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感情の疑問と疑問
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「こんにちは」
それが、俺と彼女の初めての会話だった。彼女は落ち着いていたように見えたけれど、俺の方は緊張しまくっていた。
これは当たり前だと思う。今まで、話せる場面があったにも関わらず、会話してこなかったのだから。むしろ、彼女が落ち着いている方がおかしい。
緊張している理由は、恋愛とか、愛情とか、そういったものではない、というのだけは理解して貰いたい。生憎、そういうものは持ち合わせて無かった。
そこからまた、会話はなく、静かな時が流れた。
それが妙に心地よかった、気まずい雰囲気ではなく、夢のような、ふわふわした、微睡みの中であった。それがとても気持ち良かった。彼女の近くに居ると、そういうような気持ちになる。
互いに意識し合いながらも、言葉はなく、シャーペンの流れる音だけが聞こえる。むしろ、言葉は必要なかったようにも思えた。きっと、言葉があったら、この気持ちは無かったかもしれない。
というか、この気持ちはなんだ?さっき否定していた、感情か?いや、そんな事は無い、あるはずが無い、そんなものを俺は信じたりしないーー。
ーーー一体、この気持ちは、感情は、思いは、何なのだろうかーーー?
それが、俺と彼女の初めての会話だった。彼女は落ち着いていたように見えたけれど、俺の方は緊張しまくっていた。
これは当たり前だと思う。今まで、話せる場面があったにも関わらず、会話してこなかったのだから。むしろ、彼女が落ち着いている方がおかしい。
緊張している理由は、恋愛とか、愛情とか、そういったものではない、というのだけは理解して貰いたい。生憎、そういうものは持ち合わせて無かった。
そこからまた、会話はなく、静かな時が流れた。
それが妙に心地よかった、気まずい雰囲気ではなく、夢のような、ふわふわした、微睡みの中であった。それがとても気持ち良かった。彼女の近くに居ると、そういうような気持ちになる。
互いに意識し合いながらも、言葉はなく、シャーペンの流れる音だけが聞こえる。むしろ、言葉は必要なかったようにも思えた。きっと、言葉があったら、この気持ちは無かったかもしれない。
というか、この気持ちはなんだ?さっき否定していた、感情か?いや、そんな事は無い、あるはずが無い、そんなものを俺は信じたりしないーー。
ーーー一体、この気持ちは、感情は、思いは、何なのだろうかーーー?
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