159 / 165
弁論王との戦い
しおりを挟む
キャンプファイアーの間近で<バン!!>と弾けたスタングレネードは、レッツパーリィしていた武装パリピ共を、ことごとく昏倒させる。
「ウワァァァァァ!目が!!目がぁぁぁ!」
「耳がぁぁぁぁ!!!」
「……驚いたな、お前らに目や耳が付いてるとは思わなかった」
俺は少年を拾いあげると、彼を母親らしき女性が手を招いていた建物に避難させた後、正常会の連中へと向き直った。
その間にスタングレネードの効果から回復した連中は、テクテクとキャンプファイアーのところに戻ってきた俺を、輪の形で取り囲む。
あ、なんか懐かしいなこの感覚。
「これは暴行、言論弾圧だ!!間違いなく死刑だな!!」
「ヒャッハァー!正しく死ねぇ!機人ー!!!」
俺を取り巻いた暴徒は自称「正しい武器」である木の棒で殴りかかって来るが、そんなものは当然、金属の体の俺には通じず、ぽっきりと折れる。
(しょうがない。非常に厭だが、|厭でたまらんが、連中のレベルに合わせて戦うとしよう。)
(Cis. 普通にやっちゃっても大丈夫だと思いますけどね?)
「……おや、正しい武器が折れたな?つまりこれは私の方が正しいという証拠だ」
「な、なんだと?!」
「……正しい武器が私に破壊されたという事は、その武器は正しくなかったという事だ。つまり私が正しい」
これはナビさんから学んだ詭弁のひとつだ。
「人には水だけあればよい。何故なら生物に水は不可欠だからだ」という前提が誤っている時に成り立つ種類の詭弁だ。
これは連中が「正しい武器」と言うインチキを振り回してるからこうなる。
完全な自業自得で起きる論理破綻だ。
「正しい武器が通じない機人は正しい……?!そんな、ウワァァァァァァー!!」
正常会の連中は、まるで人格崩壊を起こしたように叫び出した。
……えぇ……なんでぇ?
「ウゥゥゥ!!!正シサ……正シサガホシィィ!!!!」
「モット……正常ニナリタァイ!!!!」
連中はもがき苦し始めた。なんかやばい薬とかやってない?
大丈夫?
(機人様、恐らくこれは『正義中毒』です)
(なにそれ?バカ?)
(いえ大真面目です。とある国家に、ある目的を達成するために改造された人類が存在しました。確証は無かったのですが、この症状は間違いないでしょう)
(知りたくない気持ちが9割9分だけど、ナビさん、もっと詳しく教えて?)
(Cis. あれは「正義人類」という人工生物です)
(遺伝子に刻まれた『社会正義』に適合した行動をとると、脳内に別名、愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンを強化した強力な麻薬が分泌されます)
(メチャクチャやべー生き物じゃねーか!!!!何でそんなもん作った?!)
(とあるカルト団体に乗っ取られた国家が、その団体がのたまう世界平和と平等国家を夢想して作り出したらしいですよ)
(クッソ面倒なもん残しやがって!完全にモンスターじゃねえか!!)
ナビさんの爆弾発言に突っ込みが追い付かなかった。
ここ最近、完全に油断して忘れていた。
俺はそもそもこの世界が、完全にお狂い遊ばせている事を忘れていたのだ。
「うるせぇ!!!お前がそんなこと決めんな!!!」
<ドォォン!!!!>
周囲を一喝して動きを止めさせたのは、このパーリィを主導していたっぽい、奇妙な恰好をした三人組だ。
三人組……あっ、バーガー屋のおっちゃんが言ってた、やべー奴らか?
「俺は知ってんだぞ……お前が弁論王になりたいのを!!!」
「弁論王になるのは俺だ!!!」
ほう、「弁論王」という単語は聞いた覚えがある。
どうやらそうっぽいな。
さて、手ごわい相手らしいが……どう来る?
「……」
「……」
「……」
「……」
(いや、来ないんかい!!何か喋れよ!!!!!!!)
(Cis. 機人様、お気づきになられませんか?)
(ん?何が?)
(彼らの使う詭弁は、言葉狩りや揚げ足取り。つまり相手が先に口や手を出さないと何もできないのです。彼らはどうあがいても先手を取れないのですよ)
(あっなるほど)
(しかしそろそろしびれを切らしそうですね?)
