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天国…4
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天人「え?」
閻魔「だって、俺は天国はいいとこって思うけど、お前は悪いとこって思うだろ。人によって感じ方は違う。だったら、天国に行くやつと地獄に行くやつ、誰の基準で決められているんだ?」
天人「また想像のお話ですか?」
閻魔「まぁいいから聞けよ。アンケートみたいなもんだと思って答えてくれ」
天人「誰の基準って話ですよね、そんなの、閻魔とかじゃないんですか?」
閻魔「最終的にはそうだけど、死んだやつ全員が地獄に来るわけじゃない。それなりの罪を犯したやつだけが来て、閻魔のさじ加減で、罪状が決まるんだ」
天人「…何か、問題があるんですか?」
閻魔「浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)っていう罪状がわかる鏡がある。犯人の考えとか、周りへの影響とかも、全部わかる」
天人「いいじゃないですか」
閻魔「わかるからつらいんだ。知らないうちに罪を犯していたら?誰かを助けるためだったら?生前本気で後悔して、更生していたら、どうすればいい?」
天人「理由があっても、罪は罪です。絶対に裁かないといけないんです」
閻魔「いや、だからな」
天人「私は殺されました。知らない男に」
閻魔「お前…」
元閻魔の装飾品だったものを天人蹴とばす。
天人「忘れたくても忘れられない!ずっと脳裏に焼き付いている。犯人は手がかりがなくて、警察は見つけられなかった。私は死んでから、犯人は見つけ出した。ここだ!って何度叫んでも、誰も気づいてくれない。私の命を奪ったくせに、家族と、子供と幸せそうに暮らして…。現世でも、地獄でも裁かれないなんて、私は!なんのために殺されたんですか!?」
閻魔「落ち着け!」
天人「だって、何で殺されたと思います?仕事のストレスで放火ですって!自慢げに部屋で写真を眺めていましたよ。私の家が、燃えている写真を」
閻魔「いや、でも違う可能性もあるんじゃないか?風で飛ばされて火がついたとか、戒めのために写真を飾っているとか」
天人「いいえ?だって他にも何件もしていたもの。私は知っているんです。ずっと憑りついていたから。だから、あいつが死ぬときだって見てましたよ」
閻魔「ああ?犯人は死んだのか?」
天人「ええ、事故死ですよ。腹立ちますよね、あいつの葬式はたくさんの人がいましたよ」
閻魔「じゃあ、お前はこれ以上何を望むんだ?」
天人「あの人は罪を償いきれてない。苦しまずに死んで、他の人に見送られて。生温い地獄の罰よりも、私がこの手で、何度でも!」
閻魔「地獄に行って殺してやるって?もし地獄で殺したら、一生地獄から出られなくなるぞ」
天人「いいよそれでも」
閻魔「お前は成仏する前に、そんな犯人よりも、お前の家族の方を見守るべきだったんじゃないのか?」
天人「そんな考え方なかったなー。犯人の息子に憑りついちゃったもん」
閻魔「そいつは悪くないだろ」
天人「じゃあ私が死んだのは私が悪かったんですか?」
閻魔「そうは言ってない!…お前、なんで成仏した?まさか、その息子を呪い殺したんじゃ…?」
天人「したかったけど。できなかったんですよ。だって、霊媒師に除霊されたんだもん。あーあ、塩で本当に消えるとは思わなかった」
閻魔「なめくじみたっ…いや、何でもない」
天人「何?」
天人冷たい目で閻魔を見つめる。閻魔は一度息を整える。
閻魔「でも、お前が殺人を起こさなくて良かったじゃないか。犯人だって、絶対地獄から逃げられないだろうし」
天人「自業地獄ですから、そうなっていてもらわないと困りますよ」
閻魔「自業自得な。どんだけ地獄に執着しているんだ」
天人「憎くて、憎くて仕方ないんです。どうしても、あの人に会いたい。そして、殺したい」
閻魔「お前はもう苦しむ必要はない」
天人「無理ですよ。まだ、楽しいこともろくに経験せずにこんなところに来て、苦しまずにいれと?」
閻魔「そうだよ。お前は幸せなんだ。家族と一緒にいられた、幸せな過去を持っているんだから!俺は家族なんて知らない!ずっと一人で、仕事、仕事、仕事!お前のそれが苦しみには思えない」
天人「あなたにはわからないんですよ」
閻魔「お前だって、俺の苦しみはわからないくせに」
