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元婚約者の家が没落したらしい。

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好きな人がいる。

お父様が開いてくれた私の誕生日パーティーで、知り合った彼。
イケメンで、宝石のような瞳で私を見つめてくれて、私はその瞳に釘付けになった。

彼は父の友人である公爵令息のエドウィンだと知った。

父に、

「なんだか、あの人良いわね」

と言ったら、お見合いの席を設けてくれたの。

それからはトントン拍子に進んで、婚約成立した。

しかし、彼は他の女性と交際していたんだ。

エドウィンと見知らぬ女が宿屋に入っていくところを見てしまい、私はショックを受けて、

「何してんの?!私と婚約してるのに!」

と怒鳴った。

彼は、

「私の本命はこっちなんで」

と、女を指差す。

にっこり笑う女。

悔しくて、私は叫んだ。

「じゃあ婚約は破棄してあげるわ!」


どうしてあんなことを言ったんだろう。
はっきりと言ってしまった手前、なかったことにはできない。


そのまま、婚約破棄となり……。

エドウィンは、あの女と結婚したらしい。

羨ましいことだ。
不幸になってしまえば良いと願うほどに。




数ヵ月後。
エドウィンの家が没落したと聞いた。
なんと、エドウィンがあの女に貢ぐために多額の借金を作ってしまったのだという。

本当に不幸になってしまったようだ。



エドウィンの家が没落して一年経った頃、私はエドウィン以外の男性と結婚した。
今は穏やかに暮らしている。
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