17 / 32
狗族
しおりを挟む
《柃菊side》
「瀝姫、もし何かお悩みがあるなら私に話してくださいね、お役に立てるかもしれませんし、気が向いたらでもいいので」
私ははそう言うと医務省を出ていく。
「おかえりなさい」
自分の部屋である菊の間に戻ると、ルゥは扉の前でぴょこんと座っている。可愛い。フォルは相変わらず床でグースカ寝ているけど。
「どうしたの?ルゥ」
「お姉ちゃんを待ってたの」
「別に待たなくても良いのに」
「いや、それはそいつの性《サガ》だ」
フォルはムクリと起き上がりそう言った。
「ルゥは多分、狗族の獣人だろう」
狗族?猫じゃないの?と首を傾げる。
「そうだ、獣人は主人と認めた者に仕えるという性質を持つ。狗族は獣人の中でも主人を求める性質が強いんだ。それゆえ獣人の中でも身体能力が高いが主《あるじ》を亡くすと消失の病で弱ってしまうがな」
「はぁ?」
「そのおかげで栄養失調を起こしていたのに二日足らずでまだ健康とは言い難いがかなりマシになったろ?」
そうだ、ルゥは一昨日ここに連れてきたばっかりだ、なのにスクスクと背が伸び、痩せていた体も幾分かマシになった。
一昨日まで私の腰くらいの身長だったのに、今は私の肩程までの身長になっている。
「そう、身長も伸びてるんだけど?」
「そうだ、獣人の身長は高い。前までルゥは栄養が足りてなくて、成長してなかったが栄養が取れるようになって、その反動で伸びたんだろう」
「へぇ」
私はフォルをじいっと見つめてみる。
「フォルは何の獣人?」
「俺?」
「うん」
「瀝姫、もし何かお悩みがあるなら私に話してくださいね、お役に立てるかもしれませんし、気が向いたらでもいいので」
私ははそう言うと医務省を出ていく。
「おかえりなさい」
自分の部屋である菊の間に戻ると、ルゥは扉の前でぴょこんと座っている。可愛い。フォルは相変わらず床でグースカ寝ているけど。
「どうしたの?ルゥ」
「お姉ちゃんを待ってたの」
「別に待たなくても良いのに」
「いや、それはそいつの性《サガ》だ」
フォルはムクリと起き上がりそう言った。
「ルゥは多分、狗族の獣人だろう」
狗族?猫じゃないの?と首を傾げる。
「そうだ、獣人は主人と認めた者に仕えるという性質を持つ。狗族は獣人の中でも主人を求める性質が強いんだ。それゆえ獣人の中でも身体能力が高いが主《あるじ》を亡くすと消失の病で弱ってしまうがな」
「はぁ?」
「そのおかげで栄養失調を起こしていたのに二日足らずでまだ健康とは言い難いがかなりマシになったろ?」
そうだ、ルゥは一昨日ここに連れてきたばっかりだ、なのにスクスクと背が伸び、痩せていた体も幾分かマシになった。
一昨日まで私の腰くらいの身長だったのに、今は私の肩程までの身長になっている。
「そう、身長も伸びてるんだけど?」
「そうだ、獣人の身長は高い。前までルゥは栄養が足りてなくて、成長してなかったが栄養が取れるようになって、その反動で伸びたんだろう」
「へぇ」
私はフォルをじいっと見つめてみる。
「フォルは何の獣人?」
「俺?」
「うん」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる