泣きたいくらい幸せよ アインリヒside

仏白目

文字の大きさ
1 / 6
アインリヒ.シュバルツ

無礼な王女

しおりを挟む
彼女と初めて会った日は季節外れの雪の降る寒い日だった 

国と国の繋がりを作る為に、前王の私の父が結んだ婚約、その父が2年前に崩御して今では私が国王になっている

その婚約者が、私に会いに我が国にやってくる 
結婚の時期をアーリング国が尋ねてきた時
「順守する義理はない」と返事をした
どう、探ってみても魅力のある国ではなかったからだ 


前王のした約束事に従わなければならない程、我が国は弱い立場ではない、こちらの方が国として大国 


来たければ勝手に来ればいい、だが、思い通りにはさせないがな


そちらに向かうと連絡が届いたが、絵姿のリディア王女は金髪に緑の瞳その容姿はとても美しいと話には聞いている


いつ来ようと私は待っている訳ではない
国境を越えたらその時連絡してくれと、通達した


それからどれくらい経ったか国境の兵士から連絡が届き王城に向かっていると連絡がとどいたが、
暖かい季節なのに突然雪がふりだした

これは、我が光の国の精霊が歓迎していないのだろう、時間が経つにつれて降り方が酷くなってくる
この王城は雪が降っても積もる事はない
精霊の加護とは不思議なもので 外から来るものが精霊の許しをもらえていないと
体調を崩してしまう 国から出ると体調も戻るようだが・・


リディア王女は歓迎されていないのだろう



執務室にいると、迎賓館に王女一行がまもなく到着すると連絡が入り、挨拶の為そちらへ迎うと リディア王女は馬車の中で体調を崩して会える状態では無かった


やはり、そうなったかと

ならば落ち着き次第に説明してお引き取り願おう 精霊に受け入れられない嫁などこの国で生きていく事は難しい


執事のジムニーから報告がきた、

「リディア王女に同行されて来たもう1人の王女がいますが、どうされますか?」

「王女が2人来るとは聞いていないが・・そのもう1人は体調は大丈夫なのか?」

「はい、ご無事に到着されてます、リディア王女の妹君のチェルシー王女です」

「ああ、確かアーリング国王の側妃の娘がいるはずだ・・・挨拶だけでもしておくべきか、 ジムニー 担当のものに様子を伺うように伝えてくれ」

「畏まりました」




それから、程なくしてチェルシー王女と挨拶を交わす事になるのだが、
そこにはリディア王女の絵姿とは全く違う、黒髪碧眼の小柄な少女が現れた
緊張しているのか私を見て落ち着かない様子だ

エスコートをして椅子に座ってもらった

挨拶も早々に、要件を済ませようと

「で、君の姉上は体調はどうなんだ?」

私はいたって普通に訪ねたのだが


「あ、あの・・」

「なんだ!?」

「私、何かしましたか?」

「⁈  ・・どういう事だ!」

「いえ・・・シュバルツ国王様が怒っているようなので・・・」

「・・・・・」   「ぷっ!」

 な,なんて無礼な女だ・・そんな事を言われたのは 初めてだ!あまりの出来事に言葉もでないでいると、後ろに控えていたジムが何故かふきだした

「失礼しました、私はアインリヒ国王の執事でジムニー と申します
 チェルシー王女様ご安心下さい、通常運行でございます」



「え?眉間の皺も通常運行ですか?」

ミケンノシワ?

 ジムは掛けているメガネを指で持ち上げて、笑うのを我慢している

「はい、眉間の皺も通常運行でございます」

・・通常運行とはどういう意味だ?ジムの奴調子に乗ってるな

「まあ! それは失礼しました!私ったら決めつけてしまって申し訳ありませんでした」
 
今のやり取りで納得・・・したのか?


「ごほん!・・う、うむ 気にしないでくれ」


「ありがとうございます、 心の広いシュバルツ国王に感謝いたします

 姉のリディアの体調のことでしたね、
心配は無いとお医者様には診断をしてもらいました、暖かい所で休めば大丈夫だそうです、姉はシュバルツ国王様に会えるのを楽しみにしておりましたので、今は少し落ち込んでおりますわ」

今のやり取りで安心したのか、チェルシー王女は頬を赤らめて笑顔で話す

なんだ この・・・可愛らしい生き物は・・?



