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男1「お前はあれか、元カノのことでも言ってんのか?」
男2「お前の好きなやつだったんだろ?」
男1「やっぱり、それが原因かよ」
男2「そうなる、かな」
男1「だからって、別れることもねーだろ」
男2「…だって」
男1「だってなんだ」
男2「俺は、告白されて、一緒にいたら好きになるかなって思っていた。でも、まだ好きでもない相手といるより、俺は唯一の友達といるべきだと思ったんだ」
男1「俺をとるとはねー」
男2「お前にも、あの子にも、悪い気がした。あの子も、俺よりお前といるべきだし」
男1「それは違うだろ。あの子は別に俺を好きでもなんでもないんだから」
男2「それでも、俺といるべきではなかった、はずだ」
男1「お前は勝手に、人の気持ちを決めるところがあるよな」
男2「そんなことねぇよ。だって、人の気持ちなんてわかんねぇもん」
男1「だから、お前のそうであればいいなって気持ちを、人の気持ちに置き換えているんだ」
男2「…そう、なのかな」
男1「あの子とお前が別れたときの俺の気持ち、わかるか?」
男2「…やったーみたいな?」
男1「なんだやったーって。違う、俺は逆に、お前が俺に気を使って別れたことに、申し訳なく思っていた」
男2「なんで?」
男1「なんでって…。言っとくが、あの子とお前が別れたからって、別に付き合うとかないからな」
男2「ないのか?」
男1「ない。だって、お前が一緒にいても好きにならなかったんだろ?なら、俺が付き合ったってきっとすぐ別れるのがオチだろうよ」
男2「でも、俺とお前は好みとか違うし」
男1「こう、なんつーのかなー、好みとかの問題じゃねぇんだよ」
男2「うん?」
男1「とにかく、間違ってもお前の責任と思うな。俺は今幸せだからよ。もう未練もないし、さっき彼女もできちゃったし」
男2「は?」
男1「ん?」
男2「今サラッとなんか言わなかったか?」
男1「俺、彼女、できましたー!いえーい」
男2「はぁぁ?」
男1「実はさー、ちょっと部室寄ったら女バレの後輩に告白されちゃったー」
男2「なんだよそれ。お前、年上好きはどうした!」
男1「来るもの拒まず。それにその子も、ちょっと前から目をつけていたから」
男2「わかんねぇ。わかんねぇわ」
男1「こんな風に、俺は幸せになったわけだが、別れたの後悔した?」
男2「…してない、と思う」
男1「そっか、まぁあの子には悪いが。うん、まぁ悪いけど、早く次の恋に行けるためには、お互い良かったかもな。まぁお前は悪いけど」
男2「わかっているよ」
男1「お前、あの子に刺されるんじゃねぇ?」
男2「え?さすがにそれは…ないよな?」
男1「いや、それくらい女は怖いぞー」
男2「俺、死にたくないんだけど」
男1「だから気を付けろってことだ、バカ」
男2「お前こそ、気を付けろよ」
男1「心配ねぇよ。ほら、俺の彼女。可愛いだろー。そんなことするタイプに見えないだろ?」
男1はスマホを男2に見せる。
男2「あの子は刺すタイプなのか?え、大丈夫?」
男1「そこじゃねぇだろ。大事なのは、俺の、彼女が可愛いってこ、と!」
男2「まぁ可愛いけど。よく失恋してすぐ次に行けたな」
男1「俺はさー失恋くらい慣れてんだよ。人妻にだってアタックした男だぞ。だから、気にすんな」
男2「気にすんなって言われても、難しいだろ」
男1「なんか、やっとお前の本音を、聞けたような気がするわ」
男2「俺はいつも本音だけど」
男1「お前は知らないうちに隠してんだよ。ほら、この際だ、なんか思っていることでも言っとけ」
男2「悪い」
男1「謝んなバカ。お前の悪いところはあれだな、気を使いすぎなところだな」
男2「お前の悪いとこは…手を出す女がおかしい。さすがに人妻はやばいわ」
男1「あれ、俺の思っていたのと違う。じゃああれだ、お前は毒舌だ。そんなんじゃ大学でやっていけないぞ」
男2「お前は、優しいな」
男1「急に褒めてくんなよ。気持ち悪い」
男2「本音を言えって言うから」
男1「だからって褒めるか、普通?こっちがお前の悪いとこ言ってんのに、なんか俺だけ悪い奴みたいじゃん」
男2「大丈夫だ、お前はいいやつだから」
男1「やっぱあれだわ、お前の本音は気持ち悪いから、いつもの毒舌にした方がいいわ」
