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出張
第十七話
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◆◆◆
(小鳥遊side)
「あぁっ! あっ、あっ……♡ んんんっ……!」
奥を突き上げれば簡単にメスイキして、前立腺を押し込めばトコロテンする。
あれほど嫌がっていたS字結腸も、途中からは目をハートにして悦んでいた。
回数を重ねるごとに、俺も月見里もまともに言葉を交わさなくなった。
快感に溺れ、互いに体を求め合う。
ただ、キスだけは意地でもさせてくれないことに苛立った。
俺が一回射精する間に、月見里は数えきれないほどメスイキする。
中だけではなく、射精も――
「あっ……! 出るっ……出る――……!」
月見里の体がのけぞった。ペニスが痙攣しているが、精液はすでに枯れはてており何も出ない。
「っ……、っ、――……」
何度も何度も抱かれ続け、さらに何度もイカされ続けた月見里は、虚ろな目をしてよだれを垂らしている。
俺は時計に目をやった。朝の五時か。かれこれ六時間以上抱いていたようだ。
さすがの月見里もこのあたりで限界か。
「もう……終わるの……?」
ペニスを抜こうとすると、月見里が口を開いた。
「そうだな」
「まだ……朝来てない……」
「もう午前五時、立派な朝だ」
「まだ、外暗い……」
月見里はちらっと俺のペニスを見て、自ら開脚する。
「お前のちんこ……まだ元気じゃん……」
「俺のことはいい。充分楽しませてもらった」
「……」
月見里が舌打ちする。
「それじゃ……俺が負けたみたいになるだろ……」
「別に張り合うものじゃないだろ」
「良いから出し切るまでヤレよ……中途半端すんじゃねえ……」
「はあ……こんなところでまで上司面すんじゃねえよ」
こいつの体を考えて、やめてやろうとしていたのに。
「んあぁぁぁっ!? あっ! あぁぁっ、あっ!!」
「じゃ、すみませんが手加減せずにヤラせてもらいますね」
「あっ! あぁぁっ、無理っ、死ぬっ、死ぬぅっ! あぁぁぁ……っ!」
月見里の中は異常だ。今まで女も男も見境なく抱いてきたが、月見里ほどの蜜壺には出会ったことがない。
おかげで遅漏の俺が一晩で何度もイケた。中の快感に慣れることなく感じ続けることができた。
それに……月見里の表情と声。悔しいが、相手の反応でここまで興奮したことはない。
午前六時、空が明るんできた。
月見里はもはや正気を失っているとしか思えないような、腑抜けた声しか出なくなっている。
そろそろ……俺も限界だ。
「月見里……っ、出すぞ……っ!」
「あっ……、あっ……、あー……っ……」
「ぐっ……!!」
絶頂を迎えたものの、精液が出たのか出ていないのか分からない。
ペニスを引き抜くと、七時間かけて注ぎ込んだ大量の精液が、月見里のアナルから溢れ落ちた。
俺のペニスは抜け殻のようにしおれている。ここまで出し切ったのは初めてだ。
「月見里……終わったぞ」
「小鳥遊も……もう出ない……?」
「ああ。もうこれ以上は無理だ」
月見里はベッドにぐったり沈み込み、明るんだ空に目をやった。
「朝まで……できた……」
「失神もせずによく頑張ったな。大したもんだ」
「へへ……」
月見里が満ち足りた目をしている。
もしかして、朝まで抱き潰されてみたかったのだろうか。
「――月見里」
「ん?」
疲れ切っていることをいいことに、俺は月見里の唇を無理やり奪った。
「……やめろって……ん……」
長いキスをしてから、俺は月見里を抱きしめた。
「金曜の相手、俺じゃだめか?」
「……」
即答で断られない程度には、今晩のセックスで満足させられたみたいだ。
月見里はぼそぼそと質問してくる。
「お前さ、なんでそこまで俺に構うんだ……?」
「なんでって……」
……あれ、なんでだ?