「ああ、体調を優先してほしい 慣れない長旅の疲れもあるだろう、無理はしないように伝えてくれ」


「ありがたき、お言葉をありがとうございます その様に姉に伝えておきます」


「そなたは・・・チェルシー王女は体調は大丈夫なのか?」


「はい、それが不思議な事で 道中シュバルツ王国に入った所で雪が降り始めたのですが、この王城に着く頃には辺り一面白く積もる程の雪で、そして王城の中に入ると雪などかけらもなくて


 姉と一緒の馬車に乗っていた侍女の2人だけが寒さに凍えていて、他の者達はそういえば雪が降っているのに、さほど寒さを感じていなかったと言うのです
 姉の状態をみて、寒さを感じていない私達の方がおかしいのでは?と思うのですが・・・」

歓迎されなかったのは、リディア王女だけということか、侍女も同じとみなされたか
しかし、チェルシー王女は大丈夫だったとは精霊はアーリング王国を邪険にしたい訳ではないらしい


「ああ、王城には雪は積もらないようになっているんだ」

「その様なことができるのですね?」

他国のことだ、興味もなく何も知らないで来ているのだろう 

「光の王国と言われるのは、精霊の加護のおかげでね、その精霊に歓迎されていないと、この国に入ると体調を崩すんだ、この国から出れば元通りに良くなるらしいが」

「精霊の・・それは、まさかリディアお姉様の事ですか?」

「ああ、そのリディア王女の身に起きた事はまさに当てはまる、精霊が警告しているのだよ」

「そんな・・・」

「わざわざ来てくれて申し訳ないが、早々に帰られた方がいい この国に居れば体調は悪いままだろう」


「・・・・・」


その後チェルシー王女は先程の笑顔はどこかに行ってしまい ショックだったのか
落ち込んだ様子で部屋を退出した







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛しい口づけを

蒼あかり
恋愛
幼いながらも愛を育み、将来を誓い合ったフローラとサイモン。 いつのまにかフローラに対するあふれ出した想いを止めることができずに、暴走を始めるサイモンの兄ファウエル。 ファウエルや家族に阻まれ、いつしか家族の関係もバラバラに。 フローラとサイモンは二人の未来のために駆け落ちを決意する。 しかし幼い二人は連れ戻さえ、引き離されてしまうことに。 フローラの兄カミーユの計らいで、最後の別れをすることができた。 そこで互いを思いながら、それでも生き続けることを誓い合う。 そんな二人が年月を重ね、再び出会い最後を迎えるまでの人生の愛のものがたり。 ※ 他サイトでも掲載しています。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】二十五の誓い ― 傷物令嬢の私と銀の騎士 ―

朝日みらい
恋愛
侯爵令嬢リリアナと、執事の息子アレン。 身分違いながら、無邪気に未来を語るふたり。 丘で摘んだ25本の白薔薇を並べ、指切りを交わす。 「25歳になったら、迎えに行く。君を僕の花嫁にする。」 「わたし、そのときまでここで待ってる。薔薇を25本咲かせてね。」 それは、幼い二人の25の誓い、その最初の試練が静かに始まろうとしていたのです。

実在しないのかもしれない

真朱
恋愛
実家の小さい商会を仕切っているロゼリエに、お見合いの話が舞い込んだ。相手は大きな商会を営む伯爵家のご嫡男。が、お見合いの席に相手はいなかった。「極度の人見知りのため、直接顔を見せることが難しい」なんて無茶な理由でいつまでも逃げ回る伯爵家。お見合い相手とやら、もしかして実在しない・・・? ※異世界か不明ですが、中世ヨーロッパ風の架空の国のお話です。 ※細かく設定しておりませんので、何でもあり・ご都合主義をご容赦ください。 ※内輪でドタバタしてるだけの、高い山も深い谷もない平和なお話です。何かすみません。

「ばっかじゃないの」とつぶやいた

吉田ルネ
恋愛
少々貞操観念のバグったイケメン夫がやらかした

政略転じまして出会いました婚

ひづき
恋愛
花嫁である異母姉が逃げ出した。 代わりにウェディングドレスを着せられたミリアはその場凌ぎの花嫁…のはずだった。 女難の相があるらしい旦那様はミリアが気に入ったようです。

ずっと一緒にいようね

仏白目
恋愛
あるいつもと同じ朝 おれは朝食のパンをかじりながらスマホでニュースの記事に目をとおしてた 「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」 「ああ もちろんだよ」 「ふふっ 正直に言っていいんだよ?」 「えっ、まぁなぁ 同じ事繰り返すのもなんだし・・   次は別のひとがいいかも  お前もそうだろ? なぁ?」 言いながらスマホの画面から視線を妻に向けると   「・・・・・」 失意の顔をした 妻と目が合った 「え・・・?」 「・・・・  」 *作者ご都合主義の世界観のフィクションです。

届かない手紙

白藤結
恋愛
子爵令嬢のレイチェルはある日、ユリウスという少年と出会う。彼は伯爵令息で、その後二人は婚約をして親しくなるものの――。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開中。

処理中です...