Over the Life ~異世界変身冒険奇譚~

鳥羽

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第2章 司のあわただしい二週間

第26話 要らないものまで釣れる

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 ▽

 ふつり、意識が浮上する。15分程度のシェスタから気分良く目覚めてもふもふのベッドに頭擦り付ける。
 もう一眠りしたら本格的に寝てしまう、起きよう。

 にしてもいつもと違うな、もぞもぞしながら首を上げ周囲を見渡す。
「あ、ソックス、おはよう」

 狐の腹に覆い被さって翼は背中の方にだらり、何て寝相だ、気を抜きすぎだろ。へそ天ではなかっただけいいか。

 いそいそ上からどいて習慣的に羽繕い。
「ごめん、重かった?」
 首は横に振られる。薄灰色の瞳からは感情が読めないけど、機嫌は悪くなさそう。ありがとうと感謝の言葉を伝える。良い寝心地でした!とダメ押ししておく。

 ラクリマを呼ぶか。予定変更。何もなければまったりゴブリンから雑談しつつ狩りとか思ってたんだけど。
 状況を説明して呼んだらすぐに来てくれた。作戦会議だ。

 ▽

 片付けの後、アルフリートさんに思念通話で話しかけタグの機能で双方向通話にしてもらう。ハンズフリーの電話みたいな感じ。

 ラクリマの協力を仰ぎつつソックスを見上げその意志を尋ねる。
「ソックスがもうザーカさんの所に帰りたいって言っても誰も責めない。ソックスはどうしたい?」
「ザーカは僕が戦えるって認めてくれない、私たちが戦えると言ってくれれば認めてくれるんじゃないか。でも今はコロナは怖くて近寄れない、だそうだ」

 どうやら続ける気らしいが接近は厳しいか。従魔ペアと人間ペアを組みかえて役割分担が賢明かな。

「ラクリマ、ソックスが従魔になる前、どんな風に生活していたか聞いてもらえる?」

 群れから疎外され生きていくという事は言うほど易しい事ではない。だからこそ直接の戦闘能力の低い黒狐なのにこうして大きくなるまで生き延びている事こそが強さの証明。

 爪弾きにされて、理不尽な暴力に喘ぎ、それでも生きるしかない。そんなソックスがザーカさんに出会いコロナを気に入り、強さなる物を欲している。僕には教えられそうな技術がある。
 コロナにとって良き友人になってくれる可能性があるだけでも僕は協力したいと思う。

「どうやら一人で狩りをしていたみたいだな。獲物は兎、土竜、ネズミ、時々鹿まあそんな所か。果実も一通り分かるそうだ」
「元々の住まいは?」
「シャーペシア山みたいだな。よく一人で影にも潜れず生き延びたものだ」

 シャーペシア山はファルガ王国が有する聖地で人類生存圏の南限とも言われ、ファルガはこの聖地を防衛するために魔獣を撃退している。人類の盾である事は間違いないが、そこには国としての切実な事情があった。
 あの山は厳冬期は-50度以下の睫毛も凍る風が吹き下ろす。最低一芸ないと生存は危うい場所だ。
 狂人か廃人しか冬場は行かない。

 それ以外の季節は空気も清澄で観光資源に恵まれた名勝でもあるんだけど。

 しかし、そこで生まれ育ったなら予想戦闘能力を上方修正すべきだな。あそこは小物ですら楽に狩らせてくれない。

「ラクリマ、聴覚、嗅覚とかの能力が分かりそうな情報、普段どんな風に狩りしてたかきいてくれる?」

「分かった」

 話を聞いて分かったことはソックスは影に潜れず逃げ回ってきたせいか気配遮断能力が高い。隠した食料の場所も忘れない事からは記憶力も優れていることが分かる。

 特筆すべき点は探知能力と地形把握能力の高さ。厚い雪に覆われた地面の中で暮らす兎や土竜を探し当てる事が得意だと。魔獣の他に、同種の狐に影から奇襲される事がままあった為、常に気を張っていたそうだ。

 そんな繊細な探知機能を持つ狐にドラゴンの覇気(食欲)を間近で浴びせて本当に申し訳ない。

 四方八方に神経を張り巡らせないとあっさり死んでしまう状況。それでも食料をばれないように集めて蓄える計画性と思考力が必要で、臆病さは武器だった。せっかくの獲物も横取りされる事もしょっちゅう。
 ザーカさんに聞いたスペックよりもかなり高い。戦わせる気が無い事に不満を感じていたみたいだしこれは面白そうだ。

 ついでに何故コロナが気になったか確認しておいた。

「きらきらしてどきどきしただそうだ」
「ほう、コロナのきらきらが魅力的に感じるとはなかなか有望」

 アルフリートさんとも相談し狩猟階層と方法を決める。アルフリートさんは無茶をしなければそれでいいという事だったので、無事プランは通った。
 僕だけだとここまで組み立てるのはほぼ無理だっただろうな。経験者がいて情報があったから組み立てられた。

 みんなで楽しく兎狩りをしよう。

 ▽

 一度4階層の街に戻り、そこから第13階層・雪原の海と呼ばれるエリアに転移陣で移動する。

 しんしんと降り積もる雪が一面に広がり、緩やかな丘が連なる。雪が音を吸い森は不気味なほど静かだ。
 一見何もない風景だが、踏み出した先に何が有るかわからないのが雪原。お約束のトラップがあるかもしれないし油断は出来ない。

 人気(ひとけ)は無い。苦労の割に実入りが少ない様で、階層主は討伐されていないが、さっさと先に皆行っている。

 目標は雪穴兎。雪山の地中に穴を掘って暮らす狂暴兎。
 武器は牙と爪と長い脚から繰り出されるキック。実は雑食性で木の根でもミミズでも何でも食べる。

 探知能力に長け、地上で戦闘が始まればそそくさと反対側か穴の奥深くに逃げ出す。その癖穴倉の中なら出会った敵は積極的に排除にかかる。敵が穴の外に出れば追わない徹底した引きこもり戦術。

 こいつらを外におびき寄せる確実な方法は一つ。兎同士を鉢合わせる事。
 そうしたら異種族よりも同じ兎に対して意識が向き、表出ろやぁ! とお外(地上)で決闘が始まる。
 そこからは縦横無尽の兎のファイト。勝った方が好きにして良いという彼らの生態。

 ソックスだけなら狩猟成功率3割程度。漁夫の利狙いで終盤乱入し上手くやれれば2匹ゲット。鉢合わせさえ上手く誘導できれば逃げる機会はある。

 失敗しても片方は大体死ぬから巣穴の戦力は低下。ちょくちょく地道に削って兎が減ったら巣穴の一部を自分の物にして越冬。

 ガチで広場で戦うと瞬発力、火力共にソックスが不利。入り組んだ穴の中で逃げ回って誘導なら問題ない。もう少し穴が大きければコロナも突入できるんだけど。

 というか、この生態をソックスが知っていたのが驚きだ。

 雪穴兎はウサギなのに毛皮はちくちくしているし、肉はそこそこ。魔石は純度もエネルギー量も小型魔獣にしてはかなり良いが苦労に見合わない。鉢合わせの誘導は地上からだと運ゲーになるから狩猟したがる人は余りいない。

 この雪原にソックス曰く10匹以上の兎が潜んでいるそうだ。皆地上のマッピングが終わったら先に行ったから綺麗に残っているのだろう。

 おおっぴらに魔力探知を走らせれば逃げられる可能性があるのでソックスにお任せ。

 今回は役割分担。ソックスはウサギ集めに専念。狩猟と逃走防止、囲い込みは僕ら。一匹の時は時間の関係でワンペアしか集められなかっただろうけど、PTならいくら集めてもらっても問題ない。

 ラクリマはソックスの防衛に専念。穴の中で殺したら地上までの運搬が面倒になる。ソックスにも収納魔道具を持たせてあるみたいだが、魔力の関係か、容量があまり無い物だったのでなるべく地下では仕留めない方針。

 コロナとソックスもプレイヤーのおまけではなくPTの正式な一員になったから、僕が思念通話のハブになれる。コロナとの接続は身構えてれば最初よりは衝撃は軽くなった。しかし馬鹿みたいに容量食うな・・ずっと鳥でいいや。

 戦闘前にソックスに加護のおすそ分け。《霊鳥の加護》と《逃避の加護》
 主に移動速度アップの効果・・・逃げる時に特に効果が期待できる。今回にはぴったりだね!

 ▽

 暗く細い穴の中、一匹の獣がちょこまかと走り回っている。光苔が時々露にするのは暗闇に紛れる黒い狐。

 靴下を履いたような白い四本の足が静かに地面を蹴る。土の中に張り巡らされた穴倉で兎の気配を嗅ぎまわる。
 嗅ぎまわると言うのも正確ではない。嗅覚、触覚、聴覚、残された気配や魔力、全ての感覚を開いて情報を集め、すでに数匹の兎の位置を把握していた。

 ここには狩りの邪魔をする者(きつね)はいない。それどころか水の精霊が首に巻き付き、自分を守ってくれている。こんなに心強い事はないとソックスは思う。暗闇は黒狐のフィールド。心置きなく任された仕事に励む。

『ソックス、状況は?』
『数匹の位置を把握、これから鉢合わせの準備に入ります』
『ソックスが兎を見つけたって!』

 司がソックスに思念通話を飛ばす。思念通話のラインが繋がっても、ソックスの声はまだ司にははっきりとは聞こえない為、受信できるコロナがサポートする。
 いささか内容が変わっているが、問題があったならラクリマが注釈を入れるだろう。

 狐は頭の中で立体地図を展開し自分の位置、兎の予想位置と誘導ルートの確認を行う。もし兎に袋小路に追い詰められれば間違いなく窮地に立たされる。ルートの確認は入念に行い、失敗した場合の地上への撤退ルートを常に意識する。

