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第六章
四十八話 しょっぱい味
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伊吹さんは一杯飲んだだけで立ち上がった。
「むっちゃん、帰りましょうか」
「え、もうですか?」
「お口直しは済んだから」
バーを出たあと、俺たちは伊吹さんの家に行くことにした。俺の家はここから遠すぎるのと……
伊吹さんちのベッドのほうが、ちょっと広いからだ。
油物やタバコの匂いをシャワーでさっぱり落としたあと、俺と伊吹さんはベッドの中で抱き合った。
今の俺はもう、シャワー上がりにジャージの下なんて穿かない。ケツだって自分で準備できるし、コンドームの被せ方だって分かる(伊吹さんは俺に被せてもらうのがちょっと好き)。
変な声を出して伊吹さんに笑われたりもしない。……いや、それとは違う変な声は出しているんだが。
ゆったりとキスをしながらくつろいでいるとき、俺はふっとあることを思い出した。
「そういえば、マリちゃんが彼氏に〝マグロ〟って言われたらしいです」
「ひどい~。やっぱりマリちゃんのカレシって最低ね~。……マリちゃん、そんな話までしたの?」
「はい。〝マグロ〟ってどういう意味ですか?」
「セックスのときに、ただ横たわってるだけで積極的じゃない子のこと。で? なんでマリちゃんはそんな話をむっちゃんにしたの? いつ? どこで?」
「いや、なんかたまたま」
俺はそう答えてから考え込んだ。
マグロってそういう意味だったのか。
……ちょっと待て。じゃあ、俺もマグロなのでは!?
だって俺、寝っ転がって気持ちよくしてもらっているだけだもん!
血の気が引いた。
いくら俺のことが好きだとしても、このセックス大好き人間がマグロとのセックスだけで満足できるわけがない。
だって伊吹さんにはセフレがたくさんいたんだぞ? あの俺が出会ったイケメンセフレなんて、腹筋が六つに割れていた。ものすごい体位ができそうだし、ものすごいスピード感を出せそうだった。少なくとも、絶対マグロじゃないだろう。
まずい。このままじゃ……俺とのセックスを飽きられてしまう。
この人は恋愛と性欲を別個に考えているんだ。いくら恋愛で俺のことが好きでも、性欲のところで飽きたら、俺以外の人とするかもしれない。
そんなのいやだ。
俺は焦って起き上がり、伊吹さんに覆いかぶさった。
「どうしたの、むっちゃん?」
余裕のある表情と声。そういや、伊吹さんがセックスで余裕をなくしているところを見たことがない。
それって……つまんないまではいかなくても、満足するまでできていないってことなんじゃ。
考えれば考えるほど、不安になってきた。
なんとかして、伊吹さんの体を繋ぎ留めないと。
そ、そうだ。俺がされて嬉しかったことをしたらいい……
俺は伊吹さんのパンツをズラし、まだ半勃ちのちんこに顔を近づけた。
「むっちゃん!? 何してるの!?」
おわぁ……。伊吹さんのやつ、はじめてこんな間近で見た。ちんこまできれいだなこの人。ここも手入れしているのかな。それに清潔感がやばい。びっくりするくらい無臭。ちんこってこんな無臭なの? そんなわけなくね?
無臭のおかげか、口を付けることにそこまで抵抗はなかった。
舌先で舐めるとちんこがピクッと反応する。
「むっちゃん……、どうしたの、急に……」
「気持ちいいかなって……」
俺が舐めてもらって気持ちよかったところに、ぎこちないながらも舌を這わせてみる。舐めるたびにピクピクして、どんどん硬くなっていった。
先にぷっくり雫が膨らんでいる。うわ、ヨダレだ。伊吹さんがヨダレ垂らしかけている。なにこれ。エロい。
ちゅっと吸ってみた。ちょっとだけしょっぱい、かも。
俺は意を決して咥え込んでみた。
「んんんっ……」
伊吹さんの口から声が漏れた。快感に耐えているような、普段はあんまり聞かない声。
その声を聞いて、俺は完全に勃起した。
俺はよく分からないまま、口の中に出し入れした。伊吹さんが俺にやってくれたみたいにはできなかったけど。
「痛っ……、歯、立てないで……」
「ふ、ふみまへん」
「んっ……! 咥えたまま喋らないで……」
難しいな、舐めるの。あと普通にしんどい。息がしづらいし、異物感でえずきそうになる。
「ふぐっ……ふぐぅぅ……んえっ……」
「しんどいでしょう? やめていいわよ……充分してもらったから」
俺は咥えたまま首を横に振り(そのせいで伊吹がビクッてなっていた)、そのまま頑張った。
伊吹さんが俺の頭に手を乗せる。
「っ……、ん、むっちゃん、上手。気持ちいい……」
「!」
ヤバ。ちんこトビかけた。
あとケツがむずむずする。
「しあわせ……」
