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第2部
第22話 「希望通り」
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結論を言えば、事態はオリエの希望通りに推移した。
夕食が終わっても戻ってこないミツキを心配し、護衛チームともども自宅の門のところまで出てミツキの帰りを待つマリカ。 もうすっかり夜である。
そこに、ミツキとオリエが仲良く手をつないで夜道を歩いてきた。 ミツキの肩には手乗りドラゴンのヤマブキが乗っている。
(オリエさん! どうしてミツキと一緒に...?)
答えは決まっている、誓約書の嘘がミツキにバレたのだ!
「ただいまマリカ!」
オリエの手を放してマリカに駆け寄るミツキ。 彼の顔にはイタズラっぽい笑みが浮かんでいる。 セイヤクショで嘘をついていたことに対しマリカがどんな風に罪悪感を示すか楽しみでならないのだ。
抱き着いて来るミツキをマリカは青ざめた面持ちで抱き止める。 誓約書の嘘がバレた今、ミツキとオリエの接近を防ぐ術はない。 ミツキはマリカが嘘をついたことに腹を立ててもいるだろう。
ショックの直中にあるマリカの鼻腔に、ピザの香ばしい匂いがふわりと流れ込んで来る。 どうして今ピザの匂いが? この匂いはどこから... えっ、ミツキから!? 愕然とするマリカ。
「ミツキ、あなた...」
ミツキは依然としてイタズラっぽい笑みを浮かべている。 マリカは俺を嘘で縛ってたんだね。 さあ、嘘をついてたことを俺に謝りなよ。 許してあげるからさ。
ミツキの体臭が変わったことの意味を理解して、マリカの頭に血がのぼる。 許せない! そして次の瞬間には、マリカの平手打ちがミツキの頬にバチーンと炸裂していた。
マリカの体重がほどよく乗った平手打ちを食らって、ミツキはヤマブキともども地面に投げ出された。 ミツキの可愛らしい鼻の穴から一筋の鼻血がツーっと流れ出る。
自分の行動に驚かされるマリカだったが、ミツキはもっと驚いた。 謝罪されるつもりでいたのにビンタされた、いわば精神的なカウンター・パンチだったから。
「ミツキちゃん!」
悲鳴を上げてミツキに駆け寄るオリエ。
オリエはミツキを抱え起こし、マリカをきっと睨む。
「マリカさんっ、あなたなんてことを!」
困ったように互いの顔を見合わせる護衛チームの面々を背景に、マリカはふうふうと呼吸も荒くミツキとオリエを険しい目で睨むばかり。 いろんな思考がごちゃ混ぜになり言葉が出てこない。
そんなマリカに向かってオリエは、ここに来るまでの道のりで何度も頭の中で繰り返していた言葉を叩きつける。
「あなたなんかにミツキちゃんを任せておけない!」
睨むことしか出来ないマリカを尻目に、オリエはハンカチでミツキの鼻血を拭うと、ミツキの手を取った。
「行きましょ、ミツキちゃん」
ビンタのショックを引きずるミツキは、呆然とオリエに手を引かれるのみであった。
夕食が終わっても戻ってこないミツキを心配し、護衛チームともども自宅の門のところまで出てミツキの帰りを待つマリカ。 もうすっかり夜である。
そこに、ミツキとオリエが仲良く手をつないで夜道を歩いてきた。 ミツキの肩には手乗りドラゴンのヤマブキが乗っている。
(オリエさん! どうしてミツキと一緒に...?)
答えは決まっている、誓約書の嘘がミツキにバレたのだ!
「ただいまマリカ!」
オリエの手を放してマリカに駆け寄るミツキ。 彼の顔にはイタズラっぽい笑みが浮かんでいる。 セイヤクショで嘘をついていたことに対しマリカがどんな風に罪悪感を示すか楽しみでならないのだ。
抱き着いて来るミツキをマリカは青ざめた面持ちで抱き止める。 誓約書の嘘がバレた今、ミツキとオリエの接近を防ぐ術はない。 ミツキはマリカが嘘をついたことに腹を立ててもいるだろう。
ショックの直中にあるマリカの鼻腔に、ピザの香ばしい匂いがふわりと流れ込んで来る。 どうして今ピザの匂いが? この匂いはどこから... えっ、ミツキから!? 愕然とするマリカ。
「ミツキ、あなた...」
ミツキは依然としてイタズラっぽい笑みを浮かべている。 マリカは俺を嘘で縛ってたんだね。 さあ、嘘をついてたことを俺に謝りなよ。 許してあげるからさ。
ミツキの体臭が変わったことの意味を理解して、マリカの頭に血がのぼる。 許せない! そして次の瞬間には、マリカの平手打ちがミツキの頬にバチーンと炸裂していた。
マリカの体重がほどよく乗った平手打ちを食らって、ミツキはヤマブキともども地面に投げ出された。 ミツキの可愛らしい鼻の穴から一筋の鼻血がツーっと流れ出る。
自分の行動に驚かされるマリカだったが、ミツキはもっと驚いた。 謝罪されるつもりでいたのにビンタされた、いわば精神的なカウンター・パンチだったから。
「ミツキちゃん!」
悲鳴を上げてミツキに駆け寄るオリエ。
オリエはミツキを抱え起こし、マリカをきっと睨む。
「マリカさんっ、あなたなんてことを!」
困ったように互いの顔を見合わせる護衛チームの面々を背景に、マリカはふうふうと呼吸も荒くミツキとオリエを険しい目で睨むばかり。 いろんな思考がごちゃ混ぜになり言葉が出てこない。
そんなマリカに向かってオリエは、ここに来るまでの道のりで何度も頭の中で繰り返していた言葉を叩きつける。
「あなたなんかにミツキちゃんを任せておけない!」
睨むことしか出来ないマリカを尻目に、オリエはハンカチでミツキの鼻血を拭うと、ミツキの手を取った。
「行きましょ、ミツキちゃん」
ビンタのショックを引きずるミツキは、呆然とオリエに手を引かれるのみであった。
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