 一匹の兎はこちらの存在に気づいた気配があった。この兎の居る場所にもう一匹を誘導するためソックスは同程度の力だと当たりをつけた兎の場所に駆けた。


 赤い光が閃光の様に走り、一直線に狐を目掛けて兎の後ろ足が唸(うな)る。ソックスは恐怖に耐え必死に前のみを向いて走る。穴は狐がようやく走る事のできる大きさしかなく、兎はその脚力で飛び上がって前方を取る事は出来ない為侵入者の後ろをひたすら追いかける。

 穴倉は曲がりくねっており、しかし選んだ道によってはあっという間に追いつかれた事だろう。
 ソックスは道を間違えず走る。先ほどの兎より大きな、中型の犬程の大きさの兎が視界に入る。動く気配は無い。

 前方の兎の赤い瞳がソックスを一瞬睨むが、視線は流れ、狐の後ろ、同種の兎に注がれる。
 睨み合いと、兎とは思えない凶悪な魔力咆哮が狭い穴倉の空気をぐわんと震わせる。

 狐は既に前方の兎の横をすり抜け、脇道に身を潜めている。
 殺気を滾らせた獣が二匹、狐の存在など気にも留めず目の前を走り抜けていった。

 一回目の誘導は成功だとソックスは息を吐く。まだ体力は十分にあった。鉢合わせは成功したと報告し、兎が地上に出る穴の場所の予想を伝え、次の行動を考える。

 今の魔力咆哮で穴倉の兎たちはざわめきだした。地上で戦闘が始まれば移動が始まる。移動に合わせて囲い込みを行う必要がある。走りながらソックスは指示を出す。

『10~12番優先で次4番、両方3でお願いします』
『10~12と4を3だって、つかさ』
『了解。アルフリートさん、10から12の3マップ見ながら何でもいので魔力か火力ぶっぱなして下さい。コロナ、4の緑の方向で一番外の3』
『おっけー!』

 地上は区域を時計の様にまず12に分割し、大体の目印にその色の布を括り付けた棒を地面に差し、中心から外辺を3等分にして、ソックスの指示に従いコロナとアルフリートがその場所で何かしらの魔術を使用する。オペレーターは飛行する司。
 司はタグの画面を開きっぱなしでも飛行できると知り、戦闘での活用法を探っている。

 魔力が広がる。地上では兎の死闘が繰り広げられているのだろう。

『うっわーすっごいね。雪穴兎ってこんなアグレッシブだったっけ』
『素早く的も小さい。狙って仕留めるのは面倒な相手だな』
『勝負が付きそうになる前に介入して止めは僕が刺します。逃げられると追いかけっこが面倒ですし』

 上の仕事は任せ、狐は次なる獲物たちに狙いを定める。気持ちが昂ぶり逸る。まだまだ楽しい狩りは終わらない。

 途中で賛辞を受け楽しくなりすぎたソックスが調子に乗って複数鉢合わせを計画・実行し、上手く行き過ぎて一時地上で計五匹の兎によるバトルロイヤルが繰り広げられた。

 雪原は跳び交う兎の血まみれ大乱闘。司はザーカに見せる為初めてタグの録画機能を使った。

 休憩や回復を挟みながら計12匹。綺麗に一掃。大量の茶色い兎の小山の前で狐は興奮気味に笑いながら飛び跳ね、そのテンションのままコロナとそれ乗った司(とり)に飛びついた。

 そしてすぐ正気に返り、猫が驚いた時の様に背中をくの字にして後ろに飛びあがって、コロナとアルフリートの笑いを誘った。司はもちろんその場面も録画していて、くすくすと満足気に鳥は笑う。

 ▽

「大漁大漁。素晴らしい成果。ソックスすごいねー!!」

 コロナの上から飛び降りると足環の形の魔道具が触れあい、ちゃらちゃらと音を立てた。

 魔石があるこの世界では魔力が残留している内は肉の痛みは遅い。少しくらい処理が遅れても鮮度的には問題ない。ここ寒いしなおさら。

 ま、半分はソックスとして残りは鍋にするか熟成させるか。この獲物どうしましょうかーと話し合いをしていたら、ごごご・・と地鳴りが響いてくる。え、この階層で地震? とりあえず収納して後で決めよう。

 ぎゃんぎゃんソックスが力の限り吠えている。警戒しろ、危険だと言葉が通じなくても分かる。

 がごん! すさまじい音を立て地面が砕ける。雪原は真っ二つ。1.5mほどの割れ目は底が見えない。ほうほう、雪穴兎の穴倉はこんな風になっているのか。

 この階層で天変地異有とかスケール大きいな。この世界のダンジョン。

『つかさ! じめんから何かくる!』

 がががと連続的な石を砕く様な音が下から聞こえてきた。ぴょいんと茶色の塊が雪の上に二本の脚で着地。三角跳びで底から昇って来たのか。

 茶色の長いお耳はぴくぴくと神経質に動いている。後ろ足で立ち上がった兎は耳も合わせると全長2m以上はある。額に輝く瞳と同じ真っ赤な色の宝石。

 うわ・・階層主来た。出現条件厳しすぎませんかね。
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