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一年:学期末考査~一学期中間考査
第四十七話
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「りーくっ」
肩をつつかれ振り返ると、突き出されていた人差し指がほっぺたにくいこんだ。
その間近くに、にっこり笑っているCが顔があった。
「Cさん……」
「あはは~ひっかかった~!」
「~~……」
な、なんだこの高校生っぽいやりとりは。恥ずかしいんだが。
俺が顔を出したとたん、みんなの態度が一変した。やっぱりそうかとうんざりする反面、好意的な目を向けられるのが少し嬉しかったりもする。それと……中学時代のことを思い出し、怖くなるのも正直なところ。
Cは特に極端だ。一年のときは俺をゴミみたいな目で見ていたのに、顔を見せた途端手のひらをひっくり返した。信用のならんヤツだ。
だが、それはそれでおいといて、俺にはこいつにしなきゃいけないことがある。
「あ、あの……Cさん……」
「やだな、Cでいいよ~!」
「あの、さ……。その……」
くそぉっ……。凪以外の人間と話すのが久しぶりすぎて上手く言葉が出てこねえ……!!
Cから見た俺は、さぞキョドキョドした陰キャに見えていることだろう。
たぶん顔を隠していたときなら「さっさと喋れや」と怒られていたのだろう。だが今は、この顔のおかげでかは知らんが、Cは寛容な心で待ってくれていた。
「あの……休み前、ごめん……」
「え? なんかあったっけ?」
「お、俺……舌打ちしただろ……」
春休み前、Cが俺の椅子にぶつかってきたときのことだ。そのときCが謝ってくれたにもかかわらず、俺はふてこい顔で舌打ちをした。それでCに「そんなんだから友だちいねーんだよ」的なことを言われたのだ。
Cは少し考えてから、「あー、あのときね!」と頷いた。
「全然気にしてなかったんだけど! むしろわたしの方がひどいこと言ったよね!? ごめーん!」
「いや……。ほんとのことだから、全然気にしてない……」
Cに謝ることができて、ひとまずホッとした。
決めたんだ。ちゃんと友だちを作ろうって。
顔を出して、友だちを作ったら、凪に「中学のことなんてもう気にしてない」って伝えられると思ったから。
だからお前も俺の過去を引きずんなよって、言ってやりたいんだ。
それになにより、変わりたいと思った。
存在感を消してただ時間が過ぎるのを待つだけのヤツでいるのはもうやめる。
そんなんじゃなくて、凪に言い寄る女子たちに「俺の凪に手ぇ出すな」って堂々と言えるくらいの男になりたい。
だからそれまで待ってろよ、凪。絶対に迎えに行くからな。
◇◇◇
学校から帰った俺は、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
「……疲れた」
まるで動物園のパンダのような扱いを受けた。休み時間になると男女問わず俺んとこに集まってきて、ワーワーワーワー質問攻めにしやがった。
《えー! 地元ここじゃないんだあ! どんなとこなのー!?》
《鳥次くんって彼女いるのー!? えっ、いないの!? きゃー!》
《じゃあ好きな人はー!? えっ、なんで顔真っ赤にしてんのぉ!? いるんだ、きゃー!!》
《ねえ誰なのぉぉ!? きーにーなーるー!!》
《鳥次くん、鳥次くん! LINE交換しよ!》
《なあなあ、お前なんで顔隠してたんだー!?》
《鳥次、俺ともLINE交換しようぜー!》
《鳥次! 一緒にメシ食おうぜ!》
《鳥次くぅん》
《鳥次~!》
うるせえぇぇぇぇっ!!
思い出しただけでも腹が立ってくる。なんだあれ、尋問か!? 尋問するなら牛丼の一杯くらい奢れや!!
お前らのせいで凪とトイレでの一言しか話せなかっただろうが!!
俺がどんな思いでこの日を迎えたと思ってんだ!!
凪と久しぶりの再会を果たすために、凪をびっくりさせるために、ものすごく張り切っていたんだぞ!!
前日に洒落た美容院に赴いて! ドラッグストアでヘアセットする道具買い揃えて!! 空が明らむまで髪をセットする練習をしていたんだぞ!!
コンタクトレンズなんてクソ怖えものまで装着して、だ!!
それなのに、凪とまともに話せたのはクソ汚ぇ男子便所の中でのたった一瞬!! ふざけんな!!
……でも――
俺は指先で自身の唇をなぞる。
「……」
久しぶりに、凪とキスできた。
相変わらず柔らけえ唇しやがって。
俺にキスされて、凪、びっくりしていたなあ。しかも学校の中でされるなんて思いもしなかっただろうし。
あの反応、けっこうかわいかった。
「ん……」
あいつのことを考えていたら、自然と手がへそ下に向かった。
ズボンの中に手を差し込む。凪とのキスを反芻しながら、自慰に耽った。
「あっ……」
久しぶりに凪に触れたからか、いつもより鮮明に凪とのセックスを思い出せた。
「凪っ……」
ちんこだけじゃ足りなくなって、ケツに指を差し込んだ。自分の指じゃ全然満足できない。
それを補うかのように、俺は指を激しく出し入れする。でも、自分ですればするほど足りなくなる。
凪とキスしたい。今日みたいなのじゃなくて、口の中を掻き回されるやつ。
凪に抱きしめられたい。俺からじゃなくて、あいつから。
凪に愛撫してもらいたい。凪と繋がりたい。
「あっ……!!」
噴き出した精液がシーツに落ちる。
今日も中でイケなかった。やっぱり、物足りない。
しばらくくったりしていたが、体を奮い立たせて机に向かう。
一学期中間考査で学年一位になるために、勉強もめいっぱい頑張るって決めたんだ。
肩をつつかれ振り返ると、突き出されていた人差し指がほっぺたにくいこんだ。
その間近くに、にっこり笑っているCが顔があった。
「Cさん……」
「あはは~ひっかかった~!」
「~~……」
な、なんだこの高校生っぽいやりとりは。恥ずかしいんだが。
俺が顔を出したとたん、みんなの態度が一変した。やっぱりそうかとうんざりする反面、好意的な目を向けられるのが少し嬉しかったりもする。それと……中学時代のことを思い出し、怖くなるのも正直なところ。
Cは特に極端だ。一年のときは俺をゴミみたいな目で見ていたのに、顔を見せた途端手のひらをひっくり返した。信用のならんヤツだ。
だが、それはそれでおいといて、俺にはこいつにしなきゃいけないことがある。
「あ、あの……Cさん……」
「やだな、Cでいいよ~!」
「あの、さ……。その……」
くそぉっ……。凪以外の人間と話すのが久しぶりすぎて上手く言葉が出てこねえ……!!
