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高校生連続バラバラ殺人事件
14話
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「地雷さん!別のところでまた似たような手口で事件が起こりました!現場は桜庭市3丁目の裏路地です!」
「!!」
千里は人間のいやな予感というのは実によく当たるものだ。そんな風に思いながらそして、本当に当たって欲しくない嫌な予感ほどそのとおりになるのだと改めて実感した。引きつった笑いを少し浮かべてから、引き締めるとすぐさま第一の事件現場に残す人員と第二の現場に向かうものの二手に分かれさせた。こっちの現場検証も必要だったのもある。優秀な部下だと信用しているものを何人か今の現場に残し、千里は新たな現場に向かっていた。
「被害者の名前は笹原幸人(17)、星光学園の生徒のようです」
「……情報が早いな。さすが俺の片腕なだけあるね。期待しているよ、佐々木さん」
車を走らせてから数分後、千里のとなりに座った佐々木宗二朗がおもむろに口を開くと、被害者の情報を話していた。千里はその情報の速さに驚きつつ面白そうに笑いながら感心していた。その顔を見ると宗二朗は満足げにほほ笑む。佐々木は千里のこのなんとも言えない不敵な笑顔が何よりも大好きだった。
この男、佐々木宗二朗は千里が赴任した直後に千里の教育係兼補佐としてやってきたのだが、佐々木は正直な話、千里がこの数か月でメキメキと力をつけていき最近では既にもう何も教えることはない、と思っていた。最近では逆に教わるようなことばかりで隣に座るこの小さな警視総監には頭が上がらなかった。それでも彼女のことが気に入った宗二朗は自分がもともと得意だった情報収集の技を少し前の事件の時に披露すると、ものすごく驚いた顔をしてから、「ありがとう、助かった」そう言いながらニッと笑った後に佐々木の提供した情報とともに千里が的確に指示を出したこともあった。それらは確かに、すべて小規模な事件で、学校に通っている千里を呼び出すほどのものではなく、学校帰りに寄ってもらい、手伝いをしていたかんじだった。大きな事件は千里にとっては初めてなことになる。今まであまり捜査に加担していないのもあり、意外と千里は馬鹿にされていることが多かった。千里は気にはしていなかったが、千里を快く思っていない人物が警察署内でもいるのは確かだった。しかし、そんな初めての大事件でまさか知り合いの命が狙われている、それに千里が気が付くのはあと数時間先になるのだった。
千里たち警察が現場に着くとすでに野次馬が集まっていたので関係者以外に引き払ってもらうように手配をし、被害者遺族に至ってはパトカーの中でほかの刑事の人に聞いてもらう事にした。その指示をしてもらっている間に千里は遺体の状態を確認する。
切り取られていたのは腰で上半身と下半身は真っ二つに分かれていた。千里はその様子を見て顔を青ざめさせながらまじまじと見つつも何かが胸につっかえている気がしていた。その答えは少し前に聞いた覚えがあって、のどまではでできているのに出てこないのだ。
「なんだっけ、そう、伊織……伊織に聞いたんだよ……この間……あぁ、くそっ……ここまで出かかってるのに……。ええっと……何だっけ」
悔しそうに顔を歪めながら頭を掻きむしる。思い出せないことがもどかしくてもどかしくて仕方がなかった。二年前の事件と共通点は体の特定の一部が切り取られている、というところで違うところは年代だ。二年前のあの事件は伊織の母親であった詩織さんの同じぐらいの年代の人……、いわゆる専業主婦やサラリーマンといった働き盛りの年代だった。
今回は自分と同じ、学生────、それもこの周辺の高校の学生だった。
「あと少し、あと少しで何かつかめそうなのに……」
二年前と同じように切り取られているのは左腕、腰、足────。どこかで聞いたことがあるような気がしてならなかった。そうだ、あの時だ。千里は不意に見上げた時、遠くに薙刀を持った他校の生徒が目に入り、思い出す。珍しい、薙刀部の生徒だ。────そうこの間薙刀部の見学をしたときに“薙刀を行う上でとても大切なところだ”と伊織が話していたことを。
「そうだよ……そうだ。あの時だ、如一に誘われて」
あの頃の詩織さんの薙刀の腕前は確かにうっすらとしか覚えていないが、強かったはずだ。物凄く。後、あの2人にはとある共通点があった。特に気に留めていなかったのもあり、しっかりとは覚えていないのだが一時期、如一の母親と、伊織の母親はまさに“今の如一たちのように戦っていたいた”のだ。
「まさか……。いやいや……」
そこまで考えると、千里は一つの嫌な予感に至っていた。できることなら当たって欲しくはない予想なのだが、それを肯定づけるかのように無残にも橘詞織は殺されていた。これは、なにか大きな組織、それも知り合いの組織が関わっていることが分かってしまった。後で再び報告書をよく読み返さなくては、と思いながら、これは1人では無理だ、という判断を下す。なるべく人を巻き込まず、一人で解決に導きたかった千里は一度苦虫をかみつぶしたかの様な顔をした後に二人の人に協力を求むメールを送るのだった────。