天人「なんなんですか。あなたは私をどうしたいんですか?」
閻魔「ただ、お前一人が不幸感出しているのが腹立つだけだ」
閻魔「だって、俺は天国はいいとこって思うけど、お前は悪いとこって思うだろ。人によって感じ方は違う。だったら、天国に行くやつと地獄に行くやつ、誰の基準で決められているんだ?」
天人「また想像のお話ですか?」
閻魔「まぁいいから聞けよ。アンケートみたいなもんだと思って答えてくれ」
天人「誰の基準って話ですよね、そんなの、閻魔とかじゃないんですか?」
閻魔「最終的にはそうだけど、死んだやつ全員が地獄に来るわけじゃない。それなりの罪を犯したやつだけが来て、閻魔のさじ加減で、罪状が決まるんだ」
天人「…何か、問題があるんですか?」
閻魔「浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)っていう罪状がわかる鏡がある。犯人の考えとか、周りへの影響とかも、全部わかる」
天人「いいじゃないですか」
閻魔「わかるからつらいんだ。知らないうちに罪を犯していたら?誰かを助けるためだったら?生前本気で後悔して、更生していたら、どうすればいい?」
天人「理由があっても、罪は罪です。絶対に裁かないといけないんです」
閻魔「いや、だからな」
天人「私は殺されました。知らない男に」
閻魔「お前…」
元閻魔の装飾品だったものを天人蹴とばす。
天人「忘れたくても忘れられない!ずっと脳裏に焼き付いている。犯人は手がかりがなくて、警察は見つけられなかった。私は死んでから、犯人は見つけ出した。ここだ!って何度叫んでも、誰も気づいてくれない。私の命を奪ったくせに、家族と、子供と幸せそうに暮らして…。現世でも、地獄でも裁かれないなんて、私は!なんのために殺されたんですか!?」
閻魔「落ち着け!」
天人「だって、何で殺されたと思います?仕事のストレスで放火ですって!自慢げに部屋で写真を眺めていましたよ。私の家が、燃えている写真を」
閻魔「いや、でも違う可能性もあるんじゃないか?風で飛ばされて火がついたとか、戒めのために写真を飾っているとか」
天人「いいえ?だって他にも何件もしていたもの。私は知っているんです。ずっと憑りついていたから。だから、あいつが死ぬときだって見てましたよ」
閻魔「ああ?犯人は死んだのか?」
天人「ええ、事故死ですよ。腹立ちますよね、あいつの葬式はたくさんの人がいましたよ」
閻魔「じゃあ、お前はこれ以上何を望むんだ?」
天人「あの人は罪を償いきれてない。苦しまずに死んで、他の人に見送られて。生温い地獄の罰よりも、私がこの手で、何度でも!」
閻魔「地獄に行って殺してやるって?もし地獄で殺したら、一生地獄から出られなくなるぞ」
天人「いいよそれでも」
閻魔「お前は成仏する前に、そんな犯人よりも、お前の家族の方を見守るべきだったんじゃないのか?」
天人「そんな考え方なかったなー。犯人の息子に憑りついちゃったもん」
閻魔「そいつは悪くないだろ」
天人「じゃあ私が死んだのは私が悪かったんですか?」
閻魔「そうは言ってない!…お前、なんで成仏した?まさか、その息子を呪い殺したんじゃ…?」
天人「したかったけど。できなかったんですよ。だって、霊媒師に除霊されたんだもん。あーあ、塩で本当に消えるとは思わなかった」
閻魔「なめくじみたっ…いや、何でもない」
天人「何?」
天人冷たい目で閻魔を見つめる。閻魔は一度息を整える。
閻魔「でも、お前が殺人を起こさなくて良かったじゃないか。犯人だって、絶対地獄から逃げられないだろうし」
天人「自業地獄ですから、そうなっていてもらわないと困りますよ」
閻魔「自業自得な。どんだけ地獄に執着しているんだ」
天人「憎くて、憎くて仕方ないんです。どうしても、あの人に会いたい。そして、殺したい」
閻魔「お前はもう苦しむ必要はない」
天人「無理ですよ。まだ、楽しいこともろくに経験せずにこんなところに来て、苦しまずにいれと?」
閻魔「そうだよ。お前は幸せなんだ。家族と一緒にいられた、幸せな過去を持っているんだから!俺は家族なんて知らない!ずっと一人で、仕事、仕事、仕事!お前のそれが苦しみには思えない」
天人「あなたにはわからないんですよ」
閻魔「お前だって、俺の苦しみはわからないくせに」
天人「なんなんですか。あなたは私をどうしたいんですか?」
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