Cから見た俺は、さぞキョドキョドした陰キャに見えていることだろう。
たぶん顔を隠していたときなら「さっさと喋れや」と怒られていたのだろう。だが今は、この顔のおかげでかは知らんが、Cは寛容な心で待ってくれていた。
「あの……休み前、ごめん……」
「え? なんかあったっけ?」
「お、俺……舌打ちしただろ……」
春休み前、Cが俺の椅子にぶつかってきたときのことだ。そのときCが謝ってくれたにもかかわらず、俺はふてこい顔で舌打ちをした。それでCに「そんなんだから友だちいねーんだよ」的なことを言われたのだ。
Cは少し考えてから、「あー、あのときね!」と頷いた。
「全然気にしてなかったんだけど! むしろわたしの方がひどいこと言ったよね!? ごめーん!」
「いや……。ほんとのことだから、全然気にしてない……」
Cに謝ることができて、ひとまずホッとした。
決めたんだ。ちゃんと友だちを作ろうって。
顔を出して、友だちを作ったら、凪に「中学のことなんてもう気にしてない」って伝えられると思ったから。
だからお前も俺の過去を引きずんなよって、言ってやりたいんだ。
それになにより、変わりたいと思った。
存在感を消してただ時間が過ぎるのを待つだけのヤツでいるのはもうやめる。
そんなんじゃなくて、凪に言い寄る女子たちに「俺の凪に手ぇ出すな」って堂々と言えるくらいの男になりたい。
だからそれまで待ってろよ、凪。絶対に迎えに行くからな。
◇◇◇
学校から帰った俺は、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
「……疲れた」
まるで動物園のパンダのような扱いを受けた。休み時間になると男女問わず俺んとこに集まってきて、ワーワーワーワー質問攻めにしやがった。
《えー! 地元ここじゃないんだあ! どんなとこなのー!?》
《鳥次くんって彼女いるのー!? えっ、いないの!? きゃー!》
《じゃあ好きな人はー!? えっ、なんで顔真っ赤にしてんのぉ!? いるんだ、きゃー!!》
《ねえ誰なのぉぉ!? きーにーなーるー!!》
《鳥次くん、鳥次くん! LINE交換しよ!》
《なあなあ、お前なんで顔隠してたんだー!?》
《鳥次、俺ともLINE交換しようぜー!》
《鳥次! 一緒にメシ食おうぜ!》
《鳥次くぅん》
《鳥次~!》
うるせえぇぇぇぇっ!!
思い出しただけでも腹が立ってくる。なんだあれ、尋問か!? 尋問するなら牛丼の一杯くらい奢れや!!
お前らのせいで凪とトイレでの一言しか話せなかっただろうが!!
俺がどんな思いでこの日を迎えたと思ってんだ!!
凪と久しぶりの再会を果たすために、凪をびっくりさせるために、ものすごく張り切っていたんだぞ!!
前日に洒落た美容院に赴いて! ドラッグストアでヘアセットする道具買い揃えて!! 空が明らむまで髪をセットする練習をしていたんだぞ!!
コンタクトレンズなんてクソ怖えものまで装着して、だ!!
それなのに、凪とまともに話せたのはクソ汚ぇ男子便所の中でのたった一瞬!! ふざけんな!!
……でも――
俺は指先で自身の唇をなぞる。
「……」
久しぶりに、凪とキスできた。
相変わらず柔らけえ唇しやがって。
俺にキスされて、凪、びっくりしていたなあ。しかも学校の中でされるなんて思いもしなかっただろうし。
あの反応、けっこうかわいかった。
「ん……」
あいつのことを考えていたら、自然と手がへそ下に向かった。
ズボンの中に手を差し込む。凪とのキスを反芻しながら、自慰に耽った。
「あっ……」
久しぶりに凪に触れたからか、いつもより鮮明に凪とのセックスを思い出せた。
「凪っ……」
ちんこだけじゃ足りなくなって、ケツに指を差し込んだ。自分の指じゃ全然満足できない。
それを補うかのように、俺は指を激しく出し入れする。でも、自分ですればするほど足りなくなる。
凪とキスしたい。今日みたいなのじゃなくて、口の中を掻き回されるやつ。
凪に抱きしめられたい。俺からじゃなくて、あいつから。
凪に愛撫してもらいたい。凪と繋がりたい。
「あっ……!!」
噴き出した精液がシーツに落ちる。
今日も中でイケなかった。やっぱり、物足りない。
しばらくくったりしていたが、体を奮い立たせて机に向かう。
一学期中間考査で学年一位になるために、勉強もめいっぱい頑張るって決めたんだ。
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