9 / 27
ペース配分
しおりを挟む
『ベタだけど、やっぱり博士と助手がいいと思うんだよね。』
そう言ったのは、キャラクターデザイン担当の高木さん。ちょっと気が強くてさっぱりした、由美みたいなタイプの子
今日は、2回目のキャラクター会議。
「うんうん、それは私も思ってた。でも、できれば3人目が欲しいかなって思うんだよね。」
これには山内さんが答える。彼女は元気一杯の明るい女の子。
『3人目って言うのは、どういうキャラをイメージしてます?』
「博士は、本を読んで解説する人、助手は答える人、でしょ?3人目は、別角度からアドバイスする人、みたいな感じかな。」
うーんって唸る2人。結構気が合う2人みたい。よかった。
『すると、ポジション的には博士に近い立場ってことよね?』
「そう!例えば、【この人物はこんなことをしました】に対して、【子供の頃は暴れん坊で手がつけられなかったらしい】みたいな一口メモを入れるときに出てくるキャラクターって言ったらいいかな?」
高木さんの顔がちょっと明るくなる。
『あぁ、なるほど!それならイメージしやすい!けど、それなら最初から一口メモでいいんじゃない?』
そうね、でも
「うん、確かにそれでもいいんだけど、メモにするにはちょっと文字数が足りないとか、資料にしにくい時にはキャラクターのセリフにした方が入れやすいかと思ったの。どうかな?」
今度は山内さんが答える。
『なるほど、いいかもしれないですね。逆にメモにできることは【〇〇さんの豆知識】とかタイトルをつけておけば、それを楽しみにする子も出てくるかもしれないですね!』
おぉ!そこまでは考えてなかった!
「すごい!それいい!そこまでの発想はなかった!すごくいいアイディアだよ。」
山内さんは、短くお礼を言った後、高木さんに確認した。
『私はいいかなって思うけど、亜美はどう?』
高木さんも納得はしているみたい。
『OK。私もその案には賛成。だけど、どう言う立ち位置にするかはちょっと難しくなってくるね』
うっ確かに…
「確かにね…。」
う~んって今度は3人で首を捻る。
番外編の豆知識ってことは、第三者的位置付けになるかなぁ?
ってことは、そもそも博士でも助手でもない、ちょっと違う立場の人か…?
研究所の…博士の…ペット、とか?
「博士の、ペット。とかどうかな?」
『ペット…?』
2人同時に聞き返す。やっぱり気が合うみたいw
『喋るペットか…』
喋る…。ん?喋る?
『オウム、とか!どうでしょう?』
うん、今私も言おうとおも
『思った!それいいかも』
3人とも結構気が合うねw
「ね!いいかも!私も同じこと考えてた!」
そう言って3人で笑った。よかった。話がうまくまとまりそう。
『じゃぁ、一旦これで決めるとして、原案を書いてみませんか?とりあえず、仮決定として』
うんうん。
「いいね!そうしよう!そしたら…」
あ、やっぱり、もうこんな時間
「デザインの分担は2人でしてもらっていいので、あとでメールで送ってくれる?後、次回の予定を決めたいんだけど、どのくらい時間が必要かな?」
今日はバイトだから、そろそろ出ないとだ。
『了解です。1週間くらいあれば、ラフ画はあげられると思います。ね?恭子?』
あ、名前。いいね!みんなちょっとずつ距離が近くなってる!
