ヒノ

ひげん

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第一章

ミール村の戦い2

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大きな爆発音があった村の入口付近の方角を確認したが、ここからだと離れていて詳細がわからなかった。かすかに聞こえるだけだが戦闘が始まっているようだった。

「サリバン!探査魔法で確認してくれ!」

「はい。今すぐに」

盗賊の居場所を探すような魔法を使っていた騎士が答えた。そして、すぐに手に魔力を込める。

やっぱり探査魔法だったんだ。

「こっこれは…300人以上の反応があります。そして次々と増えています」

「さっ、300人以上だと」

ハンメル団長も動揺を隠すことが出来なかった。

「一つの集団がかなりの速さでこちらに向かってきています」

サリバンは慌てながら報告した。

「全員戦闘準備!」

団長は剣を抜き、緊迫した声で俺たちに指示を出した。

やっと戦闘が終わり安堵していた俺たちは、一瞬の出来事に混乱しながらも武器を取り戦闘態勢を取った。周りを見てもまだ精神的な準備が出来ていない。俺も何が何だかわからずとりあえず剣を構え、辺りを警戒し始めた。

今ここには騎士が30人弱と俺が所属する班の10人に負傷した領民兵が7人ほど待機している。他は盗賊の死体の回収、村の各家の捜索、馬車の確保と物資の運搬などに班が振り分けられ、村の入口付近に向かって進んでいたはずだ。おそらく新たな奇襲部隊と遭遇して戦闘になっている。

300人以上って盗賊が構成出来るような数じゃない…
盗賊の首にはめられていた従属の首輪というものから考えても、
なんだかやばいことになってきているのがわかる…
だからと言って、今何をするのが最善なのかがわからない。

俺はハンメル団長とボルンさんの方を見る。他の人たちも急に膨れ上がった不安感で縋るように団長を見ていた。

「もうすぐ集団がやってきます!」

サリバンは手を光らせながら言った。

「けが人を取り囲んで迎撃の用意!」

団長の一言と共に俺たちは慌ててけが人を囲み、村の入口の方向に向かって半円状の陣形を形成した。

先頭から少し後方に控えているサリバンの額から汗がにじみ出ていて、つらそうな表情をしている。ずっと手に魔力を込めたままだ。かなり無理をして探査の魔法を維持し周囲を警戒しているのだろう。周囲の数人の騎士たちの手が光り出しているのが見える。迎撃のための攻撃魔法の準備をしているようだった。

だんだん近寄る足音が聞こえてきたと思った瞬間、平家の両側から同時に数人の兵士が姿を現した。一瞬のことなので正確にはわからないが、合わせて15人くらいだろうか。盗賊ではなく兵士なのだ。統制のとれた無駄のない動きだ。全員が鎧を身に着けており、顔を布で覆って目だけを出していた。手には武器を所持しているものと手を光らせ魔法の準備をしているものに分かれていた。味方が援護に来たという甘い話があるわけがなく、完全にこちらに向かって攻撃する気満々なのである。

それを見た数人の騎士たちがバレボールくらいの火の玉を放った。敵は火の玉が当たるギリギリのところで、まるで猫のような身軽さで飛び上がり体を捻りながら避けた。その身のこなしだけでただものではないということがわかる。避けられた火の玉は向うにある畑に落ち燃え上がった。すると平家の右側から攻めてきた敵の一人がこちらに向かってさきほどと同じくらいの大きさの火の玉を飛ばしてきた。それを見て前にいた騎士の一人がその火の玉に向かって目に見えない何かを飛ばした。鞭がしなるような破裂音がした瞬間、火の玉は何かに切り裂かれたかのように分裂し、その衝撃で勢いも死に目の前の地面に落下した。

後ろの方に構えている俺は班の領民兵たちと共に突然始まったあまりに速い魔法の攻防戦をただ眺めていることしか出来なかった。今日何回か盗賊に対しての一方的な攻撃魔法をみただけで、魔法が使える者同士の戦闘など経験がないので対処の仕方がわからないのだ。他の領民兵もきっと俺と同じだろう。

突然、左の方から強烈な熱風を感じ、慌てて振り向くと、火炎放射器の炎のような攻撃が俺たちを襲っていた。だが、目の前にいる一人の騎士が前方にバリアのように水の壁を展開し炎を防いでいた。炎の攻撃によって水の温度が上昇し、供給源である騎士の手から離れたところにある水分が水蒸気になり、その熱風が後方の俺たちを襲っていたのだった。軽いやけどを負うくらいの熱風だが、炎を直に浴びるより何倍もましだった。

