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2:暴虐の姫君と地獄の魔竜
014 炎の魔竜2
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瓦礫が散り、炎が舞う。
ユーディットとヴォレルカリリスクの拳が交差する度に、大気が悲鳴を上げ、大地が揺れた。
私の目から見て、二人は互角に見える。
パワーは傍目に差が分からないほどに拮抗していた。
速度と手数ではユーディットに分があるようだ。
目にも止まらぬ拳撃のいくらかがヴォレルカリリスクの防御をすり抜けてヒットしていたが、石壁すら砕く拳を魔竜の装甲と骨格は容易く受け止めている。
人の形を取っていても魔竜の強靭さは健在であるらしい。
種族的な優位はヴォレルカリリスクにある。
その両腕には神すら焼き尽くす地獄の業火を纏い、無尽蔵の体力と、あらゆる生物の中で最硬の鱗を持っている。
長期戦となればユーディットの不利は必至である。
姫君の細腕は破滅の黒い炎を紙一重でいなし続けていたが、その攻防が彼女の体力と精神力を削り続けているのは傍目にもよくわかった。
「けふっ」
一方そのころ、私は瓦礫に身を隠しながら、げっぷがイチゴの匂いなことに絶望していた。
これ、明日には治るよね……?
気を抜いていると、こちらに向かって焼けた瓦礫が飛んで来た。
縦横に人の背くらいの大きさで、地獄の業火で焼け爛れ、表面が沸騰した岩の塊。
あ。
やべ。これは避けられんわ。
後悔する間も悲嘆に暮れる間もなく、呆然と近づいてくる瓦礫を見つめる。
しかし、その瓦礫は私の眼前で跡形もなく粉砕された。
砕けた破片すらも私を避けていき、礫石一つとして私に触れることはなかった。
「危なかったね」
「ちょ……」
「アンネリーゼが無事でよかった」
「よくない!」
目の前にはユーディットの背中があった。
その右手には黒い地獄の業火が燃え移っており、彼女の雪のように真っ白な肌を容赦なく焼き焦がしていく。
「ぜんぜん無事じゃないでしょ! 大丈夫なの? それ……」
「あー、まあ、ちょっと痛いけど、すぐ消えるでしょ?」
「火の勢い上がってるから! 肉の焼けてる匂いがするから!」
ユーディットはぶんぶんと恐ろしい速度で手を振り、力づくで地獄の業火をかき消す。
ホント相変わらず無茶苦茶だなコイツ。
……そんな無茶苦茶なやつなのに、右手は痛々しいほどに焼け爛れたままだった。
「なんで私なんかのためにそこまで……」
「君のためだからかな?」
そんなことを言ってユーディットは微笑む。
答えになってないし。意味わかんないし。
馬鹿かこの女。
「心配してくれてありがとう」
「誰があなたの心配なんか……」
「いやあ、ちゃんとわたしのこと愛してくれてるんだなあ。嬉しいよ」
「あなたなんて、あいつに焼き殺されちゃえばいいのよ!」
私が憎まれ口を叩くと、ユーディットは涼しい顔で笑って答えた。
「焼き殺されるなら、是非アンネリーゼの愛の炎がいいな」
歯が浮く。虫唾が走る。気持ち悪い。
死ねばいいのに。
でも、今死なれたら私は泣いてしまいそうだ。
そんなのは恥ずかしいから、私の心が揺らいでない時に死んで欲しいかも知れない。
「茶番は終わったかしら?」
「わたしとしては、君の相手こそ茶番なんだけどね。早く終わらせて、看病を口実にアンネリーゼとイチャイチャしたいよ」
「それがお望みなら、あんたを殺した後すぐにあっちの女も同じところに送ってあげるわ。せいぜい地獄の釜の底でイチャついてなさい」
「そりゃあご親切にどうも」
ユーディットはヴォレルカリリスクに対峙し、初めて明確に構えを取る。
ヴォレルカリリスクもまた本気でユーディットを殺しにかかるようで、両拳だけでなく全身に地獄の業火を纏った。