『え、あ、うん。私も、そのくらいあれば』
よかった。敬語取れたね。
「了解。じゃぁ、ちょうど1週間後の同じ時間でいいかな?」
『了解』『はい』
と言うことで、会議が終わって早々、私は学校を飛び出した。
ちょっと、急がないとだ。
駅まで早足で歩いて、電車に乗り込む頃にはちょっと汗ばむくらいになっていた。
ふぅ…。少しだったのに、息が上がっていた。
実は、役割分担の会議があってから、学校に遅くまで残ることも、バイトが終わってから作業をすることも増えて、ちょっと疲れが溜まっていた。
授業中にぼーっとしてしまうこともあるので、そろそろ意識して休もうと思うんだけど、うまく休めなかった。
そもそも私って、あんまりペース配分が得意じゃないみたい…。
高校の時も、部活やってなかったし。
あぁ、眠い。会議が終わって気が抜けたのか、急に眠気が襲ってきた。
バイト、頑張って乗り切らなきゃ。
その日のバイトは、ちょっと、いや大分よくなかった。
お客様からのオーダーを間違えたり、お料理の盛られたお皿をひっくり返しちゃって…
怪我人は出なかったからよかったようなものの、これではお給料なんてもらえない。
たとえバイトであってもお金はいただくんだし、しっかり体調管理しなきゃ。
前にもこんなことあったな。本当、気をつけなきゃ。
結局、店長に心配されて1時間早く上がらせてもらった私は、そんなことを思いながらトボトボと歩いた。
そうだ、詩乃に全然連絡してなかった。
カバンから携帯を取り出そうとすると、手が滑って落としてしまった。
あぁ、もう。
拾ってみると、画面は割れてないけど回りに傷が入ってしまった。
あーぁ。ついてないな。
携帯を握りしめたまま、またトボトボと歩く。
そうだ、詩乃に連絡するんだった。
もしかしたら、メール来てるかも。
開いてみたら、高木さんからメールが入っていた。
【博士と助手は私、オウムは恭子が担当します。よろしくお願いします。今日は、楽しかったです。頑張りましょうね】
丁寧なメール。ありがとね。
昼間は調子が良かったのに…。ちょっと凹んでいる私には沁みるメールだった。
皆、私、頑張るからね!苦手だけど、ペース配分も、ちゃんとするから。
一緒に頑張ろうね!
もう一通。これは由美からだった。
【ごめん、お節介なのは分かってるんだけど、最近無理し過ぎじゃない?祥子もさぎりの様子に気付いてるみたいだから、明日の会議はなしにして、ちゃんと休みなよ。皆にはうまくいっておくから】
あぁ、ごめんね心配かけて。このままじゃだめだ、私。
【ありがとう。ちょっと無理してたかも。明日はお休みさせてもらうね。本当、ごめん、】
すぐ返信が来た。
【いいよ!さぎりが無理するよりは全然いい!ちゃんと休んでね!】
ありがと。由美。
詩乃からは、メールは来てなかった。
忙しいのかな?
みんながくれたお休みだから、明日はちゃんと家に帰ってお休みしよう。
夜道を歩くのが、だんだん寒くなってきている。
冬がすぐそこまできてるんだ。
風邪ひかないようにしなきゃ。
明日は、授業が終わったらすぐに帰ろう。
何か、甘いものでも買って、お家でゆっくりお茶にしよう。
私のサークル活動は始まったばかりだ。
しっかり反省して、明後日からまた頑張ろう。
そう言ったのは、キャラクターデザイン担当の高木さん。ちょっと気が強くてさっぱりした、由美みたいなタイプの子
今日は、2回目のキャラクター会議。
「うんうん、それは私も思ってた。でも、できれば3人目が欲しいかなって思うんだよね。」
これには山内さんが答える。彼女は元気一杯の明るい女の子。
『3人目って言うのは、どういうキャラをイメージしてます?』
「博士は、本を読んで解説する人、助手は答える人、でしょ?3人目は、別角度からアドバイスする人、みたいな感じかな。」
うーんって唸る2人。結構気が合う2人みたい。よかった。
『すると、ポジション的には博士に近い立場ってことよね?』
「そう!例えば、【この人物はこんなことをしました】に対して、【子供の頃は暴れん坊で手がつけられなかったらしい】みたいな一口メモを入れるときに出てくるキャラクターって言ったらいいかな?」
高木さんの顔がちょっと明るくなる。
『あぁ、なるほど!それならイメージしやすい!けど、それなら最初から一口メモでいいんじゃない?』
そうね、でも
「うん、確かにそれでもいいんだけど、メモにするにはちょっと文字数が足りないとか、資料にしにくい時にはキャラクターのセリフにした方が入れやすいかと思ったの。どうかな?」
今度は山内さんが答える。
『なるほど、いいかもしれないですね。逆にメモにできることは【〇〇さんの豆知識】とかタイトルをつけておけば、それを楽しみにする子も出てくるかもしれないですね!』
おぉ!そこまでは考えてなかった!
「すごい!それいい!そこまでの発想はなかった!すごくいいアイディアだよ。」
山内さんは、短くお礼を言った後、高木さんに確認した。
『私はいいかなって思うけど、亜美はどう?』
高木さんも納得はしているみたい。
『OK。私もその案には賛成。だけど、どう言う立ち位置にするかはちょっと難しくなってくるね』
うっ確かに…
「確かにね…。」
う~んって今度は3人で首を捻る。
番外編の豆知識ってことは、第三者的位置付けになるかなぁ?
ってことは、そもそも博士でも助手でもない、ちょっと違う立場の人か…?
研究所の…博士の…ペット、とか?