その魔法の攻防戦とは逆の右方には団長とボルンさんがすでに先頭になって、右側から襲い掛かってきた敵と相対しようとしていた。

俺は漸く周りが見え始め、左側から向かってくる敵を迎い打とうと水の壁で炎を防いでいる騎士の横に並び剣を構えた。隣に並んでいる他の騎士たちも向かってくる敵に備えて構えている。炎と水蒸気で視界が悪く熱風にさらされているためお互いに白兵戦に入れないでいた。

すると水の壁を作っていた騎士が急によろけ、水壁の範囲が小さくなった。横に振り向いて確認するとその騎士の左肩の辺りにナイフが突き刺さっている。その時、さらに放射される炎の中からナイフが飛んで来て水壁を破り騎士の喉に刺さった。それを確認した一人の騎士と共に「避けろー!」と叫びながら横に飛んだ。ナイフが刺さった騎士は崩れ落ち、彼が展開していた水壁もなくなった。放射されている炎はそのまま後方に突き抜け、後ろに控えていた騎士と領民兵が火だるまになってしまった。そしてすぐに放射されている炎が収まった。

俺はなんとか間一髪で横に飛び命を拾った。すぐに炎が放射されていた方向に目をやると、かなり疲労した敵が一人後方に下がっていった。その代わり前に出てきた一人が野球ボールくらいの大きさの火玉を先ほど俺と一緒に横に飛んで炎を避けた騎士に向けて放った。騎士は体制を完全に整えられていなかったが、何とか不格好に体を反らし火玉を避けた。だが、火玉が彼の体の横を通り過ぎる瞬間、ギリギリに避け隙だらけになっていた彼の首元にナイフが突き刺さった。

火の攻撃とナイフの投擲が連携になっているようだ。火玉は目くらましにもなってナイフが飛んでくるのがほとんど見えず、かなり厄介だが有効な組み合わせだ。だが、火玉は連発出来ないらしく、敵の魔法使いは手を光らせ攻撃の準備をしている。その前を5人が構え防御している。基本的には魔法で攻撃して、5人はその魔法使いを防御するという戦法のようだ。

魔法が途切れたスキにと騎士たちが前を守る敵に向かっていった。数ではこちらに分があるので押し切る作戦のようだ。

一瞬の間が出来たので、すぐ後方にいる平家の右側から攻め込んできた敵との戦闘を確認した。辺りが火に包まれていて熱気がすごい。団長とボルンさんはすでに何人か倒したようで、敵の死体が転がっている。だが、騎士たちにも被害がかなりあるらしく、倒れているものもいた。そして、左後方を確認すると先ほどの放射炎をもろに食らってしまっていてかなりの惨状になっていた。確認するために振り向いたが一瞬だったため、全容の把握はできなかったが、バランさんとトニー少年の姿が見えたので少し安心した。

前に向き直り、体制を整え前方で戦っている騎士たちが見えた。魔法使いを守る5人の前衛はかなりの手練れで二倍近い数の騎士たちもうかつに切り込めないでいた。敵は全員が二刀流で両手に剣を持っていた。剣の形は曲線を帯びていて盗賊のボスが使っていたものと近い。そして、わずかな間しか彼らを見ていないが、騎士たちより圧倒的に身体能力が優れているのがわかった。

騎士たちは5人の陣形を切り崩せないでいたが、時間をかけると後ろに下がった二人の魔法攻撃を受けてしまう危険があった。急いだ数人の騎士が敵に切りかかった。だが、一瞬で攻撃が躱され反撃を食らってしまった。敵は一つの剣でいなし、もう一つの剣で騎士を攻撃、そして元の構えに戻り陣形を整える。かなり訓練された兵士のように見えた。

致命傷を受けた騎士はいなかったが、戦闘を続けるのが困難なほどのダメージは受けてしまっていた。それでも傷を負って間もないのでなんとか剣を構え立っていた。騎士たちは有利な体制にしようとするも敵の身のこなしが素早く有利な状況に中々持ち込めないでいた。

すると負傷した一人の騎士が覚悟を決め敵の中に飛び込んでいった。明らかに自分を犠牲にして敵を倒そうとしている。

敵は突っ込んで来た騎士を躱し両剣で体を回転させながら切った。しかし、騎士は最後の力を振り絞り敵2人につかみかかり、綺麗に維持されていた陣形を壊すことに成功した。その瞬間に他の騎士たちもなだれ込み、密着した範囲内での乱戦に持ち込んだ。元々数で上回っているので相打ちや犠牲を出しながらも前衛の5人を倒した。