「ンン"ッ……!」
クソ。なんで舐められている伊吹さんより俺のほうが先に出してんだよ、バカ。
「むっちゃん、帰りましょうか」
「え、もうですか?」
「お口直しは済んだから」
バーを出たあと、俺たちは伊吹さんの家に行くことにした。俺の家はここから遠すぎるのと……
伊吹さんちのベッドのほうが、ちょっと広いからだ。
油物やタバコの匂いをシャワーでさっぱり落としたあと、俺と伊吹さんはベッドの中で抱き合った。
今の俺はもう、シャワー上がりにジャージの下なんて穿かない。ケツだって自分で準備できるし、コンドームの被せ方だって分かる(伊吹さんは俺に被せてもらうのがちょっと好き)。
変な声を出して伊吹さんに笑われたりもしない。……いや、それとは違う変な声は出しているんだが。
ゆったりとキスをしながらくつろいでいるとき、俺はふっとあることを思い出した。
「そういえば、マリちゃんが彼氏に〝マグロ〟って言われたらしいです」
「ひどい~。やっぱりマリちゃんのカレシって最低ね~。……マリちゃん、そんな話までしたの?」
「はい。〝マグロ〟ってどういう意味ですか?」
「セックスのときに、ただ横たわってるだけで積極的じゃない子のこと。で? なんでマリちゃんはそんな話をむっちゃんにしたの? いつ? どこで?」
「いや、なんかたまたま」
俺はそう答えてから考え込んだ。
マグロってそういう意味だったのか。
……ちょっと待て。じゃあ、俺もマグロなのでは!?
だって俺、寝っ転がって気持ちよくしてもらっているだけだもん!
血の気が引いた。
いくら俺のことが好きだとしても、このセックス大好き人間がマグロとのセックスだけで満足できるわけがない。
だって伊吹さんにはセフレがたくさんいたんだぞ? あの俺が出会ったイケメンセフレなんて、腹筋が六つに割れていた。ものすごい体位ができそうだし、ものすごいスピード感を出せそうだった。少なくとも、絶対マグロじゃないだろう。
まずい。このままじゃ……俺とのセックスを飽きられてしまう。
この人は恋愛と性欲を別個に考えているんだ。いくら恋愛で俺のことが好きでも、性欲のところで飽きたら、俺以外の人とするかもしれない。
そんなのいやだ。
俺は焦って起き上がり、伊吹さんに覆いかぶさった。
「どうしたの、むっちゃん?」
余裕のある表情と声。そういや、伊吹さんがセックスで余裕をなくしているところを見たことがない。
それって……つまんないまではいかなくても、満足するまでできていないってことなんじゃ。
考えれば考えるほど、不安になってきた。
なんとかして、伊吹さんの体を繋ぎ留めないと。
そ、そうだ。俺がされて嬉しかったことをしたらいい……
俺は伊吹さんのパンツをズラし、まだ半勃ちのちんこに顔を近づけた。
「むっちゃん!? 何してるの!?」
おわぁ……。伊吹さんのやつ、はじめてこんな間近で見た。ちんこまできれいだなこの人。ここも手入れしているのかな。それに清潔感がやばい。びっくりするくらい無臭。ちんこってこんな無臭なの? そんなわけなくね?
無臭のおかげか、口を付けることにそこまで抵抗はなかった。
舌先で舐めるとちんこがピクッと反応する。
「むっちゃん……、どうしたの、急に……」
「気持ちいいかなって……」
俺が舐めてもらって気持ちよかったところに、ぎこちないながらも舌を這わせてみる。舐めるたびにピクピクして、どんどん硬くなっていった。
先にぷっくり雫が膨らんでいる。うわ、ヨダレだ。伊吹さんがヨダレ垂らしかけている。なにこれ。エロい。
ちゅっと吸ってみた。ちょっとだけしょっぱい、かも。
俺は意を決して咥え込んでみた。
「んんんっ……」
伊吹さんの口から声が漏れた。快感に耐えているような、普段はあんまり聞かない声。
その声を聞いて、俺は完全に勃起した。
俺はよく分からないまま、口の中に出し入れした。伊吹さんが俺にやってくれたみたいにはできなかったけど。
「痛っ……、歯、立てないで……」
「ふ、ふみまへん」
「んっ……! 咥えたまま喋らないで……」
難しいな、舐めるの。あと普通にしんどい。息がしづらいし、異物感でえずきそうになる。
「ふぐっ……ふぐぅぅ……んえっ……」
「しんどいでしょう? やめていいわよ……充分してもらったから」
俺は咥えたまま首を横に振り(そのせいで伊吹がビクッてなっていた)、そのまま頑張った。
伊吹さんが俺の頭に手を乗せる。
「っ……、ん、むっちゃん、上手。気持ちいい……」
「!」
ヤバ。ちんこトビかけた。
あとケツがむずむずする。
「しあわせ……」
「ンン"ッ……!」
クソ。なんで舐められている伊吹さんより俺のほうが先に出してんだよ、バカ。
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