「博士の、ペット。とかどうかな?」
『ペット…?』
2人同時に聞き返す。やっぱり気が合うみたいw
『喋るペットか…』
喋る…。ん?喋る?
『オウム、とか!どうでしょう?』
うん、今私も言おうとおも
『思った!それいいかも』
3人とも結構気が合うねw
「ね!いいかも!私も同じこと考えてた!」
そう言って3人で笑った。よかった。話がうまくまとまりそう。
『じゃぁ、一旦これで決めるとして、原案を書いてみませんか?とりあえず、仮決定として』
うんうん。
「いいね!そうしよう!そしたら…」
あ、やっぱり、もうこんな時間
「デザインの分担は2人でしてもらっていいので、あとでメールで送ってくれる?後、次回の予定を決めたいんだけど、どのくらい時間が必要かな?」
今日はバイトだから、そろそろ出ないとだ。
『了解です。1週間くらいあれば、ラフ画はあげられると思います。ね?恭子?』
あ、名前。いいね!みんなちょっとずつ距離が近くなってる!
『え、あ、うん。私も、そのくらいあれば』
よかった。敬語取れたね。
「了解。じゃぁ、ちょうど1週間後の同じ時間でいいかな?」
『了解』『はい』
と言うことで、会議が終わって早々、私は学校を飛び出した。
ちょっと、急がないとだ。
駅まで早足で歩いて、電車に乗り込む頃にはちょっと汗ばむくらいになっていた。
ふぅ…。少しだったのに、息が上がっていた。
実は、役割分担の会議があってから、学校に遅くまで残ることも、バイトが終わってから作業をすることも増えて、ちょっと疲れが溜まっていた。
授業中にぼーっとしてしまうこともあるので、そろそろ意識して休もうと思うんだけど、うまく休めなかった。
そもそも私って、あんまりペース配分が得意じゃないみたい…。
高校の時も、部活やってなかったし。
あぁ、眠い。会議が終わって気が抜けたのか、急に眠気が襲ってきた。
バイト、頑張って乗り切らなきゃ。
その日のバイトは、ちょっと、いや大分よくなかった。
お客様からのオーダーを間違えたり、お料理の盛られたお皿をひっくり返しちゃって…
怪我人は出なかったからよかったようなものの、これではお給料なんてもらえない。
たとえバイトであってもお金はいただくんだし、しっかり体調管理しなきゃ。
前にもこんなことあったな。本当、気をつけなきゃ。
結局、店長に心配されて1時間早く上がらせてもらった私は、そんなことを思いながらトボトボと歩いた。
そうだ、詩乃に全然連絡してなかった。
カバンから携帯を取り出そうとすると、手が滑って落としてしまった。
あぁ、もう。
拾ってみると、画面は割れてないけど回りに傷が入ってしまった。
あーぁ。ついてないな。
携帯を握りしめたまま、またトボトボと歩く。
そうだ、詩乃に連絡するんだった。
もしかしたら、メール来てるかも。
開いてみたら、高木さんからメールが入っていた。
【博士と助手は私、オウムは恭子が担当します。よろしくお願いします。今日は、楽しかったです。頑張りましょうね】
丁寧なメール。ありがとね。
昼間は調子が良かったのに…。ちょっと凹んでいる私には沁みるメールだった。
皆、私、頑張るからね!苦手だけど、ペース配分も、ちゃんとするから。
一緒に頑張ろうね!
もう一通。これは由美からだった。
【ごめん、お節介なのは分かってるんだけど、最近無理し過ぎじゃない?祥子もさぎりの様子に気付いてるみたいだから、明日の会議はなしにして、ちゃんと休みなよ。皆にはうまくいっておくから】
あぁ、ごめんね心配かけて。このままじゃだめだ、私。
【ありがとう。ちょっと無理してたかも。明日はお休みさせてもらうね。本当、ごめん、】
すぐ返信が来た。
【いいよ!さぎりが無理するよりは全然いい!ちゃんと休んでね!】
ありがと。由美。
詩乃からは、メールは来てなかった。
忙しいのかな?
みんながくれたお休みだから、明日はちゃんと家に帰ってお休みしよう。
夜道を歩くのが、だんだん寒くなってきている。
冬がすぐそこまできてるんだ。
風邪ひかないようにしなきゃ。
明日は、授業が終わったらすぐに帰ろう。
何か、甘いものでも買って、お家でゆっくりお茶にしよう。
私のサークル活動は始まったばかりだ。
しっかり反省して、明後日からまた頑張ろう。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる