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100.告白の行方
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「……ふーん」
「初めて見た時に、雷に打たれたかと思ったんだ。僕の捜していた人は八月一日宮くんだったんだなって」
熱っぽく続く言葉はかき口説く。蜂須賀はまるで夢見るひとのようにうっとりと両手を胸のまで握り合わせている。
「ね? どうかな?」
もじもじと問いながら、蜂須賀は目を逸らさない。むしろ堂々としていると言ってよかった。自分の告白に絶対の自信があるのだ。
愛されているオメガの、あからさまな媚態。それが卑屈にならないのは、蜂須賀が自分に誇りを持っているからだろうか。
緊張で胸がどきどきした。
八月一日宮だって嬉しいに違いない。
あんなにかわいい蜂須賀に好意を告げられて。
胸がざわつく。こんな素晴らしい蜂須賀を前にしたら、どんなアルファも屈服するだろう。美しいだけではない。魅力的な物腰と、ゆるぎない自信。家柄も備えた上質のオメガだ。
そんな蜂須賀がこんなにも熱心に誘っている。
八月一日宮はどう答えるのだろうか。あんなに魅力的な蜂須賀に、心がなびかないはずはないだろう。
まるで祈るようにあゆたは息をひそめた。
「えっと、蜂須賀先輩、でしたね。先輩みたいにかわいい方にそう言っていただけて光栄です。ですが、これは大きなお節介ですが、無防備によく知らないアルファとふたりきりになるのは感心しません」
かわいい。
八月一日宮の言葉に、何故か胸の底がひやりとする。
まるで高い塔の上から見えない谷底を覗き込むような。
あゆたも蜂須賀はかわいいと認めることにやぶさかではないのに。
自分を訝しがるあゆたは、ぱっと明るくなった蜂須賀の声を聞いていた。
「僕のこと、かわいいって思うの?」
蜂須賀が頬を薔薇色に染めて、微笑んでいるのが窺える。
「だったら」
「ですから、俺にはもったいないですよ。なので、俺はそういうのいいです。遠慮します」
意外さにあゆたは目をぱちぱちさせた。
(え、どういう意味……)
胸の裏側を叩く心音で冷静には聞き取れない。向き合っているふたりに固唾を飲み込む。
「……僕のことかわいいって思うなら、お試しでもいいから、付き合おうよ。ね?」
かたりと椅子が鳴った。蜂須賀はすらりと立ち上がっている。微笑を浮かべる唇は綺麗な声を紡ぐ。
「初めて見た時に、雷に打たれたかと思ったんだ。僕の捜していた人は八月一日宮くんだったんだなって」
熱っぽく続く言葉はかき口説く。蜂須賀はまるで夢見るひとのようにうっとりと両手を胸のまで握り合わせている。
「ね? どうかな?」
もじもじと問いながら、蜂須賀は目を逸らさない。むしろ堂々としていると言ってよかった。自分の告白に絶対の自信があるのだ。
愛されているオメガの、あからさまな媚態。それが卑屈にならないのは、蜂須賀が自分に誇りを持っているからだろうか。
緊張で胸がどきどきした。
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「えっと、蜂須賀先輩、でしたね。先輩みたいにかわいい方にそう言っていただけて光栄です。ですが、これは大きなお節介ですが、無防備によく知らないアルファとふたりきりになるのは感心しません」
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「だったら」
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意外さにあゆたは目をぱちぱちさせた。
(え、どういう意味……)
胸の裏側を叩く心音で冷静には聞き取れない。向き合っているふたりに固唾を飲み込む。
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