そしてそのまま残りの騎士たちが後方に下がっていた魔法使いを攻撃しようとした瞬間、大きな放射炎が放たれ向かっていった騎士全員が炎に包まれた。燃えながらも魔法使いを掴んで道連れにしようとする騎士もいたが、炎の勢いが強く前に進むことが出来ないままその場で燃え落ちた。するとすぐに炎は収まり、それを放射していた魔法使いも倒れた。どうやら最後の魔力を振り絞って炎を放射したようだ。炎を放射し続けるなんてかなりの魔力が必要なんだろうから何度も使えないみたいだ。

それでも威力と破壊力はえげつない。
一体何人の騎士が彼の炎の魔法の餌食になったのだろうか…

俺は魔法攻撃の恐ろしさとその弱さを垣間見た気がした。

倒れ込んだ敵の魔法使いの隣で一人だけになってしまったもう一人の魔法使いは4人の騎士をけん制しながら睨み合っていた。近距離なら最初に火の玉で攻撃される騎士は重傷を負うか死ぬ。だが、魔法使いは火玉を放ってしまったあとは隙だらけになってやられてしまう。敵の魔法使いは手を光らせながらいつでも魔法を発射できる状態を維持しているが、ずっと続けることは出来ない。ジリ貧になりながら足掻く魔法使いだったが、鞭がしなるような音と共に首から血を流しながら崩れ落ちた。

何度見てもこのかまいたちみたいな魔法攻撃は恐ろしい。全く見えない…

左側から攻めてきた敵が全滅したのを確認したあと、後方を見ると、そっちの戦闘も終わっていた。あっちこっちに火があがっていて、こちらの死傷者の数も尋常じゃなさそうだ。

なんとか切り抜けたが、こんなのがあと300人近くもこちらを狙ってきているってことだよな…
なんか…詰んだな…

ハンメル団長はすぐに敵が顔を隠すために巻いていた布を剥ぎ取り、顔を確認した。

「はぁ…やっぱりな」

「人間にしては身体能力が高すぎたからな。こっちの魔法使いは普通の人間だ」

ボルンさんは魔法を使ってきた敵の顔を確認しながら言った。

「いろいろときな臭くなってきたな。サリバン!敵の状況は」

「もうすでに400人以上は集まっていると思います」

「なっ!シャレにならん数だぞ。村の入口に向かっていった連中は…まずいな」

「ここにいる以外の騎士や領民兵たちはもうすでに…厳しいかも知れません。味方の数に近い生体反応が消えましたから」

サリバンが言い終わると、ハンメル団長はこれからどうするのかを考えているのか、黙り込んだ。

先ほどの会話で気になり、敵の顔を覗き見た。他の騎士や領民兵も気になったのかみんな確認しに来た。

敵の頭には犬のような耳が生えていた。人間よりも少し毛深い。
ファンタジーもののアニメや漫画でよく出てくるあれと同じだが、
実際に生で見るとなんか怖いな…

雄だからかな…

他の騎士や領民兵も結構驚いているようだが…
多分珍しいのかな。

「ボルンさん、これって?」

「獣人だ。初めて見たか?王国にはほとんどいないんだが、北には獣人の国があるんだ。身体能力が高くて戦闘になると厄介な連中なんだ。その代わり魔法使いはあまりいない。こいつらはおそらく狼系の獣人だな。北からの難民か…それとも…」

と言ってボルンさんも黙ってしまった。今起きていることを色々整理しているのだろう。
いろいろと知りたいが、あとで聞こう。あとがあればだけどな…今の状況はかなりピンチだからな。

「ヒノ、大丈夫か?」

「バランさん!よかった無事だったんですね」

「かなり危なかったが運よくな。しかし、シャレにならない事態になってきたな」

バランさんが無事でよかった。ダイレ村で色々と優しくしてくれたバランさんには絶対に生き残って欲しい。

「俺たち、もう終わったんじゃねえか」

なんだその身もふたもない意見は。
せめて何かにつつんで言えよ。

少し怒りを覚えながら振り向くと俺の同年代のトニー少年だった。

しかも笑顔だし。こいつは底抜けに明るいな。
結構絶望的な状況なのに、それを笑顔で言葉にするって…
ほら周りの人たちの暗かった表情もさらに暗くなっちゃったじゃないか…

「身もふたないこと言うなよ」

「まあ、そうだな」

かっるいなこいつ…
でも、少し元気になったかも知れない。
俺もこの状況のせいで、ここで死ぬ方向に思考が傾いてた気がしないでもない。

「一人こちらに向かってきています。まだかなり距離は離れていますがゆっくりと近づいています」

探査の魔法を使う騎士サリバンが急ぎ団長に報告した。

「これ以上は考えてる時間はないか…よし、全員ここから北にてっ」

その瞬間、平家が爆発した。
凄まじい衝撃に俺たち全員が吹き飛ばされた。



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