君との恋の物語-Red Pierce-

日月香葉

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出会い

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俺があいつを見つけたのは、大学生活が始まって本当にすぐのことだった。
大学生活なんて、楽しむためにあるのに、あいつは浮かない顔をしてた。
おかしな話だ。笑ったら絶対可愛いはずのあいつは、いつも悲しそうだった。








当たり前のことだけど、大学では決まった時間割は用意されていない。基本的には自分で組む。まぁ、必修は皆一緒だから、そこまで大きな違いはないけど。
俺は、その授業を履修するかは初回の授業に出てから決めようと思っていた。
その授業は珍しく、初回の授業に出席する場合は基本的にアンケートを提出する必要があった。まぁ、後から聞いた話だと、どうやらアンケートを出さなくても出席していいみたいなんだけど。だったらなんの為のアンケートなんだ?笑
まぁいいや。
教室の前に張り出された、座席表を見に行く。俺の席は、廊下寄りの、後ろの方か。良い席だ。
ん?
もう一度座席表を見る。
いや、確かにあれは俺の席だ。なのに、先に座っている人がいる。
服装は普通だけど、顔は、遠目にも中々可愛いように見える。タイプではないけど。

俺は、真っ直ぐその席に向かって行って
『あのさ』
と普通に話しかけた。
「え?なに?」
『この講義、席順決まってるみたいだよ』
いや待て、なんで普通に話しかけただけなのに最初から悲しそうなんだよ。
『そこ、俺の席だから。』
「そ、そうなんだ、ごめんなさい。」
そのままそそくさと立ち去ろうとする。
それも泣きそうな顔して。
『あ、ちょっと』
咄嗟に呼び止めた。
『お前さ、事前アンケート提出した?』
いらんお節介だ。
「アンケート?」
なるほど。
『やっぱりね、アンケートを出したやつは席順が貼り出されるんだよ。出さずに、やっぱり授業受けてみたいってなった人は通路を挟んで窓側に座ることになってるみたいよ』
「そ、そうなんだ。」
すると少し安心したような顔になった。
「ありがとう。」
その後、何故か教室の中を少しうろうろして、何故か出て行った。
は?授業出ないのか?
気付いたら追いかけて教室を出ていた。

まったく。いらんお節介だ。
 
 
 
 
食堂の隅で、1人ぽつんと座っている姿を見つけた。
『なに?さっきの講義やめたの?』
自販機で買ったであろう飲み物のカップを両手で持っている。
その左手には。。
なるほど。
「あ、さっきの。。」
自己紹介がまだだったな。
『あぁ、俺は、片桐詩乃。』
「私、山本、さぎり。」
さぎり。変わった名前だな。
「ていうか、なんで」
『いや、俺が話しかけたら急に出て行ったから、具合でも悪いのかと思って。』
現に、今も泣きそうな顔してるし。
「あ、大丈夫。なんか、出だしで空回りしちゃったから、あの講義は後期に回そうかなって思って。必修じゃないし」
『なんだ。まぁ、いいけど。』
と言って、正面の席に座る。
「え?講義。は?」
『いいや、俺も後期にする』
なんだか気になるんでね。
まぁ、おおよその見当はついてる。
「そう。。」
『ん?なんだ、やっぱりなんかあるのか?元気ないねぇ』
彼氏のことじゃないのか?
「いや、なんか、新しい環境で、ちょっと疲れちゃって。」
『まだ1週間じゃん。まぁでも、そう言うこともあるか。今日の午後、講義は?』
「うん、五限、だけ。」
『なんの?』
「歴史学。」
『なんだ、一緒じゃん。誰か一緒に受ける友達はいるのか?』
「あ、うん、この後、ここで待ち合わせしてる子達と、一緒。」
『そうか。まぁ、なら、いいか。』
1人なら一緒に出ようと言うところだった。
いらんお節介だ。
「なにが?」
『あぁ、一緒に受ける友達がいるなら心配ないなと思って。別に、深い意味はないよ』
「ありがとう。ごめんね、初対面なのに心配かけて。」
『いや、謝るほどのことじゃないよ。別になにもしてないし。さぎり、だっけ?は、どこ出身なの?』
「えっと、小山市。それより、名前。」
細かいな。笑
別にいいだろうよ笑
『あぁ、悪い、彼氏に怒られるか。小山市か。じゃ、まぁまぁ近いな。』
「うん、片桐君は、どこ出身?」
『俺は、宇都宮。大学のすぐ近くだよ』
そんなことより
『もう、長いのか?』
「え?なにが?」
なにがってことないだろ。
『今の彼氏と』
「うん、2年ちょっと」
『いいね。まぁ、それだけ長きゃケンカもするか』
その様子からして、彼氏となんかあったんだろ。
「してないよ。ケンカなんて」
ほう?2年も一緒にいるのにか?
『だとしたら、余計よくないかもな』
「なんで?いいことじゃない?」
『うーん、それは、人それぞれだろ』 
溜め込みすぎて悲しみが滲み出てるんだったらよくないと思うぞ?
チャイムが鳴る。今日はこんなところだな。
『じゃ、俺は行くわ。そろそろ友達も来るだろうし。』
「うん、あの、ありがとね。」
どこまで弱ってるんだよ笑
『?別になにもしてないよ。それより。彼氏と仲良くな。』
 これは本心じゃない。ただのお節介だ。
 