「!!」
千里は人間のいやな予感というのは実によく当たるものだ。そんな風に思いながらそして、本当に当たって欲しくない嫌な予感ほどそのとおりになるのだと改めて実感した。引きつった笑いを少し浮かべてから、引き締めるとすぐさま第一の事件現場に残す人員と第二の現場に向かうものの二手に分かれさせた。こっちの現場検証も必要だったのもある。優秀な部下だと信用しているものを何人か今の現場に残し、千里は新たな現場に向かっていた。
「被害者の名前は笹原幸人(17)、星光学園の生徒のようです」
「……情報が早いな。さすが俺の片腕なだけあるね。期待しているよ、佐々木さん」
車を走らせてから数分後、千里のとなりに座った佐々木宗二朗がおもむろに口を開くと、被害者の情報を話していた。千里はその情報の速さに驚きつつ面白そうに笑いながら感心していた。その顔を見ると宗二朗は満足げにほほ笑む。佐々木は千里のこのなんとも言えない不敵な笑顔が何よりも大好きだった。
この男、佐々木宗二朗は千里が赴任した直後に千里の教育係兼補佐としてやってきたのだが、佐々木は正直な話、千里がこの数か月でメキメキと力をつけていき最近では既にもう何も教えることはない、と思っていた。最近では逆に教わるようなことばかりで隣に座るこの小さな警視総監には頭が上がらなかった。それでも彼女のことが気に入った宗二朗は自分がもともと得意だった情報収集の技を少し前の事件の時に披露すると、ものすごく驚いた顔をしてから、「ありがとう、助かった」そう言いながらニッと笑った後に佐々木の提供した情報とともに千里が的確に指示を出したこともあった。それらは確かに、すべて小規模な事件で、学校に通っている千里を呼び出すほどのものではなく、学校帰りに寄ってもらい、手伝いをしていたかんじだった。大きな事件は千里にとっては初めてなことになる。今まであまり捜査に加担していないのもあり、意外と千里は馬鹿にされていることが多かった。千里は気にはしていなかったが、千里を快く思っていない人物が警察署内でもいるのは確かだった。しかし、そんな初めての大事件でまさか知り合いの命が狙われている、それに千里が気が付くのはあと数時間先になるのだった。
千里たち警察が現場に着くとすでに野次馬が集まっていたので関係者以外に引き払ってもらうように手配をし、被害者遺族に至ってはパトカーの中でほかの刑事の人に聞いてもらう事にした。その指示をしてもらっている間に千里は遺体の状態を確認する。
切り取られていたのは腰で上半身と下半身は真っ二つに分かれていた。千里はその様子を見て顔を青ざめさせながらまじまじと見つつも何かが胸につっかえている気がしていた。その答えは少し前に聞いた覚えがあって、のどまではでできているのに出てこないのだ。
「なんだっけ、そう、伊織……伊織に聞いたんだよ……この間……あぁ、くそっ……ここまで出かかってるのに……。ええっと……何だっけ」
悔しそうに顔を歪めながら頭を掻きむしる。思い出せないことがもどかしくてもどかしくて仕方がなかった。二年前の事件と共通点は体の特定の一部が切り取られている、というところで違うところは年代だ。二年前のあの事件は伊織の母親であった詩織さんの同じぐらいの年代の人……、いわゆる専業主婦やサラリーマンといった働き盛りの年代だった。
今回は自分と同じ、学生────、それもこの周辺の高校の学生だった。
「あと少し、あと少しで何かつかめそうなのに……」
二年前と同じように切り取られているのは左腕、腰、足────。どこかで聞いたことがあるような気がしてならなかった。そうだ、あの時だ。千里は不意に見上げた時、遠くに薙刀を持った他校の生徒が目に入り、思い出す。珍しい、薙刀部の生徒だ。────そうこの間薙刀部の見学をしたときに“薙刀を行う上でとても大切なところだ”と伊織が話していたことを。
「そうだよ……そうだ。あの時だ、如一に誘われて」
あの頃の詩織さんの薙刀の腕前は確かにうっすらとしか覚えていないが、強かったはずだ。物凄く。後、あの2人にはとある共通点があった。特に気に留めていなかったのもあり、しっかりとは覚えていないのだが一時期、如一の母親と、伊織の母親はまさに“今の如一たちのように戦っていたいた”のだ。
「まさか……。いやいや……」
そこまで考えると、千里は一つの嫌な予感に至っていた。できることなら当たって欲しくはない予想なのだが、それを肯定づけるかのように無残にも橘詞織は殺されていた。これは、なにか大きな組織、それも知り合いの組織が関わっていることが分かってしまった。後で再び報告書をよく読み返さなくては、と思いながら、これは1人では無理だ、という判断を下す。なるべく人を巻き込まず、一人で解決に導きたかった千里は一度苦虫をかみつぶしたかの様な顔をした後に二人の人に協力を求むメールを送るのだった────。
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