24 / 27
卒業6
しおりを挟む
『そうかなぁ?国内もいいけど、やっぱり海外じゃない??』
と、由美。活発で行動力のある彼女は、学生最後のイベントを派手に楽しみたいんだろう。
対して、
『海外かぁ、大丈夫かなぁ?』
大人しい祥子は国内派。卒業旅行はバタバタせずにゆっくりのんびり過ごす物にしたいみたい。
まぁ、どっちの言い分もよくわかるなぁ。
『さぎりは、どう思う??』
由美が私に意見を求めてきた。うん。こういう場合は、両方の意見の良いところを取る!
「由美が思う海外ってどういうところ?ヨーロッパとか、アメリカとか?」
『イタリアのつもりでいたけど、特にこだわりはないかな』
ふむふむ。
「じゃぁさ、バリ島とかグアムはどう?そこなら日本からも割と近いし、観光地化されてるはずだし。」
これには祥子も少し安心したみたいだった。
『それなら、いいかも。日本語が通じやすいところなら。』
「あ、それは大丈夫だと思うよ!今は指差し手帳っていう便利なものもあるし!」
指差し手帳っていうのは、日本語と、現地の言葉が並べて書いてあって、現地の人に伝えたいことを指差して読んでもらうっていう言葉通りの本。
っていう説明を付け加えた。
『なるほど。そんな便利なものがあるんだね。』
「うん、お父さんがたまに仕事で海外に行くから、家に結構揃ってるんだ!」
『まぁ、そのどちらかなら予算的にもいいかもね!』
「うんうん!どこに行っても楽しいだろうし、皆の希望を全部叶えるならこれが良さそうだね!」
その後も話し合って、卒業旅行はグアムに決まりました。
3人でならどこに行っても楽しいし、行き先にこだわりのなかった私としては、2人が納得できてよかったと思っている。
旅行期間は1週間!
学校の入試が行われる2月の終盤から3月の頭に掛けて予約をした。
旅行会社のプランに飛行機や宿も含まれていたので、自分たちでやることは現地でのプランを考えるだけだった。
これがもう楽しいのなんのって。
思えば大学生活の後半は、就活、サークル活動、論文。
それにアルバイトなんかで結構皆忙しかった。
大変だったことから解放されて、卒業までのわずかな時間。
皆この時間を、大切にしたいんだよね。もちろん、私もだよ!
私たちは、グアム島をこれでもかと満喫できるようなプランを立てた。
綺麗な海を一望できる恋人岬はもちろん、パガットケープっていう綺麗な洞窟を観に行った!
せっかくだから海にも入ろうかという話にもなったんだけど、これは海岸でのんびり過ごすだけにした。
グアムには大型のショッピングモールもあるので、お土産もたくさん買って、学生らしく歴史公園にも行った。
食べ物はシーフードや、とても口に入らなそうな巨大なハンバーガーにも挑戦したり、夜はお酒とおつまみで沢山話して、本当、これ以上ないくらい楽しい時間を目一杯満喫した。
もちろん写真もいっぱい撮ったし、これまでのことも振り返って、3人で大学生活を噛み締めた。
何度も思ったことだけど、本当の本当に卒業するんだな。
2人には、いっぱい助けてもらった。
ちゃんとお礼を言いたいけど、それは卒業式まで取っておこう。
「ねぇ、祥子は卒業後は東京だよね?由美はどうするの?」
『私は仕事が小山市の方だから、通えるんだけど、一人暮らししようと思ってるよ。』
「そっか。」
『なんで?』
「私、ちょっと迷っててさ。一人暮らしするか、実家から通うか…」
『詩乃君と同棲するか?』
と聞いたのは祥子だった。
「うん。でも、私実家出たことないからさ、いきなり2人暮らしってちょっと不安で。仕事も慣れるまで大変だろうし。」
『それは本人としっかり話し合ったほうがいいよ。でも』
と由美
「でも?」
『あぁ、こんなこと私が言うのもおかしいんだけどさ、』
「ん?」
『片桐君て、あんな見た目だけど、かなりしっかりしてるじゃない?なんか、同世代とは思えないってうか』
うん、まぁ、それはそうかな。
『だからさ、多分そういう、これからの事みたいに大事なことは、考えてくれてると思うんだよね。さぎりの意思とか立場のことも踏まえてさ。』
「あぁ、うん。そうかも。」
『だからさ、素直に思ってる通りに相談すればいいんだよ。あんなに親身になってくれる人、そうはいないよ!?』
「そっか。そうだね。」
2人ともニコニコと頷いてくれた。
「社会人になっても、遊ぼうね!せっかく祥子が東京にいるんだし、みんなで遊びに行こうよ!」
『いいね!ぜひ遊びにきてよ!』
これは、卒業旅行3日目のよるのことだった。
ここから旅行の後半になるんだけど、やっぱり楽しくて。
とっても大切な時間を大切な友達と過ごせて、幸せだった。
と、由美。活発で行動力のある彼女は、学生最後のイベントを派手に楽しみたいんだろう。
対して、
『海外かぁ、大丈夫かなぁ?』
大人しい祥子は国内派。卒業旅行はバタバタせずにゆっくりのんびり過ごす物にしたいみたい。
まぁ、どっちの言い分もよくわかるなぁ。
『さぎりは、どう思う??』
由美が私に意見を求めてきた。うん。こういう場合は、両方の意見の良いところを取る!