「その炎のことはだいたい分かった。大したことはない」
「へえ? 勇者でもなく悪魔の血も引かないただの人間が、地獄の業火を制御できるとは思えないけれど?」
「制御する必要もないさ」
「なら、どうするって言うの?」
「根性と、やせ我慢」
ユーディットが業火の魔竜に拳を叩き込む。
ヴォレルカリリスクは両腕をクロスさせて防御するが、ユーディットの拳はガードの上から魔竜を打ち据えた。
魔竜の足が、わずかに後退した。
ユーディットの両腕を地獄の業火が焼く。
しかし、彼女は気にした風もなく、ヴォレルカリリスクを乱打し続けた。
時折混じる重い一撃が、魔竜を押し返し、膝をつかせる。
金剛よりも硬いはずの魔竜の表皮に裂傷が生まれ、鮮血が飛び散っていた。
「人間ごときが、調子に乗りやがって!」
「そちらこそ、たかが竜ごときが調子に乗りすぎだ」
ユーディットは跳躍し、体重を載せた拳や蹴りを叩き付ける。
たかが女一人の重み。素人目にはそう見えたのだけれど、次の瞬間にはヴォレルカリリスクの足元に床にヒビが入っていく。
二度、三度と打ち付けるごとに、ヒビは大きくなり、魔竜の足は礫砂と化した床に沈む。
四度目で不壊であるはずの竜の骨が折れ、五度目にはヴォレルカリリスクは片腕のガードを上げたままの姿勢で昏倒する。
ユーディットは深呼吸し、気を失った魔竜にトドメを刺す。
音速を超えた拳は衝撃波を纏い、ヴォレルカリリスクに接触した瞬間、爆発に似た音を放つ。
玄関ホールに生まれた巨大なクレーター。
その中心にある深い竪穴に、業火の魔竜は埋葬された。
「ふぅ……」
ユーディットは野良仕事を終えたオッサンのような姿勢で息をつく。
満身創痍だった。
両腕・両脚の皮膚は焼け爛れ、全身の至る所に打撲や裂傷、火傷の痕がある。髪の先端は焦げ、ドレスも襤褸布のように変わっていた。
どうしょうもなく無様で、二目と見れない有様だったけれど。
困ったことに。
私は彼女が私に向ける満足そうな笑顔を見て。
非常に不本意ながら、胸がときめいてしまった。
ああ、なんだこの心臓。ちゃんと私の思い通りに動いてよ。こんなの取り替えたい。
「アンネリーゼ」
「……ユーディット」
私は彼女の差し伸べた手を、なぜか握り返してしまう。
「頑張ったご褒美が欲しいな」
「何よそれ」
「キスしてくれない?」
「絶対に嫌」
ユーディットは心底楽しそうに笑う。
「わたしは君の、アンネリーゼのそんなところが──」
……光が。
黒い光が、ヴォレルカリリスクの屠られたはずの竪穴から漏れ出していた。
意味を理解するよりも早く、私の心は恐怖を覚える。
それからのことは、鳥肌が立つ間もなかった。
ユーディットがきつく私を抱き締める。
玄関ホールを形作る構造物。
その全てが一瞬のうちに黒い光に包まれ、世界から消失した。
ユーディットとヴォレルカリリスクの拳が交差する度に、大気が悲鳴を上げ、大地が揺れた。
私の目から見て、二人は互角に見える。
パワーは傍目に差が分からないほどに拮抗していた。
速度と手数ではユーディットに分があるようだ。
目にも止まらぬ拳撃のいくらかがヴォレルカリリスクの防御をすり抜けてヒットしていたが、石壁すら砕く拳を魔竜の装甲と骨格は容易く受け止めている。
人の形を取っていても魔竜の強靭さは健在であるらしい。
種族的な優位はヴォレルカリリスクにある。
その両腕には神すら焼き尽くす地獄の業火を纏い、無尽蔵の体力と、あらゆる生物の中で最硬の鱗を持っている。
長期戦となればユーディットの不利は必至である。
姫君の細腕は破滅の黒い炎を紙一重でいなし続けていたが、その攻防が彼女の体力と精神力を削り続けているのは傍目にもよくわかった。
「けふっ」
一方そのころ、私は瓦礫に身を隠しながら、げっぷがイチゴの匂いなことに絶望していた。
これ、明日には治るよね……?
気を抜いていると、こちらに向かって焼けた瓦礫が飛んで来た。
縦横に人の背くらいの大きさで、地獄の業火で焼け爛れ、表面が沸騰した岩の塊。
あ。
やべ。これは避けられんわ。
後悔する間も悲嘆に暮れる間もなく、呆然と近づいてくる瓦礫を見つめる。
しかし、その瓦礫は私の眼前で跡形もなく粉砕された。
砕けた破片すらも私を避けていき、礫石一つとして私に触れることはなかった。
「危なかったね」
「ちょ……」
「アンネリーゼが無事でよかった」
「よくない!」
目の前にはユーディットの背中があった。
その右手には黒い地獄の業火が燃え移っており、彼女の雪のように真っ白な肌を容赦なく焼き焦がしていく。
「ぜんぜん無事じゃないでしょ! 大丈夫なの? それ……」
「あー、まあ、ちょっと痛いけど、すぐ消えるでしょ?」
「火の勢い上がってるから! 肉の焼けてる匂いがするから!」
ユーディットはぶんぶんと恐ろしい速度で手を振り、力づくで地獄の業火をかき消す。
ホント相変わらず無茶苦茶だなコイツ。
……そんな無茶苦茶なやつなのに、右手は痛々しいほどに焼け爛れたままだった。
「なんで私なんかのためにそこまで……」
「君のためだからかな?」
そんなことを言ってユーディットは微笑む。
答えになってないし。意味わかんないし。
馬鹿かこの女。
「心配してくれてありがとう」
「誰があなたの心配なんか……」
「いやあ、ちゃんとわたしのこと愛してくれてるんだなあ。嬉しいよ」
「あなたなんて、あいつに焼き殺されちゃえばいいのよ!」
私が憎まれ口を叩くと、ユーディットは涼しい顔で笑って答えた。
「焼き殺されるなら、是非アンネリーゼの愛の炎がいいな」
歯が浮く。虫唾が走る。気持ち悪い。
死ねばいいのに。
でも、今死なれたら私は泣いてしまいそうだ。
そんなのは恥ずかしいから、私の心が揺らいでない時に死んで欲しいかも知れない。
「茶番は終わったかしら?」
「わたしとしては、君の相手こそ茶番なんだけどね。早く終わらせて、看病を口実にアンネリーゼとイチャイチャしたいよ」
「それがお望みなら、あんたを殺した後すぐにあっちの女も同じところに送ってあげるわ。せいぜい地獄の釜の底でイチャついてなさい」
「そりゃあご親切にどうも」
ユーディットはヴォレルカリリスクに対峙し、初めて明確に構えを取る。
ヴォレルカリリスクもまた本気でユーディットを殺しにかかるようで、両拳だけでなく全身に地獄の業火を纏った。
「その炎のことはだいたい分かった。大したことはない」
「へえ? 勇者でもなく悪魔の血も引かないただの人間が、地獄の業火を制御できるとは思えないけれど?」
「制御する必要もないさ」
「なら、どうするって言うの?」
「根性と、やせ我慢」
ユーディットが業火の魔竜に拳を叩き込む。
ヴォレルカリリスクは両腕をクロスさせて防御するが、ユーディットの拳はガードの上から魔竜を打ち据えた。
魔竜の足が、わずかに後退した。
ユーディットの両腕を地獄の業火が焼く。
しかし、彼女は気にした風もなく、ヴォレルカリリスクを乱打し続けた。
時折混じる重い一撃が、魔竜を押し返し、膝をつかせる。
金剛よりも硬いはずの魔竜の表皮に裂傷が生まれ、鮮血が飛び散っていた。
「人間ごときが、調子に乗りやがって!」
「そちらこそ、たかが竜ごときが調子に乗りすぎだ」
ユーディットは跳躍し、体重を載せた拳や蹴りを叩き付ける。
たかが女一人の重み。素人目にはそう見えたのだけれど、次の瞬間にはヴォレルカリリスクの足元に床にヒビが入っていく。
二度、三度と打ち付けるごとに、ヒビは大きくなり、魔竜の足は礫砂と化した床に沈む。
四度目で不壊であるはずの竜の骨が折れ、五度目にはヴォレルカリリスクは片腕のガードを上げたままの姿勢で昏倒する。
ユーディットは深呼吸し、気を失った魔竜にトドメを刺す。
音速を超えた拳は衝撃波を纏い、ヴォレルカリリスクに接触した瞬間、爆発に似た音を放つ。
玄関ホールに生まれた巨大なクレーター。
その中心にある深い竪穴に、業火の魔竜は埋葬された。
「ふぅ……」
ユーディットは野良仕事を終えたオッサンのような姿勢で息をつく。
満身創痍だった。
両腕・両脚の皮膚は焼け爛れ、全身の至る所に打撲や裂傷、火傷の痕がある。髪の先端は焦げ、ドレスも襤褸布のように変わっていた。
どうしょうもなく無様で、二目と見れない有様だったけれど。
困ったことに。
私は彼女が私に向ける満足そうな笑顔を見て。
非常に不本意ながら、胸がときめいてしまった。
ああ、なんだこの心臓。ちゃんと私の思い通りに動いてよ。こんなの取り替えたい。
「アンネリーゼ」
「……ユーディット」
私は彼女の差し伸べた手を、なぜか握り返してしまう。
「頑張ったご褒美が欲しいな」
「何よそれ」
「キスしてくれない?」
「絶対に嫌」
ユーディットは心底楽しそうに笑う。
「わたしは君の、アンネリーゼのそんなところが──」
……光が。
黒い光が、ヴォレルカリリスクの屠られたはずの竪穴から漏れ出していた。
意味を理解するよりも早く、私の心は恐怖を覚える。
それからのことは、鳥肌が立つ間もなかった。
ユーディットがきつく私を抱き締める。
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