「おまえが弁論王になりたくないって言うのなら、俺がなる!!!」
「俺は弁論王だから、絶対に正しい!!!なりたくないお前は『悪』だ!!!」
(はい、あとは好きに料理すればいいかと)
(オッサンキュー、だな)
「……ほう、その弁論王とやらは何なのだ?」
「……弁論王は、絶対にどんな議論にも勝つ、最強の正義の人だ!!!」
<ドォォン!!!>
「……議論に勝つのが最強の正義の人で弁論王。で、お前は今、弁論王なのか?」
「そうだ!!!」
(最強の正義の人=弁論王、ふむ……崩しどころがあり過ぎて逆に困るな。何もかもが雑過ぎる。前提はそのまま利用して……こうしてみよう)
「……では弁論王は悪だな。最強の正義の人は絶対に議論に勝つ。弁論王はいかなる議論にも勝利しなければならない!」
「――そう、弁論王は『弁論王は悪だ』と言う議論にも必ず勝利して、弁論王の悪を証明するのだ!!」
「……弁論王が悪ならば、弁論王のお前は悪だ」
「俺が、悪、アク、アクゥゥゥゥゥ???!!!!!」
三人のピースワンは頭を掻きむしり、身もだえして苦しみ始めた。
なぜか知らんが効いているぞ!!!!
一方、正常会の一般会員は、じっとキャンプファイアーを見つめていた。
あ、なんかやばそう。
「悪を焼く浄化の炎は……」
「「「常ニ正シィ!!飛ビ込メ!!!!」」」
あっと声を発する暇もなかった。
悪書を焼いていた「聖なるキャンプファイアー」に、正常会の連中は頭から突っ込んでいった。燃え上がり、たまらず悲鳴を上げて出てくる者もいたが、周りのものが棒で叩いて無理やりに押し込んでいく。
……何この地獄絵図。
「私ハ……タダシイィ!!!」
ずだ袋を被っていたチェンソー野郎は、なんかしらんが自分の首にチェンソー押し当ててダイナミック斬首を始めてるし……もうやだこの世界。
結局一発も撃たずに正常会の連中は自滅してしまった。
いやほら、確かにあるよ?
なんかコンピューターのボスが、主人公に矛盾を指摘されて自爆するSFとか。
生身でそれをやられるとは思わなかった。
どうしよう、これ……。
「ウワァァァァァ!目が!!目がぁぁぁ!」
「耳がぁぁぁぁ!!!」
「……驚いたな、お前らに目や耳が付いてるとは思わなかった」
俺は少年を拾いあげると、彼を母親らしき女性が手を招いていた建物に避難させた後、正常会の連中へと向き直った。
その間にスタングレネードの効果から回復した連中は、テクテクとキャンプファイアーのところに戻ってきた俺を、輪の形で取り囲む。
あ、なんか懐かしいなこの感覚。
「これは暴行、言論弾圧だ!!間違いなく死刑だな!!」
「ヒャッハァー!正しく死ねぇ!機人ー!!!」
俺を取り巻いた暴徒は自称「正しい武器」である木の棒で殴りかかって来るが、そんなものは当然、金属の体の俺には通じず、ぽっきりと折れる。
(しょうがない。非常に厭だが、|厭でたまらんが、連中のレベルに合わせて戦うとしよう。)
(Cis. 普通にやっちゃっても大丈夫だと思いますけどね?)
「……おや、正しい武器が折れたな?つまりこれは私の方が正しいという証拠だ」
「な、なんだと?!」
「……正しい武器が私に破壊されたという事は、その武器は正しくなかったという事だ。つまり私が正しい」
これはナビさんから学んだ詭弁のひとつだ。
「人には水だけあればよい。何故なら生物に水は不可欠だからだ」という前提が誤っている時に成り立つ種類の詭弁だ。
これは連中が「正しい武器」と言うインチキを振り回してるからこうなる。
完全な自業自得で起きる論理破綻だ。
「正しい武器が通じない機人は正しい……?!そんな、ウワァァァァァァー!!」
正常会の連中は、まるで人格崩壊を起こしたように叫び出した。
……えぇ……なんでぇ?
「ウゥゥゥ!!!正シサ……正シサガホシィィ!!!!」
「モット……正常ニナリタァイ!!!!」
連中はもがき苦し始めた。なんかやばい薬とかやってない?
大丈夫?
(機人様、恐らくこれは『正義中毒』です)
(なにそれ?バカ?)
