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「これ、うまいすけど、女神の口には合わないんす・・・うぎやっ!」

「これ以上、花のことを女神呼ばわりしないでくれないかな?」

「うう・・・もうちょっと言葉で言ってっす・・・意外と痛いんすけど・・・」

足をさするクマに僕は極上の笑顔を浮かべた。

「居候を卒業したいのかな?」

そんなことよりも、花のほうが心配だ。

口に合わなかったんだろうか。

ダトスは、この国の指に収まるくらいの有名なシェフでもある。

僕も彼の腕には問題がないと思うのだが・・・

ダトスは、花をあまりよく思っていない。

余計にヒートアップした。

予想通りに。

「その小娘め。二度と私の料理を食わさん」

「ええ、花さん死んじゃいますけど?」

「構わん」

そんな二人の会話を聞き、僕は考え込む。

これから、どう過ごしていこうかと・・・
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