴンは極めて大人しく、隊長に連れられて飛び去って行ったってみんな言ってるよ。大事にならなくてよかった』
『あ、は、ははは・・・』
 その場にいた僕と巻き添えアルフリートさんの事には触れずにいてくれるなんて、やっぱり優しい。

『従魔と精霊は登録が必要なんだけど、朝紹介状とか渡し損ねちゃったから神殿に一度来れる? 私の紹介状があれば審査がすぐ通るはずだから』
『登録はどこですればいいんですか?』
『冒険者|組合(ギルド)でも役場でもどこでもいいよ。 ダンジョン行くならついでに冒険者登録できる冒険者|組合(ギルド)がいいんじゃないかな?』
『アルフリートさんには?』
『アルはわかってると思うし、軽く言えば大丈夫』
『わかりました、すぐに行きます』
『急がなくてもいいから。お昼ちゃんと食べた?』
『そういえば、まだでした』
 気が付くと急に空腹感を覚える。
『うん、ちゃんと食べてからおいで。私がいなかったら執務室に紹介状置いておくから取っていくといいよ』
『ありがとうございます、もう何て言えばいいか』
『大丈夫。大事にはなってないから。でも神殿の上役と、もしかしたら議会の連中の前で話してもらうことになるかもしれないから、覚えておいて』
『騒動を起こしたのは事実なのでやりたくないですけど、やれるだけやります』

 損害賠償を求められても無一文ですよ、僕。ダンジョンもソロだとたかがしれてます。
 逃亡はしたくないなぁ。絶対トトさんの立場が悪くなる。

『気に病まないで。被害も出てないんだから』
『そうですよね』
 人的被害0がせめてもの救いだ。精神音を交わして思念通話終了。

 草原に生ぬるい風が吹く。この世界の責任の所在がわからないし、異世界人である僕は、ある程度流されることを許容するしかないのだろう。

 ▽

 今度詰め所に遊びに来いよーと言ったザーカさんと別れる。今度乗せてくれよな! と言ってたし社交辞令じゃないのかもしれない。

 以前案内された食堂はサガラといったらしい。今日も昼も大分過ぎた時間なので人はまばらだ。
 コロナも食べたいといったので控えめに食べさせる。獣人が獣の姿にもなる世界なので白柴の一匹くらい行儀が良ければ何も言われない。
 白身魚のポワレは塩気が丁度よくてなんとか食べられた。

 アルフリートさんは例のごとく机を皿で制圧している。
 コロナはもうおしまい? と見上げてくるが店では全力で食べてはいけないと理解している良い子なので、食べるものが無いと理解したら椅子の上で寝息を立て始めた。

 OTLで例のチート召喚魔石に収納していればお腹は空かないと説明書きにあったが、外に出している時はそうもいかず、基本コロナが自由に狩りをして、何を食べているか把握できるのはダンジョン内かたまの食事の時くらいだった。

  従魔というより半同居の遊び友達と言った方が近い気がする。そうなるのも仕方ない事だ。ログアウト中でもOTL内では時間が進んでいたのだから。ラクリマは魔力を糧とする精霊なので人の食事に余り興味を示さず、ねだられたら渡していた。

 だめだな、悪い方へ悪い方へと考えてしまう。

「アルフリートさん」
「なんだ」
「神殿の上役と議会について教えて下さい」

 知らないことが不安を呼ぶ。知っていても不安は消えない。心が不安定ならどうしようもない。
 こんな街ごと巻き込む騒動の中心にいるかもしれない不安が心を乱す。
 自分にラクリマとコロナを守る力どころか、いま食べている食事代すら支払えない情けなさで消えたくなる。創造神様に自分で稼いで自立したいって言ったその日のうちにこれだ。
 なぜこんなうまくいかないんだろう。

 いつのまにか勝手に出てきていたラクリマが丸い水球の状態で浮いている。ぴとり、ぴとりと顔にくっついては離れる。水の皮膜はひんやりしてて心地よい。

「教えてもいいが、そうしたら泣き止むか?」

 ああ、僕は泣いているのか。泣き慣れすぎて気が付かなかった。
「ごめんなさい、普通に話せはするんですけど気になりますよね?」
 泣きながら口調は普通とか気味が悪いだろう。それに、評判の食堂でアルフリートさんが誰かを泣かせていたなんて噂がたったらトトさんにも申し訳が立たない。あー失敗に失敗を重ねている。

「さめざめと声も無く涙を流す姿は実に哀れで美しい」
 目の前のラクリマは欲求に忠実である。契約内容に涙の所有権についての執拗な注文があったがそんなに涙はおいしいものですか?