 山本さぎり。
ちょっとしか話してないけど、あれは根が深そうだなぁ。
多分、自分でも気付かないうちに彼氏に依存している。
羨ましいねぇ。
俺は、恋人ができたらガッチガチに依存されたい男なので。
重くないかって?まさか。恋人1人の気持ちすら受け止めきれないんじゃ彼氏失格だろ。
彼女の為によくないって?
なんでだよ。別にいいだろ。学生なんだし、そういう恋愛ができるのも今のうちだけなんだから。
 周りから一緒に居すぎだと言われるくらいがちょうどいい。
簡単に言ってしまえば、俺の全てをやるから代わりに相手の全てが欲しいみたいな。
全ては大袈裟だけど。

恋愛以外は全て全力の半分でいい。
勉強も、友達付き合いも。俺はそれでも勉強では常にトップでいられるし(そういうレベルの学校を選んでいる)友達の数も多い。
けど、恋愛だけは全力を出してみたい。
まだ俺の全力を受け止めてくれた人もいないし、全力で依存されたこともない。
そう言う相手が欲しい。





それからは毎日、学校に行ってはさぎりを探していた。
何故さぎりなのか?それはわからん。
ただ、会う度にどんどん元気がなくなっていってるように見えた。
全く、彼氏とやらはなにやってるんだかね。
そんなある日、珍しく1人でいるところを見つけたので、話しかけた。

『あ、今空きなの?』
やっと話せた。
「あ、うん。片桐君も?」
『うん。今日は、五限の社会学だけ』
相変わらず暗いな。笑
『なんだ、また暗い顔してんのか。なに?フラれた?』
思いっきり睨まれた。
わかったわかった。
『。。そんなに睨むなよ。悪かったって。』
どうせ依存するなら俺にすればいいのに。
「ごめん。。なさい。」
『いや、俺も悪かった。なんかあるなら、聞こうか?』
「んん、大丈夫。。」
大丈夫?まさか。
『でもないんじゃないか?この間より暗い顔してるぞ?』
あぁ、
『話しても意味ない。か?』
「なんでわかったの?」
大体みんなそう思うだろ笑
『なんとなくだよ。男絡みの話なら、男の俺に話してもいいと思うけどな。まぁ別にいいけど。』

 さぎりの手元で携帯が震える。
メールか?
すると、携帯を開いたその格好から全く動かなくなった。
目を見開いて、呼吸も荒い。
これは、まずいな。

『おい、大丈夫か?』
この一言で正気に戻ったようだった。
よかった。
「え?ごめん」
謝ることではない。
『なにが?別に悪いことしてないけど、すんごい怖い顔してるぞ。なぁ、ここまできたら、話せよ』
観念したようだ。

「あのね。。」
そう言ったきり、また固まる。
ほとんど瞬きもしないその目には涙が浮かび、流れ始めた。
もう止めることはできないようだった。
かなり大きな嗚咽と共に号泣している。
仕方ない。
 俺は、さぎりの隣に座って背中をさすった。
すると、少し落ち着いたようだ。
『大丈夫か?ちょっと出よう。ここじゃ、アレだから。』
そのままさぎりの肩に手を回して一緒に歩き出した。


おい、彼氏。お前こんなになるまでよくさぎりをほっといたな。
お前なんかより絶対俺の方がさぎりに相応しい。いいじゃねぇか、こんだけ依存してくれるんだったら思いっきり依存させてやれよ。
悪いけど、この状況はチャンスにさせてもらう。
さぎりは、お前なんかといるより俺といた方が絶対にいい。
 








 こう言う時は、馴染みの店に行くに限る。
俺は大学のすぐ近くに住んでいるので、この辺りにはそういう店も多い。

『いつもの席、空いてます?』
店内の奥にある、常連だけが使える席だ。
『ホットのカフェラテを二つお願いします』
この店のカフェラテは美味い。
それに、出てくるのも早い。
『とりあえず飲みなよ。美味しいから。落ち着いたら、話せばいいから』
さぎりは、息だけでありがとうと言ったようだった。
さっきより大分落ち着いてるみたいだな。
だけど、黙っていては意味がない。
『考えすぎると、多分どんどん苦しくなるよ。まとまってなくてもいいから、まず言葉にしてみるといい。』
すると、観念したようだ。
ポツリと話し始めた。
「あのね。。。」
 
さぎりの話を要約するとこうだ。
バイト先で変な男に付き纏われて困っている。
何度も何度も断っているがあまりにもしつこく誘われている。
その後の人間関係を気にして未だ店長には相談できていない。
彼氏には相談したが怒らせてしまったため、それ以上頼れず困っている。
状況としてはよくないけど俺にとっては大チャンスだな。
『なるほどね。その、大久保って人の電話番号わかる?』
お前が彼氏にしてほしかったことを俺がするんだよ。
「わかるけど、なんで?」
『ちょっと見せて』
「うん、けど、なんで」
何も言わずに携帯を取り上げる。
そのまま発信ボタンを押す。
「ちょっと!なにしてるの?」
これには唇に人差し指を充てて制した。
ほら、引っ込みがつかなくなったぞ。笑
もしもし、と野太い声の男が電話に出た。
さぎりからの電話じゃなくて悪かったな。
だけど、潰すぞ。
『あぁ、もしもし?あんたが大久保さん?誰ってそりゃこっちのセリフだよ。あんたさ、俺がいるのわかっててさぎりを何度も誘ってるらしいな。さぎりを誰の女だと思ってそんなことしてんだよ。何度も断ってんのにしつこく連絡してきて、その上(俺のこと避けてない?)てバカか?避けるに決まってんだろうが!で、いよいよ本人じゃどうしようもなくなってるみたいだから俺が電話したわけ。あ?部外者?どこが部外者なんだよ。そもそも彼氏持ちの女に言い寄ってんのがおかしいだろうが!あんたが大人しく引き下がりゃ見逃してやろうと思ってほっといてやったのに、そうかい、それならもういいわ。おたくの店長に直接話しますわ。どうせさぎり以外にも声掛けまくってんだろ?こっちは明るみに出て困るような話はなんにもないんで。あ?今更謝ったっておせぇよ。どのみち今のバイト先じゃもうやってけねぇだろ。さぎりが黙っててもいつか誰かが言うんだから。大人しくやめとけよボケ』
それからはただひたすら罵り、これ以上付き纏うなら警察呼ぶぞとかコンクリート漬けにするぞとか、まぁドラマで聞いたことのあるようなありきたりなセリフを声の凄みに任せて適当に言った。
効果はかなりあったようだ。
相手の口調はどんどん弱々しくなり、青ざめていく表情が見えるようだった。
バカめ。この程度でビビるなら最初から彼氏持ちに手出すなよ笑
さて、と。
電話切ってさぎりに返す。
『ごめんな。汚い言葉使って。あと、また下の名前で呼んだわ。彼氏のフリだから、勘弁してくれ。』
 さぎりは心からホッとしたような顔をしていた。
バカなのは彼氏も同じだ。お前がもたもたしているから俺が代わりにやってやったわ。
隙だらけだねぇ。
 
『まぁ、言った通り、明るみに出て困るのは向こうだから、こっちが強めに出ないとだめなんだよ。ごめん』
 さぎりは変わらずぼーっとしている。
そろそろちゃんと言っておかないとな。
『それとな、彼氏の言うように、ちゃんと店長に相談したほうがいい。本来なら、それを先にするべきだった。言い出しにくいのもわかるけど、もう先延ばしにはできないと思うぞ』

「うん。ありがとう。今日、ちょうどバイト休みだから、行ってみる。」
『そうだな。後、悪いんだけど連絡先教えてくれる?今回のことでなにかあったら、ちゃんと知らせてほしいから。』
方便だが、これで連絡先はわかる。
「うん、わかった。心配かけてごめんね。」

ここからは焦らない方がいいな。
ほっといても、勝手に連絡くるだろうし。


これは、俺から彼氏への宣戦布告のつもりだった。
今回のことが、彼氏の耳に入るとは思えないが、さぎりの気持ちは少なからず俺に向くだろう。
悪く思うなよ。隙を見せたお前が悪いんだ。
さぎりは、絶対に俺がもらう。



















自分の部屋に戻ると、左耳からピアスを外した。
青く光るそのピアスは相変わらず綺麗だった。
もうこのピアスをすることはないだろう。
これは、元恋人にもらった物だ。
別に引きずっていたわけではないが、別の人を好きになるまで着けていようと決めていた。
だから、外す。
結、お前よりも深く愛せる相手を見つけたよ。
そいつはお前よりもずっと深く俺を愛し、受け止めてくれるだろう。
これで、本当にさよならだ。




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