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夫が不倫したのだが、どうやら私が原因らしい。

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夫が不倫した。
相手は凄く若くて可愛い女の子。
しかも、伯爵のご令嬢らしい。


まあ、夫婦になって5年経つし、夫は熱しやすく冷めやすいタイプだから、ずっと同じ相手を思い続けるのは難しいのかもしれない。
けれど、結婚した以上好きでい続ける努力はしてほしいものだ。

夫に、

「どうして不倫なんかしたの?」

と聞いてみたら、返ってきた答えが。

「つい出来心というか。俺が不倫したら、お前はどんな反応するのかなと思って。最近、お前冷たいしさ。俺としては寂しかったんだよ」

「何そのしょうもない言い訳。何?私が原因で不倫したっていうの?」

「いや、まあ、そうなのかなぁ」

「はあ?ふざけてんの?」

「ごめんなさい」

夫が謝る。
ヘラヘラした態度で謝られても、許す気にはなれない。


これからのことについて話し合いたいのに、夫は、

「離婚は世間体悪いし」

とか何とか言って、話にならなかった。




後日。夫は浮気相手である令嬢に別れを告げたらしい。

しかし、令嬢は応じようとしなかった。

好きになった人が既婚者で突然別れを告げられてパニックになった令嬢は、情緒不安定になって自殺未遂までしたという。

事の経緯を知った令嬢の両親は、もうカンカンに怒っているとのこと。


伯爵を怒らせてしまった夫が、

「どうしよう……。助けて」

私に助けを求めてきた。

「知らんがな」

って、私は答えた。夫は絶望していた。



その後、令嬢のご両親が私たちの家に来た。

「ちょっとご主人にお話があります」

と言って、夫を連れて行った。

それ以来、夫は家に帰ってきていない。
おそらく、あちらからこってり絞られているんだろう。

可哀想に、と思う。
けれど、既婚者なのに若い女の子に手を出した夫の自業自得なんだからしょうがない。
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