(いえ大真面目です。とある国家に、ある目的を達成するために改造された人類が存在しました。確証は無かったのですが、この症状は間違いないでしょう)
(知りたくない気持ちが9割9分だけど、ナビさん、もっと詳しく教えて?)
(Cis. あれは「正義人類」という人工生物です)
(遺伝子に刻まれた『社会正義』に適合した行動をとると、脳内に別名、愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンを強化した強力な麻薬が分泌されます)
(メチャクチャやべー生き物じゃねーか!!!!何でそんなもん作った?!)
(とあるカルト団体に乗っ取られた国家が、その団体がのたまう世界平和と平等国家を夢想して作り出したらしいですよ)
(クッソ面倒なもん残しやがって!完全にモンスターじゃねえか!!)
ナビさんの爆弾発言に突っ込みが追い付かなかった。
ここ最近、完全に油断して忘れていた。
俺はそもそもこの世界が、完全にお狂い遊ばせている事を忘れていたのだ。
「うるせぇ!!!お前がそんなこと決めんな!!!」
<ドォォン!!!!>
周囲を一喝して動きを止めさせたのは、このパーリィを主導していたっぽい、奇妙な恰好をした三人組だ。
三人組……あっ、バーガー屋のおっちゃんが言ってた、やべー奴らか?
「俺は知ってんだぞ……お前が弁論王になりたいのを!!!」
「弁論王になるのは俺だ!!!」
ほう、「弁論王」という単語は聞いた覚えがある。
どうやらそうっぽいな。
さて、手ごわい相手らしいが……どう来る?
「……」
「……」
「……」
「……」
(いや、来ないんかい!!何か喋れよ!!!!!!!)
(Cis. 機人様、お気づきになられませんか?)
(ん?何が?)
(彼らの使う詭弁は、言葉狩りや揚げ足取り。つまり相手が先に口や手を出さないと何もできないのです。彼らはどうあがいても先手を取れないのですよ)
(あっなるほど)
(しかしそろそろしびれを切らしそうですね?)
「おまえが弁論王になりたくないって言うのなら、俺がなる!!!」
「俺は弁論王だから、絶対に正しい!!!なりたくないお前は『悪』だ!!!」
(はい、あとは好きに料理すればいいかと)
(オッサンキュー、だな)
「……ほう、その弁論王とやらは何なのだ?」
「……弁論王は、絶対にどんな議論にも勝つ、最強の正義の人だ!!!」
<ドォォン!!!>
「……議論に勝つのが最強の正義の人で弁論王。で、お前は今、弁論王なのか?」
「そうだ!!!」
(最強の正義の人=弁論王、ふむ……崩しどころがあり過ぎて逆に困るな。何もかもが雑過ぎる。前提はそのまま利用して……こうしてみよう)
「……では弁論王は悪だな。最強の正義の人は絶対に議論に勝つ。弁論王はいかなる議論にも勝利しなければならない!」
「――そう、弁論王は『弁論王は悪だ』と言う議論にも必ず勝利して、弁論王の悪を証明するのだ!!」
「……弁論王が悪ならば、弁論王のお前は悪だ」
「俺が、悪、アク、アクゥゥゥゥゥ???!!!!!」
三人のピースワンは頭を掻きむしり、身もだえして苦しみ始めた。
なぜか知らんが効いているぞ!!!!
一方、正常会の一般会員は、じっとキャンプファイアーを見つめていた。
あ、なんかやばそう。
「悪を焼く浄化の炎は……」
「「「常ニ正シィ!!飛ビ込メ!!!!」」」
あっと声を発する暇もなかった。
悪書を焼いていた「聖なるキャンプファイアー」に、正常会の連中は頭から突っ込んでいった。燃え上がり、たまらず悲鳴を上げて出てくる者もいたが、周りのものが棒で叩いて無理やりに押し込んでいく。
……何この地獄絵図。
「私ハ……タダシイィ!!!」
ずだ袋を被っていたチェンソー野郎は、なんかしらんが自分の首にチェンソー押し当ててダイナミック斬首を始めてるし……もうやだこの世界。
結局一発も撃たずに正常会の連中は自滅してしまった。
いやほら、確かにあるよ?
なんかコンピューターのボスが、主人公に矛盾を指摘されて自爆するSFとか。
生身でそれをやられるとは思わなかった。
どうしよう、これ……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる