コミュ障、異世界転生で存在消失す ~透明人間はスローなライフも思いのままでした~

好きな言葉はタナボタ

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確かな掴みごたえ

ビッキー将軍にもらったミスリルの剣をエリカが腰に装着していると、将軍が再び口を開く。

「さて、早速ですがサワラジリ大佐に1つお願い事があります」

(まあ、本当に早速ね)

「ザンス帝国が近々クーララ王国に攻め入る予定であるという情報が入っておりましてな、サワラジリ大佐に1万の軍を率いて援軍に赴いて欲しいのです」

1万の軍を率いると聞かされて、不覚にもエリカの胸はトキめいた。

(くっ、トキめかされちゃった。 私に軍を率いろですって? たしかに『信長の野望』や『三国志』は好きだけど...)

しかし客観的に自分の資質を見つめ直し、武将はムリだと思い直す。

(私は決してSLGが得意なタイプじゃない。 武将エディタをフル活用・武将の討ち死に無し・武将の寿命オフと三拍子そろった我が儘わがままプレイ以外じゃ決して遊ばなかったし、計略に失敗したらすぐロードしてた。 ゲームに腹を立てて Ctrl+F4 で強制終了するなんてのも日常茶飯事。 そんな私が現実で兵を率いたらどんな惨劇が起きることか...)

チン(残念ですがお断りします。 私は武将に向いてないんです)

「心配なさらずともよろしい。 あなたをサポートする指揮官を付けるので指揮は彼らにお任せあれ」

ビッキー将軍に素人のエリカに軍を指揮させるつもりなど毛頭ない。 「ザルス共和国にファントムさんあり」と示すためエリカを旗頭に据えたいだけである。

「どうでしょう。 お引き受け頂けますかな?」

チン(そうですね)

「うむ、ではよろしく頼みますよ、サワラジリ大佐。 貴官が率いる軍はクーララ王国に最寄りのタベザル市に駐留しているので、タベザル市に移動しクーララからの救援要請があるまで待機していて欲しい」

◇◆◇

ビッキー将軍の命令に従い、エリカとシバー少尉は直ちにタベザル市へ移動することになった。 ワンランク上の豪華ツアー「5大都市を優雅に巡る馬車の旅」もタベザル市までである。

シバー少尉はワンランク上の旅の中断をしきりに残念がったが、エリカはそうでもなかった。 それよりもエリカは運動不足が気になっていた。

(馬車旅が続いたせいかしら、最近なんだか体が重いのよね。 下腹部に少しお肉が付いてるし)

これまでエリカは体重を気にしたことはなかった。 しかし、3週間近くに及ぶスローライフ運動不足と美食は着実に彼女の体重にプラスに作用し、下腹部に確かな掴みごたえを生み出していた。
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