「・・・どちらにせよ支払いはお任せせざるを得ないので先に帰ります。大変申し訳ないのですが第二執務室前に17時半でいいですか? もしトトさんに私の事を聞かれたら適当に誤魔化しくれれば嬉しいのですが、無理は言いません」

 どんなに長くても小一時間集中して泣けばある程度コントロールは戻る。これ以上優先事項を間違えてはいけない。アトリエならアンカー打ち込んであるし魔道具でひとっとびできたけど、借り物である神殿の部屋は魔術的細工は何もしていない。豹形態への変身もまだできないから目立たない様に路地裏まで歩くしかない。

 何もしていないの髪型を呼び出し、ややうつむく。編み込んでまとめてあった前髪がしゃらりと流れる。
 寝ているコロナを申し訳ないが送還。数時間だし西の草原なら大丈夫。何かあれば来るか、呼ぶはずだ。
 走らずに何事もなかったように店を出る。ラクリマは精霊石に戻っている。

 するりと雑踏をすり抜け人目の無い細道を行く。鳥の姿で空を泳ぐ。目立たない程度の高さで速度を出し自室を目指す。安寧の地ではないが人目につかず安心して泣ける場所は今のところそこしかない。

 ▽

 自室のリビングの窓から行儀が悪いが侵入。ラクリマに実体無き精神体に戻ってもらい、部屋の中で顕現して鍵を開けてもらう簡単な作業。
 精霊の本質は魂核そのものであり、肉体や水はただのガワである。あのサイズのユニコーンがラクリマにとっては丁度いいらしい。魔力が乱れ気味なので転移は回避。

 自室のベッドに転がる。収納からタオルを取り出し、リネンに付かないよう頭の下にも広げる。約束の時間までの猶予を時計で確認しアラームを設定。身体操作する余裕が戻ればきっと大丈夫。
 ラクリマに出ていくよう言うが契約に基づいた分け前を主張される。
 命令すれば引くだろうけど、妥協点として15分(ふん)分(ぶん)の涙ならいいと伝え、その後は一人にしてくれるよう約束させる。

 一人きりの安寧がほしい。誰にも影響されず、僕の影響も無い世界。

 とびっきりの自己嫌悪とネガティブを水分補給しながら目から流す。サイレンとざわめき。蘇生はできるだろうけど、もしかしたらコロナが殺されたり誰かを殺した未来もあり得たんだ。コロナを心配する気持ちも責める気持ちも本当。こんな精神状態でコロナ以前に誰かに抱き着くとかは論外。
 OTLでは飛行騎獣は制限区域以外は従魔証を付けていれば自由に飛べた。コロナは悪い事をしたと思ってない。こっちの従魔のルールがOTLと違いすぎるようなら手放した方がコロナは幸せになるかもしれない。

 胸を過ぎる幻惑を身を低くしてやり過ごす。大丈夫、この程度なら100の苦しみのうち30くらいだ。16時45分までに動ける程度に立ち直れば薬を飲んでお風呂に入って自己回復して普通に動けるくらいまで戻せる。

 今この瞬間世界で誰かが泣いていてそれが僕だというだけの話。感情の処理にこんなに時間を取られ情けない限り。生産性0(ぜろ)ならまだまし。アルフリートさんと多分トトさんにもばれて、迷惑かけてるから、予定通りに運ばない物事、数時間堪えて夜になってれば誰にも迷惑かけなかったのに。

 泣く事は恥ずかしいことじゃない。しかし、泣き喚いて醜態をさらしたり、泣き顔を晒し周囲を困惑させたり、自分の感情にかまけて大幅に予定を狂わせる事は恥ずべき事である。

 ラクリマが消えている。もう15分以上経ったのか。タオルを抱き込み体を丸める。体感で残り時間と自分の感情の処理量を量る。このままなら大丈夫。今日すべきことは・・・・。

 ノックも無く寝室の扉が開く。畢竟、この世界のこの部屋では孤独の平穏は訪れない。

 ▽

「約束した時間はまだですよね? それに入室を許可した覚えはないです。出て行ったいただけますか?」
 ベッドの上で身を起こし、笑みを浮かべる。思考力は最低限ある。大丈夫。
「約束した覚えは無い」

 アルフリートさんはこれが気になっていたのだろうと、すたすたと歩いて封蝋のされた手紙と小さな袋をベッドサイドのチェストの上に置いた。
 さぞ僕は情けない顔をしているだろう、なんせ泣いているのだ。

「長官には司が体調を崩したので今日は休むと伝えてある」
「・・・・」
 勝手に予定を変えられて怒りが湧く。何の為に僕がこうしてると思っているのか。
「窓口終了間際に行っても明日行っても登録はどちらにしろ明日になる。今日焦っていく必要はない」
 ぎしっとベッドがきしむ。アルフリートさんがベッドに腰を下ろした。