少し考えたが、すぐに思考放棄した。ここに関してはあまり深く考えないほうが身のためのような気がする。
だから俺は適当に答えることにした。
「飽きたから」
「は?」
「お前以外のヤツの体に飽きたから」
「……なるほどな」
月見里が俺を見上げ、ニシシと笑う。
「俺の名器に溺れたのか、お前」
「それを否定するつもりはない」
「そうか。じゃあ、俺の勝ちだ」
「セックスに勝ち負けがあるのか?」
俺の言葉を無視して、月見里が考え事に耽った。
「そうだな……。お前、俺のことは嫌いだけど、俺の体のことは気に入ったって認識でオッケー?」
「そう……なのか?」
確かに少し前まで、俺はこいつのことが気に入らなかった。
だが、今はそこまで嫌いではない。いや、むしろ――
「それなら安心だな。だってお前、何回俺を抱いても、俺に惚れないだろ?」
そう信じて疑わない目は、反論の余地を与えてくれなかった。
「……そう、だな」
月見里はにっこり笑い、腕を組む。
「それなら俺にとっても都合がいいしな」
「……」
「ただし条件がある」
月見里が出した条件は、「誰にも言わないこと」「誰にもこの関係がバレないよう、細心の注意を払うこと」「キスをしないこと」「月見里に惚れないこと」の四つだった。
こうして俺は、月見里の金曜日の相手をすることになった。
少しばかりの、胸の痛みを抱きつつ。
(小鳥遊side)
「あぁっ! あっ、あっ……♡ んんんっ……!」
奥を突き上げれば簡単にメスイキして、前立腺を押し込めばトコロテンする。
あれほど嫌がっていたS字結腸も、途中からは目をハートにして悦んでいた。
回数を重ねるごとに、俺も月見里もまともに言葉を交わさなくなった。
快感に溺れ、互いに体を求め合う。
ただ、キスだけは意地でもさせてくれないことに苛立った。
俺が一回射精する間に、月見里は数えきれないほどメスイキする。
中だけではなく、射精も――
「あっ……! 出るっ……出る――……!」
月見里の体がのけぞった。ペニスが痙攣しているが、精液はすでに枯れはてており何も出ない。
「っ……、っ、――……」
何度も何度も抱かれ続け、さらに何度もイカされ続けた月見里は、虚ろな目をしてよだれを垂らしている。
俺は時計に目をやった。朝の五時か。かれこれ六時間以上抱いていたようだ。
さすがの月見里もこのあたりで限界か。
「もう……終わるの……?」
ペニスを抜こうとすると、月見里が口を開いた。
「そうだな」
「まだ……朝来てない……」
「もう午前五時、立派な朝だ」
「まだ、外暗い……」
月見里はちらっと俺のペニスを見て、自ら開脚する。
「お前のちんこ……まだ元気じゃん……」
「俺のことはいい。充分楽しませてもらった」
「……」
月見里が舌打ちする。
「それじゃ……俺が負けたみたいになるだろ……」
「別に張り合うものじゃないだろ」
「良いから出し切るまでヤレよ……中途半端すんじゃねえ……」
「はあ……こんなところでまで上司面すんじゃねえよ」
こいつの体を考えて、やめてやろうとしていたのに。
「んあぁぁぁっ!? あっ! あぁぁっ、あっ!!」
「じゃ、すみませんが手加減せずにヤラせてもらいますね」
「あっ! あぁぁっ、無理っ、死ぬっ、死ぬぅっ! あぁぁぁ……っ!」
月見里の中は異常だ。今まで女も男も見境なく抱いてきたが、月見里ほどの蜜壺には出会ったことがない。
おかげで遅漏の俺が一晩で何度もイケた。中の快感に慣れることなく感じ続けることができた。
それに……月見里の表情と声。悔しいが、相手の反応でここまで興奮したことはない。
午前六時、空が明るんできた。
月見里はもはや正気を失っているとしか思えないような、腑抜けた声しか出なくなっている。
そろそろ……俺も限界だ。
「月見里……っ、出すぞ……っ!」
「あっ……、あっ……、あー……っ……」
「ぐっ……!!」
絶頂を迎えたものの、精液が出たのか出ていないのか分からない。
ペニスを引き抜くと、七時間かけて注ぎ込んだ大量の精液が、月見里のアナルから溢れ落ちた。
俺のペニスは抜け殻のようにしおれている。ここまで出し切ったのは初めてだ。
「月見里……終わったぞ」
「小鳥遊も……もう出ない……?」
「ああ。もうこれ以上は無理だ」
月見里はベッドにぐったり沈み込み、明るんだ空に目をやった。
「朝まで……できた……」
「失神もせずによく頑張ったな。大したもんだ」
「へへ……」
月見里が満ち足りた目をしている。
もしかして、朝まで抱き潰されてみたかったのだろうか。
「――月見里」
「ん?」
疲れ切っていることをいいことに、俺は月見里の唇を無理やり奪った。
「……やめろって……ん……」
長いキスをしてから、俺は月見里を抱きしめた。
「金曜の相手、俺じゃだめか?」
「……」
即答で断られない程度には、今晩のセックスで満足させられたみたいだ。
月見里はぼそぼそと質問してくる。
「お前さ、なんでそこまで俺に構うんだ……?」
「なんでって……」
……あれ、なんでだ?
少し考えたが、すぐに思考放棄した。ここに関してはあまり深く考えないほうが身のためのような気がする。
だから俺は適当に答えることにした。
「飽きたから」
「は?」
「お前以外のヤツの体に飽きたから」
「……なるほどな」
月見里が俺を見上げ、ニシシと笑う。
「俺の名器に溺れたのか、お前」
「それを否定するつもりはない」
「そうか。じゃあ、俺の勝ちだ」
「セックスに勝ち負けがあるのか?」
俺の言葉を無視して、月見里が考え事に耽った。
「そうだな……。お前、俺のことは嫌いだけど、俺の体のことは気に入ったって認識でオッケー?」
「そう……なのか?」
確かに少し前まで、俺はこいつのことが気に入らなかった。
だが、今はそこまで嫌いではない。いや、むしろ――
「それなら安心だな。だってお前、何回俺を抱いても、俺に惚れないだろ?」
そう信じて疑わない目は、反論の余地を与えてくれなかった。
「……そう、だな」
月見里はにっこり笑い、腕を組む。
「それなら俺にとっても都合がいいしな」
「……」
「ただし条件がある」
月見里が出した条件は、「誰にも言わないこと」「誰にもこの関係がバレないよう、細心の注意を払うこと」「キスをしないこと」「月見里に惚れないこと」の四つだった。
こうして俺は、月見里の金曜日の相手をすることになった。
少しばかりの、胸の痛みを抱きつつ。
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