君との恋の物語-mutual dependence-

日月香葉

文字の大きさ
22 / 27

卒業4

しおりを挟む
長きにわたる就職活動を終えた私のその後の学生生活は、サークル活動一色だった。

奇跡的に私達の代の主力3名がほぼ同時期就職を決めたので、そりゃもうあとは一生懸命やるしかない!

ということで、4年生になって授業数も少なくなっていることもあり、部室で過ごす時間が長くなった。

学生最後の一年とは言っても、まだ夏前だし、今からそんなに必死にならなくてもと思うかもしれないけれど、4年生は4年生で実は結構忙しいのだ。

なぜなら、卒業論文があるから。

夏休みに入る頃には研究テーマを決めて、着手するのが理想だと私は思っているので、そろそろ参考文献になりそうな本を探そうと思っている。

ちょっと変かもしれないけど、私のやりかたはだいたいこんな感じだ。

歴史上の人物の辞典を何冊も借りる

その中から、調べたい人物について詳しく載っているものから順番に参考文献を調べる。

参考文献になった本を読む。

辞典に載せるような情報の参考になるような本には、結構詳しい情報が載っていることが多いので、私は結構このやり方が気に入っている。

このやり方を思いついたのはサークル活動を通してのことだし、やっぱり私の学生生活の中心にはやっぱりサークル活動があるんだよなぁ。

ちょっと話が逸れたけど、こんな感じで、私達はサークル活動にラストスパートをかけた!

朝は8時くらいから稼働し、夜は20時くらいまで。

とにかく空いてる時間は全部サークル活動に費やした。



「由美、この間コピーお願いした資料はどう?」

『あぁ、パソコン横の赤いファイルにいれた!』

「ありがとう!」

今度は祥子が私に言う

『さぎり、この間のページの資料、参考文献表に入れた?』

「ごめん、まだだった!今からやる!」

ずっとこんな調子だった。

でも、今回は病んだりすることもなく、また唐突に詩乃に会いたくなって途中で帰ったりすることもなく(苦笑)残り少ない学生生活を、自分たちで始めたサークル活動に注いだ。

今思えば、この頃が1番楽しかったかも。

皆も私も元気だったし、就職活動を終えて気持ちにも余裕があったし。

サークル活動のことだけ考えて、集中していられた。

だから、本当に楽しかった!!





夏休みを終える頃、ついに最後の1ページが完成した。

それは、皆で考えた子供向けの歴史書。

文字はPCで打ったけど、絵は直接紙に描いて、それをスキャナーで取り込んだ。

ページによって絵の担当者が違うから、必然的にタッチも変わる。

でも、それが【手作り感】だって、皆で決めた。

写真は一切使わずに、絵と、字で表現した。

100ページ。

言葉で言ったり、実際に出来上がった本を見たら、大した量には見えない。

でも、完成までに辛いことも大変なことも沢山教えてくれた。

正真正銘、私達の本!!

「皆、ちょっと集まってくれる?」

私は、部室で誰にともなく話し掛けた。

皆私を中心に集まってくれた。

「皆、改めて、大変な作業お疲れ様でした。」

まず私はお礼を言って頭を下げた。

「私が言い出して始めたことなのに、私の方がだめになってしまったり、頼りないところも沢山見せてしまいました。」

「それでも、私から離れて行かずに、ずっと一緒に活動してくれて、私は本当に嬉しいです。」

泣かない。絶対に。

「皆がいてくれたから、完成できた本です。皆いなかったら、完成できなかった本です。」

最後の一言まで、頑張れ私!

「皆、最後まで一緒に活動してくれて、本当にっ…ありがとう、ございました!!!」

言い終えたら、涙が止まらなくなった。

皆泣いてた。

「由美ー!祥子ー!」

3人で抱き合って沢山泣いた。

『さぎり』

『さぎりー』

ありがとう、本当に本当に

二人のおかげだよ!!



その後は印刷と製本。これも皆最後までやりました。

来年以降、このサークル活動をどうするかも話し合った。

私は、後輩たちの意思に任せようと思ってた。

もしかしたら、この一冊で解散するって言うかもって思ったんだけど、

どうやら続けてくれるみたい!

まずは全3冊のセットにすることを目指して、さらに印刷と製本の方法も考えていくみたい。

頼もしい後輩を持って、私は本当に幸せだと思った。

後に、この活動が就職後の私に影響を与えることになるんだけど、それはまた別のお話。



夏休みも終盤に入ってしまっているけど、それでも私は図書館に向かった。

あらかじめピックアップした本を何冊か借りて、今日はゆっくり読み進めるつもり。

そう、サークル活動を終えたら今度は、創業論文が待っているから!





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!

タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。 姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。 しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──? 全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!

『紅茶の香りが消えた午後に』

柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。 けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。 誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

処理中です...