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第1部
第37話 「配給の行列①」
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マリカとミツキは食料の配給を受け取る行列に並んでいた。 ジュニアが去ったあとマリカは隣の家を訪ね、流刑地で食料をどのように入手するかを聞き出した。 それでマリカとミツキは今、2人で食糧倉庫に来ているわけだ。
妖精であるミツキはもとより流刑地には不釣り合いな元お嬢様マリカも目立つので、行列に並ぶ者も周囲の通行人も2人をジロジロと眺めている。 行列に並ぶのは大人しそうな男女が多かったが、マリカもミツキもいかにも無害な外見なので、それはもう遠慮なくジロジロとマリカとミツキを眺める。
眺められるだけなら構わなかったのだが、威勢の良さそうな3人の男性が横合いから行列に近づいて来た。 「またか」とマリカが内心で嘆息してミツキを見ると、ミツキはすでに微発光している。 ここに来る途上でもマリカは何度も男たちに襲われそうになり、そのたびにミツキに撃退してもらっていた。
3人組はあからさまな興味の視線をマリカに投げかけながら、マリカの前に並んでいる男女のグループに尋ねる。
「おい、この女はお前らのグループか?」
男女のグループが黙って首を横に振って否定すると、3人組は喜色を鮮明にする。
「こんな上玉が一人でウロウロしてるとは運がいいぜ」
マリカと一緒にいるミツキが男の目には入っていないらしい。
「とにかく攫っちまおう」
「オラ、こっち来いネエちゃん」
男たちがマリカに掴み掛かって来た。 マリカを拉致しようと言うのだ。 拉致したマリカをどうするつもりかは言うまでもない。
「ひっ!」
小さく悲鳴をあげて身をすくめるマリカ。 男たちの行動を予期していても、ミツキが助けてくれると分かっていても、大の男3人に荒々しく掴みかかられれば悲鳴は出る。
男たちの手がマリカに触れる前にミツキの輝きが一気に増大し、次の瞬間には3人組は気絶していた。 男たちの行動を十分に予期していたミツキが高速モードに突入し、男たちをぶちのめしたのだ。 ミツキが男たちに何をしたのかは不明だが、とにかく3人とも泡を吹いて気絶している。
「ありがとう、ミツキ」
「どうってことないさ」
2人のこのやり取りも、今日これで何度目だろうか。
「それにしてもマリカはよく襲われるね」
「ごめんなさい」
「謝ることないよ。 マリカがそれだけ魅力的ってことなんだから」
そう言いながらミツキはマリカに抱き着こうとするが、マリカはそれを突っぱねる。
「ちょっとミツキ、こんなところで抱き着いてこないで」
「家ならいいの?」
妖精であるミツキはもとより流刑地には不釣り合いな元お嬢様マリカも目立つので、行列に並ぶ者も周囲の通行人も2人をジロジロと眺めている。 行列に並ぶのは大人しそうな男女が多かったが、マリカもミツキもいかにも無害な外見なので、それはもう遠慮なくジロジロとマリカとミツキを眺める。
眺められるだけなら構わなかったのだが、威勢の良さそうな3人の男性が横合いから行列に近づいて来た。 「またか」とマリカが内心で嘆息してミツキを見ると、ミツキはすでに微発光している。 ここに来る途上でもマリカは何度も男たちに襲われそうになり、そのたびにミツキに撃退してもらっていた。
3人組はあからさまな興味の視線をマリカに投げかけながら、マリカの前に並んでいる男女のグループに尋ねる。
「おい、この女はお前らのグループか?」
男女のグループが黙って首を横に振って否定すると、3人組は喜色を鮮明にする。
「こんな上玉が一人でウロウロしてるとは運がいいぜ」
マリカと一緒にいるミツキが男の目には入っていないらしい。
「とにかく攫っちまおう」
「オラ、こっち来いネエちゃん」
男たちがマリカに掴み掛かって来た。 マリカを拉致しようと言うのだ。 拉致したマリカをどうするつもりかは言うまでもない。
「ひっ!」
小さく悲鳴をあげて身をすくめるマリカ。 男たちの行動を予期していても、ミツキが助けてくれると分かっていても、大の男3人に荒々しく掴みかかられれば悲鳴は出る。
男たちの手がマリカに触れる前にミツキの輝きが一気に増大し、次の瞬間には3人組は気絶していた。 男たちの行動を十分に予期していたミツキが高速モードに突入し、男たちをぶちのめしたのだ。 ミツキが男たちに何をしたのかは不明だが、とにかく3人とも泡を吹いて気絶している。
「ありがとう、ミツキ」
「どうってことないさ」
2人のこのやり取りも、今日これで何度目だろうか。
「それにしてもマリカはよく襲われるね」
「ごめんなさい」
「謝ることないよ。 マリカがそれだけ魅力的ってことなんだから」
そう言いながらミツキはマリカに抱き着こうとするが、マリカはそれを突っぱねる。
「ちょっとミツキ、こんなところで抱き着いてこないで」
「家ならいいの?」
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