二人は笑う。
男2「お前の好きなやつだったんだろ?」
男1「やっぱり、それが原因かよ」
男2「そうなる、かな」
男1「だからって、別れることもねーだろ」
男2「…だって」
男1「だってなんだ」
男2「俺は、告白されて、一緒にいたら好きになるかなって思っていた。でも、まだ好きでもない相手といるより、俺は唯一の友達といるべきだと思ったんだ」
男1「俺をとるとはねー」
男2「お前にも、あの子にも、悪い気がした。あの子も、俺よりお前といるべきだし」
男1「それは違うだろ。あの子は別に俺を好きでもなんでもないんだから」
男2「それでも、俺といるべきではなかった、はずだ」
男1「お前は勝手に、人の気持ちを決めるところがあるよな」
男2「そんなことねぇよ。だって、人の気持ちなんてわかんねぇもん」
男1「だから、お前のそうであればいいなって気持ちを、人の気持ちに置き換えているんだ」
男2「…そう、なのかな」
男1「あの子とお前が別れたときの俺の気持ち、わかるか?」
男2「…やったーみたいな?」
男1「なんだやったーって。違う、俺は逆に、お前が俺に気を使って別れたことに、申し訳なく思っていた」
男2「なんで?」
男1「なんでって…。言っとくが、あの子とお前が別れたからって、別に付き合うとかないからな」
男2「ないのか?」
男1「ない。だって、お前が一緒にいても好きにならなかったんだろ?なら、俺が付き合ったってきっとすぐ別れるのがオチだろうよ」
男2「でも、俺とお前は好みとか違うし」
男1「こう、なんつーのかなー、好みとかの問題じゃねぇんだよ」
男2「うん?」
男1「とにかく、間違ってもお前の責任と思うな。俺は今幸せだからよ。もう未練もないし、さっき彼女もできちゃったし」
男2「は?」
男1「ん?」
男2「今サラッとなんか言わなかったか?」
男1「俺、彼女、できましたー!いえーい」
男2「はぁぁ?」
男1「実はさー、ちょっと部室寄ったら女バレの後輩に告白されちゃったー」
男2「なんだよそれ。お前、年上好きはどうした!」
男1「来るもの拒まず。それにその子も、ちょっと前から目をつけていたから」
男2「わかんねぇ。わかんねぇわ」
男1「こんな風に、俺は幸せになったわけだが、別れたの後悔した?」
男2「…してない、と思う」
男1「そっか、まぁあの子には悪いが。うん、まぁ悪いけど、早く次の恋に行けるためには、お互い良かったかもな。まぁお前は悪いけど」
男2「わかっているよ」
男1「お前、あの子に刺されるんじゃねぇ?」
男2「え?さすがにそれは…ないよな?」
男1「いや、それくらい女は怖いぞー」
男2「俺、死にたくないんだけど」
男1「だから気を付けろってことだ、バカ」
男2「お前こそ、気を付けろよ」
男1「心配ねぇよ。ほら、俺の彼女。可愛いだろー。そんなことするタイプに見えないだろ?」
男1はスマホを男2に見せる。
男2「あの子は刺すタイプなのか?え、大丈夫?」
男1「そこじゃねぇだろ。大事なのは、俺の、彼女が可愛いってこ、と!」
男2「まぁ可愛いけど。よく失恋してすぐ次に行けたな」
男1「俺はさー失恋くらい慣れてんだよ。人妻にだってアタックした男だぞ。だから、気にすんな」
男2「気にすんなって言われても、難しいだろ」
男1「なんか、やっとお前の本音を、聞けたような気がするわ」
男2「俺はいつも本音だけど」
男1「お前は知らないうちに隠してんだよ。ほら、この際だ、なんか思っていることでも言っとけ」
男2「悪い」
男1「謝んなバカ。お前の悪いところはあれだな、気を使いすぎなところだな」
男2「お前の悪いとこは…手を出す女がおかしい。さすがに人妻はやばいわ」
男1「あれ、俺の思っていたのと違う。じゃああれだ、お前は毒舌だ。そんなんじゃ大学でやっていけないぞ」
男2「お前は、優しいな」
男1「急に褒めてくんなよ。気持ち悪い」
男2「本音を言えって言うから」
男1「だからって褒めるか、普通?こっちがお前の悪いとこ言ってんのに、なんか俺だけ悪い奴みたいじゃん」
男2「大丈夫だ、お前はいいやつだから」
男1「やっぱあれだわ、お前の本音は気持ち悪いから、いつもの毒舌にした方がいいわ」
二人は笑う。
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