「本当に声も無く泣くのだな」
「どうやったら出て行ってくれますか?」

 腕力じゃ勝てない。魔術や魔道具を使えば昏倒させられるかもしれないが、さすがにそれはだめ。
 寝室に窓はないから逃走は厳しい。部屋を出ようにもアルフリートの横を通る必要がある。

「私には慰められたくないと」
「嫌われたくないんです」

 ラクリマみたいに自分の欲求や都合で泣いている時傍にいるのはいい。コロナは明るくていい子だからうじうじした情けない姿なんて見せたく無かった。リアルでもゲームでも引き籠って泣いてストレスに対処するのはもはや癖だ。

「何故、泣く」
 タオルで鼻をかむ。どうやら出て行ってはくれないようだ。

「この世界にきてたった数日の僕が大きな騒ぎを起こしました。コロナはもしかしたら誰かを傷つけたり、傷つけられたりしたかもしれない。
 僕はこの世界のルールを理解していないからどう責任を取るべきなのか分からない。賠償を求められても支払い能力はありません。
 トトさんやアルフリートさんの立場が悪くなるのがつらい。僕にはやるべきことがあるのに、それをせずにネガティブな感情で誰かを振り回すのが情けない。
 あなたをこれ以上煩わせたくない」

 ここまで言えば分かってくれるかな。

「明日にはまたいつも通りの姿をお見せします。どうか一人にしてくれませんか?」

 予定は流れてしまった。数時間見逃してくれれば元に戻るのに何故構う? 

 アルフリートさんは目を閉じ考え込んでいるように見えた。その姿は無防備でぎょっとする。

「お前はこの世界に自由をもたらすために遣わされたのだったな?」
「はい、そうですが・・・」
「私はお前に感化され、自由な意思でこうしたいと思ったまま行動する事にする」

 ゆらっと目が開き、黄色の光が僕を射竦める。そんなつもりはないだろうけど、アルフリートさんは入室を許可していない侵入者である。僕がそう思っても仕方ない。

 肩をつかまれベッドに押し倒された。ぽふんとタオルを敷いた枕に頭を打つ。きしりとベッドが鳴き乗り上げられていることを知る。
 影が落ちる。べろりと大きな舌が頬から目じりを這い、涙を舐め取っていった。

「ちょ、えええ、何してるんですか! アルフリートさん!」
 あわてて胸を押して離れようとするがびくともしない。
「あのドラゴンには盛大に舐められていただろう?」
「コロナは犬の姿だったじゃないですか!」
「ほう、やはり獣態(じゅうたい)なら良いのだな?」

 そう言うとマウントを取ったままシルバーグレイの完全な狼の姿に変わる。魔石の嵌ったブレスレットが輝く。
 全身は筋肉と充実した魔力で張りつめ、胸元の毛は思った以上にふわふわしていて触り心地が良かった。もふもふ。

 身の丈は人の時とほとんど変わらず、黒い爪と肉球の感触がやっぱり狼だと実感させる。
 こちらの同意を取ることも無く、また舐められる。コロナのような無邪気さは無いが、ゆっくりとした動作は狼の姿と相まって可笑しな話だが慈しまれている様な気分にさえなった。
 目尻、鼻、顔中を舐められる。顎を舐め上げられた時はひやっとした。

 どこか不満そうにかじかじと首当てを甘噛みしないでいただけますか? 太さが丁度良くて噛み応えが有るかもしれないですけど穴開いたり紐切れたりしたらどうするんですか? というかそこ人体の急所ですよ。

「お前は立派に務めを果たしている。私は自分のやりたいようにやっている。気に病むな」

 どうやらこれが捻くれた僕に対してのアルフリートさんなりの慰め方のようだった。
 確かにその考え方と行動は僕に対して有効であった様で、涙は引っ込んでいた。

「あはは・・、じゃあ僕もやりたいようにしていいですか?」
「何がしたい?」

「アルフリートさんを、もふらせて下さい」

 抱きしめて胸元の毛に顔をうずめる。くんかくんか。
 こんな上等な毛皮があるのだ。もふらねば。白柴とはまた違う毛並みにうっとりする。

 前足を持ち上げ、銀色のブレスレットをくるくる回しながら観察。自動着脱機能付き収納魔石かな。石は少ないし機能も少なそうだ。ついでに肉球をふにってもう一度胸にダイブ。
 はぁ・・・とあからさますぎる溜息と「本当に大丈夫なのか?」と尋ねる声が聞こえたがスルーして存分にもふらせて頂いた。

 色々あって疲れたけど、コロナと話せるようになったし、ラクリマは相(あい)変わらずだ。みんな無事に生きている。今日はきっと良い日に違いないと思えた。
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