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ワンランク上の優雅な旅
アリスが帰った後、エリカが風呂上がりのアイスキャンディーを食べていると、シバー少尉がテーブルの上に封筒を置く。
「これ頂き物なんですけど、よければ一緒にどうですか?」
(何かしら?)
封筒を取り上げて中を見るとチケットが2枚入っていた。
(なになに、「豪華ツアー招待券 ~5大都市を優雅に巡る馬車の旅~ ワンランク上のめくるめく旅へレッツ・ゴー」ですって?)
チン?(どうしたのこれ?)
「頂き物なんです」
チ~ン?(ふ~ん、誰から?)
「私の上司です」
チン?(あんたの上司ってガブリュー大佐? 入院中じゃなかったっけ?)
「ガブリュー大佐は退官する予定なので上司が変わりました」
チン!?(ガブリュー引退するの!?)
「はい。 エリカさんのベルの音がよほど恐ろしかったらしくて、心に傷を負っちゃっいました。 金属が触れ合う音を聞くたびに酷く取り乱すそうです。 治るかどうかも分からないって...」
(心に傷? トラウマってやつかな。 でも悪いことしたなんて思わないもんね。 私はやり返しただけ。 悪いのは大佐のほう)
「で、どうですか馬車の旅? 一緒に行きませんか?」
チン(悪いけどパス。 あんた一人で行ってきなさい)
「そんなー、一緒に行きましょうよ。 どうして嫌なんですか?」
チン(1日中ずっと馬車の中なんでしょう? 肩がコリそう)
「エリカさんが思ってるような馬車じゃありませんよ。 広々とゆったりしたゴージャスな車内空間で、クッション性が抜群なので馬車の振動も一切ありません。 窓が大きくて展望もばっちりですし、キッチンが付いてて飲み放題で食べ放題なんです!」
チン?(あんた何でそんなに詳しいの?)
「上司に教わりました」
チン(さっきから上司上司って、あんたの新しい上司って誰? 私が知ってる人?)
「イイクニ中佐です。 エリカさんは会ったことがないかも」
イイクニ中佐の名前が出てようやく、エリカは目の前の旅行チケットの正体に気付いた。 そういえば中佐はエリカをイワザル市へ行かせたがっていた。
(このチケットはイイクニ中佐の仕業なのね。 でも、シバー少尉はイイクニ中佐の名前を隠す気もなかったみたいだし、中佐の陰謀じゃなくメッセージってところかな)
チケットを裏返すと、簡単な地図を添えた説明があった。 この豪華ツアーはミザル市を出発して、ザルス共和国の主要都市であるキカザル市・イワザル市・タベザル市・メガザル市を巡ったのちミザル市に戻って来るようだ。
(ふーん、タベザル市からだとクーララ王国まで僅か3日の距離なのね)
チケット裏面の地図を眺めるうちに、エリカの頭に1つのプランが浮かび始めた。
(クーララ王国に移住するにしても移住前にクーララ王国を体験訪問しておくべきで、そのときにどのみち馬車の旅は必要...)
それならこの際、広々とゆったりしたゴージャスな馬車でワンランク上の優雅な旅を利用すればいいのではないか?
チ...ン(行ってみても... いいかもしれないわね)
それを聞いたシバー少尉は両手を上げて喜ぶ。
「やったー!」
裕福とは言えない家庭で育ったシバー少尉は、生まれてこのかた旅行などしたことがなかった。 おまけにイワザル市への旅は軍務の一部とみなされるので、旅のあいだも給料は出る。 今この瞬間に一ヶ月間の有給休暇が決まったも同然なのだ。 喜ばないわけがなかった。
ばんざーい、ばんざーいと喜び続けるシバー少尉を眺めながら、エリカは具体的なプランを練る。
(イワザル市でビッキー将軍と話をして、ファントムさん《支配》の抜本的な禁止に関して好感触を得られればそれでよし。 ダメなら豪華ツアーを利用してタベザル市まで行って、そこからクーララ王国を訪れてみよう)
「これ頂き物なんですけど、よければ一緒にどうですか?」
(何かしら?)
封筒を取り上げて中を見るとチケットが2枚入っていた。
(なになに、「豪華ツアー招待券 ~5大都市を優雅に巡る馬車の旅~ ワンランク上のめくるめく旅へレッツ・ゴー」ですって?)
チン?(どうしたのこれ?)
「頂き物なんです」
チ~ン?(ふ~ん、誰から?)
「私の上司です」
チン?(あんたの上司ってガブリュー大佐? 入院中じゃなかったっけ?)
「ガブリュー大佐は退官する予定なので上司が変わりました」
チン!?(ガブリュー引退するの!?)
「はい。 エリカさんのベルの音がよほど恐ろしかったらしくて、心に傷を負っちゃっいました。 金属が触れ合う音を聞くたびに酷く取り乱すそうです。 治るかどうかも分からないって...」
(心に傷? トラウマってやつかな。 でも悪いことしたなんて思わないもんね。 私はやり返しただけ。 悪いのは大佐のほう)
「で、どうですか馬車の旅? 一緒に行きませんか?」
チン(悪いけどパス。 あんた一人で行ってきなさい)
「そんなー、一緒に行きましょうよ。 どうして嫌なんですか?」
チン(1日中ずっと馬車の中なんでしょう? 肩がコリそう)
「エリカさんが思ってるような馬車じゃありませんよ。 広々とゆったりしたゴージャスな車内空間で、クッション性が抜群なので馬車の振動も一切ありません。 窓が大きくて展望もばっちりですし、キッチンが付いてて飲み放題で食べ放題なんです!」
チン?(あんた何でそんなに詳しいの?)
「上司に教わりました」
チン(さっきから上司上司って、あんたの新しい上司って誰? 私が知ってる人?)
「イイクニ中佐です。 エリカさんは会ったことがないかも」
イイクニ中佐の名前が出てようやく、エリカは目の前の旅行チケットの正体に気付いた。 そういえば中佐はエリカをイワザル市へ行かせたがっていた。
(このチケットはイイクニ中佐の仕業なのね。 でも、シバー少尉はイイクニ中佐の名前を隠す気もなかったみたいだし、中佐の陰謀じゃなくメッセージってところかな)
チケットを裏返すと、簡単な地図を添えた説明があった。 この豪華ツアーはミザル市を出発して、ザルス共和国の主要都市であるキカザル市・イワザル市・タベザル市・メガザル市を巡ったのちミザル市に戻って来るようだ。
(ふーん、タベザル市からだとクーララ王国まで僅か3日の距離なのね)
チケット裏面の地図を眺めるうちに、エリカの頭に1つのプランが浮かび始めた。
(クーララ王国に移住するにしても移住前にクーララ王国を体験訪問しておくべきで、そのときにどのみち馬車の旅は必要...)
それならこの際、広々とゆったりしたゴージャスな馬車でワンランク上の優雅な旅を利用すればいいのではないか?
チ...ン(行ってみても... いいかもしれないわね)
それを聞いたシバー少尉は両手を上げて喜ぶ。
「やったー!」
裕福とは言えない家庭で育ったシバー少尉は、生まれてこのかた旅行などしたことがなかった。 おまけにイワザル市への旅は軍務の一部とみなされるので、旅のあいだも給料は出る。 今この瞬間に一ヶ月間の有給休暇が決まったも同然なのだ。 喜ばないわけがなかった。
ばんざーい、ばんざーいと喜び続けるシバー少尉を眺めながら、エリカは具体的なプランを練る。
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