「由美が思う海外ってどういうところ?ヨーロッパとか、アメリカとか?」
『イタリアのつもりでいたけど、特にこだわりはないかな』
ふむふむ。
「じゃぁさ、バリ島とかグアムはどう?そこなら日本からも割と近いし、観光地化されてるはずだし。」
これには祥子も少し安心したみたいだった。
『それなら、いいかも。日本語が通じやすいところなら。』
「あ、それは大丈夫だと思うよ!今は指差し手帳っていう便利なものもあるし!」
指差し手帳っていうのは、日本語と、現地の言葉が並べて書いてあって、現地の人に伝えたいことを指差して読んでもらうっていう言葉通りの本。
っていう説明を付け加えた。
『なるほど。そんな便利なものがあるんだね。』
「うん、お父さんがたまに仕事で海外に行くから、家に結構揃ってるんだ!」
『まぁ、そのどちらかなら予算的にもいいかもね!』
「うんうん!どこに行っても楽しいだろうし、皆の希望を全部叶えるならこれが良さそうだね!」
その後も話し合って、卒業旅行はグアムに決まりました。
3人でならどこに行っても楽しいし、行き先にこだわりのなかった私としては、2人が納得できてよかったと思っている。
旅行期間は1週間!
学校の入試が行われる2月の終盤から3月の頭に掛けて予約をした。
旅行会社のプランに飛行機や宿も含まれていたので、自分たちでやることは現地でのプランを考えるだけだった。
これがもう楽しいのなんのって。
思えば大学生活の後半は、就活、サークル活動、論文。
それにアルバイトなんかで結構皆忙しかった。
大変だったことから解放されて、卒業までのわずかな時間。
皆この時間を、大切にしたいんだよね。もちろん、私もだよ!
私たちは、グアム島をこれでもかと満喫できるようなプランを立てた。
綺麗な海を一望できる恋人岬はもちろん、パガットケープっていう綺麗な洞窟を観に行った!
せっかくだから海にも入ろうかという話にもなったんだけど、これは海岸でのんびり過ごすだけにした。
グアムには大型のショッピングモールもあるので、お土産もたくさん買って、学生らしく歴史公園にも行った。
食べ物はシーフードや、とても口に入らなそうな巨大なハンバーガーにも挑戦したり、夜はお酒とおつまみで沢山話して、本当、これ以上ないくらい楽しい時間を目一杯満喫した。
もちろん写真もいっぱい撮ったし、これまでのことも振り返って、3人で大学生活を噛み締めた。
何度も思ったことだけど、本当の本当に卒業するんだな。
2人には、いっぱい助けてもらった。
ちゃんとお礼を言いたいけど、それは卒業式まで取っておこう。
「ねぇ、祥子は卒業後は東京だよね?由美はどうするの?」
『私は仕事が小山市の方だから、通えるんだけど、一人暮らししようと思ってるよ。』
「そっか。」
『なんで?』
「私、ちょっと迷っててさ。一人暮らしするか、実家から通うか…」
『詩乃君と同棲するか?』
と聞いたのは祥子だった。
「うん。でも、私実家出たことないからさ、いきなり2人暮らしってちょっと不安で。仕事も慣れるまで大変だろうし。」
『それは本人としっかり話し合ったほうがいいよ。でも』
と由美
「でも?」
『あぁ、こんなこと私が言うのもおかしいんだけどさ、』
「ん?」
『片桐君て、あんな見た目だけど、かなりしっかりしてるじゃない?なんか、同世代とは思えないってうか』
うん、まぁ、それはそうかな。
『だからさ、多分そういう、これからの事みたいに大事なことは、考えてくれてると思うんだよね。さぎりの意思とか立場のことも踏まえてさ。』
「あぁ、うん。そうかも。」
『だからさ、素直に思ってる通りに相談すればいいんだよ。あんなに親身になってくれる人、そうはいないよ!?』
「そっか。そうだね。」
2人ともニコニコと頷いてくれた。
「社会人になっても、遊ぼうね!せっかく祥子が東京にいるんだし、みんなで遊びに行こうよ!」
『いいね!ぜひ遊びにきてよ!』
これは、卒業旅行3日目のよるのことだった。
ここから旅行の後半になるんだけど、やっぱり楽しくて。
とっても大切な時間を大切な友達と過ごせて、幸せだった。
0
あなたにおすすめの小説
誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
某国王家の結婚事情
小夏 礼
恋愛
ある国の王家三代の結婚にまつわるお話。
侯爵令嬢のエヴァリーナは幼い頃に王太子の婚約者に決まった。
王太子との仲は悪くなく、何も問題ないと思っていた。
しかし、ある日王太子から信じられない言葉を聞くことになる……。
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
きっと、貴女は知っていた
mahiro
恋愛
自分以外の未来が見えるブランシュ・プラティニ。同様に己以外の未来が見えるヴァネッサ・モンジェルは訳あって同居していた。
同居の条件として、相手の未来を見たとしても、それは決して口にはしないこととしていた。
そんなある日、ブランシュとヴァネッサの住む家の前にひとりの男性が倒れていて………?
王妃は涙を流さない〜ただあなたを守りたかっただけでした〜
矢野りと
恋愛
理不尽な理由を掲げて大国に攻め入った母国は、数カ月後には敗戦国となった。
王政を廃するか、それとも王妃を人質として差し出すかと大国は選択を迫ってくる。
『…本当にすまない、ジュンリヤ』
『謝らないで、覚悟はできています』
敗戦後、王位を継いだばかりの夫には私を守るだけの力はなかった。
――たった三年間の別れ…。
三年後に帰国した私を待っていたのは国王である夫の変わらない眼差し。……とその隣で微笑む側妃だった。
『王妃様、シャンナアンナと申します』
もう私の居場所はなくなっていた…。
※設定はゆるいです。
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる