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幸せ
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「気になったから、君の目が。」
ーー驚いたーー
彼女も俺の目が気になっていたんだと思った。けれど、俺の目は彼女みたいな美しいものではない。
なのになぜ、彼女は俺の瞳を気になったのか、そう、不思議に思ったので、聞こうとすると、彼女が先に答えを出してくれた。
「つまらなそうな、悲しいような、退屈な目をしていたから。」
そう話した時の彼女は悲しそうな表情をしていた。まるで、俺自身かのように、本当に心配しているような、そんな顔をしていた。
「そうか」
「うん。」
そこから、会話はほとんど無かった。必要なかった。
俺が見ていた瞳は俺を見ていたことを知ったから。それだけで充分だった。嬉しかった。気分が良かった。楽しかった。
……だから、もういい。
その後、俺達は別れた。学校の校門の前で、手を振って、さようならと言った彼女は笑っていた。彼女も言いたい事が言えたのだろうか、とても気持ち良さそうな顔をしていた。
彼女が去るまで俺はその背中を見続けていた。
…こんな気持ちは生まれて初めてかもしれない。
それが何なのかは今はまだ分からないけれど、確かに、偽物なんかではないと思う。
まだまだ分からない事が多いけれど、それ以上に何か得たような気がした。
そう考えながら、目をつぶった。
ーーー暗闇の中には何も見えなかったけれど、無限の可能性が本当にあるのではないかと思ったーー
ーー驚いたーー
彼女も俺の目が気になっていたんだと思った。けれど、俺の目は彼女みたいな美しいものではない。
なのになぜ、彼女は俺の瞳を気になったのか、そう、不思議に思ったので、聞こうとすると、彼女が先に答えを出してくれた。
「つまらなそうな、悲しいような、退屈な目をしていたから。」
そう話した時の彼女は悲しそうな表情をしていた。まるで、俺自身かのように、本当に心配しているような、そんな顔をしていた。
「そうか」
「うん。」
そこから、会話はほとんど無かった。必要なかった。
俺が見ていた瞳は俺を見ていたことを知ったから。それだけで充分だった。嬉しかった。気分が良かった。楽しかった。
……だから、もういい。
その後、俺達は別れた。学校の校門の前で、手を振って、さようならと言った彼女は笑っていた。彼女も言いたい事が言えたのだろうか、とても気持ち良さそうな顔をしていた。
彼女が去るまで俺はその背中を見続けていた。
…こんな気持ちは生まれて初めてかもしれない。
それが何なのかは今はまだ分からないけれど、確かに、偽物なんかではないと思う。
まだまだ分からない事が多いけれど、それ以上に何か得たような気がした。
そう考えながら、目をつぶった。
ーーー暗闇の中には何も見えなかったけれど、無限の可能性が本当にあるのではないかと思ったーー
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